最終更新日 平成14年3月28日
NHKハイビジョン番組の企画で、「納豆製品試練の地」といわれる大阪の市場で売れそうなオリジナル納豆を作ってみる!!という挑戦を、愛知県の納豆メーカー・高丸食品さんとともに行いました。平成13年9月25日、まずは高丸食品さんが大阪・梅田などの繁華街に立って、街行く方に自社製品を食べて頂くことから始まりました。翌日の26日、私の出番となりましたので、新幹線で移動して新大阪駅へ。(TV放映時は『納豆コンサルタント』というご紹介を頂きました)駅にて高丸食品さんと待ち合わせののち、大阪の食文化を吸収するため、「ベタベタやなぁ〜」という感じですが、心斎橋に移動しました。今回の大阪の食文化を学ぶという点につきましては、TV企画ということもあり、ラーメンを参考にさせて頂きました。大阪のラーメンは、和歌山の醤油トンコツ「和歌山ラーメン」や、京都のこってり「京都ラーメン」のような、「大阪ラーメン」という括りは無いのですが、行列のできるラーメン店は多く、最近の大阪の食文化を学ぶには良い材料になるのではないかと思ったからです。また、お約束で、定番のたこ焼きも食べまくってみました。今回、撮影したお店は以下です。1.「たころんぽう」
大阪府大阪市中央区道頓堀1−7−25電話 06-6484-0818今年4月にオープンし、地元の方に受けているという評判をお聞きした洋菓子屋さん風たこ焼きのお店。たこ焼きを小龍包のように焼き、中から熱いジュースが飛び出してきます。今回は、一番人気という「チーズろんぽう」(5ヶ380円)を食べました。
たこ焼きにはデミグラス・ソースと青のりがかかっており、一口囓りますと中から熱い、熱いトローリと溶けたチーズがでてきます。たこ焼き自体が熱いのに、さらに熱い溶けたチーズが襲ってくるので、猫舌の方にはキツイかも知れません。2.【豚骨系】「金龍ラーメン」道頓堀店
大阪府大阪市中央区道頓堀1−7−26電話 06-6211-6202トンコツと鶏足でスープをとったラーメンで、麺は自家製のストレート細麺です。キムチ、ニラ、ニンニクが入れ放題なのが人気の秘密でしょうか。3.【コンソメ系】「神座」千日前店
大阪府大阪市中央区道頓堀1−6−32電話 06-6213-1238洋食出身のシェフが考案したというコンソメ風スープのラーメン。麺はツルツルの縮れ麺で、全体的にさっぱりした感じです。スープを鍋にとり、挽肉、ニンニク、豆板醤、白菜を入れて味を調え麺とともにだします。従業員にすらスープ食材の配合を教えないという徹底した秘密主義によるスープの深みが魅力です。4.「本家 大たこ」
大阪府大阪市中央区道頓堀1−5−10電話 06-6211-5223道頓堀で行列をなす有名なたこ焼き屋さん。周辺の地元の方にお聞きする限りにおいては、評判は宜しくないようですが、スパイシーなソースに青のり、鰹節が踊り、充実感あるたこ焼きです。(6ヶ 300円)5.「法善寺 赤鬼」
大阪府大阪市中央区難波1−2−3電話 06-4708-0219『どっちの料理ショー』にも究極のたこ焼きとして紹介されたお店。ソースは、甘口、ぴり辛、醤油の3種類から選ぶことができ、青のり、かつお節、マヨネーズものせてもらえます。今回は、お店で一番売れている組みあわせ、「甘口+かつお節+青のり」で頂きました。(6ヶ 300円)
売れ筋という甘口ソースでしたが、高丸食品さんも私もかなりクドく感じました。6.【魚系ダブルスープ】「洛二神(らくにじん)」大阪府大阪市北区浪花町4−22藤ビル1F西電話 06-6371-1088トンコツ、鶏ガラの動物系スープと、カツオや煮干し等の魚系スープのダブルスープを使ったラーメン。
地元・大阪の下町(天五)で行列のできるラーメン屋さん。明太子、高菜、しらすの入った「さんかくご飯」も頂きました。
店主の松村さんは、私よりも学年で1つ上の29歳。魚の旨味が効いたスープが印象に残る美味しいラーメンもさることながら、ラーメンにかける熱い思いに勇気づけられました。
いずれ、日を改めてゆっくりとお邪魔したいお店です。また、このお店では「関西カリスマラーメニスト」のPAPUAさんにもお越し頂き、大阪ラーメンと食文化について語って頂きました。PAPUAさん、ラーメン関係の情報提供も含め、ご協力、誠にありがとうございました。ちなみに、「洛二神」さんのお隣は、二度焼きをするたこ焼きで有名な「うまい屋」さん(大阪府大阪市北区浪花町4−21、8ヶ 280円)でしたが、今回は撮影時間が遅かったため、残念ながら取材できませんでした。上記、食べ歩きを終えたところで、大阪市内のスーパーをまわって、「大阪納豆」となるような食材探し。醤油、酢、生クリーム、かつおぶし(花かつお)、塩、漬け物、色々と買い込み、宿泊先であるホテルに行き戻り、高丸食品さんの納豆に合わせていきます。
今回は、大豆、水、発酵条件を変えるのではなく、大阪の方に受けるトッピングで勝負しようという作戦です。納豆+デミグラスソース 「ブブー」納豆+生クリーム「ブッ、あ、あれ?意外にいいんじゃない?」などとパソコンの表計算ソフトでパターンをつぶして行きながら試行錯誤してでた結果・・・・笑わないで下さい、「中濃ウスターソース、マヨネーズ、青のり」の「お好み納豆 コテコテでんねん」となりました。「ソースとマヨネーズがあれば、何でもお好みになるんとちゃう?誰でも考えるやろーソレ?アホか?」とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが、ある割合であわせますと、「胡瓜にハチミツをかけてメロン味」といった例のように、「お好み焼き」の味に非常に近くなります。まずは、大阪の方が馴れて親しんでいる味から納豆に入ってもらおうという魂胆です。ホテルでの味の決定の後、高丸食品さんの数度の試作を得て、11月6日、生放送でその商品は披露されました。会場の反応は、賛否両論だったものの、大変インパクトのある納豆となりました。個人的には、いままで誰もがやりそうなものの、誰もやらなかった味に挑戦したこと自体が良い経験だったと思います。<放送された番組>番組名:『HVスペシャル5つの選択 美味しい大選択〜箸をつける瞬間の選択〜』放送局:NHK ハイビジョン・デジタル番組放送日:2001年11月6日(火) 19:30〜21:30司 会:桂三枝 有働由美子アナウンサー最後になりましたが、高丸食品さん、お疲れ様でございました。*納豆学会は利益の提供は受けておりません。あくまで納豆食文化拡大のためのボランティアです。