1997年の新聞記事
最終更新日 平成13年5月3日
それぞれの記事は引用です。
1997/12/27 産経新聞 朝刊
朝から
きびしい
木枯しが吹く
冷たくなった手に
息をかけながら
納豆、納豆って
小さな声で
売っていたボク
家がまずしく
どうしても
納豆を買って欲しい
空から白いものが
落ちてきた
納豆は一本も売れない
寒い朝の
幼い日の思い出
(選者 新川和江)
『◆“1997冬季納豆特集 自社工場建設ラッシュ進む 旭松食品・埼玉工場が竣工』
1997/12/17 日本食糧新聞
納豆業界は依然好調である。
平成8年・9年1〜9月の都道府県別納豆の一世帯当たりの
消費金額と伸長率を比較すると一六・九%の伸びとなっている
(総務庁統計局家計調査報告より)。
消費が減退する夏場をみごと乗り切ったといえるが、全国納
豆協同組合連合会では、その伸長率が二〇〇〇年まで仮に三%
に減速しても二〇〇〇億円市場に到達すると予測している。
それを裏付けるかのように供給体制完備のため、大手に限ら
ずメーカーの自社工場建設ラッシュ、増設が進んでいるが、旭
松食品(株)(大阪市淀川区、06・306・4121、木下
晃一代表取締役社長)が埼玉県比企郡に竣工した埼玉工場(納
豆専用工場)の稼働が、何といっても最近の業界ビッグニュース。
同工場は、関東市場向けに開発され消費者から爆発的に支持
を得ている「納豆いち完熟超小粒」を主として生産、「当初日
産二〇万食の生産を目標とするが、最終的に五〇万食を目指
す」(塩沢精取締役チルド事業部長)というが、首都圏にある
好立地で他のメーカーにとっては脅威的存在。関東における納
豆市場の勢力分布が二、三年のうちに一変する可能性を秘めた
工場といえる。
このように市場の成長を背景に自社工場の建設が進んでいる
が、一方で消費の伸びがとまった時を危惧する業界関係者もいる。
同工場竣工式典での全納連高星進一会長の言葉「伸びた後は
落ちるんです」が印象的で、追い風の中、培った営業基盤をバ
ックに、納豆だけにこだわらず即席カップ味噌汁など、新時代
の顧客ニーズに対応する多様な関連商品開発へのチャレンジが
必要だろう。
『1997冬季納豆特集 業界、環境問題などに取り組む 容器のリサイクル化へ』
1997/12/17 日本食糧新聞
納豆菌が抗生物質を生産し、赤痢やチフス、病原性大腸菌な
どを抑制することは知られていたが、O157も抑制するとい
う研究報告がされて以来、納豆の栄養価も再度見直されて納豆
の需要は伸び続けている。業界ではこのO157特需に甘んず
ることなく、食品業界共通の問題である環境問題、有機・無農
薬、国産大豆の需要拡大などに取組んでいる。
〈容器包装リサイクル法への取組み〉
一般廃棄物中、容積比で六割を占める容器包装廃棄物を分別
回収して再資源化を促進するために、平成7年に「容器包装に
係る分別収集及び再商品化の促進に関する法律(容器包装リサ
イクル法)」が制定され、今年4月から本格施行されている。
二〇〇〇年には納豆容器も対象になることから、全国納豆協
同組合連合会は納豆の特性を踏まえ、リサイクルが容易で省資
源的な容器包装の開発・利用を促進するガイドラインを作成・
普及する事業に取組んでいる。
一般廃棄物として排出される納豆容器包装廃棄物も、内容物
による汚れを除去し、その材質ごとに分別収集することができ
れば、飲料用の紙パックやPETボトルと同様に原料として再
商品化することが望ましい。しかし、納豆はその商品としての
特性や流通・販売の実状からみて、内容物による汚れを除去
し、その材質ごとに分別収集することは困難と考えられる。
したがって、細分化した分別や徹底した洗浄を必要としない
リサイクル、例えば、油化、固形燃料化などの熱エネルギー源
としての利用が、衛生的にも効率的にももっとも適していると
考えられる。
このようなことから、納豆業界としての対応を全国納豆協同
組合連合会では(1)容器包装をできるだけ減量化すること
で、容器包装廃棄物の排出量を減らす(2)容器包装リサイク
ル法の再商品化に有効に利用できる材質を選んで容器包装に使
用するの二つの方法を推進している。
納豆容器包装の実態は表(11面)を参考にされたい。プラ
スチックパックが八六%と大多数を占めている。
〈高品質の原料大豆〉
納豆業界は原料大豆の年間使用量は約一一万t、内国産大豆
は約二〇〇〇tで全体の一・八%にすぎない。ほとんどは米
国、中国、カナダなどの輸入に頼っており、輸入大豆の納豆に
ついても製造技術の向上により、非常に良質の製品ができてい
る。また、米国を中心とする遺伝子組み換え食品については原
料表示をめぐって現在大きな議論となっている。業界では行政
および関連団体を通じて、各方面の動向を必要に応じて情報と
して広報を行っている。
こうした安全性の追い風に加え、差別化商品として国産大豆
商品を利用して高品質、高付加価値納豆の生産意欲が潜在的に
強くなっている。
全国納豆協同組合連合会が行った国産大豆による納豆試作試
験によると、国産大豆を原料として使用することで、ねっとり
した食感と優れた風味を持つ納豆、アンモニアの発生が少な
く、豆が軟らかくなりにくい性質を利用し、熟成日数を長く風
味を増した納豆、大袖振などの豆の色を生かした納豆など、輸
入大豆では製造することができない高品質、高付加価値の納豆
の開発が期待されると報告されており、すでに最大のネックで
あるコストの問題をクリアしながら国産大豆納豆商品も裾野を
広げている。
こうした業界の取組み事例として、あづま食品(株)の新商
品から納豆業界の方向性を紹介する。
『1997冬季納豆特集 環境に優しいPET素材をあづま食品が初導入』
1997/12/17 日本食糧新聞
〈環境にやさしいPET素材容器商品新発売〉
納豆メーカー大手のあづま食品(株)(栃木県河内郡、02
86・72・2112)は、包材、包装機械、フィルムシール
など五社共同でリサイクル可能で焼却炉を傷めず、ダイオキシ
ンを出さずに環境に低負担のPET素材での納豆トレーを開
発、10月には「新極小粒3P」(五〇g三個、たれ・からし
付、一六八円)を、11月には「国産ひきわり3P」(同、一
六八円)を全国に新発売した。業界初の導入。
従来の納豆容器は加工しやすく軽くて保温性のあるポリスチ
レンが主流だが、燃焼時の残灰(スス)および加熱時のベンゼ
ン溶出が問題となり、燃焼カロリーも高く、炉を傷める恐れが
あった。PET素材の最大の欠点はコスト高であったが、同業
他社に先がけて一五年前から有機大豆に取組み、九五年にはO
CIA(有機農作物改良協会)認定工場の資格を取得して健康
を提案してきた企業理念により、「日本人が毎日食べ親しまれ
ている食品から環境を考えよう」と新素材に着手した。
新商品の「新極小粒」は在来の米国産極小粒大豆と栽培方法
をまったく変え、国産地塚大豆の品質を維持するために毎年日
本から種子を米国に持ち込んで栽培、五年の歳月をかけて量産
に成功した米国産地塚小粒大豆を使用。トレーは開けやすいト
ップシールタイプで、トレー一つ一つに賞味期限を印字してい
る。PET素材の三個パックの包装には業界初のトレーの完全
シュリンク包装を採用し、衛生面・安全面を一歩進めている。
「国産ひきわり」は国産のタチナガハ種大豆を一〇〇%使用
し、六〜八分割した粗挽きタイプの挽き割り大豆を使用。PE
T素材のトレーはゆったりサイズ(容積三〇%アップ)で、よ
り一層ムラのない均一な発酵となっている。
『1997冬季納豆特集 関西地区=地元メーカーが健闘、関西人食生活に定着』
1997/12/17 日本食糧新聞
【大阪】昨年、O157騒動が追い風となり、テレビの人気
番組で取り上げられたこともあって、大きく拡大した関西地区
の納豆市場は、今年、昨年ほどの伸長はないものの、堅調に推
移し、関西人の食生活に定着してきたといえる。
大手スーパーの今年前期の売上げ状況をみると、ジャスコの
近畿地区では昨年比一七・八%増の月間平均二五七二万円、コ
ープこうべでは二二%増の月間約六三〇〇万円、イズミヤでは
伸び率は微増だが、3〜8月で約三億五〇〇〇万円と、厳しい
市場環境の中、各社とも善戦している。
メーカー別売上げシェアをみると、コープこうべは、昭和5
0年から手がけているPB商品とフジッコだけの展開で、PB
の比率が九割以上と圧倒的に高い。ジャスコではPBが約六
割、旭松が約二割。イズミヤでは旭松が約二・五割、花園食品
が約二割、タカノフーズが約一・五割、朝日食品が約一割強、
くめが約一割弱といったところで、各社とも旭松、フジッコと
地元の有力メーカー、PB商品の健闘が目立っている。
商品別では、ジャスコでPBの「有機百倍納豆」五〇g×三
Pが、8月からの月に一回、五八円という思い切った価格訴求
の寄与と、8〜10月まで定番価格九八円を続けたことで、約
四割のシェアを占めるに至った。二位は旭松の「なっとういち
超小粒」五〇g×三PとPBの「ひきわり納豆」が約一五%ず
つ、四位旭松「氷温熟成完熟超小粒」が約一割といったところ
だが、「毎日、特売価格に設定された商品がショーケースの下
段に並んでおり、そうした商品は、一日の売上げシェアの四割
を占めている」(バイヤー談)と、各社こだわり商品に注力し
ているとはいえ、価格訴求による売れ筋商品の変動は大きい。
イズミヤでは、旭松の「なっとういち」が二・五割、花園
「無農薬超小粒」四〇g×三Pが約二割、タカノ極小粒三〇g
×三カップが約一・五割、朝日食品の「水戸いなか炭火作り」
三〇g×三カップが約一割強を占め、ここでも「有機」「無農
薬」など、健康志向を強調したPB商品の健闘が目立つ。
また、ジャスコでPBの「ひきわり納豆」が第二位に登場
し、イズミヤでも「パイが小さいものの、昨年発売した花園の
ひきわり納豆が昨年同期比約二割の伸長」。テレビで消化吸収
がよいと取り上げられたことから、ひきわり納豆の人気が高ま
ってきたことも新しい傾向といえる。
関西地区の納豆のこれからの市場性の予測と、各社の取組み
については、「関東の同規模の店と比較して、一人当たりの買
い上げ点数が約七割弱、まだまだ伸びる余地がある。ただし、
関西にも納豆好きのお客様が増えている。これからは原料や製
造工程にこだわったタイプが伸長すると思う。旨みの強い大粒
タイプも、パイは小さいものの、着実に売上げを伸ばしてい
る」(ジャスコ)。
「簡便性が高く、健康に良い納豆は、今後も需要の裾野の広
がりが期待できる商材。関東の消費量に、関西がどこまで迫れ
るか注目している。有機・無農薬・国産大豆を使用した健康志
向やグルメなどの機能性を重視した商材や、ふりかけ・納豆汁
などの関連商材の品揃えの充実が、これからの売上げ拡大の鍵
となる。高齢化社会に向けて、骨粗鬆症などにもよいなど、ヘ
ルシー性を具体的にうたえばもっと伸長すると思う」(イズミヤ)。
コープこうべは、PB商品を自社工場で生産していることも
あり、「契約栽培した北海道の鈴丸大豆を使用するなど、原料
にこだわり、大手メーカーに負けない技術力で生産するなど納
豆には注力している。現在、たれの味の見直しと、しそ味や海
苔味など新しい味の納豆を開発中。これからは有機栽培大豆使
用納豆の品揃えも必要となってくるだろう」と、各社とも差別
化商材の取り扱いに意欲的な姿勢を示している。
売上げ伸長のためには「メーカーの力を借りてビデオやリー
フレットなどを使ってのメニュー提案」(ジャスコ)、「一人
でも多くのお客様に知ってもらうことが大切。メニュー提案の
レシピを置くと、売上げが連動して伸びている」(イズミヤ)
と、メニュー提案による新ユーザーの開拓が、これからの消費
拡大の鍵とみている。
『1997冬季納豆特集 関西地区=旭松食品、関東で5倍の伸び人気の氷温熟成製品』
1997/12/17 日本食糧新聞
旭松食品(株)(大阪市淀川区、01・306・4121)
は、今前期決算(9月)で納豆部門の売上げが昨年比四一・
二%増の三四億四七〇〇万円と好調。凍り豆腐、即席味噌汁部
門を抜いて、もっとも大きな売上げ構成比を占めるようになった。
これは、独自の納豆菌で発酵させた「においひかえめなっと
ういち」が、今まで納豆嫌いだった関西地区の消費者に受け入
れられ、近年の納豆ブームの牽引役となり、同地区の納豆マー
ケットの圧倒的なシェアを占めているだけでなく、関東地区の
消費者をターゲットに開発した「氷温熟成完熟超小粒納豆い
ち」が、大きな売上げの伸びを示していることが要因となっている。
「氷温熟成」は、独自の製法で甘みと旨味が強く、トップシ
ールで空気を遮断し、過剰熟成を防ぎ、おいしい状態を保つこ
とができる。また、パッケージも可燃性のオパレー容器を採用
し、環境面も考慮されているなどさまざまな工夫が凝らしてあ
る。こうしたことが、ヘビーユーザーの多い関東地区の消費者
に受け入れられ、同地区の売上高で昨年比約五倍に伸長。生産
体制が追いつかない状況になった。
そこで、納豆の性格上、デリバリー面も考慮に入れ、埼玉県
比企郡吉見町に物件を取得。首都圏納豆市場の拠点として、約
三六億円を投資し、生産性の高い最新設備を導入した「埼玉工
場」を竣工、11月19日から稼働を開始している。
関東地区は今まで生産性の問題で、積極的に営業活動を展開
できなかったこともあり、これからは、地元のリージョナルス
トアなどにもストアカバー率を広げていくのが当面の目標。同
工場は当面日産二〇万食の生産体制で臨むが、同地区のシェア
拡大に伴い、ラインを増設し、日産五〇万食の生産体制にもっ
ていき、これからはさらに関東地区の売上げ強化を図りたいと
している。
『1997冬季納豆特集 関西地区=高橋食品工業、国産原料こだわりの「京納豆」好評』
1997/12/17 日本食糧新聞
