周りは、父と子の親子連れ4組、「Daiwa」の帽
子をかぶったオトーサンを中心とする釣り師数名で、ジー
パンでデジカメ片手の私はちょっと場違い。
クーラーボックスのなかには、釣りたてのイカでイカ
納豆を作るべく、包丁、まな板一式、納豆。さらには
「沖漬け」を作ろうと醤油3、みりん1、酒1でつくっ
た漬け込みダレの瓶をヨイショヨイショと持ち込み、
「おうおう、
釣れねーうちから、そんげん持ってきてぇ、のう、
あんちゃんてぇ」
と船頭さんにからかわれました。
「沖漬け」は釣ったイカをその場でタレに入れてしま
う荒技料理です。入れられたイカは、苦し紛れにスミや
水を吐くのですが、その変わりにタレを思いっきり吸い
込んでくれて、全身にタレが染み込みます。
そのイカをブツ切りにし、タレのよく染み込んだワタ
をまんべんなく絡め、そしてあったかーいご飯の上にのっ
けて・・・・、おっとキーボードに唾が。
ポンポンポン、出雲崎港でること約40分、ポイント
に着きました。
貸し竿に株式会社デュエル「YO-ZURIイカ釣り キラ
リヅノ K2-5」を付け、いよいよイカ釣り開始!
イカ釣りは竿を上下にすることによって、キラキラ光
る針にのっかります。
上下、上下、上下、1時間経過、ヒットなし。
「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」
と申しますが、まさに
「坊主憎けりゃ、竿まで憎い」
で、貸し竿が悪いんでないかい、と思い始めたころ船頭
さんが「キスの味噌汁」を作ってくれました。
これがまたウマイんですね。
冷たい潮風、波に揺れる船、けたたましいディーゼル
エンジンの音、これらすべてが調味料となって、味噌と
水とキスしか入っていない味噌汁が、この上ない美味し
さになっています。
リフレッシュを終え、再度竿を上下、上下、またもヒッ
トなし。
ちょっと暇になってきたので、本を読むことにしまし
た。松沢呉一著『風俗バンザイ』創出版を読みながら、
片手で竿を上下、上下。なにやら、これに似たようなこ
とを思春期にやってたような気がします。
2時間経過。船の揺れが激しくなってきたので、読書
中止。案の定、「こませ」をまいている(嘔吐)人がで
てきました。ある親子連れは、子供が吐いているのを見
てお父さんが「もらいゲロ」していました。
上下、上下、上・・あ、あれ重い。引き上げて見よっ
と。
キュー、キュ−、プシュー(水吹く)と言いながら、
かわいいイカが上がってきました。
あまりのかわいさに気が引けましたが、タレの中へポ
チャ。美味しくなるんですよ。
それ以降、たて続けにヒットし、計28パイのイカを
釣りました。
一番大きなイカでイカそうめんを作り、それでイカ納
豆を作ろうと思っていたのですが、船の揺れが激しく、
包丁を持てる状態ではなかったため、残念ながらイカ納
豆はあきらめました。
24時、帰港。
早速自宅に戻り、「沖漬け」をあったかーいご飯(電
子レンジ使用)の上にのっけて、パクッ。もらいものの
酒「美酒爛漫」を冷やでゴクリ。カーッ、たまらんバイ。
続いて納豆(やさと納豆を使用)に「沖漬け」を混ぜて
パクッ。
イカのワタが持つ潮の香りが口に広がり、噛みしめる
たびにイカの甘さがにじみでて、それを大豆が力強く受
け止めます。
イカの塩辛ならぬ醤油辛と納豆を混ぜた感じですが、
新鮮だからでしょうか、いわゆる生臭さはありません。
「沖漬け納豆」、機会がありましたら、是非お試し下さ
い。