茶豆おぼろ納豆腐
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最終更新日 平成13年9月9日
平成13年8月26日、2001年の夏も終わりとなり、あの暑かっ た恋の季節?も終わろうとしています。 夏といえば、夏休み。夏休みと言えば自由研究課題・・・・ ということで、昨年収穫したものですが、自分で作った黒崎茶豆を使っ て茶豆豆腐を作り、納豆と豆腐を1:1で和える「納豆腐」を作るのを 2001年夏の自由研究課題とすることにしました。
まずは、昨年収穫した黒崎茶豆を軽く、水道水で洗い、谷川岳で汲ん できた水に約8時間ほど、漬け込みます。 なかには出来の悪い豆のいくらかありますが、いままでも主張してきた ように、トレビアン三井田としては、「自由、博愛、平等」のフランス 革命の精神をもって大豆と接しておりますので、全部を使います。 昼過ぎになり、8時間ほど経ったところで、大豆を漬けていた水少々 とぷっくりと膨らんだ大豆をミキサーにかけ、生呉(なまご)を作ります。
ミキサーは、学生時代に買ったものなので、数分使うと過負荷だから なのでしょうか、
「ウィィィ〜ン、ガッ、カッカッ」 (ミニモニの「だっぴょ〜ん、カッ、カッ」風にサーモスタット切れる)
と止まってしまいますが、長年連れ添った相棒なので、
「素敵だよ、その廻し具合。 キミは、若いときのままだぁ・・・とっても綺麗だよ」
と、洋画劇場で翻訳された洋画のワンシーン(訳:戸田奈津子氏?)の ように、誉めてあげながら使います。 なんとかすべての大豆を生呉にしたところで、豆乳とおからを分ける ため、生呉を布でつつんで、濾します・・・というよりは布でつつんで 絞りあげます。
生呉をつつんだ布を触ると、適度なやわらかさ、なめらかさがあり、 なにやら艶めかしい感じがしますが、そこは心を鬼にして、思いっきり 力を入れ、ギュッギュと絞ります。 なんだか、6歳違いの妹を身籠もったときの母親が、似たようなこと をしていたような気もしますが・・・・。
豆腐作りのプロや機械なら、完全に乾いたおからと濃厚な豆乳に別れ るのですが、未熟な私は、茶豆の皮がチョコチップに見え、いかにも クリーミィで美味しそうなおからと、ちょっと頼りなさそうな豆乳になっ てしまいました。
おからは、翌日に「卯の花」として料理することにして、ここからは 豆乳だけを使います。 大きな鍋のなかに小さな鍋をいれ、湯せんするかたちで豆乳を加熱し ますと、いままでは青臭かった豆乳が、フッと甘い香りをだしてきます。
*ちなみに加熱途中の泡は、美肌効果を期待して、妹が湯船に入れて楽 しんでおりました・・・・
まさにできたての豆乳でございます。頭ではすくえないので、おたま ですくって、下品にズズィーとやりますと、濃厚な大豆の旨味が口いっ ぱいに広がり、
「おおっ、大地の力をもらったぞぉぉ、マイウー」
という感じです。そこで、思わずエビス・ビール 500ml缶をパシュ! ゴキュッ、ゴキュッ。
「おいおい、豆乳なんか酒のつまみにならんだろ!」
とお怒りになる方もいらっしゃると思いますが、まぁ、ここはひとつ落 ち着いて下さい。気を落ち着かせながら、極上の醤油、おろした生わさ び、団扇をご用意頂ければお分かりになります。 湯せんしている豆乳をさらに加熱しながら、団扇で豆乳の表面をパタ パタ扇ぎます。
すると何ができるか・・・・・クックックッ、できたての湯葉です。 固まった豆乳の表面を箸ですくいあげると、ちょっと薄いのが気にな りますが、立派な湯葉ができています。
