日本初の、と言いましょうか、誰もそんなくだらないことをし
ないので、唯一と言いましょうか「納豆冒険家」を目指し、激流
の川をゴムボートで下るラフティングと、大空を闊歩するパラグ
ライダーをしながら納豆を食べるということに挑戦してきました。
群馬県水上温泉近くに集合し、ライフジャケットとウェットス
ーツを着込んでゴムボートに乗り、まだまだ冷たい利根川を下る
ラフティング。
梅雨らしい大雨のなか、割り箸と発泡スチロール容器の納豆を
持ち込みながらボートに乗った私に、降りしきる雨より冷たい同
乗者の視線が・・・・。
うっうっ、これに耐えてこそ納豆冒険家たい!
まずはパドルと呼ばれる漕ぐ道具の使い方をインストラクター
より習い、続いて川に落ちた際の救助方法を教わります。
「い〜ですかぁ〜、インストラクターが救助ロープを投げる
ときは、”ロープッ”と叫びますので、必ずこちらをむい
て下さいね。じゃぁ、やってみますよぉ」
お、こっちかな。
「はい、ロープッ!」
・・・やばい、こっち来た。何かギャグやんなきゃ
「プ、プレゼント」(しりとりに笑いをとったつもり)
シーン・・・・シト、シト(雨音寂しく)。
すっかり身も心も冷え切ったところで、川を下り始めます。
パックを開けて、っと、
うわっ、あ〜
水かさが増した利根川を、勢いよく流れていく納豆パック。
申し訳ありません、自然環境破壊をしてしまいました。
気を取り直して、翌日は群馬県月夜野にてパラグライダー
に挑戦。
今回がパラグライダー初体験なので、インストラクターと
ともに飛ぶタンデム飛行です。
インストラクターに装備品をつけてもらい、その足で自分
のバッグから納豆と割り箸を取り出します。
パラグライダーの点検と自分の装備品をつけているインス
トラクター。自分の命を預けるものですから、その表情は真
剣そのもの。納豆を持ってバカっつらで、たたずんでいる私
とはエライ違いです。
「上空でものを食べることってありますか?」
「ええ、14時間ぐらい飛んでることもありますから・・」
(やった!三井田明るい希望を持つ)
「じゃあ、私も食べたりしても大丈夫ですか?」
「あ〜、でも初めてですよね、今回はおとなしく飛んでも
らったほうが・・・」
「そ、そうですか」
結局、トボトボとまたバッグのところに戻り、納豆と割り
箸をしまったのでした。
納豆冒険家への道のりは遠いようです。
パラグライダーを終え、群馬県は月夜野町町営の温泉、
(ひなびた)月夜野温泉センターにやってまいりました。
受付では、町外と町内のどちらかを自己申請し、お金を払
います。
私はもちろん町外ですので、町内の方よりもちょっとお値
段高めの300円。お金と引き替えに受け取った「温泉セン
ター使用券」には、「No.6815」とシリアルナンバー
が記載されています。
さてさて、と男湯に向かい、浅黒く焼けた地元の方に囲ま
れながらの入浴です。
単純泉でちょっと熱めのお湯に入っていると、
「梅雨はまだ終わらんね」
と初老のゴマシオ頭の方に話しかけられました。
「ええ、カラッとしてほしいものですね」
「そ〜だね〜」
と、ここから話がはずみ、心臓が悪いというお話から納豆の
話題になり、納豆の効用についてお話することになりました。
ナットウキナーゼ、レシチン、ポリフェノールなどのお話
をしているうちに、段々とのぼせてきて限界近くなってきた
のですが、一所懸命に年下の話を聞いてくれているご老人に
悪い気がして、浴槽からでるにでらず、鼻血ブー寸前。
「はぁ〜、すっと夜食べた方がいいんかね」
と納豆喰う、もとい納得してもらったところで、浴槽からで
ました。
この方とお話していて気づいたのですが、やはり『思いっ
きりテレビ』の影響は絶大ですね。
「何とかは体にいい」という知識は、かなり入ってきてお
られるようです。
しかし、しかしです。「いい」のは分かっていても、どん
な成分が良くて、どんな症状にいいのか、という情報はあま
り残っておられないようです。
うーん、これはアカン。
納豆の効用についての啓蒙活動をもっとやっていかなけれ
ば、と心に誓うEnlightenment・三井田(のぼせた頭)でした。