高橋食品工業(株)(京都市伏見区、075・621・39
31)は、「鶴の子納豆本舗」の商標登録で有名な納豆専業メ
ーカーで、年間販売額約六億円。大手量販店をはじめとする販
売チャネルで全国展開し、関西地区の納豆需要の伸びを追い風
に、昨年比一五%増と好調に販売額を伸ばしている。
そもそも京都は納豆の歴史が古く、同社商品はパッケージに
「京納豆の由来」を記して京都色を打ち出しており、また、国
産の有機無農薬大豆を使用するなど、原料にもこだわり、大手
メーカー商品との差別化を図っている。
この路線の強化商品として、9月から発売した「京納豆」シ
リーズは、国産黒豆大豆納豆「丹波」(四〇g二パック入り、
メーカー希望小売価格一九八円)と大粒で旨味の高い契約栽培
の袖振大豆を使用した「京都」(同一四八円)の二アイテムで
構成されており、消費者から「おいしい」「販売先を教えてほ
しい」と問い合わせが多く寄せられている。
特に健康雑誌で黒豆が取り上げられたことなどから、「丹
波」の人気が高く、既存の黒豆納豆よりも低めの価格設定と相
まって、原料確保に追われている状況。
また、この二品は、タレにもこだわり、本醸造醤油を採用す
るなど、同社のおすすめ商品として注力していく方針。
高橋孝幸社長は「これからも京都というブランドイメージに
恥じない本格商材を展開していきたい。好評の京納豆シリーズ
も第三の商品を企画中で、デパートや量販店の納豆売場に京納
豆コーナーを設けるのが夢」と意欲的。
『1997冬季納豆特集 関西地区=フジッコ、昆布ミネラルを混入 黒豆納豆の商品も』
1997/12/17 日本食糧新聞
フジッコ(株)(神戸市中央区、078・303・536
1)は、大豆に含まれるイソフラボンという成分に骨粗鬆症の
予防効果があると発表し、大豆製品の開発に力を入れている
が、中でも納豆は、これからの成長分野として位置付けしている。
アイテムは、主力商品の「昆布ミネラル納豆超小粒」と、甘
みの強い大粒の大豆を用いた「やわらか大粒納豆」の二品を展開。
納豆部門の売上げは年間約六億円だが、最近の納豆ブームを
追い風に、昨年から今年にかけて三〇%の伸びを示すなど、好
調に推移している。
同社は、差別化の要素の少ない納豆で、消費者から「フジッ
コの納豆でなければ」といわれる商品開発を目指している。
一つは、平成3年に納豆市場に参入した際、主力商品の昆布
に目を付け、発酵時に昆布ミネラルを混入することで熟成効果
を高め、昆布の旨味を加えたことが挙げられる。
さらに、納豆菌も自社で発見した「KAORI二号」という
独自のものを採用している。この菌の作用で、従来の納豆より
旨味に優れ、アンモニア臭が発生せず、納豆嫌いといわれてい
た関西の消費者を中心に根強い支持を得ている。
また、同社は、以前から栄養的にも旨味の点でも優れた黒豆
の納豆に注目していたが、黒豆は普通の大豆より皮が固いとい
う欠点があり、それを克服するため、「ネオマイルド七一〇
(ナットウ)」という大豆の皮を軟らかくする菌を発見し、黒
豆納豆の商品化に成功した。6月から関東地区を中心に地域限
定で発売、10月から全国で本格発売しており、関係者の注目
を集めている。
国産の黒豆を原料として使用しているが、五〇g二パック入
りでメーカー希望小売価格一九〇円と、低めの価格設定がバイ
ヤーに受け入れられ、関東地区でかなり売場を広げている。関
西でも10月から大手スーパーを中心に店頭に並ぶなど、好調
なスタートを切っており、これからの重点商品として、注力し
て販売していきたいとしている。
1997/12/12 日経産業新聞
「大阪出身で納豆の味がわかるんですか?」。旭松食品企画
開発部係長の上辻徹は東京都内で納豆の営業をしていた時、こ
うした質問をよく受けた。当時、旭松食品は納豆独特のにおい
を少なくした「なっとういち」を関西で売り出し、好調な滑り
出しを示していた。上辻はこれを首都圏でも販売しようとスー
パーなどを駆け回ったが、「においがなくては納豆と呼べな
い」と取り扱ってもらえなかった。
七年間の納豆の営業を経て、九三年から企画開発部で関東の
顧客にも受け入れてもらえる納豆作りに取り組んだ。この時に
考えたのは納豆の魅力を「入れ物」という明確な部分と「おい
しさ」という概念的な部分に分け、それぞれについて消費者が
潜在的に抱く不満を探したという。
九四年に関東地方の主婦九百人に面接調査し、週に三―四回
は納豆を食べるヘビーユーザーのし好を研究した。調査機関に
依頼したデータなども加味した結果、貴重なヒントが浮かび上
がった。
目立ったのが新鮮さを求める声だった。発泡スチロール製の
パック三つを帯で巻いて売る納豆の賞味期限は帯の部分にだけ
書いてあり、一パック使えば帯は外れてしまう。冷蔵庫で長期
保存したパックは納豆の水分が失われ、アミノ酸が結晶化して
シャリシャリと嫌な歯触りになるという指摘だ。
九六年三月に発売した「納豆いち・完熟超小粒」は水分が逃
げないよう容器にシールでふたをし、さらに一パックずつ賞味
期限を表示した。入れ物の改善である。
味にも新機軸を打ち出した。納豆をセ氏零度から零下二度の
状態で従来の倍以上の時間をかけて熟成させる新製法を採用し
た。うまみの元であるアミノ酸の生成を促すことができる。
「納豆いち」はヒット商品となり、旭松食品は首都圏での販
売額を前年度の三倍以上に伸ばした。同社の九六年度の納豆売
上高は前年度に比べ五七%増えた。
大阪市中央区で生まれた上辻は幼少時代、「納豆は嫌いでは
なかったが、近所のスーパーでは売っておらず、年に数回しか
食べなかった」と言う。メーカーの商品開発担当者は、とかく
自分の感覚を信じるタイプが多い。だが上辻は「自分の舌を信
じず、純粋に消費者のし好を探り続けたのが良かった」と思っ
ている。
九六年度の納豆の市場規模は約千六百億円。パック数に換算
すると四十四億パック(一パックは五十グラム)となり、国民
一人が年三十五パックの納豆を食べている計算になる。
八〇年代後半には納豆ブームが起き、大きな伸びを記録。九
四年度に米不足の影響で消費量は前年を下回ったが、九五年度
以降は消費者の健康志向が高まるにつれ人気も回復した。
総務庁の家計調査などから推計した一人当たりの納豆消費額
は、東京が年間に千九百八円(前年度比一〇%増)なのに対
し、大阪は七百十三円(同二八%増)。依然として地域格差が
あるが、「西日本の人は納豆を食べない」という常識は薄れつ
つある。 (原田洋)
1997/12/03 日本経済新聞 地方経済面
納豆メーカー大手のあづま食品(栃木県河内町、黒崎信也社
長)は、リサイクル可能なPET素材を使用した容器を開発、
同容器入りの納豆二種を発売した。生協、大手量販店など取引
先や消費者の環境問題に対する関心が高まっているのを背景
に、二〇〇〇年までに順次、全製品の容器を切り替える。ま
た、全国の納豆メーカーにも技術を公開し、業界あげてリサイ
クル容器導入を促したいとしている。
新容器はフィルムシール、包材、包装機械メーカーなど四社
と共同開発した。回収容器をフレーク状にして溶融後再成型
し、工業用のトレーとして使えるのが特徴で、流通業界と回収
システムの確立を検討している。従来の容器は加工しやすく、
保温性のある発泡スチロールが原料だったが、発泡率が高いた
め、少量のポリスチレンしか回収できずリサイクルが困難だった。
また、従来容器は燃やす際にススが出るほか、加熱時にベン
ゼンが溶出し、焼却炉を傷めるなど問題が多い。これに対し、
新容器は燃焼時に一酸化炭素、エタン、メタンなど有害ガスが
発生しない。発生カロリーも一キロ当たり五千五百キロカロリ
ーと従来の半分程度に抑えることができるという。
同社は新容器を使用した「新極小粒3P」(五十グラム三個
入り、百六十八円)、「国産ひきわり3P」(同)を発売し
た。新容器は一パックあたり五円と従来品の約三倍のコストが
かかるが、小売価格には上乗せしない。
同社の納豆の生産量は日産一千万パックで、新容器を使用し
た製品はまだ全体の五%程度。だが、三年後をめどに全量を新
容器に切り替える計画だ。
また、全国納豆連合会を通じて、同業他社に新容器採用を呼
びかけ、業界全体での環境問題への取り組みを訴える。同時
に、そうした取り組みを通じて容器の生産コストダウンにもつ
なげる考えだ。
1997/11/29 日経流通新聞
「有機栽培」をうたった農産物を原料とした加工食品が売れ
ている。全国のスーパー八十四店舗のPOS(販売時点情報管
理)データで、「有機」「オーガニック」「無農薬」というネ
ーミングのついた商品について、九五年以降の販売動向を集
計・分析したところ、販売金額、シェアともに年々増加傾向に
あることがわかった。「有機」の定義のあいまいさを問題視す
る声もあるが、そのネーミングには確かな販売力が備わってい
るといえそうだ。
加工食品の中でも有機素材として最も浸透しているのが大豆
製品だ。もともと日本向け大豆の大部分を生産する米国で有機
大豆が栽培されており、製品に浸透しやすかった。中でも普及
しているのが豆腐と納豆。消費者のブランド志向が比較的高く
ないため「有機」というネーミングが販売に効果的に働いている。
豆腐(生揚げ、油揚げなどの豆腐製品を含む)の販売金額全
体のうち有機商品のシェアは、今年一―十月の実績で一六・〇
八%。今回調査した加工食品のなかで、最も高い比率となっ
た。一カ月当たり販売金額も、ずば抜けている。
納豆では、年間販売金額ランキングの上位百商品中十四商
品、販売金額シェア一〇・五〇%を有機商品が占める。今年一
―十月の販売金額ランキングでは、あづま食品(栃木県河内
町)の「有機栽培無農薬小粒カップ3」が二位以下を大きく引
き離した。
同社は八二年に有機納豆を発売したが、売り上げが伸び始め
たのはここ数年。九五年に納豆メーカーとして初めてOCIA
(有機農産物改良協会、本部米国ネブラスカ州)からオーガニ
ック食品の認定を受けた。
同社はタカノフーズ(茨城県小川町)に次ぐ業界の二番手メ
ーカーだが、有機商品では市場をリード。大手量販店にもPB
の有機納豆を提供、現在は、同社売上高全体の約三割を有機納
豆が占めるまでになった。今年度の売り上げは通常商品で前年
度比約一〇%増、有機納豆で約二〇%増を見込んでいる。
みそ、しょうゆでも有機大豆を使った商品が増加傾向。販売
金額全体に占めるシェアは、みそが九五年の〇・二二%から九
七年〇・六八%、しょうゆが同三・四二%から三・八六%へ上
昇。八月にハナマルキ(東京都目黒区)が発売した「有機大豆
一〇〇%みそ」は、通常の二割高だが、「これまでの製品より
立ち上がりは五〇%程度良い」という。
『旭松食品、埼玉工場が竣工 首都圏納豆市場への拠点に』
1997/11/28 日本食糧新聞
旭松食品(株)(大阪市淀川区、06・304・4121)
は19日、首都圏納豆市場への拠点となる埼玉工場の稼働を開
始し、併せて竣工披露式典を行った。
新工場は、埼玉県比企郡吉見町大寺長谷一九五七番地(吉見
長谷工業団地内)に立地、敷地面積は二万八五七平方メートル
(約六三〇〇坪)、延べ床面積六一七二平方メートル。
最近の納豆市場は、前年対比約一〇%増と著しく伸長してお
り、その中でも同社は、独自の納豆菌で発酵させた「においひ
かえめなっとういち」を開発、同社の拠点である関西地区中心
に、「納豆嫌いの食文化を変えた」といわれるほど、大きな支
持を得ている。また最近では、ヘビーユーザーの多い関東地区
に向けて開発した、甘みとうまみの強い「完熟超小粒納豆い
ち」が、関東地区を中心に大きく売上げを伸ばしており、生産
が追いつかない状況にある。埼玉工場はこの「完熟超小粒」の
生産工場として、同社四番目の納豆生産施設となるもの。
同工場は、加工・包装ラインなど自動化が進んだ最新鋭生産
機器導入で、高い生産効率を実現している。また、環境対策で
も工場排水の水質基準をBOD二〇ppm以下に抑えて排水処
理を行い、一日二〇〇立方メートルの処理が可能。さらに機械
換気を採用するなど、衛生面も最新設備を導入、これからの納
豆生産施設として業界で注目を集めている。
同社・木下晃一社長は、式典および記者会見の席上で「今9
月中間期決算で、納豆部門は対前年比約四一・二%増と大きく
売上げを伸ばした。凍り豆腐、即席みそ汁に次ぐわが社の三本
目の柱となり、現在では三部門の中では最も大きい売上げ構成
比を占めるようになった。今日では、関西地区で圧倒的なシェ
アを占めているが、関東地区では思うように消費が進まず、関
東市場に向けた納豆ということで研究を進めた結果、“氷温熟
成完熟超小粒納豆いち”を開発、昨年からの発売に至った。そ
の結果、納豆ブームの追い風の中、爆発的な人気を得て、関東
地区での売上げは昨年から五倍近く伸長。供給が間に合わない
状況となり、首都圏の消費者に近いところで工場の取得を急
ぎ、今日の竣工に至った」と、これまでの経緯を述べた。
また、塩沢精取締役チルド事業部長は「当面日産二〇万食の
生産体制で臨むが、関東地区での消費拡大に伴い、ラインの増
設を進め、日産五〇万食を目標にしたい」と、新工場の今後に
意欲をみせた。
さらに、来賓祝辞として、全国納豆組合連合会高星進一会長
が、「折からの健康ブームの中、納豆市場は大きな伸びをみせ
ている。これは、消費者に好かれるおいしい納豆をという、メ
ーカー各社の努力のたまものと感謝している。これからは、消
費全体の冷え込みや、メーカー間の競争の激化などで厳しい状
況も予想されるが、納豆市場規模のさらなる拡大、そして全国
シェアでトップメーカーになることを目標に頑張って欲しい」
とエールを送るなど、関係者たちの期待を集めて、盛大に行わ
れた。
『[のら屋の体においしい…]ニンジン葉と納豆のスパゲティ』
