最終更新日 平成13年9月24日
全国で唯一、納豆ハンバーグで特許をとったというお店
があると聞いたので、平成12年7月8日、調査に行ってまいりました。
その店は、「かぞく亭」(新潟県村上市石原6番18号 電話
0254-66-7856)さんです。
お店を入る前に、早くも大きな看板で「健康!納豆ハンバーグ
特許取得!」と書かれています。
入口のスピーカからは、細川たかしの歌がリピートで流れてお
り、ご主人がタダモノではないことが予想されます。ムムムッ。
お店の中に入り招き猫グッズであふれたカウンターに座り、
「特許実用新案 健康納豆ハンバーグ定食」1100円と新メニュー
と銘打ってある「納豆ラーメン」650円を注文します。
料理ができあがるまで、店内を見回しますと・・あっ、確かに
ありました、納豆ハンバーグの特許
(クリックすると大きな画像が表示されます)
特許実用新案 3042262号
考案名称 ハンバーグステーキ
新潟県村上市石原6番18号 木村 昭男
平成9年7月30日
特許庁長官 荒井 寿夫
と、本物です。
うーん、正確には納豆ハンバーグではなく、ハンバーグでの特
許なのかぁ・・と思っているうちに納豆ハンバーグ定食がきました。
薄いめの納豆ハンバーグステーキにデミグラスソースがかかっ
たものに、ポテト、とキャベツが添えられています。その他は、
ごはん、岩のりのみそ汁、きゃらぶき、多めのおろし生姜がかかっ
た心太、みかん、漬け物です。
早速、納豆ハンバーグを一口。
かなりの柔らかさに食べ応えは感じませんが、デミグラスソース
と納豆の風味がそれを補っているかたちです。
しかし、焦げ目がついていないことや、ハンバーグ自身が薄いこ
とから、肉好きには物足りない感があります。
納豆嫌いの方への入門として、お年寄りにはいいかも知れません。
ハンバーグ自体は、合い挽き肉、ひきわり納豆、タマネギ、長ネ
ギ、しょうが、にんにく、卵黄等でできているようです。
と定食を食べきらないうちに、納豆ラーメンがきました。
スープは塩ベースのさっぱり系ですが、業務用のスープと思われ、
チャーシューもただ煮豚を作っただけで、一般ラーメン店の域をで
ません。そこにひきわり納豆をのせただけで、もちろん評価はでき
ませんでした。
すべて食べ終えたところで、ご主人である木村昭男さんにお話を
聞きました。
「納豆ハンバーグで特許とろうと思われたのはなぜですか?」
「いや、なにね。特許とって、売っちゃえば儲かるでしょ」
と大変正直な方で、冗談半分で考案した納豆ハンバーグで特許をとり
その特許使用料での生活を夢見たそうです。
特許取得は、全国でハンバーグで特許を出願する人がいなかった
ため、すんなりと通り、実際に納豆メーカーさん(タカノフーズさん、
山の下納豆さん)や冷凍食品メーカー(ニチレイさん、クノールさん、
はごろもさん)の社長や研究所に納豆ハンバーグを送って、商品化に
むけて動かれたそうですが実現しなかったということです。(その時
のメーカーさんとのやりとりの手紙が店の入り口に張ってあります)
「ハンバーグが薄かったのと食感があまりなかったのですが、これは」
「いや、作り置きして、調理のときレンジ使うでしょ、だから薄く
しておかないと、悪くなったり、火が通らないしね。」
・・・・正直なご主人です。レンジでチンして、ソースをかけて、
できあがりだったんですね。それでも、納豆ハンバーグは1日5〜6食
でるそうです。
「デミグラス・ソース以外はお考えにならないんですか?
梅とか、ジンジャーとか、和風でもいいかも知れませんが・・」
「以前、大根おろしかけてだしたんですけどねぇーぇ、
一年間で大根の値段って、だいぶ変わるでしょ、だから利益的に
ねぇ、厳しいから」
・・・・・まったくもって、正直なご主人です。すべてお話して頂け
ました。
最後にご主人をデジカメで撮影し、お礼をのべてお店をでました。
今回、このお店を調査してみて、私としては納豆ハンバーグは肉+
納豆よりは豆腐+納豆+肉の方が美味しいという結論に達しました。
(1軒で達するのもいい加減ですね)