第11回全日本丸太早切選手権大会


最終更新日 平成13年9月19日
 
 
「暑さ厳しい日差しが照りつけております。
 時折、頬をあたる清涼とした風のなか、日除け傘を差した
 通りがかりの美しい女性を見ますと・・・
 笑ってやってくださいまし、
 東京は葛飾・柴又にいる、血を分けた、たった独りの妹のことを
 思い出すのでございます・・・」


  チャーララララーラー、
  チャララーラーラーララッラ
 
というのは、初期『男はつらいよ』のオープニング風ですが、
今の私は
 
 「笑ってやってくださいまし、
     わたくし、負け犬でございます」
 
といったところです。
 
 平成13年8月16日(木)、新潟県三島郡三島町で行われた
「第11回全日本丸太早切り選手権」に出場してまいりました。
 思えば第4回より出場し、早くも8回目の出場を数えますので、
ベテランと呼ばれても良いのかも知れません。

【報告】第9回全日本丸太早切り選手権
【報告】第10回全日本丸太早切り選手権

 
 10:00、熱中症が懸念されるほどの暑さの中、開会宣言の
のち、実行委員長、町長のご挨拶がありました。

 あまりの暑さに、
 
 「ジジィー、話なげーぞ!」
 
とのヤジも聞こえましたが、ありがたくご挨拶を頂戴し、例年通り、
三島町の駐在さんの選手宣誓。
 
 「選手宣誓、駐在さんお願いします。」
 
 暑いさなか、ビシッとした制服、制帽姿の巡査が、自動車教習所で
習うクランクのような直線的な動きで、選手宣誓です。

 今大会からの優勝賞品は、第10回大会までの目玉商品・軽トラッ
ク1台は消え、

 ・コシヒカリ 1俵
 ・地酒    1斗樽
 ・味噌    30kg
 ・うどん、そうめん 3ケース
 ・ハナミズキ 苗木 1本
 ・椎茸原木 5本
 ・万両箱(特製プランター)
 
となりました。
 参加費は無料で、参加賞として、

 ・味噌「柳 越後米こうじ」500g
  (柳醸造株式会社 新潟県三島郡三島町吉崎100
                 電話0258-42-2336)
 ・そうめん「君が代」200g
  (株式会社 君が代 新潟県三島郡三島町字脇野町2015
                 電話0258-42-2326
 ・ワンカップ「住乃井」
  (住乃井酒造株式会社 新潟県三島郡三島町大字吉崎554)
 
 ・「早切選手権大会」ロゴ入り、ミニチュア・のこぎり
 
を頂戴しました。ありがたいことでございます。
 
 今大会の参加チームは全部で性別不問の一般ペア49チーム、
女性ペア9チーム。2人1チームで2mの巨大ノコギリを引き、
直径30cmの丸太を切ります。

 私とパートナーである、タッチフットボールのチームメイト
(アメフトからタックルをなくした競技)のWさんは、もちろん
一般ペアに参加。
 エントリーナンバーは2番、今回のチーム名は
 
 「キャミソ・スケスケ」
 
です。
 チーム名をコールされたところで、可愛い女の子のチームだと
思わせておき、そこへ私たちゴツイ二十代後半のむさくるしい男
二人で試合会場に現れ、まずは一発喰らわそう
という魂胆です。(誰に?)
 
 第1回戦、タイムトライアル。
 エントリーナンバー1番の「三島町駐在所チーム」に続き、私
たちがコールされました。
 
 「エントリーナンバー2番、柏崎市から、
  キャミソ・スケスケ!出場回数8回のベテランチームです」
 
 思惑通り、ゴツイ体の私たちが試合場にでると、会場全体から
軽い笑いがおこりました。クックックッ、まずは成功です。
 
 1回戦の出場チームがそろったところで、切る丸太を選択する
ためにクジをひきます。
 クジは三番目。
 なるべく直径が少ない木を選択しようと思ったのですが、異常
に芯が黒い木となってしまいました。
 「ヨーイ!」のかけ声に続く、ピストルの号砲でスタート。
 