1997/11/27 毎日新聞 地方版
今の季節はまだ、ニンジンの葉は元気いっぱい。寒さに負け
そうになりながらも太陽の光をいっぱい浴びて濃い緑色。香り
も強くて、みるからにビタミンたっぷり。もちろん、根っこの
赤いニンジンもおいしくなっているので、一緒にしっかりいた
だきましょう。「人(ヒト)」にとっても一物全体食といっ
て、丸ごといただくことが体にもよく、食べることの基本の一
つ。ぜひ心がけたいもの。
(1)塩を加えて、スパゲティをゆでる。できれば、国内産
小麦で作ったスパゲティを使ってみましょう。固さは好みで。
ザルにあげたら、ゴマ油を少しからめておく。
(2)ニンジン葉はよく洗って、汚いところは取り除く。軸
は固くてすじがあるので使わない方が無難。柔らかい葉の方を
ザク切りにする。根の赤いニンジンの方は、よく洗って皮つき
のまま細い線切りにする。
(3)ごま油をたっぷり熱し、ニンジン葉、ニンジン、チリ
メンジャコを入れ、しっかり炒める。炒まったら、納豆を加
え、ほぐしながらさらに炒める。塩、コショウ、しょうゆで味
をつける。(1)のゆでたスパゲティを加え、しっかりまぜ
る。最後の味のチェックをして出来上がり。しょうゆ味をちょ
っと効かすとおいしい。
(4)皿に盛り、きざみのりをたっぷりかけて召し上がって。
(のら屋082・295・6465=スタッフ、原清子さん)
『納豆作る枯草菌 日韓欧米の研究グループ、塩基配列すべて解く』
1997/11/27 東京読売新聞 夕刊
納豆作りなどに利用され、分子生物学の実験生物としても知
られる「枯草(こそう)菌」の遺伝子を構成する全塩基配列
を、奈良先端科学技術大学院大学の小笠原直毅、吉川寛教授ら
日本、韓国、欧米十二か国の共同研究グループが世界で初めて
解明した。
全塩基配列が判明した生物は、大腸菌やインフルエンザ菌な
どに次いで十例目。新しい抗生物質の開発などへの利用も期待
できるという。
遺伝子(DNA)は生命活動に欠かせない酵素などたんぱく
質の設計図で、塩基と呼ばれる物質が鎖状に連結して出来てい
る。枯草菌の遺伝子数は四千二十一個あり、そのDNAは約四
百二十一万五千の塩基で出来ている。
国際プロジェクトは一九九一年に着手、日本の三十三人を含
む百五十一人が共同研究。研究グループごとに二十万塩基ずつ
配列の決定を担当した。同大は二十万塩基を酵素などで五百ず
つに分断、PCR(遺伝子増幅)法などを用いて読み取り、五
年がかりで塩基配列を解析した。
枯草菌は大腸菌と並ぶ分子生物学研究のモデル実験生物で、
広く自然界に存在する。たんぱく質やデンプンなどを分解する
酵素を分泌するため、洗剤や納豆作りにも利用されている。
1997/11/21 日本食糧新聞
【大阪】旭松食品(株)(大阪市淀川区、06・306・4
121)平成10年度3月期中間決算
▽売上高八九億二六〇〇万円(前年同期比一二・六%増)▽
営業利益一億九五〇〇万円(五六・〇%増)▽経常利益一億八
二〇〇万円(一一・九%増)▽当期利益九三〇〇万円(八・
一%増)▽一株当たり中間利益九円九七銭
〈部門別売上高〉▽凍り豆腐二四億九五〇〇万円(六・九%
減)▽加工食品二七億五六〇〇万円(五・八%増)▽納豆三四
億四七〇〇万円(四一・二%増)▽その他二億二六〇〇万円
(一〇・九%増)
厳しい市場環境の中、消費者の健康志向、自然志向、食品の
安全性に対する関心は強まってきており、同社は、この消費者
ニーズ、市場競争への対応を念頭に置いた商品開発に努めた結
果、昨春発売の新商品「氷温熟成納豆」が、関東地区を中心に
順調に市場に浸透し、納豆部門が大幅な売上げ増となった。
その他の部門では、凍り豆腐部門で健康志向を背景に新規需
要の開拓などに努めたが、高価格商品が伸び悩み、前年を若干
下回った。即席みそ汁「生みそずい」は、カップ製品を全面リ
ニューアルし、袋入りについては低温熟成味噌を使ったうまみ
や風味にこだわったシリーズ三品を新発売し、テレビCMと連
動した総合キャンペーンを打つなどの積極的な展開に支えら
れ、売上高、利益面ともに二桁の伸びをみせた。
下期は、関東における供給体制の強化のため、埼玉県吉見町
に同社四番目の納豆生産設備「埼玉工場」を新設。同工場の本
格稼働を引き金に、引き続き関東戦略を積極的に押し進めると
ともに、顧客ニーズを先取りした商品開発や、利益を追求する
経営体制の推進、安定した経営基盤づくりなどに励み、さらな
る業績の向上を図る意気込み。
通期では売上高一九〇億円(一〇%増)、経常利益五億八〇
〇〇万円(五%増)、当期利益二億五〇〇〇万円(五〇%増
)、一株当たり年間配当金一〇円を見込んでいる。
『旭松食品、埼玉新工場が稼動――氷温熟成納豆を増産。』
1997/11/20 日本経済新聞 地方経済面
飯田市に本店を置く旭松食品が埼玉県内に建設していた工場
が完成し、十九日に稼働した。関東地方を中心に投入している
氷温熟成納豆(氷点下で熟成させる納豆)の販売が好調なため
増産体制を整えた。これまで関東地方向けには主に高森工場
(高森町)と友部工場(茨城県)から製品を供給していたが、
埼玉工場の稼働でより消費地に近い生産拠点からの供給が可能
になる。
新工場は関越自動車道の東松山インターチェンジ(IC)か
ら約六キロの距離にある吉見長谷工業団地(埼玉県吉見町)の
約二万平方メートルの敷地に建設。二階建てで延べ床面積は約
六千平方メートル。一日当たり五十万食の生産能力を持つ。投
資額は土地取得費を含め約三十六億円。
工程間の製品を自動搬送装置を使って移動させるなど省力化
を図り、従業員数は一日当たりの生産能力がほぼ同規模の小野
工場(兵庫県)の約半分の五十九人に抑えた。同時に生産ライ
ンの速度を約二倍に引き上げ生産性を向上させた。同社は「埼
玉工場を首都圏市場開拓の前線基地と位置づけたい」としている。
1997/11/14 日本経済新聞 地方経済面
旭松食品 九七年九月中間期の売上高は前年同期比一二・
六%増の八十九億二千六百万円。納豆の販売が関東地区を中心
に順調に推移した。経常利益は一一・九%増の一億八千二百万
円、税引き利益は八・一%増の九千三百万円だった。
九八年三月期は売上高百九十億円、経常利益五億八千万円を
見込む。
『[1997中間決算メモ]旭松食品 「関西に納豆」迷う』
1997/11/14 大阪読売新聞 朝刊
○…うまみを引き出すアミノ酸が通常の納豆の倍も含まれて
いるという氷温熟成納豆。旭松食品の納豆部門の売り上げは、
氷温熟成のおかげで、前年同期比四一・二%増の三十四億円だ
った。しかし、木下晃一社長は、これを関西にも本格投入する
かどうかで、迷っている。関西では、においをマイルドにした
「なっとういち」が定番化しており、においがきついままで
は、売れ行きに不安が残るからだ。「におい、味の面で改良も
考えている」と話すが、悩みは深いようだ。
1997/11/14 産経新聞 朝刊
朝刊一面「朝の詩」の十月月間賞に東京都田無市南町五ノ一
一ノ九、無職、渋江達三さん(七五)の「納豆」(一日掲載)
が選ばれました。渋江さんには掲載紙のカラーパネルと一万
円、それにキユーピー(株)から「アヲハタジャムセット」を
贈ります。
渋江さんの話「去年の月間賞に引き続き、二度目の月間賞を
いただき、本当にありがとうございます。こんどの詩のような
ことが、わが家にも全然ないわけでもないのですが、詩そのも
のは私の想像からの創作です。だから家族にはあまりみせられ
ないな、と思っているところです。これからも記憶に残るロマ
ンチックな詩を探求し、投稿したいと考えています」
《授賞作品》
納豆
おじいさんは今朝も
日課のように
納豆が糸を引くまで
掻き回す
息子
嫁
孫
おばあさん
日頃 無口になって
みんな貝になった
紅い糸も切れ
糸電話も通じない
おじいさんは今朝も
つながりを求めて
納豆を掻き回す
『永谷園、有機大豆の納豆「生みそタイプみそ汁 納豆汁」発売』
1997/11/14 日本食糧新聞
(株)永谷園(東京都港区、03・3432・2511)は
10月27日から、有機大豆の納豆を使った生タイプの即席味
噌汁「生みそタイプみそ汁 納豆汁」を北海道・東北・関東地
区で発売した。初年度販売目標は三億円。
素材のひきわり納豆は、米国の有機農産物基準に基づいて作
った。三年以上、農薬や化学肥料を使用していない土壌で栽培
した大豆を使用、「従来品とは納豆のコク、風味が違う」(永
谷園)という自信作だ。
味噌は北海道産の合わせ味噌を用いて差別化。深みとコクの
ある味が特徴だ。
パッケージはシンプルながら、迫力のあるデザインを採用。
店頭露出効果を高めている。
商品内容は次の通り。
▽生みそタイプみそ汁 納豆汁=内容量七三・五g(二四・
五g×三人前)、小売価格一六〇円、荷姿三人前×一〇P×八B
1997/11/12 東京読売新聞 朝刊
永谷園は、生みそタイプの即席みそ汁「納豆汁」を北海道、
東北、関東の3地区で発売した。有機無農薬大豆のひきわり納
豆と北海道産の合わせみそを使用している。3人前で、73.
5グラム入り。160円。 (電)03・3432・2511
『あづま食品、業界初のPET素材納豆容器開発 環境に低負担』
1997/11/12 日本食糧新聞
納豆メーカー大手、あづま食品(株)(栃木県河内郡、02
86・72・2112、黒崎信也社長)は、包材、包装機械、
フィルムシールなど五社の共同で、リサイクル可能で燃焼炉を
傷めず、ダイオキシンを出さずに環境に低負担のPET素材で
の納豆トレーを開発、10月には「新極小粒3P」(五〇g三
個、たれ・からし付き、一六八円)を、11月には「国産ひき
わり3P」(同、一六八円)を全国に新発売した。業界では初。
従来の納豆容器は加工しやすく軽くて保温性のあるポリスチ
レンが主流だが、燃焼時の残灰(スス)および加熱時のベンゼ
ン溶出が問題となり、燃焼カロリーも高く、炉を傷める恐れが
あった。PET素材の最大の欠点はコスト高であったが、同業
他社に先がけて一五年前から有機大豆に取り組み、九五年には
OCIA(有機農作物改良協会)認定工場の資格を取得して健
康を提案してきた企業理念により、「日本人が毎日食べ親しま
れている食品から環境を考えよう」と新素材に着手した。
新商品の「新極小粒」は在来の米国産極小粒大豆と栽培方法
を全く変え、国産地塚大豆の品質を維持するために毎年日本か
ら種子を米国に持ち込んで栽培、五年の歳月をかけて量産に成
功した米国産「地塚小粒大豆」を使用。トレーは開けやすいト
ップシールタイプで、トレー一つひとつに賞味期限を印字して
いる。PET素材の三個パックの包装には業界初のトレーの完
全シュリンク包装を採用し、衛生面、安全面を一歩進めている。
「国産ひきわり」は国産のタチナガハ種大豆を一〇〇%使用
し、六〜八分割した粗挽きタイプの挽き割り大豆を使用。PE
T素材のトレーはゆったりサイズ(容積三〇%アップ)で、よ
り一層ムラのない均一な発酵となっている。
同社では二〇〇〇年にはプラスチック製容器、包装に施行さ
れる容器包装リサイクル法に向けて、PET素材の納豆容器も
回収できる東京都稲城市のPETボトルリサイクル方式に着
目、納豆容器の回収を模索している。
『からし特集 業務用=波少なく堅調推移、納豆用ミニパックは銭単位でシノギ』
1997/11/12 日本食糧新聞
業務用(加工用を含む)も総体的には堅調に推移している。
景気の波が少ないといわれる食品業界の中で、市場規模(用
途)が小さいからし業界だけに、波もより少ない地味な業界と
もいえる。ただ、そのためもあってメーカー間の競合も激し
く、とくに主体となる納豆を中心としたミニパック(添付品)
は、銭の単位でシノギを削っている。幸いにして、納豆の消費
は順調で骨粗鬆症や血栓予防など、従来からの食効に加えて、
病原性大腸菌O157でもその“底力”を発揮し、その健在ぶ
りをアピールした。このほか、コンビニエンスストアなどで展
開している持ち帰り用おでん、ファストフード関係、シューマ
イなどの添付用として、ミニパックの用途も広い。また、飲食
店向けなど業務用全般では、おでん屋、とんかつなどの和食系
をはじめ、中華料理店、ファミリーレストランや洋食店(マス
タード)など、あらゆる飲食業態に進出しているものの、使用
量が限られるうえ、外食全般で厳しさが続いているだけに、量
的な増加は期待できない。
ただ、この分野も簡便性やメーカーの付加価値戦略もあって
か、練りからしなどのウェットタイプの方の伸びが大きい傾向
にあり、家庭用と同様に粉末タイプは「こだわる客(店)」に
絞り込まれつつある。
一方、加工用は粉末が主力となる。専業メーカーが主体で、
香辛料メーカーなどを含めた仲間売りをはじめ、わさびやマヨ
ネーズ、ドレッシングなどの原料用や、夏から秋にかけてナス
のからし漬け用途などの季節需要もある。
国内のからしメーカーは、主に関東以西に散在。その中で埼
玉のサカイスパイスとチヨダ、中部の美ノ久が専業の“御三
家”といえる。サカイスパイスでは、今年からカナダ工場の製
粉機が本格稼働。日本仕様のカナダ製からしパウダーを輸入
し、ユーザーにサンプリングを実施。規格や輸送システムを含
めて、この「一〇ヵ月でほぼメドがついた」と、来年からの切
り換えに自信を示している。また、美ノ久はマスタードを中心
に業務用やPBなど、からし製品を幅広く手がけているが、昨
年、東京に営業所を設置し関東地区を強化。チヨダでは、その
伝統と技術を生かし、粉末からマスタードまで、業務・加工・
家庭用を含めて対応。今年も納豆添付用のミニパックが順調の
ほか、輸出原料用も伸びている。
このほか、首都圏では総合香辛料・スープメーカーとして知
られる平和食品が、シューマイなどのミニパックを主力に展
