納豆入り味噌ラーメン「萬福」

最終更新日 平成14年4月14日

 平成11年6月9日、納豆学会会員であり、ラーメンに関する
素晴らしいホームページをお持ちのPAPUAさん
に、納豆を混
ぜ込んだみそラーメンがあるという「萬福」さん(京都市伏見区
深草西浦町2−90−103  電話075-643-9049 11:00AM〜9:
30PM)をご紹介いただき、京都・洛南は深草駅にやってまいりま
した。
 さてさてとお店を探そうにも見つからず、約30分の徘徊の後、
結局タクシーを捕まえ、ワンメーターぐらいで申し訳ないですけ
ど・・・とお店の前まで送ってもらいました。
 
 「いらっしゃいー」
 
 威勢のいい出迎えを受け、早速納豆がまぜこまれているという
みそラーメンを注文。
 まわりのお客さんは注文時に
 
 「醤油、やわらかめ」
 
と麺のゆでかたを申告しています。
 
 「はい、みそラーメン」
 
 きました、きました。

 たっぷりの青ねぎ(九条ねぎ)の下にもやし、チャーシューが
あり、麺は中細(計ればよかった)の玉子麺です。
 まずはデジカメで撮影。
 撮影するにあたって、事情を説明したところ、ご主人である中
村健一さんに色々と納豆みそラーメンについて伺うことができま
した。
  
 「このみそラーメンに納豆が入っているとお聞きし
  たんですが」
 「ええ、ミキサーで混ぜ込んでまったりさせてますぅ」
                   (ご主人談)
 
 ご主人のお話によりますと、このみそラーメンの味噌は、赤味
噌と白味噌の2種類を4:1の割合で混ぜたもので、そこへ納豆
を風味付けとして混ぜ込んでいるそうです。
 
 「そんなに教えちゃっていいんですか」
 「いやぁ、ここまで言えるのはねっ、やっぱり自信があるから」
                        (ご主人談)
 
 スープを飲みますと、程良い味噌の塩気の後に納豆の風味が広
がり、スープと一緒に口に入った九条ねぎ(地元のもの)の香り
が、その風味をさらに高めています。
 また、もやしは有機栽培もので、お客さんにだす寸前に煮汁か
ら出して切るチャーシューは、有機エサで栽培された宮崎産の無
菌豚の肉(SPF)だそうです。
 汗をかきながら、フーフー、ズルズル、と一気に食べていると、
カルピスが入ったグラスとチャーシュー、キムチがのったお皿を
ご主人がだしてくれました。
 ありがたく頂戴し、酸味の少ないキムチと、クセのない脂身の
旨さ光るチューシューをすっかり堪能した頃、
 
 「これも試してみてよ」
 
とご主人から醤油ラーメンの麺なしを頂きました。
 にごりめの醤油ベースのスープで、豚のゼラチン質のコクがあ
り、ホワイトペッパーがピリリと口を引き締めます。このピリリ
感は、ご主人が大好きなどじょうからヒントを得たもので、ど
じょうを食べるときの山椒の風味を目指しているそうです。
 ただ醤油の方は、ラーメンの宿命といいましょうか、若干の化
学調味料が入っている感じでした(私の舌違いかも)。
 みそラーメン、チャーシュー、キムチ、醤油ラーメンスープ、
すべてを平らげ、落ち着いて?再度ご主人にお話を伺います。
 「萬福」さんで納豆を混ぜたみそラーメンを出したのは開店3
年目で、それまでは味噌だけのみそラーメンで、あまり評判はよ
くなかったそうです。ところが、納豆好きのご主人が、微妙に納
豆を混ぜ込んだところ、爆発的にみそラーメンがではじめたそう
です。
 
 「日本人の味覚の原点に納豆があるからではないですかねぇ」
                       (ご主人談)
 
 さらに面白いことに、外国人のお客さんではアジア人はみそ
ラーメンを好み、欧米人は醤油ラーメンを好む傾向が顕著だそ
うです。
 やはりアジア人の味覚の根底には、豆(大豆)があるのでし
ょうか。
 ちなみに醤油ラーメンとみそラーメンは、6:4で醤油の方
がでるそうですが、固定ファンが多いのはみそラーメンという
ことです。
 ファンといえば、この「萬福」さんには常連として、具志堅
用高さん、高田万由子さんの旦那さん・はかせたろうさん、赤
井英和さん、和泉修さんがいらっしゃるそうです。
 ファンが多いという「萬福」さんを考えますに、やはりその
要因はラーメンのみにあらず、ご主人のお人柄もあると思いま
す。
 
 「ラーメン、みそラーメン以外には手を広げない」
 「仕事が人のつながりになっている」(ご主人談)
 
と、スープのように熱い志をもってお仕事をされており、
 
 「ごちそうさん」
 
というお客さんへの
 
 「おおぉきにぃ」
 
の一言には、お客さんへの感謝の念にあふれています。
 
 「おいくらでしょうか。」
 「いいよ、いいよ。
  新潟から食べに来てくれて、ほんま嬉しいわぁ」
 「いやいや、そうは・・・
  全部食べてしまいましたし」
 「ええて、ええて」
 
とお金を払わせてくれなかったご主人。


 ラーメンへのその熱い情熱をいつまでも持って、元気
でいてほしいと思います(次回はお金を払わせて下さい)。
 
・「萬福」さんへのアクセスは、市バスの竹田久保町が
 便利です。
・後日、感謝のお手紙と『なにかとナットウブック』を
 「萬福」さんへお送りしました。

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