究極の鰺タタキ納豆
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男と女の出会いというのは、分からないものでございます。 その昔に多少の縁があり、おつき合いさせて頂いたことがあ る女性に偶然会いました。
「あれ、ヤダー、久しぶりぃ〜」
シャイな私はなぜか、
「久しブリブリ、ウ○コ、ブリブリ」
とお寒い言葉で返します。
「・・・・・、相変わらずくだらないよね〜。 まだ料理とかやってんの?」 「い、一応ね」 「そっかー、 またじゃあ美味しいもの食べさせてもらおっかなぁー」
なんだか微妙な発言に戸惑います。
「これからドコ行くのー」 「えっ?ドコって、海だよ。漁船に乗って舟釣り。 鰺が旬だから、いい感じみたいだよー」 「鰺?いいなぁ〜。でもまた納豆とか入れるんでしょ?」 「当たり前じゃん、究極の鰺タタキ納豆を作るんだもーん! (三井田、いきなり唄う) ジャンカ、ジャンカ、ジャン、ジャン ボ〜クはぁ〜陽気な納豆好き〜、 山越え、谷越え、やってきたぁ〜、 美味しいの?もちろんさ! だって、鰺タタキ納豆だもーん!ジャン」 (ケンミン「焼きビーフン」CM風に) http://kenmin.com/video/index.htm
ハッ、やり過ぎました。
「・・・・・・まあ、いいけどぉ〜。 ねぇ、釣ってきて料理したら呼んで!食べに行くし! 携帯は変わってないからさぁ〜」 「あ、ああ、いいよ」
男とはイヤらしい生き物でございます。 家に呼んでご馳走した後の【何か】を期待しているのでしょ うか。結局、釣りたての鰺をご馳走することになりました。
ということで、平成13年7月19日、新潟県柏崎市の柏崎 港から「妙見丸」に乗り込みました。 ウキウキ気分の私は、思わず船長さんに
「この船は『波動砲』でないんですか?」 『宇宙戦艦ヤマト』より
と訳の分からないことを言ってしまい、ちょっと反省。
日本海の夕日を浴びながら、5km沖に到着したところで、 早速仕掛けをおろします。 35mまで仕掛けを落とし、「しゃくり」と呼ばれる技法で 竿を上下させ、鰺を疑似餌に誘うわけですが、いきなり雲行きが 怪しくなってきました。 「まずいなぁ」と思った矢先、「ガガーン」という大きな雷 鳴とともに、大粒の雨。 あまりのワガママさに耐えきれなくなってお別れした女性で したが、釣りたての鰺を食べさせると約束した以上は、釣って いかなければなりません。 まるで『竹取物語』で、かぐや姫をめぐって危険な旅にでる 5名(石作の皇子、車持の皇子、左大臣阿倍のむらじ、大納言 大伴の御幸、中納言石上の麻呂)の気分です。
波の揺れの激しくなり、「しゃくり」をやらずとも竿が勝手 に上下している状態となりました。 最初、この船に乗ったときには、『宇宙戦艦ヤマト』のヤマト だと思いましたが、あまりの揺れに酔って顔を真っ青にしている デスラー総統(ヤマトの敵)がいらっしゃいましたので、デスラー 艦のようでございます。(よく分からないネタで申し訳ありません)
・・・っと思ったら、糸がビクビクと揺れ、鰺がかかったよ うです。 慌ててあげたら、鰺が海面上に上がったところで、ポチャンと 海の中へ。
「鰺は口が弱いからバラさないようにすることだ」
というアドバイスがやっと分かりました。鰺は口の皮が薄い ので、慌てて釣り上げると、口の皮が破れ、針がはずれて、 再び海の中に戻る(バラす)ようです。 次はしっかりやるぞ!と思っていたら、来ました!今度は ゆっくりと釣り上げて、見事クーラーボックスのなかに入り ました。 約33cmでしょうか。証拠にするため、隣の人にライター を借りて、大きさが分かるようにして記念撮影。 その後は次々と鰺がかかり、サビキと言われる針が多くつ いた仕掛けでしたので、一度に4匹かかったりと絶好調。 途中、なぜかビックリした目の鯖もかかり、こっちが驚き ましたが、順調に釣り続け、約3時間で終了となりました。 沖から港に帰る頃には雨もやみ、心地良い潮風を頬に受け ながらのクルージング。
家に着いたところで、獲物を数えますと、真鰺が35匹
35cm 2匹 34cm 3匹 33cm 2匹 32cm 5匹 28cm 18匹 25cm 3匹 23cm 2匹
鯖が1匹(27cm)でした。
早速、サバきます。 ずっしりと肉感があり、死後硬直で背筋(?)の伸びた鰺 の内臓を掻き出すと、卵やら子やら入っており、旬であるこ とを十分に教えてくれます。 まずは、鰺の刺身。今回包丁が両刃なので、プロの板前の ような切り口にはなりませんが、新鮮な鰺ゆえ、表面が光り ます。 続いて、鰺のタタキ。刻みネギ、おろしショウガをのせました。 そして、いよいよ鰺タタキ納豆です。 納豆は、大力納豆さん(http://ww5.et.tiki.ne.jp/~dairiki/) の「ひきわり納豆」を使用しました。 良くかき混ぜた納豆のまわりに、刻みネギ、鰺のタタキを置き、卵黄を 中央に落として完成!飾りには、冷凍乾燥させたパセリをパラ パラ。 醤油は、自家製納豆味噌のたまりです。
刺身、鰺タタキ納豆、そしてお酒の用意、すべて終わりました。 やはり男というのはイヤらしい生き物です。 携帯電話の電話帳を検索し、懐かしい女性の名前を選択します。 夜12時近いですが、約束した以上は待っていてくれるはず です。
「プ、プ、プ、プ、 おかけになった電話は電波の届かない範囲におられるか、 電源が入っていないためかかりません、こちらはNTT・・・」
・・・・・・。
よくかき混ぜ口に運ぶと、新鮮な鰺の歯ごたえが、ひきわり納 豆の深い味わいとぶつかり合い、それを卵黄がうまくとりまとめ、 まさに究極の鰺タタキ納豆の味わい。 独りで味わったからこそ、その味が理解できたような気がします。 (多少の強がり含む)
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