開。業務用全般や産業・学校などの給食向けの食材メーカーと
して知られるテーオー食品や交易食品(横浜)は、チューブ製
品などを主体に訴求。テーオー食品は「フレッシュパック」な
どの練りタイプが前年比二桁増と好調な動きを示している。ま
た、慶応年間に搾油業として創業した千葉のユニ・フードは、
全売上げの八割前後がからしで、そのほとんどがミニパック。
埼玉のアミュドも同様に小袋品が主力。専業の東京辛子粉も健在だ。
『◆からし特集 家庭用=チューブ入り練り「本生」好調』
1997/11/12 日本食糧新聞
全体では堅調に推移しているからし(マスタードを含む)市
場も、家庭用・業務用(加工用も含む)ともに、飽和市場とな
っているために、競合が強まる構図となっている。
とくに家庭用は、景気全体が先行き不透明で、消費者の生活
防衛意識が高まっているためか、からしの動きにも高級品から
レギュラー品にシフトするといった、数年前とは逆の動きがで
てきている。
また、業務用(加工用を含む)関係では、以前からシビアな
コスト競争が続いているが、納豆需要の好調もあってか、添付
用ミニパックが順調ながら、この分野の競合も相変わらず激しい。
一方、一〇〇%海外に依存する原料面は、今年産は増産が見
込まれているものの、世界的な需要も旺盛なため、産地相場も
堅調に推移するなど“高値安定”が定着化している。
家庭用のからし(マスタードを含む)の今上半期の動向は、
全体では前年並みからやや増加と堅調に推移している。ただ、
景気全体の先行きが不透明なためか、チューブ入り練りからし
もかつての高級品志向から、レギュラー品の“復活”傾向が強
まるなど、消費者の生活防衛意識の一端が、ここにも現れてい
る。このため、用途が限られている現状に加えて、単価ダウン
といった市場の頭打ち傾向が強まり、必然的に競合激化という
図式が鮮明になっている。
からし(マスタードを除く)の場合、タイプは主力のチュー
プ入りなどの練りと粉末(缶、袋)に大別されるが、粉末市場
はせいぜい四億〜五億円(メーカー出荷額)でジリ貧傾向をた
どっている。主力は簡便で使い勝手のいいチューブ入りの練り
タイプで、市場規模は六〇億円(同)見当。この分野は、エス
ビー食品とハウス食品の両大手で市場をほぼ制覇。他に量販店
のPBが散見される程度のため、両社がシノギを削っているこ
とになる。
この秋口までの動きをみると、エスビーが好調な半面、ハウ
スが苦戦という全体構図が浮びあがる。エスビーの場合、前期
も粉からしは低迷したものの、チューブ入り練りタイプは、横
ばい基調のレギュラー品をシリ目に、約六割の構成比を占める
主力の高級品「本生」が、キャンペーン効果もあってか好調に
推移。チューブ入り全体では、前年比一〇%強と増加。これを
持続した形で、この上半期もチューブ入りの「本生」は、前年
同期比一二%増、低迷していたレギュラー品も同八%増と盛り
返している。
一方、ハウスはこの余波を受ける形で、前期は粉からし、チ
ューブ入り練りタイプともにやや減少。この上半期は、粉から
しは横ばいながらチューブ入りは未だ“水面下”という状況。
ところが、チューブ入りの中でも、レギュラー品(ねりからし
七%増、ねり和からし一〇%増)は、それまでの低迷から脱し
て上向きに転じたが、主力の高級品「特選」が前年同期比で二
桁減と足を引っぱり、高級分野での競合が明暗を分けた形だ。
一方、いわゆるマスタードも今期はよくて微増にとどまりそ
うだ。市場規模は一五億円前後(メーカー出荷額)と推定さ
れ、昭和35年に参入したキユーピーのほぼ独壇場という傾向
で推移してきた。ここ数年、エスビーやハムメーカー(日本ハ
ム、伊藤ハム)なども注力し、ジワジワと市場拡大に貢献して
きたが、こちらも食シーンが限られる分野だけに、関連販売な
どを通じ「着実に伸ばす」(キユーピー家庭用調味料部宇佐川
部長)不断の努力が求められている。キユーピーの今期(11
月期)の見通しでは、前年比微増の着地となりそうで、「それ
だけ定着した裏返し」とみている。種類別にみると、同社マス
タード売上げの八割を占める「あらびき(一〇〇gびん)」
が、かつて(平成5、6年)の急増から今期は微増にとどまる
気配。ただ、スクイズパックの「ホットドッグ用」(一五〇
g、小売二二〇円)は、今期も二〜三割増と、基礎数値は小さ
いながら、四年連続の二桁増を確実にしている。
また、エスビー食品では「コールマンマスタード」(チュー
ブ)や「フレンチマスタード」(スクイズパック)などを手が
け、この上半期は横ばいながら、前年は一〇%増と着実に増
加。日本ハムなど、ハムメーカーのマスタードは、粗びきソー
セージとの連動(マネキン販売等)など、仕掛けによって動き
が大きく変化する宿命にある。
また、首都圏量販店でのからし関係は、香辛料売場とマヨネ
ーズ・ドレッシング売場、さらに生鮮売場などに分かれるケー
スが多い。からしは、エスビー、ハウスのチューブがメーン。
粉末はエスビーの缶入り(三五g)のみで、袋は散見される程
度。価格は袋で一〇〇〜一一〇円、缶で一五〇円台。チューブ
は、レギュラー品で一二〇円台、高級品で一七〇円台。特売で
は二〇〜三〇円台の値引で訴求している。
マスタードは、キユーピーのびん入り(一〇〇g)が一六〇
円台、輸入品(マイユ)で二二〇円台(一〇三g)。エスビー
の「コールマン」や「フレンチ」が一七〇〜一九〇円台という
のが大勢。日本ハム(四〇g)や伊藤ハム(五〇g)のチュー
ブ入りは、一〇〇円で関連販売するケースが主流だ。
『大豆――需給ひっ迫で高値圏へ、アジアの需要増が下支え(市況トレンド)』
1997/11/05 日経産業新聞
今年夏から下落基調をたどってきた大豆の国際価格は、中長
期的にみれば再び高値圏に向かいそうだ。世界最大の生産国で
ある米国は今年、過去最高の豊作に恵まれたが、アジアの需要
拡大で需給ひっ迫感が次第に強まる公算が大きい。中国が輸入
国に転じそうなうえ、エルニーニョ現象による干ばつ懸念がぬ
ぐい切れないことも国際価格を下支えするだろう。
国際指標となるシカゴ商品取引所の大豆期近価格は昨年の乱
高下の後、今年五月上旬まで上昇が続いた。九六年産の作柄悪
化と需要の拡大が主な理由で、一時は一ブッシェル当たり九ド
ル台の過去最高値を記録した。しかし、米国産をはじめとした
九七年産の豊作が確実となると、基調を弱め「歴史的に見て妥
当とされる六ドル台」(丸紅)に落ち着いた。
十月に入ると、トウモロコシ価格が中国の突然の輸出停止な
どを受けて急伸したのに連れて上昇、現在は七・一ドル台とな
っている。十月の反転上昇が中長期的な値上がりのきっかけと
なるかは不透明だ。十月末からアジア各国の株価・通貨安によ
る需要減少予測が台頭しているためで、年内は不安定な値動き
を予想する向きが多い。
市場では早くも年明け以降の需給分析が始まっている。まず
供給面をみると、米農務省(USDA)が十月十日に発表した
九七年九月―九八年八月の世界の大豆予測生産量は二十七億二
千二百万ブッシェルで過去最高の豊作となる見通し。
一方、需要も拡大するとみられる。ここ数年で急速な経済成
長を遂げたアジアでは、食生活の欧米化が進んでおり、食肉の
需要が伸びている。食用油や飼料として使われる大豆の消費量
は増えており、「アジアの需要は長期的に増加基調を持続す
る」(大手商社)との見方が有力だ。
この見方が崩れるとすれば、今年七月のタイバーツ急落をき
っかけに東南アジア各国に広がった通貨安とその後の株安だろ
う。通貨安は輸入価格の上昇を招いたばかりでなく、同地域の
景気減速につながった。
十月末から景気後退がアジアの需要停滞につながるとの観測
が出ているものの、「影響は一時的」(丸紅調査部)との見方
が多い。アジアでは人口が増え続けており、食糧需要は拡大す
ることはあっても減ることは考えにくい。景気低迷が需要減少
に直結する産業資材や工業製品とは、需要構造に根本的な違い
がある。
アジアを中心とした需要増を補うほどの供給の急増は見込め
ない。米国では九六年に新食糧法が施行され、農家が自由に生
産を増やせるようになった。全米で二億ヘクタールといわれる
耕地のうち、二千万ヘクタールは休耕地だが、その大半が土壌
保全を目的としており、生産調整に充てているのはわずか。作
付面積の大幅な拡大は望めない状況だ。
中国の動向も見逃せない。同国の生産量は九五、九六年と最
高を更新したが、今年は東北部の干ばつで減産は必至とみられ
る。一方、需要は東南アジア各国と同様に増加しており、「来
年は輸入に踏み切らざるを得ない」との見方が浮上している。
こうした状況から判断すると、大豆の国際価格は七―八ドル
の高値圏に向かうとみられ、日本の輸入価格にも波及しそう
だ。USDAの予測では九八年八月末の在庫率は一〇・四%
と、適正とされる一六―一七%を大きく下回る。エルニーニョ
現象による干ばつなどが加わった場合、急騰する可能性もあ
る。 (広谷大介)
【ミニ知識】
大豆はトウモロコシと並ぶ主要穀物。世界の生産の大半は搾
油に使用され、油を搾った後のかすは飼料用となる。豆腐や納
豆に使う食品用大豆の生産はごくわずか。主な生産国は米国の
ほか、ブラジル、アルゼンチンなどの南米諸国、中国などとな
っている。
一方、主要消費国は米国、日本、欧州連合(EU)などで、
日本は最大の輸入国。シカゴ商品取引所の期近物が国際価格の
指標となる。
『納豆作り、祖国思う−−北朝鮮の日本人妻に、訪朝の都議ら面会』
1997/11/05 毎日新聞 朝刊
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を先月下旬訪問した「東
京―ピョンヤン友好交流会議」訪朝団(団長・宇田川芳雄都
議、64人)の代表が4日、東京都庁で記者会見し、日本人妻
2人と面会したことを明らかにした。会話の内容から2人はと
もに一時帰国の第1陣(今月8日来日)に含まれている東京出
身のリ・ミヒョンさん(57)と、大阪出身のリュ・ソンスク
さん(55)と見られる。
友好会議は、都議会日朝議連や労組で構成。先月27日から
31日まで訪朝し、日本人妻との面会は29日、平壌市のホテ
ルで行われた。日本側の親族に配慮して、氏名は公表されなか
ったという。日本人妻の一人は「(北朝鮮に行った当時は、日
本と北朝鮮を)行ったり来たりできると思っていたが、そうは
いかなくなった。(そのうちに日本の)母は亡くなってしまっ
た。心臓が悪く、娘の家から病院通いをしている。隣国だから
仲良くしてほしい。生きているうちに母の墓参りがしたい」
と、一日も早い帰国を望んでいることを強く訴えたという。も
う一人は、納豆やすし、福神漬けを作っては、祖国を懐かしん
でいると語ったという。
■写真説明 北朝鮮・平壌のホテルで友好交流会議訪朝団と面
会した日本人妻(手前右の2人)=同訪朝団提供
『JA熊本中央会「丼」コンテスト、最優秀は前田さん』
1997/10/30 日本農業新聞
【熊本】アイデアを生かしたオリジナル丼(どん)で手軽
さ、おいしさを競う「お手軽丼・アイデアコンテスト」が二十
九日、熊本市の総合女性センターで開かれた。
米の消費拡大運動の一環としてJA熊本中央会が主催したも
ので、書類選考で選ばれた主婦ら十人が参加。各自二十分の制
限時間内で、豆腐や納豆、タカナなど身近な食材を使った工夫
をこらした自慢の料理を披露した。審査には料理研究家の池部
美恵子さんら三人があたり(1)手軽さ(2)おいしさ(3)
アイデア(4)外観――の四点で優秀作品を選んだ。
審査の結果、熊本市の会社員、前田なおみさんが作った「簡
単丼」が最優秀賞に選ばれた。なお、優秀賞には、末和美さん
の「たかなたま丼」と安東晋吾さんの「豆腐と納豆の山かけ
丼」が選ばれた。
受賞者は来月九日の熊本農業フェアで行われる米・コメパー
ティーで表彰されるほか同コンテストに出された料理の料理メ
モも参加者に配布される。
『企画[サンデー経済]抗菌作用に脚光、納豆人気急上昇/鹿県内』
1997/10/26 南日本新聞朝刊
鹿児島県内で納豆の消費が大きく伸びている。健康食品とし
て脚光を浴び、昨年猛威をふるったO157に対する抗菌作用
に関心が集まっているためだ。納豆人気の上昇は全国的な傾向
だが、鹿児島の伸びは著しい。全国納豆協同組合連合会=略称
全納連、東京=が総務庁の家計調査をもとにまとめた鹿児島県
の九六年の消費金額は、二十三億九千万円で前年比四七・五%
増。伸長率は全国第六位にもなる。
「健康食品として見直され、ここ数年じわりと伸びていた
が、昨年のO157騒ぎで一気に火がついた」と納豆製造メー
カー・しかや食品=鹿児島市=の宮之原正治社長。納豆の抗菌
作用がテレビや新聞で報道され、それまでの二、三%の伸びが
二けたに急増した、という。
タイヨーも「昨年秋から急激な伸び」、生協コープかごしま
は「二けたの伸びが一年近く続いている。薬感覚で食べる人も
いるようだ」。Aコープ九十六店の生鮮食料品を統括するJA
県経済連生鮮日配課の調べでは、九六年度上半期と抗菌作用発
表後の同年下半期を比べると、売り上げは三〇%以上増えている。
同課の重冨千年課長は「消費者の健康志向にマッチした上
に、三十―五十グラムに小分けしたミニパックや納豆特有のに
おいが少ない小粒の大豆を使った商品が多くなり、抵抗なく受
け入れられた」と分析。Aコープで扱う納豆は以前は数アイテ
ム程度だったが、現在大規模店では三十五アイテムにも上る。
このうち三十はミニパックで、売り上げ上位四位まで小粒が占
める。他店も同様の傾向だ。
O157への効果を発表した岡山の倉敷芸術科学大学の須見
洋行教授は「納豆菌にはサルモネラやO157、ブドウ球菌な
