第9回全日本おにぎり選手権

最終更新日 平成12年11月5日

  平成12年10月29日(日)、新潟県は守門村にあります、守門村 
交流センターで「第9回全日本おにぎり選手権」が行われました。 
 競技内容は、3分間で規定を満たしたおにぎりを何個作れるかという 
「早にぎり」、15分間でいかに芸術的なおにぎりを作るかという「芸 
術にぎり」の2種目です。

 
  
 「小さな村で大きなイベントです」 
  
という、村長さんの力強い挨拶ののち、まずは「早にぎり」。 
 この競技は、1辺が7cm、厚さ3cm、小梅を入れて、海苔を巻 
いたおにぎりを1つと数え、ご飯の扱いが粗末だった場合は減点となり 
ます。 

 「早にぎり」出場者35名は、地元の主婦、板前さんの他に東京守門 
村人会の方が大半を占め、故郷に帰った嬉しさからでしょう、既にテラ 
テラとした赤ら顔で酔っぱらっちゃったオトーサンもいます。 
 私も出場したかったのですが、出場枠に入れず、今回は取材のみと 
なりました。 
 注目の選手は、昨年18個を握って優勝者したゼッケン1番村田さん 
(主婦)、TVチャンピオン「第1回全国おにぎり王選手権」のチャン 
ピオンであり、過去3回優勝しているゼッケン35番島崎さん(板前) 
で、特に島崎さんは、いくつ握っても100gピッタリという強者です。 
  
 「よーい」ピィィー! 
  
というホイッスルの後、いよいよ競技開始。 

 酔っぱらったオトーサン、いつもの癖なのでしょうか、開始とともに 
手に唾をペッペッ。 
  
 「オトーサン、何やってんの!」 
  
と奥さんに怒られ、会場の笑いを誘います。 
 同じように、酔っぱらったギャラリーのオトーサン連中は、それぞれ 
がワンカップと干物(推定:貝柱)やらチーかまを片手に 
  
 「お、おおぉ、早いねっかぁ、のぉ」 
  
と驚き、なぜか股間を強調したポーズになったオトーサンは、若い女性 
の出場者に向かって 
  
 「おーい、ねーちゃん。次はオラほうのも握ってくれ、ゲハゲハゲハ」 
  
と、セクハラ発言しておりました。 
 注目のゼッケン1番の村田さんは、ヌチャ、ヌチャとリズミカルな音 
で次々と握っていき、合計21個を握りましたが、すべて大きさがそろっ 
ていないことや、1つが崩れてしまったので、合計20個。 
 ゼッケン35番の島崎さんは、持参してきたストップウォッチを見な 
がら、チャ、チャと早いペースで握り、合計21個。すべて大きさが揃 
い見事です。 

 来年出場しようと思っている私としましては、ただ見ているだけには 
いきません。しっかりと島崎さんのおにぎりの握り方を観察してまいりま 
した。島崎さんは、次のようなプロセスで握っております。 
  
 1.両手に水を多めにつけ、ご飯を左手に50g程度とり、小梅を入 
   れる。(このとき既に三角の1辺を手のひらで形成) 
 2.もう50g程度を小梅を上にかぶせ、右手も使って3回転握り込む。 
 3.右手でおにぎりの1辺を持ちを180度回転させ、もう2回転握り 
   込む。 
 4.右手でおにぎりを持って、海苔の上にのせる。 
 5.多めにつけた水のおかげで、海苔が自らくっつき完成。 

 驚異の平均8.57秒。優勝は予想通りゼッケン35番の島崎さん、 
2位は村田さんでした。 


(早にぎり審査風景)

   
1番村田さんのおにぎり  35番島崎さんのおにぎり
  
 続いて、「芸術にぎり」。 
 主催者が用意した材料を使って、15分間で具の使い方を工夫した芸 
術的なおにぎりを作り、アイデア、綺麗さ、独創性の3項目で審査され 
ます。 

 13名の出場者のうち、親子ペア2組、ご夫婦ペアが1組です。 
 まずは競技開始前に材料を切り出します。 
 海苔、ごま、たくわん、タラコ、野沢菜等々から、イメージにあった 
ものを持ってきます。 

 「よーい」ピィィー! 
  
というホイッスルの後、一斉に調理にかかります。 
  
 「パパ、これいるんだっけ」 
 「お父さん、そっち切って、早く、早く」 
  
という、微笑ましい親子の会話や 
  
 「あなた、これ」 
  
といった熟年カップルの重厚な一言などがありつつ、競技は進んでいき 
ました。 

 注目は、昨年は最優秀賞は逃し優秀賞となったものの、繊細は技を 
見せる横浜から参加されている島原さん。 

 直径、7mmの海苔まきを数本つくり、それを組み合わせることによっ 
て幻想的なおにぎりを作っています。 
  
 「はい、5、4、3、2、1、終了ぉぉ」 
  
 いよいよ、村長さん、守門村の料亭の料理長、東京守門村人会会長さ 
ん等による「厳正な」審査です。 
  
 「こっちのがいいかのぉ」 
 「おらぁ、こっちだのぉ」 
 「親子で作ってたすけぇ、ほら、こっちにすっかのぉ」 
  
と大変「厳正な」審査です。 

 結局、最優秀賞は予想通り、技で勝負した「タイトル:万華鏡」の 
島原さん、優秀賞はお父さんと娘の協同で作った、サッカーボールお 
にぎりがメインの「タイトル:おにぎりオーレ」の村田さん親子。奥 
さんが、「早にぎり」で2位ですので、まさに「おにぎり一家」。努 
力賞は、熟年夫婦のアイデアと渋みを遺憾なく発揮した「タイトル: 
おにぎりのかくれんぼ」の河野さんご夫婦です。 

最優秀賞

ゼッケン58「万華鏡」

優秀賞

ゼッケン56&57「おにぎりオーレ!!」

努力賞

ゼッケン53&54「おにぎりのかくれんぼ アッ見っけ!!」

東京守門村人会長賞

ゼッケン52「おばあさんとおにぎり」

審査員特別賞

ゼッケン60「しあわせのバクダン」

*その他の作品は、最後に掲載してあります。

 すべての競技が終了し、優勝者にはコシヒカリ20kgやトロフィー 
が授与されました。地方のイベントらしい賞品が、この大会のいいと 
ころです。 


 表彰式が終わったところで、熱いきのこ汁と漬け物がテーブルの上 
に用意され、「早にぎり」「芸術にぎり」で作ったおにぎりは、参加 
者、ギャラリーの皆さんが懇談するなか、それぞれのお腹に次々と入っ 
ていきました。 

 以上で報告を終わります。 

「芸術にぎり」その他の作品


ゼッケン59「秋」


ゼッケン61「ユキグラ」


ゼッケン62&63「守門の嵐」


ゼッケン64「きのこ」


ゼッケン65&66&67「やったぜ!高橋!Qちゃん 金メダル」

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