三重県松阪・ラーメン「不二屋」

最終更新日 平成11年10月10日


(クリックすると大きな画像が表示されます)

 松阪(まつさか)牛で有名な三重県は松阪市にやってまいり
ました。 
 以前、松阪の「東京納豆」奥野食品の奥野さんにご案内して
頂いた 
  
 「不二屋」(三重県松阪市中町1900 電話0598-23-9605 
  11:00AM〜2:30PM 4:00PM〜7:00PM 土日祝は6:00PMまで、 
  定休日は木曜日) 
  
での昼食です。 
  
 松阪牛の牛肉料理で有名な「和田金」からでてきた、頭頂部
にいささかの不安を感じさせる脂ギッシュなオトーサンと妙に
年の離れた濃紺のスーツ美人のカップルに、 
  
 「けっ、昼から牛肉かい。結構、結構、 
  けっこう、毛だらけ猫灰だらけ、お尻の周りはク 
  ソだらけ」 
  
と嫉妬しつつ「不二屋」に向かいました。 
  
 「いらっしゃいませぇ、何名様ですかぁ」 
  
いつもなら独りなので、「オレ様」とでも定番のおやじギャグを 
言って、相手に「引かれる」ところですが、今回は私以外に、祖
母、母、妹を軽自動車につめこんで来たので四人です。 
 座敷に上がり、新潟からの約八時間に及ぶドライブに憔悴しきっ
た祖母は、 
  
 「おばぁちゃん、ちょっとでいいから」 
  
と三名分の注文で十分と主張。 
  
 「いや、大丈夫だよ、食べられるって」 
  
となだめつつ注文をします。 
  
 「えっと、肉入り中華そば4つと五目やきそば1つ、 
  あっ、肉入り中華そばの1つは大盛りで!」 
  
「おいおい、5人分じゃないか」とツッコまれるところですが、
奥野さんによれば、やきそばをサイドディッシュとして注文する
のが地元・松阪(まっつあか)人のやり方とのことなので、注文 
してみました。  
  
 「はいぃ、肉入り中華そばと五目やきそばです。 
  こちらが大盛りです。」 
  

(クリックすると大きな画像が表示されます)

 透き通った醤油風味のスープにツヤのある麺が沈み、タマネギ、
モヤシを中心とした野菜の上にナルト、かまぼこ、そして松阪牛
が鎮座しています。 
 まずはスープを一口。醤油風味のあっさりしたス−プに、タマ
ネギだと思いますが野菜の甘みが生きています。 
 大阪は「神座」のラーメンスープを洋風さっぱり系スープとす
れば、こちらは和風野菜さっぱりスープといった感じです。 
 麺は中細。少し歯に吸い付くようなモッチリ感があり、スープ
とうまく調和しています。 
 隣では、ズズー、ジルジルと疲れ切っていたはずの祖母が美味
しそうに食べています。 
 「やさしい」ラーメンとご紹介した方が宜しいかもしれません。 
 おっと、五目やきそばを忘れていました。 

(クリックすると大きな画像が表示されます)

 ジャキ、ジャキと揚げた麺を、和風だしのきいた塩味の「あん」
とともに突き崩します。 
 一緒についてきた生卵は、いつ混ぜるのか悩んだ挙げ句、その
まま飲んでしまいました。制作者の意に反したことをお詫びしま
す。 
 香ばしい揚げ麺のボリッ、ボリッとした食感が心地よく、トロ
みある塩味のあんが口中を上品にまとめてくれます。 
 五目やきそばの後半は、テーブルに備え付けてあるソースをバ
シャバシャと下品にかけ、下町のやきそばの味を楽しみます。 
  
 ズズーッとスープを飲み干し、ソースまみれの下町やきそばを
食べ終え、私がすっかり満腹になったころには祖母もスープをほ
とんど飲み干し、顔が汗ばんでいたのでした。 

「三井田のエッセイ」へ戻る。


トップへ戻る。


ご意見、ご要望はこちらまでお願い致します。