どの腸内病原菌の発育を抑制する働きがある。また血栓を溶解
させる酵素を含み、朝方できやすい血栓予防には夜食べるのが
効果的」とアドバイスする。
全納連によると、抗菌作用や血栓溶解作用のほかに、(1)
骨を形成するビタミン2
K(2)骨粗しょう症を防ぐイソフラボノイド(3)心臓病、
高血圧予防に効果的なリノール酸(4)老化防止に役立つレシ
チン―などを豊富に含んでいる、という。
昨年の県内一世帯当たりの消費金額は三千三百七十八円で、
全国二十一位。納豆製造メーカー・佐藤食品工業=日置郡伊集
院町=の佐藤真一郎社長は「まだまだ伸びる余地はある。ブー
ムをきっかけに効用のPRや新しい食べ方の提案に力を入れた
い」と話している。
1997/10/24 日経金融新聞
旭松食品(2911)は、九九年三月期の設備投資を八億円
前後に抑制する計画だ。納豆事業拡大のための投資が一服する
ため、キャッシュフロー(約十六億円)の範囲内に抑え、財務
体質強化を優先する。
現在、関東地区での納豆販売が好調で品不足の状態が続いて
いる。このため、埼玉県に工場を新設、今期の設備投資は二十
八億円前後に膨らむ見通し。キャッシュフロー(減価償却費十
一億円、税引き利益三億円)を上回るため、銀行から十億円借
り入れ、残りは現預金を取り崩す計画。新工場は今月末稼働予
定で納豆の品不足は解消する見込み。来期は改装・補修中心の
設備投資になる予定。
1997/10/21 日本農業新聞
有機農産物の需要は急速に浸透し、すそ野を広げている。消
費者のニーズを反映して、取り扱いに積極的な量販店が増え、
ファストフード、ファミリーレストランなど外食産業も、米や
野菜など有機農産物使用を売り物にし始めた。総菜へ本格的な
使用を打ち出し、売り上げ増を狙うコンビニエンスストアもあ
る。納豆、めん類、調味料など加工食品でも原料への使用表示
が増えてきている。
分かりにくい六区分
有機農産物は一般的に、無農薬・無化学肥料、減農薬など農
水省の青果物へのガイドライン六区分のすべてを「有機」と表
現されることが多い。六区分を知らない消費者も多いし、減農
薬、減化学肥料と言っても、生産現場を知らない消費者にはあ
いまいなうえ、分かりにくい。商品にはガイドラインに沿った
表示がされているものも多いが、十把ひとからげで「有機」の
ほうが通りが良い。しかし、そのあいまいさが問題となってくる。
米国ではオーガニック(有機)食品生産法が成立しており、
施行は伸びていたが、早ければ来年二月の見通しといわれる。
農薬・化学肥料を三年以上無使用など、栽培基準をみたした農
産物以外にはオーガニック表示ができず、さらに、工食品もオ
ーガニック農産物を使い、添加物など基準に沿ったものにだけ
表示が認められる。違反者には罰則規定もある。それを検査す
る認証団体もあり、現在はそれぞれの団体が基準をもっている
が法施行後は一本化される。
さらに、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WH
O)が設置している国際食品規格委員会(コーデックス委員
会)では、国際的な基準づくりが検討されている。内容的には
米国の制度に沿ったものになりそうだ。
これらの動きを受けて農水省は、検査・認証制度の法制化を
検討、対象をガイドラインの中の有機農産物、転換期間中有機
農産物に限定する方針だ。日本の有機農産物市場は、急速に広
がりつつあるが、このままだと、あいまいな表示が消費者の信
用を失い、輸入食品に市場を奪われかねない。制度整備が急が
れ、表示は単純で分かりやすい方がいい。
食糧庁が米についても有機ガイドラインづくりを検討、青果
物に準じて有機米、転換期間中有機米、無農薬米、減農薬米、
無化学肥料米、減化学肥料米の六区分を打ち出している。これ
には消費者団体などから、やはり、あいまいさに対する批判が
出ている。
大切な単純明快さ
まず、青果物と米を一本化し、認証表示は有機農産物(転換
期中含む)だけに限り、消費者から見ても分かりやすく、すっ
きりしたものにすることが重要だ。他の区分については、認証
表示とは一線を画し、あいまいさは残るが、日本独自のものと
して消費者の理解を求めたらどうだろうか。
農薬の使用は現在のところ、全体的には農産物の安定生産に
欠かせず、残留農薬基準、安全使用基準でそれなりに農薬から
食品の安全が守られている。しかし、それに満足しない消費者
が増えており、環境問題からも、有機農産物の生産・流通の育
成に国がもっと積極的になる必要があろう。
『ホーネンが納豆から抽出したビタミンK2とCaを発売、骨粗鬆症予防に効果』
1997/10/20 日本食糧新聞
ホーネンコーポレーション(株)(東京都千代田区、03・
3211・6677)は高齢化社会と、慢性的なカルシウム不
足から増え続ける骨粗しょう症の予防に役立ててもらおうと中
高年や女性をターゲットとした栄養補助食品「豊年Honex
K2(ホネックス ケイツー)」と「豊年カルシウム」を10
月10日、新発売した。
同社は今年2月、ファインケミカル部門と、健康食品部門を
合体。これまで加工食品をヘルシー化した製品、例えば「一週
間ダイエット」や「粥」などをメーンに販売してきたが、消費
者の移り変わりが激しく流行に左右されるため見直しを進めて
いる。
特に栄養素に特化した製品開発を進めており、一昨年は「ギ
ムネマ」や「コラーゲン」などをラインアップ。「コラーゲン
は順調に売上げを伸ばし、末端価格で五億円商材になった」
(同社野村悦夫専務取締役)と成果を上げている。
今秋は骨粗しょう症をターゲットとした製品開発に取り組
み、「豊年HonexK2」と「豊年カルシウム」を新発売。
「豊年HonexK2」は、同社の独自技術で世界“初”納
豆油から抽出したビタミンK2が主成分。ビタミンK2は納豆
以外の食品にはほどんど含まれないビタミンで、カルシウムが
腸管から吸収された後、骨に運ばれる際に重要な働きをするこ
とが明らかになり一躍注目を集めている。「納豆の摂取量が多
い地域は、少ない地域に比べ大腿骨骨折が少ない」(同社)こ
となど具体例も挙げている。
さらに大豆胚芽から抽出した大豆イソフラボン、脂溶性ビタ
ミンと一緒に摂りたい大豆レシチン、カルシウムと同時に摂取
するとよいと言われているビタミン〓など栄養素をバランスよ
く配合している。一日に二〜六粒を目安に摂取。一〇〇粒入り
四八〇〇円と、二二〇粒入り九八〇〇円でラインアップ。初年
度一億円の売上げを見込む。
「豊年カルシウム」は、一粒当たりカルシウムを七五ミリグ
ラム、ほかに同時に摂取したいマグネシウム、ビタミン〓、C
PPをバランスよく配合。さらにさわやかなヨーグルト風味
で、そのまま食べることが可能。砂糖不使用(一粒〇・四二キ
ロカロリー)でカロリーも気にならない。一五〇粒一九〇〇円
と、四五〇粒四八〇〇円を品揃え。これまでカルシウムで三億
円売上げており、「一挙倍増を狙う」(同社)構え。
同社は「HonexK2とカルシウムを併用すると、健康な
骨の維持により効果的」といい、商品説明がしやすいデパート
の健康食品売場で内容訴求を図りながら販売していく計画。
1997/10/20 日本食糧新聞
旭松食品(株)(大阪市淀川区、06・306・4121)
は、納豆と即席味噌汁、凍り豆腐の三本の柱で展開しており、
消費者の健康志向を背景に、順調に売上げを伸ばしている。
凍り豆腐は、主力の一〇切れ入り、五切れ入りを中心に、ヘ
ビーユーザーから根強い支持を得て、トップメーカーの地位を
確保している。
昨年は、O157騒動が逆に追い風となって、「安心できる
食材」として好調に売上げを伸ばした分、今年の春から夏にか
けての凍り豆腐の売上げは、前年同期比でみる限り苦戦を余儀
なくされた。しかし、消費税率引上げのなどによる、市場環境
の悪化の影響は比較的少なく、堅調に推移した分野といえる。
関西地域は、伝統的にヘビーユーザーが多く、凍り豆腐の消
費量が多い地域として強化していく。
一方、これから市場規模の拡大が期待できる地域として、関
東地区などにも需要を広げていきたいとしている。
特に関東では簡便な用途別、味だし付タイプの「ちいさなこ
うや」シリーズのウエートが高いなど、新しい購買層の誕生が
期待される。
また、9月25日にテレビの人気番組で、凍り豆腐が取り上
げられた際の反響も、この地域では早かったことなどもあり、
単に高齢化社会に向け、年配層のヘビーユーザーに訴求するだ
けでなく、若い主婦層に向けて簡便タイプ商品を強力にPR
し、息の長い商材として、地域的にも年齢的にも市場拡大を図
っていく方針。
また、これからの成長分野として、惣菜部門を強化するた
め、現在、まだ売上げ構成比の低い業務用や、チルド部門にも
注力していきたいとしている。
1997/10/18 日経流通新聞
大豆と黒大豆混ぜた納豆
通常の大豆と黒大豆をブレンドした納豆「二重奏」。北海
道産の大粒大豆と黒大豆を50%ずつ混ぜ、納豆に加工した。
健康ブームを受け黒大豆100%の納豆が好評だが、価格が
高く、特有の風味を嫌う人もいる。そこで、通常の大豆と混ぜ
合わせることで黒大豆のコクと、大豆のもっちりした食感がほ
どよく調和した納豆に仕上がった。価格も2パック(1パック
45グラム入り)200円と手ごろ。
発売元は小杉食品(三重県桑名市、TEL0594・22・
1871)。
『[もの知りエース]素朴な疑問?? 3個パックが多いワケ』
1997/10/09 大阪読売新聞 夕刊
◆4個は高い
Q 四人家族が多いのにカップ入りのヨーグルトや納豆はな
ぜ三個パックが多いのですか。(京都市・石田真咲)
A 森永乳業によると、パック商品は子供や母親向けに考え
られています。同社の「アロエヨーグルト」の場合、一個売り
は百三十グラムに対し、二個入りは九十グラムで、少し小さめ
になっています。
また納豆大手のタカノフーズ(茨城県小川町)によると、家
族が別々のものを食べる個食化が進み、十数年前までは一個百
グラム入りだったのが、いまは一個五十グラムで三個入りが主
流になっています。四個入りを出したこともありますが、二百
円を超えたため売れなかったそうです。
『納豆のルーツを解明、伊奈かっぺいの「なぜ?魅知国」』
1997/10/09 河北新報 朝刊
納豆のルーツを解明/伊奈かっぺいの「なぜ?魅知国」
日テレ系東北6局/11日に300回記念特集
リポーターの伊奈かっぺいが東北6県を訪ねて身近な疑問を
解決する15分番組「なぜ?魅知国(みちのく)」(東北の日
本テレビ系6局共同制作)が9月で300回を迎えた。これを
記念して11日(テレビ岩手は12日)に「なぜ?魅知国スペ
シャル・わお!!かっぺい納豆にアジアを見た!!」を55分
番組で放映する。
放送開始は1991年(平成3年)10月。「半年の約束で
始めたところ、春になれば暖かくなった、秋になれば寒くなっ
たと言われて、気がついたら300回」とかっぺい。
日曜の早朝にも視聴率2ケタ(仙台地区)を保つ。かっぺい
は「今さら人に聞けないような小さな『なぜ』に迫るとうまく
いった。身近なテーマが性に合ってるのでしょう」。
スペシャルでは、以前放映した「ひきわり納豆」編(横手
市)と「近代納豆」編(仙台市)を振り返りながら、マレー半
島などに伝わる糸を引かない納豆「テンペ」を紹介。仙台から
直行便でシンガポールに飛び、市場やレストラン、一般家庭を
訪れ、煮た大豆を油で揚げたりいためたりして食べる「テン
ペ」のなぞに迫る。
番組はこれからも続く。かっぺいは「テーマより体力が勝
負。『なぜ』で始まり『なるほど』で終わる15分のドラマを
大切に、いずれ東北以外の人にも見てもらえるようになれば」
と話した。
放映時間は秋田放送、山形放送、福島中央テレビが11日午
後4時から、青森放送、ミヤギテレビが11日午後5時、テレ
ビ岩手は12日午後4時。
『国産大豆増産して、うまくて品質安定、加工業界が強い要望』
1997/10/08 日本農業新聞
国産大豆をもっと作ってほしい――豆腐や煮豆、納豆などの
業界は、国産大豆のうまさや品質の安定面などから、こんな要
望を強めている。
国産大豆の用途のうち、約半分を占めるのが豆腐・油揚げ向
け。豆腐業界の官能試験でも、輸入大豆に比べて、国産大豆の
豆腐がうまいことがはっきりしている。国産大豆は商品区別化
の大きなポイント。「できれば国産大豆を使いたい」(都内の
泉食品)という豆腐メーカーも多い。
日本豆腐協会の木嶋弘倫専務は、「少なくとも三〇%くらい
は国産で自給するように、生産への補助対策などをしてほし
い」と訴える。
国産大豆用途の二割を占める煮豆業界も、「煮崩れしないな
ど、煮豆は一〇〇%国産大豆を使っている。何とか価格の乱高
下を防いでほしい」(全国調理食品工業協同組合)と、作付け
増による価格の安定を望んでいる。
納豆業界でも、「国産大豆の納豆のほうがうまい」(全国納
豆協同組合連合会の黒田敏昭専務)とする。味に注目し、『国
産大豆使用』を訴える納豆製品が広がるなど、契約栽培などで
国産原料を確保しようとする動きも広がっている。
1997/10/02 東京読売新聞 夕刊
古くは弥生時代から親しまれ、海外では和食の代名詞にも挙
げられる納豆。鉄分やビタミンを含んだ高タンパクの健康食品
として注目度も高い。
そこで、東京、大阪、茨城、四国の主婦、都内の会社員の計
344人に聞いたところ、納豆が好きな人で「健康によい」と
考えている人が8割を超えた。消費量が少ない西日本でも、5
4%が「好き」と答えた。
また、ほぼ「毎日」食べる人の8割は「朝食」で口にしていた。
納豆に含まれるビタミンB群はスタミナを作る働きがあると
いう。「きょうも1日頑張ろう」と、スタミナ源が手軽に食卓
に乗る“日本の朝食”は実に合理的とも言える?
