信州・善光寺で七味唐辛子納豆

最終更新日 平成13年7月8日


 平成13年6月25日、雨の降りしきる中、長野県長野市にあります、
「善光寺」にやってまいりました。
 善光寺に安置されている如来様は、欽明天皇十三年(552年)の仏教
伝来の際に、百済から日本へ渡った日本最古の仏像とされていますので、
そのような歴史ある仏像の前で納豆を食べるというバチあたりなことをや
りにまいった次第です。
 
 印度毘舎離国(びしゃりこく)の月蓋(がっかい)長者が一人娘の如是
姫(にょぜひめ)の病気が治ったお礼に、竜宮の黄金を求めて鋳奉った阿
弥陀如来である善光寺如来様。百済から日本へ渡ったものの、仏教に反す
る人たちによって難波(なにわ)の堀江に沈められ、それを信濃の本田善
光(よしみつ)が背負って来て、信濃の座光寺(元善光寺)に安置された
・・・だけではなく、その後の有名な川中島の戦いでも、武田信玄により
甲斐に移され(甲斐善光寺)、さらには豊臣秀吉により京都へ迎えられ、
慶長三年(1598年)にやっと信濃に戻ったという、まさに波乱万丈
の善光寺如来様。歴史を知ってありがたみが増します。
 ちなみに現在の本堂は、宝永四年(1707年)に再建されたものだそ
うです。
 
 今回の納豆は地元メーカである有限会社 阿部納豆さん(長野県中野市
中野1895 電話0269-22-3320)の「信州の味 たまご納豆」にしまし
た。
 そこに混ぜるトッピングとしては、「牛に引かれて善光寺参り」にならっ
て牛肉でも良かったのですが、日本三大七味唐辛子の一つ、『八幡屋磯五郎』
さん(長野県長野市大門83 電話026-232-3966)の七味唐辛子にしました。
 ちなみに他の二つは、寛永2年(1625年)に七味唐辛子を売り出し
た最も古いお店である東京『やげん堀唐辛子本舗』さんと、京都・清水寺
の参道にあります『七味家(しちみや)本舗』さんです。
 漢方薬を食として利用できないかということから売り出された七味唐辛
子ですが、日本三大七味唐辛子それぞれに若干の成分が違うものの、体に
良いと言われている薬味のオンパレードで、『八幡屋磯五郎』さんの七味
唐辛子には、蕃椒(バンショウ=唐辛子)、白薑(ビャクキョウ=生姜)、
青紫蘇、山椒、陳皮、胡麻、麻種(オタネ=麻の実)が使われています。

 
 早速、本堂に入り、バックから納豆と七味唐辛子、デジカメを出そうとす
るとグレーの制服を着た警備員さんが近づいてきました。
 これは事情を説明しなければ・・・と思い、警備員さんが私に声をかける
だろうと待っていると、
 
 「・・・・・・」
 
全然話しかけてきません。
 私と1mほどの距離を保ったまま、あたりを睥睨しつつ、私の動きを監視
しているようです。
 試しに本堂から出てみますと、案の定、警備員さんもついて来ます。
 
 「ハッ、これは完全に怪しまれている・・・・」
 
 よく考えてみれば当たり前ですが、かなり怪しまれているようで、本堂から
かなり離れても監視対象となっているようです。
 仕方なく、本堂で納豆を食べるのはあきらめ、鳩たちに囲まれながら、納豆
に七味唐辛子を混ぜ、ムセるような高貴な薬味の香りと納豆の旨みを、鼻と口
で存分に味わった三井田でした。

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