大阪・飛田新地で菩薩様拝観

最終更新日 平成14年4月14日

 大阪初体験の私に、ある大阪の方から「是非一度行ってみた方
がいい」と、飛田新地という場所を紹介されました。
 話によりますと、ドヤがいといいましょうか、肉体労働をされ
ている方たちの安宿があるような場所とのことです。
 また近隣には、かつての遊郭のような殿方御用達の場所がある
そうです。
 奈良、京都をまわったお陰で、仏に帰依する可能性がでてきた
私としては(半分ウソです)、人間の業(カルマ)が渦巻くその
場所を見学しておく必要があります。
 ということで、平成11年6月10日、やってまいりました、
大阪は飛田新地
 汗の匂いとも、酒の匂いともとれぬ、ある種独特な臭いが辺り
一面たちこめています。
 路上で寝ている方、焼酎のビンをラッパ飲みしている方、自転
車にまたがり通行人に
 
 「速いのいらんか」
 
とささやく怪しげな売人(私、ちょっといちびる)。
 渦巻いとる、渦巻いとる、人間の業が渦巻いとる!
 ここら辺には簡易宿泊施設というような宿が数件あり、料金は
みな1泊1200円程度で、なぜかテレビありだと300円ぐら
い高くなってます。
 その宿泊施設に泊まれないような方が路上に寝ているようで、
その数もかなりのものです。
 この方々に襲われたら、どう闘うかな、と考えつつ、遊郭が現
存しているという地域まで歩いていきました。
 まがり角をまがると、あっ、ありました。
 古めかしい家屋の玄関に、菩薩様のような微笑みを浮かべたお
姉さんと、値段交渉役なのでしょうか元・お姉さんが座っていま
す。
 同じような家屋がズラっと30軒ほど密集しており、どの家屋
からも元・お姉さんが歩く人々に声をかけています。
 へぇ〜とキョロキョロしながら見学していると、「祝津」とい
う家屋から声をかけられました。
 
 「お兄さん、だいだいのお兄さん!」
 
 えっ、「だいたい」
 
 「大体(だいだい)やねぇ、日本の経済ちゅうもんはやねぇ
  リシポンシビリティーが無いっちゅうか」

 
は、だいたいのおじさん・竹村健一氏ですが、だいたいのお兄さん?
と思ったら、私がオレンジ色のジーンズをはいていたからなんです
ね。
 
 「だいだいのお兄さん、えー娘やろぉ」
 「えっ、いや僕はただ・・・」
 「なっ、いちにぃでええから」(多分1.2万円の意)
 「いや、あのう」
 
と、そうこうするうちに、ただの見学(正しくは冷やかし)という
ことがバレ、菩薩様は般若に変わっていったのでした。
 大阪・飛田新地、どえらいとこでっせぇ。

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