※ミツカン「あなたと納豆のおつきあい事情」調査から。
1997/10/01 産経新聞 朝刊
おじいさんは今朝も
日課のように
納豆が糸を引くまで
掻き回す
息子
嫁
孫
おばあさん
日頃 無口になって
みんな貝になった
紅い糸も切れ
糸電話も通じない
おじいさんは今朝も
つながりを求めて
納豆を掻き回す
(選者 新川和江)
1997/09/30 日経流通新聞
麦を混ぜた納豆「ひきわり納豆」。ひきわりにした納豆に麦
を約五%加え、加熱後、納豆菌で発酵させた。
麦に含まれる糖分の働きにより、糸引きが強くなった。ま
た、特有のにおいや味もマイルドになり、食べやすい。
カルシウムを吸収しやすくするビタミンKも豊富に含む。カ
ツオ風味のたれとからし付き。二パック(一パック四十五グラ
ム)百円。
発売元は小杉食品(三重県桑名市、TEL0594・22・
1871)。
『有機農産物、加工食品次々と登場、総合市場研究所調べ』
1997/09/30 日本農業新聞
健康・安全ブームで納豆、めん類、パン類、調味料など、有
機農産物を使った加工食品が増えている。総合市場研究所は、
有機農産物の加工食品への使用状況をこのほどまとめた。大手
食品メーカーは安定供給などから外国産を使うケースが多い
が、情報提供、発注面などで農家を支援しながら国産の有機農
産物などを使用するメーカーもある。コンニャクや高菜など、
伝統食品の原料でも特別栽培農産物のニーズが高まっている。
これは、総合市場研究所がまとめた有機農産物マーケット総
覧。近年注目を集める有機農産物市場について、今年六〜七月
にかけて調べた。
大手メーカーは、(1)安定供給ができる(2)オーガニッ
クの認証基準が明確で信用度が高い――などから外国産の有機
農産物を使うことが多い。そのような中で、国産原料にこだわ
るメーカーもある。
光食品(徳島市)は、有機原料を使ったソース、ケチャッ
プ、ジュースを販売する。契約農家数は約三百、契約先の九割
が徳島県内だ。取引価格は生産者が決め、入手しにくい加工用
トマトの種子は同社が一括購入するなど支援策を取る。加工用
なら形の悪いものも使用でき、農家の安定収入にもながっている。
高橋ソース(埼玉・本庄市)も国産野菜でソース、ケチャッ
プ、たれなどを製造する。同社は国内の大手企業がオーガニッ
クマーケットに参入し、市場が乱れていることを指摘。「今
後、品不足が到来することは確実」と、原料の安定調達を課題
に挙げる。
そのほかコンニャク、納豆、みそ、酢、ジャムなどで国産の
有機農産物を使うメーカーが並ぶ。
『タカノフーズ、おかめ納豆でヘルシーグッズプレゼント』
1997/09/26 日本食糧新聞
タカノフーズ(株)(東京本社=東京都台東区、03・38
45・7020)は20日から12月10日まで、おかめ納豆
「水戸一番」「極小粒ミニ3」「極小粒カップ3」の三商品
(九州地区は「水戸仕込み」を加え四商品)を対象に、プレミ
アムキャンペーン「ヘルシー感謝祭」を実施している。
近年、健康・美容への関心が高まる中で、納豆も健康食品と
してその価値が見直されてきている。納豆は、ビタミンBを中
心に、鉄、タンパク質、カルシウムなどを豊富に含む栄養の宝
庫で、また、食物繊維もたっぷりでダイエットにも勧めること
ができる。
発酵食品である納豆は、納豆菌があらかじめ大豆タンパクを
分解しているため、消化吸収しやすいのも特徴で、さらに、そ
の納豆菌は抗菌作用があるともいわれている。
そこで同社は、ヘルシーをテーマにプレミアムキャンペーン
「ヘルシー感謝祭」を実施することにしたもの。このキャンペ
ーンは、昨秋、今春にも行い、好評であったことから第三弾と
して今秋も行うもの。
応募方法は対象商品についているバーコードを切り取り、希
望コースを明記の上、専用のハガキまたは官製ハガキに貼り応
募する。 プレミアムは「イキイキ賞」(バーコード二枚で応
募)のAコースが「森林浴まく」、Bコースが「納豆鉢」で各
五〇〇人、計一〇〇〇人に、「ハツラツ賞」(同四枚)は、A
コースが「アロマポット」、Bコースが「ハンドタイプ体脂肪
計」で各五〇〇人、計一〇〇〇人に、「ヘルシー賞」(同八
枚)は、Aコースが「ハーブガーデンセット」、Bコースが
「折りたたみ自転車」で各三〇〇人、計六〇〇人に、総計二六
〇〇人に抽選で当たる。応募締切りは第一次が10月31日、
第二次が12月10日(当日消印有効)。
また、抽選にもれた人を対象に「セカンドチャンス賞」とし
て一万七四〇〇人に、「おかめ納豆オリジナル・ナットウロー
ド手ぬぐい」が当たるダブルチャンス付きである。全体で二万
人に当たる。
キャンペーンに連動しTVCMの投入、売場での幅広い販促
活動を行う。
『◆納豆特集 秋の陣、消費量驚異の伸び O157も追い風』
1997/09/26 日本食糧新聞
納豆市場は一昨年以来拡大を続け昨年、前年同月比で五〇%
増の勢いを示したメーカーもあった。ヘルシー志向の追い風と
個食化傾向の高まりで八〇年代ブームになったが、ここ数年の
生産量については正確な統計はないが、大豆の消費量から換算
して年間二二万tに達するとみられ、パック数に換算すると一
パック(五〇g)約四四億個生産されている計算になる。
平成8年度の年間消費金額は全国で一六〇〇億円、都道府県
別でみると、病原性大腸菌O157が猛威をふるった岡山県を
はじめ、三重県、奈良県、兵庫県など東海以西の地域の伸びが
目立っている。一世帯当たりの消費金額は年々順調な伸びを示
しており、平成6年に若干の落込みをみせたが、これは同年3
月に起こったコメ不足騒動によりご飯の消費が一時的に減少し
たのが原因と思われる。
ちなみに平成8年の全国一世帯当たりの納豆消費金額は三四
二一円となっている。今年度一七〇〇億円市場達成が見込ま
れ、二一世紀には二〇〇〇億市場達成が目標と全国納豆協同組
合連合会ではアピールに意欲的だ。
大豆では小粒が七三%、大粒が一七%、ひきわり一〇%。用
途別販売動向は市販用が七割、業務用が三割とみられている。
業務用では和食系のファミリーレストラン、チェーン外食ユー
ザーが中心で、即席味噌汁の実績はわずかだと思われる。また
市販用チャネル別販売動向は量販店が八〇%、CVSが一〇
%、その他一〇%と思われる。
一般消費者の納豆に対するイメージは近年特に良くメーカー
と組合の業界あげてのPRが功を奏している。昨年、食品業界
を震撼させたO157に納豆菌が有効だとの研究が倉敷芸術大
学須見洋行教授によって発表されたが、今年も8月21日に納
豆菌の抗菌作用について同教授が発表している。
納豆は原料である大豆の栄養成分をそのまま残し、さらに納
豆菌の働きによって納豆独自の優れた成分を作り出している。
血栓の溶解作用、病原菌を抑える抗菌作用、骨を形成するビタ
ミンK2、骨粗しょう症を防ぐイソフラボノイド、脳内モルヒ
ネの最適材料、牛肉に匹敵する高タンパク食品、心臓病、高血
圧の予防に効果的なリノール酸、老化防止に役立つレチシン、
豊富なビタミン、便秘予防・美肌保持に役立つ食物繊維、抗ガ
ン作用の期待がもたれるセレンなどが含まれているという。
☆熾烈な納入合戦
上位ブランドシェアはおかめ(タカノフーズ)が約二〇%、
朝日印(朝日食品)とあづま(あづま食品)がそれぞれ約一
〇%、次にくめ(くめクオリティプロダクツ)、旭松なっとう
いち(旭松食品)、おはよう納豆(ヤマダフーズ)、太子食品
工業、フジッコといったところか。ここ数年、大手とされるタ
カノフーズをはじめ各納豆メーカーは大型小売店、大手量販
店、CVSの棚割シェアをめぐって熾烈な納入合戦を繰り広げ
てきた。
現在、都内大型小売店ではおかめ納豆タカノフーズは「有機
無農薬ひきわりミニ2」(五〇g×二P)、旭松は「完熟ひき
わり納豆いち」(五〇g×三P)朝日食品は「水戸こつぶ」
(五〇g×四P)、くめクオリティプロダクツは「味道楽ミニ
2」(五〇g×二P)キャプテンクック(ダイエー)は「北海
道丸大豆納豆」(四五g×三P)、フジッコは「やわらか大
粒」(五〇g×二P)、ヤマダフーズは国産大豆一〇〇%の
「小鉢納豆 遊」と「キムチ納豆」に力を入れている。
一方、都内CVSでは一例としてセブンイレブンで「有機無
農薬無添加」(あづま食品)が二から七フェースとっていると
ころもある。ローソンでは「小粒納豆」「極小粒ミニ2」(タ
カノフーズ)、ファミリーマート「極小粒納豆」(ファミリマ
ート)、ampm「納豆いち 完熟超小粒」(旭松)、朝日食
品工業の「僕、納豆が大好き」など。都内大型小売店、大手量
販店ではやはり下段では圧倒的にタカノフーズが強く「極小粒
ミニ3」「水戸一番」が半分以上占め、溢れ返っている。
ただし都内ストアでは上段から下段まですべてあづま食品の
製品という例もあり、あづまの意気込みをうかがい知ることが
できる。
☆自販機お目見え
一方、消費者の嗜好は多様化し中上段では大手以外にも人気
が出ている商品があり、そのいい例が野呂食品の「鎌倉山納
豆」の人気だ。昨年人気が爆発、「おいしい納豆を安定して供
給したい」と野呂社長は語る。
他に保谷納豆が秋季限定納豆「秋納豆なめ茸ドレッシング
付」を発売した。たれの多様化もトレンドといわれている。か
らしでは昭和38年から納豆業界向けに練り芥子を開発したサ
カイスパイス工業(株)が有名。
また昨年秋、“こだわり納豆を目指して”’96全国納豆関
連機材資材展示会が行われ各メーカーの関心が高かった。その
中には納豆の自動販売機も出品され来場者の目を引き、実際山
梨で設置した例があるという。
業界の抱える問題としては大手では供給体制を完備するため
に工場の増設が目立ち設備投資による利益率の低下が起こって
いるが、特に関西以西で自社工場を建設する動きがでてきてお
り、長い目でみれば全国的な消費量増加に対応する先行投資を
優先せざるを得ない現状なのかもしれない。
中小では大手の寡占化が進む中、商品の差別化と販売方法の
工夫(例えば自販機、営業時間の延長、専門店など)が迫られ
ているといえよう。
『納豆特集 最大手メーカーのタカノフーズ、おかめマークに高い支持』
1997/09/26 日本食糧新聞
タカノフーズ(株)(水戸本社=茨城県東茨城郡、029
9・58・5101 東京本社=東京都台東区、03・384
5・7020、高野英一代表取締役社長)は、納豆メーカー最
大手、ガリバーを目指すようにも見えるが大型小売店、大手量
販店の下段からは同社主力アイテムミニ2、ミニ3が下段から
溢れ返っている。
激動の時代を乗り越え今日の隆盛を築いたのは先代高野徳三
社長からの方針から、創業時から今日まで一貫して「人づくり
健康づくり 食文化づくり」をモットーに邁進。
生産体制はもちろん、業界に先駆けて経営の近代化、合理化
に取組み早くからダイエー、イトーヨーカードーとほぼ同時期
に取引を開始した。
50年頃からCGC、CVSという新たな販路も得た。56
年にCI導入でブランドを統一、57年にはオンラインシステ
ム化を実現、59年には水戸工場に生産管理コンピュータを導
入、「整理」「整頓」「清潔」「洗浄」「殺菌」の五S運動を
展開、大きな成果をあげた。同時に「豆腐事業」への進出を図
り総合食品メーカーの第一歩を歩み出している。
60年6月スーパー大手納豆メーカーでは最後発の関西進出
ではあったが以降、北海道、東北、九州の営業所開設につなが
る。11月には水戸工場内に研究所が完成した。
同社は昭和7年の高野商店を前身に社名を(有)おかめ納豆
本舗、(株)おかめ納豆本舗に変えてきたが60年現社名であ
るタカノフーズ(株)と改称し今日に至っている。39年には
現社長の発案で「おかめ納豆」のブランドマークの商標登録を
出願し42年11月に登録されたことが、長期にわたり多くの
消費者から支持を得る大きな要因になったことはいうまでもな
いだろう。
現在でも、同社の主力商品はミニ3、ミニ2の二銘柄。一昨
年9月に発売した「水戸一番」の販促に昨年から引続きに力を
入れているが、中小ストアから販促を開始、供給面の対応から
最後にダイエー、イトーヨーカドーに成約、納入しなければな
らないという現状があり、まさにガリバーとしての強みといっ
ても過言ではない。
また昨年ジャスコで発売を開始した納豆ふりかけ、同じく三
種類の煮豆の販売も開始、豆腐はもちろん多様な食品に取組ん
でいる。
佐賀工場も完工、稼働し万全の供給体制で臨み、二一世紀へ
向け総合食品メーカーとしての道を歩んでいる。
同社水戸工場は一般の見学者も受け付け、また昨年6月に工
場内の研究所に「納豆博物館」をオープン、業界全体のアピー
ルにもつながっており、同時に茨城・石岡の新名所にもなって
いる。
『納豆特集 369社参加の全国納豆協同組合連合会、鑑評会や業者表彰など開催』
1997/09/26 日本食糧新聞
母体は昭和14年に
全国納豆協同組合連合会(東京都台東区、03・3832・
0709、高星進一会長)は、昭和29年4月に設立、会員所
属企業数は三六九企業。
同会では会員相互扶助の精神に基づき、会員およびその組合
員のために必要な共同事業を行い、もって組合員の自主的な経
済活動を促進し、かつ、その経済的地位の向上を図ることを目
的とする‐‐としている。
また会員資格を有する者は納豆の生産を行う事業者で組織し
た協同組合であること、同会の地区(全国一円)に事務所を有
することとなっている。
沿革は昭和14年各県ごとに「納豆組合」が発足、同16年
「全国納豆工業組合協会」(全納協)を創立、同29年全納協
を改組、中小企業等協同組合法に基づく「全国納豆協同組合連
合会」を設立、現在に至っている。
分科会については各単協、理事長とその組合員が当面する諸
問題を迅速に解決。事業を推進させ新しい時代環境の対応に全
力を尽くして全納連の役割を果たし、組織の充実および活性化
を図るとし流通部会、研究部会、PR部会、青年同友会、厚生
事業部会がある。
また最近の全国的活動としては納親会主催により、昨年2月
に東京で納豆の鑑評会を行い、「だいもんじ食品」「タカノフ
ーズ」などが表彰された。
今年は札幌で開催され、東京で行われた第四三回通常総会で
受賞した「松葉納豆製造所」「(有)元祖白糸本舗」など各社
の表彰式が行われた。
1997/09/22 日経産業新聞
◇納豆大全!(町田 忍著)
タンパク質や各種のビタミンを含み、栄養食品の代表選手と
もいえる納豆。消費量も徐々にではあるが伸び続けている。本
書では、納豆の歴史や栄養面での優位性を、学者のコメントを
交えながら詳しく紹介している。
納豆の起源については五説ほどあるが、いずれも長時間、大
豆とわらが接触したことによる“偶然の産物”ということでは
変わりない。病原性大腸菌O(オー)157に対する納豆の効
能や、有機栽培大豆を原料にした納豆が増えてきたことなど、
最近注目される事象についても触れている。
(小学館=03・3230・5739、千五百円)
『納豆菌をお菓子で食べる、三共エール薬品(新製品)』
1997/09/20 日経流通新聞
納豆菌をお菓子で食べる
おなかの調子を整える錠剤タイプの菓子「超快調
710(なっとう)」。納豆菌、乳酸菌、梅果肉、食物繊維を
使用。納豆菌と乳酸菌は、胃の酸で死滅することなく腸まで届
くタイプの菌を使用し、腸内で善玉菌を増やす。納豆特有のに
おいやネバネバ感がなく、食べやすい。16粒入り、200
円。コンビニなどで販売する。
瓶入りの「皆快調710」(150粒1800円)は薬局・
薬店で扱う。
発売元は三共エール薬品(東京都千代田区、TEL03・5
821・6431)。
『【書評】「納豆大全!」 町田忍著 歴史、食べ方、効能まで』
