富士山で納豆造り&ご来光納豆
最終更新日 平成13年9月19日

去る平成12年11月22日(水)、神奈川県伊勢原市の
を訪れた際、低酸素下での納豆造りに耐えられる納豆菌は、SOD
(スーパーオキサイド・ディスムターゼ)という「活性酸素を取り
除く酵素」を生産する量が多いのではないか、という仮説をお聞き
しました。
それでは、
「低酸素の環境を実験室で再現して造って試してみましょう」
・・・・・では、自称・納豆冒険家の名折れ!!
「日本一高い場所・富士山で納豆を造ってみましょう!」
ということになり、さらには、せっかくなので富士山頂上でご来光
を見ながら納豆を食べることになりました。
実験室でやった方が効率的であり、良い結果を生むかも知れませ
んが、やはり納豆冒険家にはロマンが必要です。
よく、松本零士著『キャプテン・ハーロック』等で見られる、
「男にはロマンが必要だ」
等に対し、
「男には口(くち)マンが必要だ」
というセクハラ発言や
「男にはロマン吉忠(よしちゅう)、ガハハハ」
といったオヤジ・ギャグを言う方がいらっしゃいますので、十分
ご注意?下さい。
・・・話を元に戻します。
平成13年8月3日(金)18:00、山梨県側の富士吉田口
五合目から登山を開始しました。
竹中さん、遠藤さん、オフ会初参加のKさん、そして三井田の
計5名です。
今回の納豆造りには、昨年(平成12年)、自分で育てた新潟県
・黒崎名物の茶豆を使用し、納豆菌は高橋菌と見学でお世話になっ
た大山豆腐さん「お父上のお役に立ちたいの!! そばとろ納豆」
をスターターにして、二種類の納豆を造ることにしました。



発酵は、茶豆を入れた弁当箱に間仕切りをし、高橋菌と大山豆腐
さんの2種類が混ざらないようにして、「はるオンパックス」
(マイコール株式会社 栃木県栃木市皆川城内町388
電話0120-378-089)10コ入り、特価268円を貼って行います。

「はるオンパックス」の説明を読みますと、最高温度68度、
平均温度53度、持続時間12時間(40度以上を保持し、持続す
る時間)とありますので、弁当箱に貼って、タオルで保温すれば
十分発酵します。


今回の富士登山について色々な人にお話した際、何名かの友人が、
「頂上に行くとポテトチップスとかの袋が爆発するぜ」
などと曰ったので、明治製菓「カール 期間限定ビストロカレー味」
を持って、ボイル・シャルル三井田、こちらも実験することにしま
した。

*新潟県人らしく、非常食として笹団子をリュックサックにぶらさげました。
五合目で早くもカールはパンパンです。
また、この登山を富士登山の観光客が多い時期に設定したのは、
微力ながら、日本一の山・富士山の美化にご協力するためであり、
可燃物、不燃物、ペットボトルのゴミを参加者全員で回収しながら
の登山です。
五合目をスタートし、順調に七合目まで辿り着いたところで、日
が落ち、美しい月がでてきました。
月下の登山、なかなかいいものです。


リュックサックのなかの納豆も発酵してきているようで、自分の
体温以上のものを背中に感じます。
富士山頂上で携帯電話が使えるとのお話から持参した、モバイル
PCの愛機 IBM社ThinkPad 240(+大容量バッテリ)が、納豆臭く
なっていないか心配ではありましたが、リュックサックのなかで
納豆が無事に発酵し続けてくれれば、それで十分です。
23:00、八合目に到着。
ここまでの間、ゴミはほとんど見あたらず、休憩の際に忘れたと
思われる中身の入った500mlペットボトルや中身の入った飴等を拾っ
ただけで、登山者のモラルの高さに驚かされました。
真の八合目と言われる場所で、しばらく仮眠をしようと参加者一
同、各人が5250円を支払って山小屋に入ったところ、ひどい事
に・・・・。
狭いベットに頭を互い違いにし、密着して寝るのですが、睡眠
しながら放屁する方、寝言で会話キャッチボールをしている方々、
登山の杖をバシバシ倒している方、色々な登山者の方々がおり、
仮眠どころではありませんでした。
放屁にあたっては、互い違いに寝ている関係上、顔面に直接噴射
されるというかたちです。
二時間の山小屋滞在だったのですが、なんと申しましょうか、
男女の営みのみに使う宿泊施設でも二時間5250円(放屁付き)
というのはなかなかありませんから、貴重な体験でもあり、金銭
価値、さらには需要と供給の経済の仕組みを身をもって知ったと
いう感じです。
翌4日1:30、再び登山を開始。
標高3500mを越えたあたりで、参加者の方一名が高山病と
なり、激しい頭痛、だるさを訴えました。
高山病となった参加者の方には、早急に下山しようと提案したの
ですが、
「いいっス、俺、ここでずっと待ってるっスよ」
という訳の分からない回答があり、参加者一同、高山病の怖さを知
りました。
高山病になった方には、とりあえず酸素を補給し、ゆっくりと
登山を続けて頂くことになりました。
他の参加者の方も用心のため、酸素ボンベで酸素を補給しながら、
頂上までゴミ拾いを続けること数時間、平成13年8月4日(土)
4:32、富士山頂上に到着することができました。
ゴミは、この間も非常に少なく、おにぎりの包装数枚だけでした。
富士山頂上は、寒風吹きすさび、時折の突風に驚かされる、気温
約3度の世界。スイマセン、山の寒さをなめていました。
まずはノートPCで登頂宣言メール書こうと思ったのですが、
あまりの寒さに動かなくなった指と、多くの登山者の人混みでタイ
ピングすることができず、あえなく断念することにしました。
(ご期待頂いた皆様、誠に申し訳ありません)