納豆味噌造りでできた「たまり」に、金おろしで摺り下ろしたわさび (長野県産と表記あり)を入れ、そこにできたての湯葉をチョイとつけ、 パクッ!そして、ビールをグイグイ・・・SUPERBでございます。 早くもビール2本目に手をかけたところで、豆乳を火から下ろし、 温度計を使って70度まで温度が下がったのを確認して、「にがり」を うちます。 にがりは、液体にがり「海の精にがり」(海の精株式会社 電話03-3460-3914)を使用し、おぼろ豆腐ということなので、2.5倍 に薄めてみました。 にがりをうった豆乳を冷蔵庫に入れ、あとは固まるのを待つだけです。 固まるのを待つため、ビールを飲みながらしばらくウロウロしていると、
「おめさん(あなた)、これいるかね?」
と祖母が大きな鉢植えを指さしました。
「えっ?それ何?」
と聞きますと、なんともオツな名前のお花「月下美人」でした。 夏の夜、美しい花を数時間だけひらかせ、なんとも言えぬ芳香がある と言われている「月下美人」。 「月下美人」の花が咲くのを待ちながら、お酒をチビリチビリと飲み、 自分で作った茶豆おぼろ豆腐納豆を食べる・・・・これで決まりです。 早速、ヨイショ、ヨイショと「月下美人」の鉢を自分の部屋まで持っ ていき、新潟の銘酒「八海山」を陶芸教室で作った片口鉢にトクトクと 入れ、肴としてノルウェー産のサーモン刺身、アオリイカ刺身、母に 作ってもらったタコと胡瓜の酢の物、ジャガイモとタマネギのみそ汁 (信州みそ)、そして、コシヒカリで炊いたご飯の上に鰻(残念ながら 中国産)をのせて、準備完了。 冷蔵庫からは、できあがった茶豆おぼろ豆腐をだしてきて、ネギ、鰹 節をのせて盛りつけます。ちょっと、にがりを薄め過ぎたようで、ドロ ドロになってしまったおぼろ豆腐ですが、スプーンですくって食べれば 問題ありません。
納豆は、ヤマダフーズさんのひきわり納豆を使用し、1:1になるよ うに和えます。
いよいよ、2001年夏の自由研究課題の発表?です。
まずは醤油も入れないそのままの茶豆おぼろ豆腐をスプーンですくっ て一口。
「はふぅ・・・」
としか言いようのない、美味さです。そのまま加熱すればチーズ・フォ ンデュのような料理ができそうなくらいの濃厚さ。さらに醤油を加えて、 味を引き締めるとまさにパラダイス。お酒もグイグイ、手酌で飲みます。 続いて、納豆を和えた茶豆おぼろ豆腐納豆を一口。 豆腐の包み込むような濃厚さ、ひきわり納豆の旨味の暴力、醤油の規 律、口のなかがまるで大都会になったような味の喧噪を感じます。 もちろん、お酒もさらにグイグイ飲みます。 手元には、いつでも月下美人の花を撮れるようにデジカメを置いてあ りますので、安心して飲むことができます。 酒、刺身、酒、茶豆おぼろ豆腐、酒、酢の物、鰻丼を一口、酒、と やっていくうちに、なんだかいい気持ちになってきました。 作成過程でビール500ml2本、食べ始めてからお酒が約六合ですから、 酔っぱらわないわけがありません。
「早く咲かないかなぁ〜、月下美人ちゃん」
と私の記憶はここまでで、気が付いたら深夜二時・・・・・・・。 生呉を絞った疲れなのか、はたまた夏の疲れなのか、不覚にもウトウ トと眠ってしまいました。 見事に「月下美人」の開花を逃し、なんとも言い難い悔しい思いは残 りましたが、2001年夏の自由研究課題、一応、成功です。 来年の夏こそは、月下美人の開花を見ながら、納豆料理で美味しいお 酒を飲みたいと思います。 えっ?酒を飲むのが目的になっているって? いいんです、大人の「夏の自由研究課題」ですから。
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