1997/09/14 産経新聞 朝刊
納豆に関する根源的疑問の一つは「なぜ糸を引くのか」であ
る。かき回せばかき回すほど、絹糸のように光沢のある粘りの
糸がたくさん出てくる。これは、グルタミン酸ポリペプチドと
フラクタリンという物質の相乗効果だという。老化を防いで、
いつまでも若々しい肌を保つ効果があると説明されている。
だが、納豆の効能はこれだけではない。食中毒をもたらすO
157やサルモネラ菌をはじめ病原性の細菌を駆逐し、血栓を
溶かし、血圧を下げ、骨を丈夫にして、しかもビタミン豊富と
いう、願ったりかなったりの健康食品なのだという。
その効能から歴史、食べ方、考現学までを徹底ガイドしてい
る。各種の納豆商品を紹介したカラー口絵は、見るだけでも楽
しい。
『納豆好き7割高い男性支持、ミツカンがアンケート』
1997/09/13 日本農業新聞
日本人の七割が納豆好き――。ミツカン(中埜酢店)のアン
ケート調査「あなたと納豆のおつきあい事情」から、こんな傾
向が分かった。日本の食卓に欠かせない納豆は、特にビジネス
マンの大好物。健康食としてのイメージがファンを広げてい
る。調査は今年七月、東京、大阪、茨城、四国の主婦、ビジネ
スマン三百四十四人を対象に行った。
納豆を「好き」と答えたのは七割。中でもビジネスマンでは
「非常に好き」が約半数を占め、男性の支持がはるかに高い。
若い女性には敬遠されがちで、二十代女性の一四%が「非常に
嫌い」だ。
納豆が好きな理由は「健康によい」が八八%を占め、「おい
しい」の七五%を抑えた。女性を中心に、納豆は健康食品の一
つに位置付けられているようだ。「簡単に食べられる」も六割
台と、簡便さも魅力。
嫌いな理由は、「におい」が八二%で断然の一位。「食べる
習慣がない」が六一%で続き、食べず嫌いが多い。
「週二〜三回以上」食べる人は全体の四五%。関東では六割
近くを占めるのに、西日本では三割に満たない。納豆嫌いと言
われた西日本で徐々に消費が増えているとはいえ、まだまだ食
卓にのぼる頻度は低。「ご飯にかけて」が大半の関東に対し、
西日本では単品やおかずで食べる割合が高く、食習慣の違いが
のぞく。
食べる時は「夕食」が五九%で、「朝食」の五三%を抑えた。
『米アイオワ州政府、食品用大豆の輸出拡大でセミナー』
1997/09/12 日刊工業新聞
大豆生産量世界最大の米国の中でトップクラスの生産州である
アイオワ州政府は豆腐や納豆、みそなどに使う食品用大豆につ
いて、有機大豆や遺伝子組み換えでない大豆の購入方法などを
十二月上旬に日本で開くセミナーで説明することを決めた。
このセミナーはたんぱく質分が多い大豆など品質面で付加価値
の高い食品用大豆の市場を拡大するのがそもそもの狙いだが、
有機や遺伝子組み換えかどうかへの関心が日本で高まっている
ことからこうした説明をすることにしたもの。
食品業者にとっては脚光を浴びて手当てが難しくなっている有
機大豆を調達する道が広がり、組み換えでないことも把握でき
るなどのメリットがあり注目されそうだ。米国アイオワ州政府
は「食品用大豆の供給状況について」(仮称)と題する説明会
を十二月八日に大阪市内で、十日に東京都内でそれぞれ開催する。
米国の州政府が食品用大豆の説明会を日本で開くのはこれが初
めてという。説明会は大豆の品種改良が専門であるアイオワ州
立大学のフェア教授と、大豆輸出業者が出席。品種をはじめ、
色合い、粒のそろい具合などの特徴を説明する。
さらに日本側から要望があれば、分別仕分けで有機大豆や遺伝
子組み換えでない大豆が購入できる方法や、サンプリングでの
内容証明が可能なことなどを紹介する。米国の対日大豆輸出量
は年間で約四百万トン。内訳は食用油や飼料用が三百万トン
で、豆腐や納豆、みそなどに使う食品用大豆は百万トンを占める。
そのうち、食用大豆で分別仕分けされて袋に入って日本のユー
ザーに届いているのは九七年で十五万トン程度と見られてい
る。アイオワ州は大豆生産量ではイリノイ州とトップを争う主
要生産州で、米国全体の年間大豆生産量六千万トンのうち一〇
数%のシェアがあるという。
またアイオワ州の九七年大豆生産量の一五%が遺伝子組み換え
大豆と予想されている。
『中埜酢店、「納豆」でアンケート調査 ヘビーユーザーは「朝食」で』
1997/09/12 日本食糧新聞
(株)中埜酢店(愛知県半田市、0569・24・508
7)は、このほど納豆に関するアンケート調査結果を発表した。
去る7月、東京、大阪、茨城、四国に在住する主婦三〇二人
と東京在住のビジネスマン四二人に対し「あなたと納豆のおつ
きあい事情」について回答してもらったもの。ポイントは次の
通り。
(1)七〇%の人が納豆好き。関東と比べて納豆の消費量が
少ない西日本でも、五四%が好んでいる(2)納豆が好きな理
由は(イ)「健康によい」(八八%)(ロ)「おいしい」(七
五・二%)(ハ)簡単さ、手軽さ(六一・二%)。おいしさだ
けでなく、健康への効果が注目されている(3)納豆を食べる
頻度は地域差が大きい。(「週二〜三回以上食べる」率が関東
では五八・八%。大阪・四国では二六・八%)(4)一日のう
ちで、納豆を食べる機会は(イ)「夕食」(五九%)(ロ)
「朝食」(五二・六%)の順。ヘビーユーザー層は、ほとんど
が「朝食」(八〇・六%)に(5)納豆の食べ方は「ごはんに
かけて食べる」が七四%。「単品で、おかずとして」が二三
%。関東に比べ、西日本には「おかず」派が多い。(三八・
五%)(6)納豆が高たんぱく食品であることの認知率は八
一・四%。
なお、納豆が好きな理由は前記のように「おいしさ」(七
五%)を抜いて、「健康によい」が八八%と断然トップだった。
納豆に含まれる酵素「ナットウキナーゼ」が脳卒中や心筋こ
うそくの原因となる血栓も溶かし、血液のとおりをよくするこ
とや、「大豆イソフラボン」に骨粗しょう症を予防する効果が
あることなど、最近、納豆にまつわるさまざまな健康情報が話
題になったが、この結果からも、それら情報の影響がうかがえ
る‐‐としている。
『O157に強いぞ、茶、納豆、もずく、梅、ワサビ』
1997/09/09 日本農業新聞
夏が過ぎたとはいえ、食中毒などの危険はまだ去っていな
い。人の手などによる危険は、管理を徹底すればある程度防げ
る。それ以外に、最近では、食物の抗菌作用が見直されてい
る。研究によると茶、納豆、もずくなどが強い抗菌性を発揮す
ることがわかってきた。O(オー)157にも効果があるとい
う実験結果も出された。食品の隠された力を紹介する。
◇納 豆
納豆は、ジコピリン酸がO157に対する強い抗菌性を持っ
ている。これは納豆中の粘り成分で、大豆にはなく納豆になっ
て初めて作り出される成分だという。
O157(菌数=百二十個)に、納豆の抽出液を入れたもの
と、そうでないもので培養した。後者は三万個に増えたのに対
し、納豆の方は三十八個に減少した。しかし、「昔の納豆に比
べて最近のものは、ジコピリン酸が減少してきている。その原
因を調べるのがこれからの課題」と、倉敷芸術大学(岡山県)
の須見洋行教授。
1997/09/08 産経新聞 朝刊
無職 石川功 61(福島県いわき市)
近ごろの納豆には、ビニールパック入りのブレンドされた調
味料が添えられているので、大変重宝しているが、そのビニー
ルパックの切り口がいちいち老眼鏡をかけて見ないと分からな
いのが、しゃくの種である。
大体この辺りだろうと見当をつけて開けようとするが、うま
くいかない。無理やり開けると、しょうゆが辺りに飛び散る始
末。たまに赤い印で表示されているものに出会うが、ほとんど
切り口とずれている。
「最初から老眼鏡をかければよいのに」と妻は言うが、「食
事をするのにわざわざ老眼鏡をかけられるか。納豆メーカーが
老人に不親切なのだ」とぼやきつつ、パック入りの調味料と悪
戦苦闘して、健康維持のため納豆を食べてる。
納豆メーカーさん、老眼鏡をかけなくても開けやすい、調味
料パックの切り口をぜひ工夫してください。
『納豆消費伸びる 殺菌効果で納得 O157も“退治”関西でも消費急増』
1997/09/05 産経新聞 夕刊
病原性大腸菌O(オー)157が猛威をふるった昨年から今
年にかけ、納豆の消費量が飛躍的に伸びている。納豆が病原菌
に対して抑制機能がある−との学術研究が発表されたことに加
え、納豆業界が抗菌効果を積極的にPRしたことが要因とみら
れる。最近は、殺菌作用のある酢や緑茶などへの関心も高まっ
ており、食品の持つ抗菌作用が改めて注目されている。
全国納豆協同組合連合会によると、平成八年度の納豆消費金
額は全国で約一千六百億円。一世帯当たりの消費額は三千四百
二十一円と前年度より一四・五%伸びた。
都道府県別では、(1)東京(2)神奈川(3)埼玉(4)
千葉(5)北海道−の順。昨年、O157が猛威をふるった岡
山や大阪などでは、前年度比約四〇%の伸びを示すなど、「西
日本各地での伸びが目立つ」(同組合)という。
納豆の需要が伸びた背景の一つに、同組合では「納豆菌によ
って作り出されるジピコリン酸がO157に効果的」と提唱し
た倉敷芸術科学大学の須見洋行教授の学術研究を挙げる。
納豆のネバネバから、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中の原因
となる血栓の溶解物質「ナットウキナーゼ」を発見したことで
も知られる須見教授は昨年夏、納豆成分をO157の病原性大
腸菌と混合する実験を実施。その結果、O157は二日目には
半減し、四日目には完全に死滅したことを確認した。
さらに、納豆菌が他の大腸菌に対しても強い抗菌作用がある
ことを突き止めた。
須見教授の実験結果をもとに、納豆製造メーカーでは、抗菌
作用を利用した新製品の開発に取り組んでいる。
くき食品(福岡県若宮町)では、発酵時間を四倍かけた特殊
加工により、抗菌物質のジピコリン酸を通常の五倍に増やした
「抗菌納豆」を開発した。豆が軟らかめで、粘り気が三倍強い
のが特徴だ。
同社の斎藤陽彦社長は「納豆の抗菌性を十分に取り入れたう
え、においは極力抑え、納豆嫌いの人にも食べてもらえるよう
にした」と話す。
同社では、納豆アメや乾燥納豆なども商品化。最近では納豆
ゼリーや、ジピコリン酸を自然水に混合させた納豆水の開発に
取り組んでいる。
一方、ヤクルト本社(東京都港区)では、昨年から国立小児
病院小児医療研究センターと共同で、腸内有用細菌である乳酸
菌とビフィズス菌がO157の増殖を抑制する可能性について
研究を実施した。
その結果、乳酸菌によりO157は二十四時間で、ビフィズ
ス菌により四十八時間で全滅したことを確認した。いずれの場
合も、大腸菌が産生するベロ毒素の量が百分の一に減少したと
いう。
また、食酢のトップメーカーの中埜酢店(ミツカン、愛知県
半田市)は、名古屋大学との共同研究で、酢がO157の殺菌
や増殖を抑える効果があることを発見した。このことから、酢
が安くて安全な「殺菌剤」として、台所や床のふき掃除に使わ
れるケースも増えている。
さらに、殺菌作用を持つ緑茶も食卓で人気になっている。緑
茶の持つ「カテキン」という物質に殺菌作用があるため、好ん
で飲まれるようになり、酢と同様、ふき掃除に使われることも
あるという。
このため、例年なら消費が伸び悩んでいた夏場に入っても、
緑茶の販売は順調で、「前年と比べ売上高が一〇%近く増えて
いる」(緑茶メーカー)そうだ。
納豆のネバネバの中にあるジピコリン酸がO157に対して抑
制効果がある
1997/09/02 日経産業新聞
中堅納豆メーカーの朝日食品(茨城県牛堀町、野田和男社
長)は米国で契約栽培している納豆用の有機大豆の調達量を来
年分から三倍に増やす。納豆業界は比較的早い時期から各社が
有機大豆を使用した製品を投入している。消費者の自然・安全
志向の高まりを背景に市場が急拡大しており、調達量を大幅に
増やしてシェア拡大を狙う。
米国の種苗メーカー、ハーツ・シード社(アーカンソー州)
と提携、八九年に納豆用有機大豆の契約栽培を始めた。これま
で年間千トン強の有機栽培大豆を調達していたが、「需要が急
増、供給が追いつかない」(野田社長)状況にある。来年使用
する有機大豆の調達量を三倍強の約三千五百トンに拡大する。
契約栽培している有機大豆は米国の有機農産物認証機関のOC
IAなどの認証を受けているという。
九四年から「有機栽培無農薬大豆使用納豆」(二種)を販売
している。九七年八月期の同シリーズの売上高は約十五億円。
原料調達の拡大に伴う増産で同シリーズの総売上高に占める比
率を二割程度まで引き上げたい考えだ。
納豆業界では、大手メーカーほぼ全社が有機栽培大豆使用を
うたった製品を販売するなど市場が拡大している。九七年七月
時点で同製品の市場規模は約百五十億円とみられる。
1997/09/02 東京読売新聞 朝刊
納豆とのおつきあい事情(ミツカンが東京・茨城・大阪・四
国に住む20代以上の主婦と都内の30―40代のビジネスマ
ン、計344人にアンケート)
◆納豆の好き嫌い
好き 70%
嫌い 16%
どちらともいえない 14%
◆納豆が好きな理由(複数回答)
健康に良い 88.0%
おいしい 75.2%
簡単に食べられる61.2%
手軽に食べられる61.2%
もう一品ほしいときに便利 33.5%
食が進む 32.2%
容器から直接食べられる 19.0%
料理に使える 3.7%
その他 3.7%
◆納豆が嫌いな理由(同)
においが嫌い 81.5%
食べる習慣がない61.1%
味が嫌い 44.4%
ネバネバするから37.0%
息ににおいが残る24.1%
食器が汚れる 13.0%
混ぜるのが面倒 3.7%
その他 9.3%
◆納豆を食べる頻度
週2、3回以上 45.2%
週1回以下 38.8%
食べない 16.0%
◆どんなときに納豆を食べるか(複数回答)
朝食 52.6%
昼食 18.3%
夕食 59.2%
夜食.間食 4.8%
飲酒時 4.5%
その他 0.3%
◆納豆の食べ方
ご飯にかけて 74.1%
単品で 22.8%
料理に入れて 1.0%
その他 2.1%
『ズームアップ、ネバネバ納豆「O157」に効果、病原菌を抑制…だって』
1997/09/02 河北新報 夕刊
ズームアップ/ネバネバ納豆「O157」に効果/病原菌を抑
制…だって
病原性大腸菌O157による食中毒が大流行した昨年から今
年にかけ、納豆の消費が大きく伸びている。それも納豆をあま
り好まないといわれる西日本で著しい。納豆に病原菌の増殖を
強く抑制する機能があるとの研究が発表され、納豆業界が積極
PRしたことも一因だが、“腹薬”としての納豆は、一部地方
では伝統的な知恵として受け継がれてもいる。戦後は抗生物質
の普及であまり注目されることがなかった納豆の抗菌作用。O
157問題は、納豆の再認識という副産物を生んだ。
◎脳卒中、心筋梗塞/「世界に誇る食品」
納豆嫌い?西日本でも人気急上昇
<業界でさえ再認識>
「納豆が栄養に富んだ食品だとは知っていたが、抗菌作用が
あるとは意外だった」と、東京・東村山市で40年近くも納豆
を作り続けてきた中堅業者は告白する。
風が吹けばおけ屋がもうかるというわけではないが、納豆業
界はこれを前面に押し出して販売促進に懸命。8月21日に通
産省の外郭団体である日本工業技術振興協会が開いた「食品の
もつ抗菌作用について」と題したセミナーも大きな支援材料
に。気をよくした全国納豆協同組合連合会では「納豆は世界に
誇るべき食品」というわけで、この秋にも使節団を訪米させ、
健康食品への関心が強い米国市場の開拓に乗り出す準備も進め
ている。
