納豆100gに含まれる栄養分

一般的な発泡スチロール容器の納豆2パック分です。
最終更新日 平成29年9月28日

成分名 説     明 含有量
エネルギー   200kcal 
タンパク質 全身細胞の原料です。 糸引き納豆 16.5g
引き割り納豆 16.6g
脂質   10.0g 
食物繊維
(水溶性)
  糸引き納豆 2.3g
引き割り納豆 2.0g
食物繊維
(不溶性)
  糸引き納豆 4.4g
引き割り納豆 3.9g
ビタミンA    なし 
ビタミンB1   糸引き納豆 0.07mg
引き割り納豆 0.14mg
ビタミンB2  細胞の再生や成長を促進するはたらきのあるビタミンで、健康な
皮膚、髪、爪をつくります。そのほか、脂質の代謝を促進し、糖質
の代謝にも関係しています。
 不足すると、脂質の代謝がスムーズにいかず、エネルギーに
なりにくくなります。
 また、粘膜を保護するはたらきもあるので、不足すると口内炎、
口角炎、目の充血、角膜炎などを起こします。
 人間が糖などを栄養として摂取して、エネルギーを得るための化
学反応として酵素が必要ですが、酵素には補酵素が必要な場合
があり、その役目をビタミンB2が行うため、上記の働きをします。
 納豆を一日1パック食べれば ほぼ必要量をとることができます。
 ビタミンB2は、摂りすぎても尿となって出てしまうだけなので、
食べ過ぎても特に問題はありません。
糸引き納豆 0.56mg
引き割り納豆 0.36mg
ビタミンC   なし 
ビタミンE  血流を良くし、細胞に新鮮な酸素や栄養を運び、老廃物をだす
働きを助けます。
糸引き納豆 1.2mg
引き割り納豆 1.9mg
ビタミンK  ビタミンKは、Koagulation(血液凝固)に由来し、血を凝固させる
作用があります。また、ビタミンK(特にK2)は、カルシウムが
骨になるのを助ける「骨たんぱく質(オステオカルシン)」の働き
を高めます。ヒトの腸内細菌でも、一日の必要量の一部は作ら
れるので、納豆を一日1パック食べていれば 十分な摂取量に
なります。ビタミンK2を多く含む食品は納豆だけです。
糸引き納豆 870μg
引き割り納豆 1300μg
カルシウム   糸引き納豆 90mg
引き割り納豆 59mg
マグネシウム   糸引き納豆 100mg
引き割り納豆 88mg
  糸引き納豆 3.3mg
引き割り納豆 2.6mg
亜鉛   糸引き納豆 1.9mg
引き割り納豆 1.3mg
カリウム  体内のナトリウムを排出するので、降圧作用や細胞の再生に
効果があります。
糸引き納豆 660mg
引き割り納豆 700mg
リノール酸  俗に言う悪玉コレステロール値を下げ、動脈硬化や心臓病を防ぎ
ます。
 大豆に、飽和脂肪酸を多く含む植物性脂質が約18%含まれてい
ます。
 しかし大豆に含まれる脂肪分は約85%がリノール酸・リノレン
酸といった身体に良い不飽和脂肪酸(コレステロールは0)です。
 これらは必須脂肪酸とも呼ばれ、特にリノール酸が50〜60%
も占めているのが特徴です。

53.0mg
イソフラボン  女性ホルモンに似たはたらきをもつため、骨がもろくなる骨粗鬆
症を防ぎます。
 最近わかった成分で、女性の乳ガンや男性の前立腺ガンの予防効
果でも脚光を浴びています。
106000μg
レシチン   大豆換算100g中 0.9g
セレン 抗がん作用があるといわれています。がん患者の血液にセレンが
少ないことから、セレンの抗がん作用が研究されるようになりました
が、その仕組みについては、まだ解明されていません。アメリカでは
セレンが既に抗がん剤としてがん患者に投与されています。
サポニン 血管をしなやかにして、動脈硬化や高血圧などを防ぎます。  
ナットウキナーゼ
    酵素類
 納豆菌がつくりだす酵素には、たんぱく質をアミノ酸に分解する
「プロテアーゼ」、デンプン質をブドウ糖に変える「アミラーゼ」、
中性脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解する「リパーゼ」、繊維質を
糖質に分解する「セルラーゼ」、その他に「ウレアーゼ」「パーオ
キシダーゼ」「カタラーゼ」「ペクチナーゼ」等々です。 さらに有名な
『ナットウキナーゼ』は、心筋梗塞や脳硬塞の起因となる
血栓を溶かす酵素として非常に注目されています。これは従来、
心筋梗塞の発作時に投与されていた血栓溶解剤「ウロキナーゼ」が
30分程度の効果しかなく、一回の投与で20〜30万円もかかっ
ていたのに対し、ナットウキナーゼなら納豆100gに含まれるも
のだけでよく、更に8時間も効果が持続するからです。
 血栓を防ぐためには1日100〜200gの納豆食で良いとされ
ています。先にあげた「プロテアーゼ」がたんぱく質を分解する時
に生成する物質が、血圧を上げる「アンジオテンシン変換酵素」の
働きを強く抑える事などもあわせて、納豆食が血管・心臓・血流の
健康に非常に良い効果を発揮します。
 
ジピコリン酸  納豆のネバネバした糸の中に含まれ、納豆菌が増殖する際に作り
出されます。抗菌作用があり、O−157やコレラ、赤痢、チフス
などに対して強い働きをしめします。
 
ムチン質  ネバネバのことです。
 オクラ・山芋の粘りと同じもので、正式な学名は「グルタミン酸
ポリペプチド」といいます。肌をうるおす効果があるため、若々し
い肌をつくります。
 また、タンパク質の吸収を助ける作用があり、胃壁を保護して、
胃かいようや胃炎を防止してくれます。
 

*第五訂 日本食品標準成分表より




納豆の栄養的な弱点


 納豆にはビタミンAとビタミンCは含まれていないため、完全食
とするには補う必要があり、薬味としてビタミンA・Cを含む、
刻みネギを入れることは、先人の知恵と思います。
 現代の野菜では、ビタミンAとビタミンCを多く含む「ブロッコリー」
等と組み合わせれば、完璧な栄養バランスとなります。

 


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