最終更新日 平成13年5月3日
国民的映画といわれる『男はつらいよ』で有名な寅さんこと、
車寅次郎が納豆について語ったシーンを発見しました。
1970年(昭和45年)8月26日公開の第5作『男はつ
らいよ 望郷篇』、マドンナは長山藍子(豆腐屋の娘・節子)
です。
「とらや」の面々の中で、一番最後に起きてきて朝飯のおか
ずに色々注文をつけます。
「上等、上等。温かい味噌汁さえありゃ充分よ。あとはお新香
と海苔とたらこ一腹。ね、辛子のきいた納豆、これにはね、
生葱を細かく刻んでたっぷり入れてくれよ。あとは塩昆布に
生卵でも添えてくれりゃ、もう、おばちゃん何いらねえな、
うん。」
昔見たときには、つまらなくて意味も分からなかった、なんて
映画、皆様ございませんでしょうか。
私にとっては『男はつらいよ』です。
その昔、両親とテレビの映画劇場で見たときは、
「チェッ、つまんネー映画じゃん」
と思ったものです。それがフトしたことから、すっかりハマって
しまいました。
学生として東京に住んでいた頃、お金が無く(ほとんど本代に
消えました)帰省する際、新幹線に乗ることができずにいつも高
速バスを利用しておりました。
いつもはバスのなかでずっと本を読んでいたのですが、そのと
きは途中で読み終わってしまい、仕方なく、暇つぶしという感じ
でビデオで流れていた『男はつらいよ』を見ているうちに、段々
と引き込まれていきました。
作品はリリー(浅丘ルリ子)がでていた、第15作『男はつら
いよ 寅次郎相合い傘』でした。
こんなシーンです。
寅次郎が、旅行先から土産としてメロンを柴又の「とらや」に
送ります。それを寅次郎が帰ってくる前に食べようとしたところ
に、ちょうど寅次郎が帰ってきて、自分の分が無いことを知りま
す。それに対して、例によって例のごとく騒動がおき、最後にお
ばちゃんが、「もう、およしよ」と泣いて終わるシーンです。
笑ったり「ああ、またやってる、やってる」なんて思うシーン
なのですが、恥ずかしながら私涙ぐんでしまいました。
信頼していた家族からの裏切り、疎外感と言ったらいいのでしょ
うか、そんな思いに共感してしまったんですね。
その後も見続けていると日本語の魅力にも気づきました。こん
なセリフはいかがでしょうか。
「おばちゃんの作った、おつゆのたっぷりしみたがんもどきによ、
辛子をつけて、いっぺぇ(一杯)やりゃぁ、疲れなんか吹っ飛
んじまうってもんよ、なぁ」
なんだか、本当に食べたくなってきます。
まだまだ、今の私に分からない魅力がありそうな『男はつらい
よ』を定期的に見直していこうと思い、第1作から見ているうち
に見つけたのが、上記の第5作のセリフでした。
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