平成11年度全国納豆鑑評会の報告

最終更新日 平成14年4月30日

 平成12年2月18日(金)、茨城県水戸市の水戸プラザホテル
2階「橘の問」「瑞雲の間」(水戸市水府町986−1 電話029-231-8111)
にて、納豆に日本一を決定する「第5回全国納豆鑑評会」が行われ
ました。
 水戸市政施行110周年ということもあり、かなり力が入ったイベント
で、「納豆鑑評会」だけではなく、
 
 ・須見洋行倉敷工科芸術科学大学教授による講演
                     「納豆の栄養と効果」
 
 ・『黄門さまの知恵袋』等の著者である
             但野正弘水戸史学会理事による講演
                     「黄門さまの知恵袋」
 ・西野虎之助水戸商工会議所会頭による講演
                     「納豆文化と日本人」
 
といった講演、茨城県内の外国人の方(8カ国35名)が納豆料理に挑戦
するというコーナーもあり、来場者もかなりの数です。


会場内に展示された全国の納豆も圧巻でございました。

 「納豆鑑評会」への出品数は、一企業一部門のみ一品で、申し込み
125社のうち4社棄権で計121品。その内訳は、
 
 極小・小粒部門(6.5mm未満)ひきわり納豆も同部門 68品
 中粒・大粒部門(6.5mm以上)           53品
 
です。ちなみにこれまでの出品数は、
 
 第一回  50品 会場:東京都
 第二回  70品 会場:北海道札幌市
 第三回 107品 会場:兵庫県神戸市
 第四回 121品 会場:新潟県新潟市
 
と年々増え、その内容もレベルアップしてきているそうです。
 採点方法は、香り、糸引き、色、食感を総合的に1〜5点となっており、
第一次、第二次と厳正なる審査を行います。

 そして、注目の結果は以下の通りでした。

☆最優秀賞 農林水産大臣賞
 「大力納豆100%北海道大粒」
 株式会社 大力納豆
(新潟県北魚沼郡小出町大字十日町360−6 電話0257-92-0411)
 
★優秀賞 茨城県知事賞
 「有機無農薬納豆」
 有限会社 てんぐ納豆店
(茨城県土浦市小松1丁目6−18 電話0298-21-1319)
 
◎極小・小粒部門 優秀賞 厚生省生活衛生局長賞
 「丹精」
 くめ・クオリティ・プロダクツ株式会社
(茨城県久慈郡金砂郷町大里4137 電話0294-76-3333)
 
◎極小・小粒部門 優秀賞 農林水産省食品流通局長賞
 「白糸なっとう国産100%納豆」
 有限会社 元祖白糸本舗
(福島県会津若松市滝沢町4−19 電話0242-22-2268)
 
●極小・小粒部門 優良賞 全国納豆共同組合連合会長賞
 「元気納豆 九州本仕込み」
 マルキン食品株式会社
(熊本県熊本市世安町380 電話096-325-3232)
 
◎中粒・大粒部門 優秀賞 農林水産省食品流通局長賞
 「にいがたさん」
 株式会社 高橋商店
(新潟県新潟市日の出1丁目2−16 電話025-245-6848)
 
◎中粒・大粒部門 優秀賞 厚生省生活衛生局長賞
 「白糸デラップス納豆」
 有限会社 小岩久三郎商店
(岩手県一関市山目字泥田65−1 電話0191-25-2252)
 
●中粒・大粒部門 優良賞 納親会長賞
 「お城納豆大粒2ヶ組」
 株式会社 丸美屋
(熊本県玉名郡菊水町内田2211 電話0968-53-0636)
 
 さすがに121種類の食べ比べだけあって、審査員の皆様はかなり
「食疲れ」のご様子で、今回の審査員をされた「日本一の大豆リンク集」
を運営するAshirさんもお顔に疲れがでていらっしゃいました。
 審査員の皆様、お疲れ様でございました。
 そして、受賞されたメーカーさん、おめでとうございました
 
 講演の方は、西野虎之助水戸商工会議所会頭による納豆を選んできた
日本人の智慧のご紹介、須見教授によるナットウキナーゼ等の納豆の効能
のお話に聴講者の皆様、納豆喰う(納得)されているようで、「あ〜」と
いう『同意のため息』も会場から聞こえ、私の隣に座っていたおばさんも
しきりにうなずいていらっしゃいました。うなづくたびに漂ってくる複数
の化粧品が混ざった香りに、『気合』を入れて納豆の話を聞きにきた、と
いう意気込みを感じました。ありがたいことでございます。

 そういえば、小学校の父兄参観日でも同じような香りがクラスいっぱい
に広がっていたような気もします。
 但野正弘水戸史学会理事のご講演のなかでは、黄門様が食べていた納豆
『日乗上人日記』のなかから四例をご紹介され、黄門様が常食された
納豆は塩辛納豆ではないかという仮説を立てていらっしゃいました。

・元禄四年、64歳(隠居した年)10月23日巳の刻(午前11時)
 「大根の羹、御酢合え色々、油揚げの麩、御汁、納豆なり」
 
・元禄十年、70歳、10月14日 太田寺(はっきりしていない)
 「納豆汁、独活和え物、合え混ぜ油揚げ」
  (料理そのものは西山荘で作って届けた)
 
・元禄十一年、71歳、2月23日、潮来市の長勝(ちょうしょうじ)寺
 21日から23日まで那珂湊におり、タバコと納豆を持ってきてもらった。
 この納豆は、丹波笹山の黒豆を使ったもの。
 
・元禄十二年 72歳(亡くなる1年前) 2月5日 常福寺納豆一箱
 
 もちろん、全国的に水戸納豆が有名になったのは明治以降のことです
から、黄門様が必ずしも糸引き納豆を食べていたというわけではなく、
当時のお寺で主流だった塩辛納豆を主に食べられてきたと思います。
 ただし、納豆汁などの記述もありますし、『常福寺納豆』が塩辛納豆か
糸引き納豆か分からないため、断言はできません。
 この問題については、今後、調査していきたいと思います。
 
 また、会場には、艶やかな和服を着た水戸梅大使の5人娘がいらっしゃ
いましたので、女性には消極的?な私ではございますが、
『レポートのため』話しかけてみました。

 5人とも納豆好きで、このようなイベントははじめて知ったそうです。
 
 「このようなイベントには来てみたいと思いますか?」
 「内容知ってたら来るかも。
  でも、彼氏とかじゃなくて、おばあちゃんとか連れてきてあげたい」
 「おばあちゃんですか・・・
  (うっ、うっ、おばあちゃん孝行なえー娘や[なぜか関西弁])
  彼氏とかはこういうイベントは来そうにないですか?」
 「だって会ってもなんかすぐぅ・・」
 
と最後にはただの会話になって、電話番号まで聞いてしまいましたが、貴重
なご意見をうかがう事が出来ました。
 ちなみに、長く時間水戸梅大使と話していたため、『不覚にも』外国人の
方が納豆料理を食べるというコーナーの取材を忘れてしまいました・・・。
 
 なんだかシマりませんが、以上で報告を終わります。
 事務局の皆様、お疲れ様でした。
 
*来年の開催は、九州は熊本県熊本市です。
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