最終更新日 平成14年4月2日
平成12年10月15日、つくば市で開催された
「第3回国際大豆加工利用会議・展示会」
に行ってまいりました。今回の会議では、「公開講座 アジアの奇蹟 大豆発酵食品」という講座があり、国立民族学博物館の吉田集而先生の「大豆食品の起源と分布」という基調講演の他、下記の講演がありました。・李里特氏(中国農業大学教授)「中国の発酵大豆食品に関する再調査」・MANEEPUN Saipin氏(カセサート大学教授/食品研究・製品開発研究所)「タイにおける伝統的発酵大豆食品の展望」・KARYADI Darwin氏(インドネシア大学教授/地域栄養研究センター)「機能性食品及び現代の栄養-健康パラダイムとしてのテンペ−その疾病予防と治療に果たす効果−」・TAMANG Jyoti Prakash氏(シッキム大学教授)「天然発酵キネマの微生物的多様性」吉田先生の講演では、まず有名な中尾佐助先生の納豆トライアングル説(トウチ、テンペ、納豆)を否定することから入り、糸引き納豆は、豆醤もしくは酒を造ろうとした豆黄の失敗でできたもの、という画期的な説を唱えておられました。
講演終了後、「それではお時間が無い関係上、1名の方からのご質問をお受けしますが、どなたかいらっしゃいますでしょうか・・・」ようし、ようし、きた、きた!「はい、はーい!」思いっきり手を挙げ、マイクが来るのを待ったところ、マイクを持った係りの方が私の隣にいた熟年男性にマイクを渡そうとし、熟年男性が困惑するというハプニングもありましたが、無事マイクが届きました。実は私、質問魔です。質問するためには、お話を深く理解しなくてはなりませんし、なおかつ鋭くツッコミをしなければ意味がありませんので、気合いを入れて講演を聞くことができます。それゆえ、講演者に対し、必ず質問をするよう心がけております。まずは、講演に対する謝辞を述べた後、「先生の提唱された、塩辛納豆が糸引き納豆を駆逐するという説について、マクロ的に見てごもっともと思いましたが、日本という局所で見た場合には、700年以前にはすでに塩辛納豆が伝わっていたにも関わらず、1450年頃には糸引き納豆が日本の納豆文化の中心となります。ローカルな問題として、日本の中の納豆の伝播について、先生のお考えをお教えいただけませんでしょうか。」
と質問したところ、「まず、伝播ルートの確認からしましょう・・・・・」と朝鮮からの大豆食品伝播からご説明がはじまり、失礼ながら簡単に結論をまとめると、地方出身者が集まる江戸などの大都市において、手間のかかる塩辛納豆よりも糸引き納豆の方が好まれた結果というご回答でした。ハッ、ヤバイ、先生の回答が長い!あっ、事務局の人間が慌ててる。「・・・ということで宜しいでしょうか」「あ、ありがとうございました。」本当はもっと突っ込みたかったのですが、周りのプレッシャーもあり、ここで終わりとなりました。余談ながら、学生時代であれば納豆喰う!、もとい納得いくまで教授に質問し続けたものですが、年をとって情熱が無くなったのでしょうか、それとも周りの事を気にしすぎるツマラナイ大人になったのでしょうか、不思議な心境でございます。
茨城県納豆商工業協同組合さんも出展されていらっしゃいました。