最終更新日 平成13年9月12日
平成13年9月7日(金)、神奈川県は鎌倉にある「鎌倉山納豆」野呂食品さん(〒248-0033 神奈川県鎌倉市腰越4−10−8電話 0120-07-2632 FAX 0467-31-4986 営業時間 10:00〜18:00日・祝祭日 10:00〜17:00)にお邪魔しました。工場見学をはじめ、色々なお話をお聞きしようと、以前より企画していたものの、なかなか日程が決まらずおりましたが、運良く近くまで行く用事があったため、失礼ながらアポもとらずに伺った次第です。アポなしで、いきなりお店にお邪魔したのですが、ありがたいことに野呂社長、野呂専務にあたたかく迎えて頂きました。野呂社長と野呂専務はご兄弟でありますが、お二人揃っていらっしゃることは非常に希だそうで、私にとってはかなりラッキーなことでもあります。ご挨拶もそこそこに野呂専務にご案内頂いて、工場見学をさせて頂くことにしました。工場に入る前には、帽子をかぶり、白衣に着替え、コロコロと呼ばれる粘着テープでゴミ等をとりますが、この工場ではさらに使い捨てのマスクも使用します。使い捨てマスクは、耳にかける部分が固定されており、頭の大きい私にとって(65cmの頭は「母親泣かせ」だったとの噂も・・・)、多少キツイものがありましたが、ググッと延ばし、なんとか着用することができました。*「口裂け女」の心境がちょっと分かった瞬間でもございました。
使い捨てマスク着用ののち、洗浄剤を使って手を洗い、さらに殺菌して、実際の工程を見学します。
伺った時間が遅かったため、自動化された部分の作業は終わっており、見学できるのは手作業での工程だけでしたが、女性従業員の方が手際よく、またアットホームな雰囲気で作業されておりました。
この作業風景を撮影しなければ!と、「はい、みなさーん、美人コンテストにだしま〜す」と調子に乗って、写真をとったのですが、「美人って誉めるより、納豆を誉めなさいよ!」とキツイお叱りを受けてしまいました。女性としての賛美よりも、自信をもって造った納豆を誉めてほしいとは・・・・素晴らしいプロ意識でございます。さらには作業に使用する粘着テープが各個人専用として用意されており、
「あれ?なんで皆さん共用にしないんですか?」とお聞きしたところ、「自己所有欲が強いんですよ・・・ハハハー」「・・・・・」「それはウソで、やっぱり使い勝手があるんですよぉー」と野呂専務。アメリカのメジャーリーグ(MLB)で活躍するイチロー選手も一流の道具にこだわるそうですが、粘着テープの切り方についてもこだわる皆様、やはりプロでございます。なかには、イチローがライトからホームへレーザー・ビームのように返球するかのように、粘着テープをレーザー・ビームのように一直線に引き、作業をするプロもおられそうです。また、数十年?前はブイブイ言わせていたというお姉さま方のなかに、やたら勢いのある作業テンポの方がいらっしゃいましたので、野呂専務にお聞きしたところ、野呂社長のご子息とのことでした。後継者も無事育っている様子が伺え、心強い限りです。続いて、発酵させる室を見学させてもらいました。最近の室は、電気による加熱、そして品温をフィードバックしての温度、湿度制御があり、均一の納豆ができそうな気がしますが、野呂専務にお聞きすると「クセがあるんですよぉ〜。同じ型の室でも、こっちは大粒が良くできて、こっちは小粒とか・・」という意外なお答え。
さらに「それでは、経験がものをいう訳ですね。」と確認すると、「そうです!試行錯誤の連続ですよぉ〜」と、一見、軽い感じにお答えになりましたが、言葉とは裏腹に、使い捨てマスクの奥に見える瞳には、経験に裏付けられた自信が満ちあふれておりました。工場見学を終えたところで、お店の方で野呂社長を含めての納豆談義となりました。「日本って結構、いろんな外国のものを受け入れてきたでしょ。でも受け入れすぎて、日本人本来の食事が疎かになっているような気がしますねー」と野呂社長。いつの間にか納豆のみならず、日本の食文化のお話になり、熱く熱く語って頂きました。ちなみに、あまりの話の集中さに、お話しをされている姿をデジカメで撮影するのを忘れました・・・・・・申し訳ございません。あっという間に時間が過ぎ、お礼のご挨拶をしてから、工場を後にしましたが、私の頭のなかにはある思いがよぎりました。熱く納豆にかける情熱を語る野呂社長(兄)、室のクセに気を配り、自信をもって納豆造りを行う野呂専務(弟)
・・・まさに納豆業界の「兄弟船」!兄弟揃っての納豆への意気込みに、江ノ電「腰越」駅に向かって歩きながら、「豆の谷間にぃ〜命のぉぉ〜糸がぁぁ〜、二つぅ並んでぇ咲ぃいてぇ〜いるぅ〜」『兄弟船』鳥羽一郎調にと口ずさんだ三井田でした。ご対応頂いた、野呂社長、野呂専務をはじめとする野呂食品の皆様、ありがとうございました。また、営業にきた原田産業・飯田さん、驚かせて申し訳ありませんでした。以上で報告を終わります。*ちなみに、私の友人に、酔った勢いで、「胸の谷間にぃ〜ピンクのぉぉ〜***がぁぁ〜、二つぅ並んでぇ咲ぃいてぇ〜いるぅ〜」と唄って、周りの客を盛り下げる人間がおります・・・スイマセン。