 「ヨイショ、ヨイショ」
 
と例年にない早いペースで切りかかっていたところ、
 
 「あ、あれ?」
 
何か感覚が違います・・・・ノコギリを引いても全然切れません。
 おがくずがまったく出なくなり、ノコギリが深く入っていかない
状態となりました。
 パートナーのWさんも、「おかしいなぁ?」といった表情で曇っ
ています。
 昨年より、一歳は加齢しましたが、走っている最中に出くわした
柱に向かってノコギリを引くイメージトレーニングをして奇人扱い
されたWさんも、愛犬の散歩がてら小学校の校庭に入り込み、低
い鉄棒で懸垂を繰り返し、学校関係者に怪しまれた私も、トレーニ
ングをサボっていたわけではございません。
 
 「フ、フシだぁぁ〜」
 
 気付いたときは、既に遅し・・・切っていた木の中心軸の黒い部
分は節であり、またかなり密度の濃い年輪が刻まれていたことに気
付きました。

 結局、切り落とすのに2分18秒と、いままでの出場歴のなかで
一番遅いタイム。
 もちろん、初の1回戦敗退となりました。

 
泣いたのち、暴れて旗を抜こうとする無教養な三井田

 
 この大会ではベスト16以下になったことはありませんでした。
 そして、いままで数々のスポーツ、大会に挑戦してまいりました
が、1回戦負けというのは初めてでございます。
 
 ・・・負け犬とお呼び下さい。
 
 「節があって切れなかったんですぅ」
 「去年のタイムなら、ベスト8に入れたんですぅ」
 「朝、便通がなかったんですぅ」
 「時間が無くて、納豆を食べてこなかったんですぅ」
 
 ・・・負け犬の遠吠えと罵って下さい。
 
 初の1回戦負けを喫した私とWさんは、あまりのショックにまずは
ビールをがぶ飲みし、チャリティ・イベントのきき酒大会では酒を吐
き出さず飲み込み、大荒れ。

 
 食事は、例年通りに御幸の杜つるりん房(新潟県三島郡三島町大字
脇野町2015 電話0120-54-4545、4月末〜10月末の土、日曜、祭日
及び夏休み期間 営業時間:11:00〜15:00)で、熊笹の
パウダーを練り込んだそうめんを食べながら、エビスビールです。

 

  

 まずは、ビール瓶、つけ汁の入れものを冷たい湧き水につけ、ビール
をチビチビ飲みながら、あさつきをポリポリやってそうめんを待ちます。

 そうめんが到着したところで、竹林を抜けてくる心地よい風を感じ
ながら、冷たい湧き水で流しそうめん・・・・最高でございます。

若芽と蕨、胡瓜と茗荷を刻んだもの、煮豚の薄切りとさらしタマネギ、
きのこ煮、刻みねぎ、おろし生姜、かんずり、
天ぷら(海老、茄子、南瓜、ピーマン、シシトウ)

 天ぷら油が使い込み過ぎであることと、きのこ煮の味付けが化学
調味料まみれであるのが難点ですが、新潟名物のかんずり(唐辛子調
味料)で食べる冷たい熊笹そうめんは、格別です。

 負け犬でも、食事は勝ち組でした。
 
<会計>
 湧き水笹めん流し 1500円×2
 追加めん 1人前  300円×2
 エビスビール    550円×3  計 消費税込み 5513円
 
 ・・・勢いで食べてしまいました。
 
 話を大会に戻します。
 今大会、決勝までの間で一番早いチームは、これまた例年通り、奈良県
からお越しの木こりを本職とするチーム「ならやま」で33秒。

 そのチームと決勝を戦ったのが、新潟県長岡市で農園業をやってい
らっしゃる「本家 金垣農園」チームで41秒。
 決勝の大丸太(直径70cm)は、「ならやま」の9分36秒に対
し、「本家 金垣農園」チームが9分3秒と、逆転優勝。
 このプロたちには、一生勝てないような気がしてきました。
 心なしか、参加者も私たちのようにスポーツシューズを履いている
人よりは、地下足袋を履いている職人っぽい方が増えているような感
じもします。
 
 ですが、来年にかける意気込みも一応、わいてきました。
 
 「来年は、この屈辱を晴らすワン!」三井田
 「来年に向けて今から筋トレだワン! 」W
 
 ・・・やはり、負け犬の遠吠えでございます。
 
       _ , ― 、
      ,−'  `      ̄ヽ_   負け犬?
     ,'            ヽ
    (              )
    (     ノ`ー'ー'ヽ     )
    (    ノ●  ●(     )
     (   〉 -――-(      )_  _
      `ー'l  ●    (    ノ    ヽ )
        、‘ー'ー’ _ノ`ー'      |
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