熊本ラーメン「黒亭」

  最終更新日 平成13年6月19日

 平成13年2月16日、熊本ラーメンでは人気No.1という
 
  「黒亭(こくてい)」
 (熊本県熊本市二本木1丁目2ー29 電話096-352-1648
  営業時間 10:30〜20:30 木曜定休日)
 
に、青森から「全国納豆鑑評会」のために熊本にいらっしゃっていた
東北の大手納豆メーカ・太子食品さんのDさんと一緒に行ってまいり
ました。
 
 「黒亭」はかなりの人気店と聞いておりましたので、ある程度の待
ち時間を覚悟していたのですが、時間帯も良かったのか、行列に並ぶ
ことなく、すぐにお店に入ることができました。
 お店に入ってみると、甘辛いような食欲を誘う匂いが漂い、20名
分ほどのテーブルとカウンター席、そして厨房のなかで、おばちゃん
数名がそれ相応の働きを見せており、なんだかあたたかい雰囲気です。
 最近のラーメン専門店にありがちな「荒々しいやる気」?とは違っ
た、「まったり」感(『おじゃる丸』風)があり、早くも一本とられ
たような気がします。
 
 とりあえず、Dさんとともに「ラーメン 560円」を注文し、店
内をチェック。
 
 「厨房から香ばしい匂いが・・・・ニンニクとゴマ油かな」
 「ほうほう、麺は富喜製麺のものか」
 
とチェックしていると、哲学専攻だった私にとってなんだか懐かしい
「ニーチェ」の文字が目に飛び込んできました。
 
 「ニーチェの言葉より
  鋭くて柔和、粗野で繊細 慣れていて珍らか、汚れて純潔
  愚者と賢者の密会、ぼくはこうしたすべてであり、そうありたい。
  鳩であって同時に蛇であり豚でありたい」
 
 まったり系の店内に張られた、理不尽かつ力への意志を感じるニー
チェの言葉。このアンバランスさと言葉の選択に、悔しくも二本目を
とられてしまいました。
 
 Dさんと納豆業界のお話をしながら、待つこと数分。
 
 「はい、ラーメン」
 
と、おばちゃんのふくよかな手でやさしく置かれたラーメンに、思わず
 
 「ありがとう、お母さん」
 
と言いそうになり、危うく三本目をとられるところでした。
 「黒亭」無制限三本勝負、まだ負けるわけにはいきません。
(ここら辺よく分かりませんが、勝手にお店との勝負にしました)
 
 キクラゲ、海苔、チャーシュー、ネギ、揚げニンニクに彩られた
ラーメン。


(クリックすると大きな画像が表示されます)

 まずはスープから味わってみます。
 豚骨特有の匂い、脂肪分はあまり感じず、あっさりとしていながら、
ニンニク独特の香ばしいが加わり、コクのあるスープです。
 
 「Dさん、いかがですか?このラーメン」
 「青森には無いですねぇ」
 
 Dさんにもご満足頂けたようで、ご案内した私としても恥をかかず
に済みました。
 
 このラーメンは、他の匂い熊本ラーメンと違い、豚骨の匂いよりも、
ニンニクの香ばしさに重みをおき、醤油の量が多いところが特徴のよ
うです。
 麺は他の熊本ラーメンに比べて多少太めのストレート麺で、固めの
茹で上がり。この茹で加減により、麺のコシ、食べ進む間のスープの
染み込み具合がよくマッチしています。
 
 レフェリー:「ワンッ、ツー、・・・・・、ノー、ノー」
   実 況:「おおっと、カウント、2.8です。
        三井田、危なーい」
 
 0.8秒はどうやってカウントしたのか分かりませんが、食べ終
わる前に負けそうです。
 スープ、麺、スープ、キクラゲ、麺と進み、チャーシューを一
かじり。
 他の熊本ラーメンでは、スープの濃さに負けているチャーシュー
や、脂が多すぎてラーメン全体のバランスを壊しているような
チャーシューもありましたが、このお店のチャーシューは脂がほと
んどない肉(もも肉と思われます)なので、肉本来の旨みとスープ
の濃厚さの絡みを楽しめます。
 
 レフェリー:「ワンッ、ツー、・・・スリー、ゴングッ!」
 カン、カン、カン
 
 ・・・・・三井田、負けました。
 熊本ラーメン修行のなかで、噂通りの一番のラーメン店でした。
 理不尽な評価と言われるかも知れませんが、ラーメンの味だけで
はなく、その雰囲気の良さから、お店自体にも味があります。
 
 「味良いラーメン屋は良いラーメン屋
  味良く、雰囲気良いラーメン屋は素晴らしいラーメン屋」
 
ということを学ばせて頂きました。
 
*その美味しさに2杯目も注文しようと思いましたが、「元祖 
 桜なっとう」のお店「らむ」に行くことになっていたため、
 1杯だけで終わってしまいました。

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