カールの方は、かなりパンパンになっているものの、
爆発はせずそのままで、通りすがりの登山者数名には、
「あれ、スゲー。実験かな?」
などと指を差され、
「みんな実は実験したことは無いんだ」
と独りほくそ笑むボイル・シャルル三井田でございました。


*カールを誇らしげにぶら下げ闊歩するアホアホ三井田でございます。
そして、納豆の方を開けてみますと、登山途中に間仕切りがズレ
たようで、一部が混ざってしまい、結局、どちらの菌がどうこうと
いう結果はだせませんでしたが、よく粘る茶豆の納豆ができていま
した。イエーイ!


納豆菌の実験としては、思いっきり失格ですが、個人的には高地
(低酸素化)でも納豆ができることを証明できたので、それなりに
満足しております。
今回の成功要因は「はるオンパックス」かも知れません。今後海
外で納豆造りを行う際にも持っていこうと思います。
とそうこうしているうちに、空が明るくなってきたので、納豆を
食べながらご来光を待ちます。

頂上では、腰に手をあて、眼下に広がる雲海と小さくなった街の
明かりなどを睥睨している方が多くいらっしゃいましたが、この方
たちが地上を見て、
「跪くがいい!地上の豚どもめが!アーハッハッハー」
などと考えていたら、怖いところです。
4:55、いよいよご来光が見えてまいりました。


ご来光を拝みながら、祈っていたり、誓いをたてている方が多く
いらっしゃっるなか、納豆をズルズルと食べている私の姿はかなり
「アブナイ人」でしたが、実は私も誓いをたてていました。
納豆を、いや大豆全体の人気を盛り上げ、食への利用を高めると
ともに、
「国内食糧自給率を100・・・80%くらいにする!」
という誓いです。
100%と言わないところに、子供の頃とは違った「大人になっ
た自分」の情けなさを感じますが、これは常々思っていたことで、
あまりにも「農」が疎かになり、自給自足ができない日本(食文化
を含め)に疑問を感じていました。
以前、ある会合でこの話をしたときに
「経済大国なんだから、輸入にたよってもいいと思う。
相互援助でやっていくのがこれからの地球国家」
という意見の方と対立した覚えがありますが、僭越ながら私は、
やはり自分である程度は食べていける国が本来であると思っており
ます。
そのために、今後も納豆(大豆)の利用が拡大するよう盛り上げ
ていき、それによって国内食糧自給率が高まることに貢献しようと
いう誓いです。(ちょっと大きくでてみました)
「富士山登山での納豆造り」、「ご来光納豆」を終え、満足感に
浸りながら、頂上の茶屋に入って飲んだ甘酒(600円)の美味し
いこと。感動いたしました。
甘酒を飲み終えたあとに気付いたのですが、この茶屋には豆腐の
「かけら」が入った味噌汁が800円で売られておりました。
珍しく多くの外国人の方が味噌汁を飲んでいるので、表示をみた
ところ「MISO SOUP 800yen」とありましたので、
西洋風のスープを連想して注文していたのかも知れません。
表示の「MISO SOUP 800yen」は、「エクスペン
シブ・ミソ・スープ」と読むそうです。(ウソです)
ちなみに高山病になった方は、この茶屋で飲んだ甘酒の記憶がすっ
かり抜けておりました。

お約束で記念バッチを買いました。
5:30、征服感に満ちた参加者一同、下山。

下山途中もあまりゴミは見あたらなかったものの、気の緩みとい
うものでございましょうか、菓子パン、クッキーの包装、登山者案
内の紙等が捨てられておりました。
また六合目から五合目に向かっての下山道にはゴミが多く見受け
られ、参加者一同、残念に感じました。
「終わりよければ、すべてよし」という言葉がありますが、富士
登山をする場合でも、その言葉を守って頂ければと思った三井田で
した。

9:30、五合目に到着。
到着後、各自の車に乗り込んで、「富士山での納豆造り」&
「ご来光納豆」、そして「富士山美化運動」すべて終了しました。
ご参加頂いた皆様、アドバイス等を頂いた皆様、ありがとうござ
いました。
納豆冒険家・三井田、想い出の冒険となったことを皆様にお伝え
し、報告を終わります。
*下山後、無性にドテ煮と手羽先が食べたくなり、3時間かけて
名古屋まで移動し、飲みにいってしまいました。
名古屋に宿泊し、その翌日も松阪牛を食べに三重県松阪市にある
松阪牛食べ放題の店「オーシャン」(三重県松阪市稲喜町本254-1
電話0598-28-2428)

・・・・俗物根性丸出しの自分が情けないです。