伊勢神宮で赤福納豆

最終更新日 平成14年4月7日

 平成11年10月9日、天照大御神(あまてらすおおみかみ)
も恐れぬ「自称・納豆冒険家」、伊勢神宮で納豆を食べようと
二見ヶ浦で身を清めたのち、外宮、そして内宮にやってまいり
ました。
 伊勢神宮は、「内宮」と「外宮」に分かれており、「内宮」
が天照大神の皇大神宮、「外宮」は神々の食を司る豊受大神が
祭られています。
 江戸時代には当時の日本の人口の約1/5が、文政13年の
ブームでは、1/6が伊勢をめざしたという「お伊勢参り」。
 旅費を積み立て、村のなかでくじびきをして参宮者を選んで
参宮したり、犬にお札を託してお伊勢さんを目指すということ
もされていたそうです。
 皆さんのお陰でお参りできることから「おかげ参り」とも呼
ばれたそうですが、この「おかげ」の心を持ち続けた伊勢名物
「赤福」の伊勢福さんが、
 
 「商いはお伊勢さんの『おかげ』」
 
という感謝の気持から、平成5年7月に「おかげ横丁」を作った
そうです。
 このおかげ横丁は、当時の模様を再現した資料館や当時に近
い建物のお土産屋さんがならび、なかなかイー感じです。


「おかげ参り」を再現したもの

 ここでは、もちろん敬意を表し、
 
 「ええじゃないか ええじゃないか ええじゃないか
  伊勢の名物 赤福もちじゃ ええじゃないか」
 
の伊勢名物「赤福」を購入。
 
 神聖な雰囲気を醸し出す、深い森を通り、ついに本宮に到着
しました。


清き五十鈴(いすず)川の流れ

 なにやらモヤもかかって、穢れた自分が恥ずかしいような感じ
ですが、「自称・納豆冒険家」やるのみです。
 さっそく近づくと、威圧感ある黒い制服を着た衛兵の方の厳重
警戒の重々しさ、そしてひっきりなしにくる参宮者に、ここでの
納豆開封が困難であることが分かりました。

 作戦変更。
 
 とりあえず一回、人のこない明るいところに行き、納豆を
準備状態にしてから近づくという作戦に変更しました。
 
  バリッ、
 
 静寂のなかに響く納豆容器を開ける音。
 そして、納豆をかき混ぜて・・・っと、やはりこのままでは
芸がありません。醤油を入れる前なので、思い切って先ほど
買った赤福を入れてみることにしました。
 
  ボトッ。


 「こ、こんなの初めて」

 と、女性に言われると嬉しい言葉が、つい口からでます。
 
 納豆パックの蓋をしめて、再び本宮に近づきます。
 階段をのぼり、バックから納豆を取り出し、どこで食べよう
か位置決めしていると、衛兵の方が接近してきました。
 確かに、信心深く八度拝八拍手をしている皆様に比べ、片手
に納豆、片手にデジカメをもった男は異常者以外の何でもありません。
 ここで捕まって、
 
 「27歳男性、伊勢神宮で納豆を食して補導される」
 
などと新聞に書かれたら大変ですので、おとなしく階段をおり、
少し下のほうから、本宮を眺めるようにして食べることにしま
した。

 ズボッ、ズボボボー、ボッ(赤福がひっかかる)
 
と、上からの衛兵の方の鋭い眼光のなか、「五穀豊穣」を祈り
つつ、納豆をすすりこむ三井田。
 外国人の方が騒いでいても、そちらを注意せず、納豆を食べる
奇妙な男に注意をそそぐ衛兵の方。
 そして、ひっきりなしにくる参宮者の冷たい視線。
 
 えっ?味はどうだったかですか?
 
 味わう暇なく、とにかくかっこんだので覚えておりません。
 
 ということで、神秘的?な雰囲気のなか、「自称・納豆冒険家」
の「伊勢神宮で納豆を食べる」挑戦は終了しました。

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