宝塚初体験記

最終更新日 平成14年3月30日

 きらびやかな女の世界。
 美女と男装の麗人が織りなす恋物語。
 ああ宝塚、女の園・・・・。

 その世界は、私のようなヒゲ剃り跡青き独身男が、一人で行
けるような雰囲気ではありません。
 そこで、宝塚歴十数年のK女史に引率して頂き、総勢四名で
行って参りました。
 三十路後半を迎えしK女史は、宝塚を愛するあまり、私生活では
孤独になってしまったというの人であります。
 
 平成10年8月21日、日比谷・東京宝塚劇場。
 その日は、星組の公演で、「誠の群像」という新撰組ものと、
「魅惑U」というレヴューショーのセットでした。
 宝塚には、月組、花組、雪組、星組とあるそうで、特に星組
は大型新人による男役が魅力とポスターに書いてあります。
 よく大型新人とは言いますが、ここでは本当に大型なのです。
 席は、3800円の二階席。席について、あたりを見まわすと、
大多数の女性客のなかに、もはや頭頂部がお寂しくなった
オトーサンが、若干名いらっしゃいました。オトーサンの隣には、
タンスの匂いを漂わせたお母さんが座っています。久しぶりの
デートなのでしょう、しかし会話はありません。
 
 「誠の群像」が始まりました。K女史は、すかさず双眼鏡
(宝塚マーク入り)をバックから約0.3秒で取りだし、身を
乗り出して役者の顔を凝視しています。その目つきは、まるで
獲物を見つけた猛禽類の眼です。
 ・・・こ、怖い。
 日本野鳥の会もビックリです。
 ついでトップスターの登場に、場内割れんばかりの拍手に
フラッシュ。
 
 「こ、これが戦場?」
           アムロ・レイ『機動戦士ガンダム』
 
 話が進むうち、お話がヘテロ・セクシャルではないお話になり、
 
 「衆道も武士の道」
 
なんて訳の分からないことを言って、その手の行為の描写が
入りました。衆道は若衆道の略で、いわゆる男色の道のことです。
これに女性客は思わず釘付け、盛り上がってました。
 意外にオトーサンも盛り上がっていたかも知れません。オトー
サン、家庭危うし!
 そのほかはあまり盛り上がらず、三十分の休憩の後、後半の
「魅惑U」が始まりました。テーマは、ネオ・エゴイスト。
 レヴューショーですから、歌あり、踊りありです。星組の新人
も頑張っています。
 
 泣きなさい、笑いなさい、唄いなさい
 
そうやって大きくなるんですよ。
 
 このショーのために作ったと思われるネオ・エゴイストの歌。
 
 ネオ・エゴイストォ〜
 誇り高き、チャレンジャー
 夢を見るぅー、ドリーマー
 (当たり前?、夢を見るからドリーマー)
 
 トップスターは、堂々とこの歌を歌いながら、アチラコチラに
指を差し、差されたお客さんはもうエライ騒ぎです。
 えっ、私はどうしたかって、もちろん指を差し返してやりました
 
 そういえば、この東京宝塚劇場は、老朽化のため平成10年12
月には壊されるそうです。新しい劇場ができる(平成13年1月)
まで、東京・丸の内に「TAKARAZUKA 1000days劇場」
を建て、平成11年5月から通年公演するとのことです。
 
 「TAKARAZUKA」
 
ちょっとパソコンで漢字変換してみましょう、
 
 「宝図か」「集らずか」「宝図化」
 
「TAKARADUKA」だと思うのは私だけでしょうか。
 とにかく最後まで楽しませてもらいました。

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