積極PRに努めたかいがあって、日本での1世帯当たりの納
豆消費金額は、1994年度(平成6年度)には、主食となる
コメ不足の影響で前年度に比べて減少したものの、96年度に
は3421円、前年度比14.5パーセントと大きく伸びた。
しかも、納豆の本場である茨城では7.5パーセントで1けた
の増加だが、O157が猛威をふるった岡山や大阪など西日本
では30パーセントを超える急成長ぶりだった。
納豆再認識の火付け役となったのは、昨年、O157の治療
方法がはっきりしない段階で「納豆を使えばよい」と直言した
倉敷芸術科学大学産業科学技術学部の須見洋行教授だ。
同教授は納豆のネバネバから、脳卒中や心筋梗塞(こうそ
く)の原因となる血栓を溶かす物質を抽出したことで知られる
医学博士で、卒中などの予防策として日ごろから納豆を食べる
ことを提唱してきた。
<糸にジピコリン酸>
「秋田では腹具合が悪いときは納豆を湯でといて飲めばよい
といわれ、関東大震災の時も病気予防に納豆が売れたという記
録がある」「納豆菌がO81、O111などの病原性大腸菌に
対する抗菌作用があることは10年も前からのデータがあり、
胃腸薬にも納豆菌が使われている」「当然、O157にも効く
ことが想像され、おなかの中と同じ状況で実験すると、O15
7に強い物質が納豆の中にあることが確認された」などと須見
教授は話す。
納豆のネバネバした糸の中には、納豆菌が増殖する際に作り
出すジピコリン酸という物質が大量に含まれている。抗生物質
の専門家の間では、このジピコリン酸が抗菌作用を持つことは
知られていたものの、戦後、ペニシリンをはじめとする劇的な
効果のある抗生物質が欧米から流入したため注目されず、納豆
菌の科学的研究はあまり進まなかった。
須見教授は「ジピコリン酸と納豆のその他の成分が複合的に
抗菌作用を高めていると考えられる。これはわたしが初めて提
起したことではなく、昭和10年代に海軍は国家事業として、
パラチフスや腸チフスの薬として納豆を研究している。ジピコ
リン酸は諸外国での抗生物質の発見に先立って、日本人の海軍
軍医が発見したものだが、ドイツ軍も納豆を食料や薬として実
戦で使っていた」と指摘している。
◎旧ドイツ軍も極秘研究/抗生物質登場で日陰に
<電撃作戦の元にも>
ドイツは戦前、納豆の原料である大豆の大産地だった満州
(現中国東北部)から、船やシベリア鉄道を使って大量の大豆
を輸入していた。これらの大豆は食用ではなく、大半は油の抽
出が目的だった。
しかし、1941年のギリシャ侵攻作戦では、ドイツ軍兵士
は乾燥納豆を携行していた。当時のロンドン・タイムズは、捕
虜のドイツ軍将校の「大豆がなければドイツ軍の電撃作戦はで
きなかっただろう。ポーランド戦までは極秘事項だった」との
話を伝えており、英米も納豆に注目していたことをうかがわせる。
この辺りの事情に詳しい元大豆安定供給協会調査役の木村栄
一さんは「ドイツは納豆を利用しようとしていたことを日本に
も秘密にしていたようだ」と語る。ドイツ軍総司令部では大島
浩駐独大使(在任1940−45年)ら日本側関係者を招いて
大豆試食会を開いているが、このメニューに「みそ汁はあった
けれど乾燥納豆はなかった」という。
43年(昭和18年)ごろになって日本軍は、乾燥納豆の情
報に基づいて試作品製造を手掛けている。海軍は潜水艦の食料
として利用する考えだったと言われる。だが、乾燥納豆が実用
化されることなく日本は敗戦を迎えた。
木村さんは「日本では納豆がありふれたもので、そんな秘め
られた価値があるとは知らなかったのではないか。薬としての
研究もドイツの方が進んでいたのでは」と、ドイツ主導の納豆
利用の歴史を無念そうに振り返った。
<旧日本海軍も研究>
事実関係をひもとくと、乾燥納豆の実用化はともかく、海軍
は“納豆療法”の研究をかなり進めていたようだ。
「日清、日露などの戦争では、病気で多くの死者を出した。
こうした反省に立ち、海軍では納豆を食べさせた兵士と食べな
かった兵士の違いをみるなど、臨床実験も行っている。貴重な
研究が多いのだが、戦後は抗生物質が日本に入り、これらの成
果は全部捨てられてしまった」と須見教授は言う。
O157は当初、その治療方法が確定できず、不幸な犠牲者
を生んだ。「もし、戦前の納豆研究の成果を生かした研究が戦
後も引き継がれてきたなら…」と、残念がる関係者の声もある。
「O157が消えても次には別の病原性大腸菌による食中毒
が発生するだろう。納豆菌は病原菌の成長を抑えるだけだが、
その間に病原菌は死滅していく。腸内菌を殺してしまうためビ
タミン剤を併用しなければならない抗生物質とは違う。治療法
が分かっており、抗生物質が劇的に効く場合はともかく、わけ
の分からないおなかの不調にはまず納豆を食べること。将来に
備えて納豆の抗菌作用の原因を研究していきたい」と須見教授。
納豆のほかにも、アロエ、ドクダミ、ニンニクなど一般的に
薬効があるとされる食品類は多い。O157についても「モズ
クや酢が有効」などの説もある。
「民間療法から学ぶべき部分は多い」としながらも、須見教
授は「O157は水と混ぜておいても死ぬ。だからといって水
を飲めばよいとは言えない。人体の中でどれだけ効くかが問
題」と指摘、あれも効く、これも効くといった安易な取り上げ
方には不満を示す。
そして、納豆についても「昔に比べ、最近の納豆に含まれる
ジピコリン酸は減っている。これはなぜなのか解かなければな
らない」とし、食品そのものの成分変化も新たな研究課題とし
て掲げた。
1997/09/01 日本食糧新聞
(社)日本工業技術振興協会天然物生理機能素材研究委員会
(東京都千代田区、03・3238・5300)主催、全国納
豆協同組合連合会後援で、「食品のもつ抗菌作用について」と
題するセミナーが8月21日、アイビーホール青学会館で開催
された。
同協会では、昨年9月に緊急公開セミナーで納豆の病原性大
腸菌O157に対する抗菌性を発表、注目を集めたが、今回は
納豆だけでなく、お茶、梅など抗菌作用を持つとされる食品に
ついて専門家がそれぞれ講演した。
須見洋行倉敷芸術科学大学教授(天然物生理機能素材研究委
員会委員長)が開会のあいさつを行い、(株)目黒研究所長小
澤恭輔氏の「抗菌の歴史ー納豆菌を中心として」のテーマから
講演が開始、(株)海産物のきむらや矢倉美代氏が「もづく
」、宮崎利夫東京薬科大学名誉教授が「梅」、島村忠勝昭和大
学医学部教授が「お茶」、メルシャン(株)研究所佐藤充克氏
が「ワイン」、(株)カレックス営業部長代理関山泰司氏、東
京都立食品技術センター主任研究員宮尾茂雄氏が「ワサビ」に
ついてそれぞれ抗菌性を発表した。
最後に須見教授が「納豆成分のO157に対する抗菌活性」
について講演、昨年発表した納豆菌のO157について抗菌作
用と、並びにその本体の一つとして産生されるジピコリン酸の
関与の推測について研究成果を発表、納豆中のジピコリン酸も
それ単独で十分な濃度であるが胃酸、十二指腸内での増殖とい
う条件が揃えばさらに強力なO157に対する抗菌効果が期待
出来ると強調した。
閉会のあいさつは、高星進一全納連会長が行った。
1997/08/26 毎日新聞 朝刊
◇みそ、コロッケに加工−−岡山で人気じわじわ
大豆のカマンベールといわれる健康食品「テンペ」をご存じ
だろうか。もとはインドネシアの伝統的な発酵食品だが、この
テンペが今、みそ、コロッケなどの加工品になって、岡山県で
普及し始めた。ハトムギのテンペも開発され、その味の良さも
手伝って、一流割烹(かっぽう)で使う動きまで出てきた。
【小島正美】
◇地場産業振興にも
テンペは、浸漬(しんし)した大豆を煮て、ハイビスカスの
葉などにいるテンペ菌の胞子をまぶし、バナナの葉に包んで3
0〜38度で発酵させたもので、1〜2日で出来上がる。大豆
の粒が白い菌糸で固まり、白いケーキに見えるが、納豆のよう
に糸は引かない。肉のような食感があり、たんぱく質が分解し
てできたうまみ、ほんのりとした甘さと塩辛さが混ざったよう
な味がする。
インドネシアでは、油で揚げて、庶民の日常食として食べら
れている。不飽和脂肪酸やビタミンB群、食物繊維に富み、血
栓症、貧血、肥満予防、コレステロール抑制、幼児の悪性下痢
などに役立つという。
こうしたヘルシー食品を地場産業の発展に結びつけようと岡
山県工業技術センターは約10年前から、各種中小企業と協力
しながら、日本独自のテンペ加工食品を研究してきた。これま
でにテンペを使ったソーセージ、クッキー、あられ、カレール
ー、スープ、食パンなどを試作し、現在はコロッケ(1個10
0円)、みそ(500グラム1000円)が岡山市内のデパー
トで販売されている。
テンペ食品の開発研究に取り組んできた同センター製品開発
部研究員の野崎信行さんは「テンペは1980年代に米国でも
菜食主義者を中心にブームになった。納豆のようなクセがない
ので、和、洋、中華料理の素材として十分利用できる。いろい
ろ作った中で、テンペみそ(通常の大豆とテンペを半々に使っ
て発酵させる)の人気は高く、我が家では子供たちの大好物で
す。現在、テンペを使ったしょうゆも開発中」と話す。同セン
ターでは、昨年3月から毎月10日、「テンペ料理を楽しむ
会」を開き、普及に余念がない。
テンペみそは、ほんのりとした甘みと香りがよく、おいしい
ことから、岡山市の割烹「二の丸」や「武蔵」は、客に出すみ
そ汁をすべてテンペみそに変えてしまった。
◇「ハトムギ」製も開発
野崎さんらと一緒に研究し、テンペみそなどを製造している
末安祥二さん(同県瀬戸町)は、漢方薬としても知られるハト
ムギを原料にした「ハトムギテンペ」を開発した。作り方は大
豆のテンペとほぼ同じだが、風味のよさを出すのに1年余りの
苦労を重ねたという。
ハトムギテンペは世界でも例がないことから、末安さんは今
年7月中旬にインドネシアで開かれた国際テンペ会議で野崎さ
んとともに開発成果を発表、現物を試食してもらったところ、
大好評だった。割烹「二の丸」では、ハトムギテンペなどを使
ったフルコースを客の注文(予約必要)に応じて出している。
エビにテンペをはさんで揚げたてんぷら、から揚げなどがおい
しく、固定客がつき始めたという。
末安さんの本職はカメラマンだが、いまはテンペみその製造
などテンペの普及、開発に情熱を傾ける。日々、さまざまなテ
ンペ料理を工夫している末安さんは「フライパンやトースター
で焼いて、ポン酢をかけたり、ハンバーグに2割ほど混ぜても
おいしい。ようかんも試作したが、クリのようにホクホクして
うまい。健康によいテンペ食パンに興味があれば、その製法を
教えてあげます。これからの高齢化社会に備え、若い人にうん
と食べてもらいたいですね」とテンペ作りに燃えている。
テンペの研究で知られる常磐大学(水戸市)教授の加藤清昭
さんは「ハトムギは、その特有の脂肪臭が敬遠される要因にな
っていたが、テンペ菌はそのにおいを取り除いてくれるので、
ハトムギテンペは驚くほど食感のよいものになった。インドネ
シアの人も国際会議で絶賛していた。テンペの加工開発は自治
体の町おこし運動として将来性がある」と話している。
問い合わせは岡山県工業技術センターの野崎さん(代表08
6・286・9600)。
1997/08/26 産経新聞 朝刊
《作り方》
(1) 長ネギはみじん切りにする。
(2) ボウルにご飯を入れてすりこ木で半つぶしにし、納豆
と(1)、酒大さじ1/2、昆布茶を加え混ぜる。
(3) のりに(2)を全面に広げ、ぬらしたスプーンの背で
軽く押さえる。
(4) オーブントースターで(3)を5〜6分焼き、はけで
表面にしょうゆ大さじ1を塗ってさっと焼き、乾かす。
(5) (4)を網の上で冷まし、適当な大きさにちぎる。
(6) 器に(5)を盛る。
【一口メモ】
◇しょうゆを塗ってさっと焼いたら、オーブントースターのス
イッチをきり、扉を開けてしばらくおくとパリッと焼き上がる。
◇納豆の代わりにチリメンジャコなどを混ぜ込んでもよい。
《材料メモ》
ご飯………茶わん2杯分
長ネギ…………1/2本
納豆(ひきわり・100グラム)……………1パック
昆布茶(粉末)……大さじ1
のり……………2枚
酒、しょうゆ
『茨城産大豆にこだわり、伝統製法で納豆、日立市の馬上さん』
1997/08/22 日本農業新聞
【茨城・茨城ひたち】納豆用大豆の九〇%以上が輸入物とい
われているが、茨城県産大豆にこだわり続ける人がいる。日立
市小木津町で「おぎつ納豆」を製造する馬上俊一さん(六○)だ。
馬上さん宅は戦後すぐに納豆作りを始め、俊一さんで二代
目。最初は「えびす納豆」という名称だったが、あちこち売り
歩く中で、「小木津の納豆屋さん」として親しまれ、自然に
「おぎつ納豆」と呼ばれるようになった。
現在は茨城産の納豆小粒を主な原料に、昔ながらの作り方で
おいしい納豆を製造。JAのAコープ店や直売所などでも販売
している。茨城産大豆について馬上さんは「豆そのものが味が
良く、油脂分が少ないので、酸化しにくく日もちがする。食べ
てみれば味・香りともその違いはすぐ分かる」と話している。
1997/08/22 日本農業新聞
伝統食品の抗菌作用についての公開セミナーが二十一日、東
京都内で開かれ、第一線の研究者が納豆や梅、茶などなじみの
深い食品の抗菌性を検証した。主催は日本工業技術振興協会な
ど。約百五十人が集まった。
セミナーは、病原性大腸菌O(オー)157に対する伝統食
品の抗菌性を検証するのが目的で、昨年の納豆に続いて二回
目。大学やメーカーの研究者が、納豆、梅、茶、ワイン、ワサ
ビなど伝統食品の抗菌作用について講演。研究データなどを示
し、利用方法にも触れた。
東京薬科大学の宮崎利夫名誉教授は「梅は中国で昔から医薬
品として用いられてきた」と指摘。梅肉エキスがO157、サ
ルモネラ菌、赤痢菌など種々の食中毒菌や腐敗菌に対し、防
菌・殺菌作用がある、と説明した。
また、昭和大学医学部の島村忠勝教授は、茶の成分であるカ
テキンがコレラ菌などの病原菌に高い殺菌効果があることを示
した。その上で、「将来、病気の予防や治療に、ますます応用
されることを期待する」と強調した。
『米国産有機大豆が高騰、国内価格――安全・健康志向映す。』
1997/08/21 日本経済新聞 朝刊
米国産オーガニック(有機栽培)大豆の国内価格が、消費者
の安全・健康志向の高まりを背景に高騰している。豆腐、み
そ、納豆などの食品加工業者が農薬や遺伝子組み換え技術を使
っていない有機大豆の調達を拡大。通常大豆が米国での豊作予
想を受けて値下がりしているのとは対照的な値動きとなっている。
米国産有機大豆の東京・問屋価格は現在、一トン当たり十八
万円程度で、春先に比べ約二万円上昇した。品不足が表面化し
始めた年初に比べると約三万―五万円高い。一方、通常の米国
産食用大豆(インディアナ・オハイオ・ミシガン、選別)は春
先に比べ約八・四%値下がり、現在は同六万五千円前後で取引
されている。
豆腐、みそ、しょうゆなど食品用の大豆は国内で年間約九十
万トン消費されているが、このうち有機大豆は三万トン前後と
みられる。そのほとんどを米国からの輸入に依存している。豆
腐メーカーなどの需要家や商社と、米国農家との契約栽培が基
本だが、世界的に供給が限られるなかで需要が急増し「調達が
難しくなっている」(大手豆腐メーカー)
有機大豆の需要が急増している背景には、健康志向ブームに
加え遺伝子組み換え農作物に対する消費者の懸念がある。同技
術を使った大豆は昨年収穫された米国産の約二%を占め、通常
の大豆と混ぜられて日本へ輸出されている。この秋収穫される
大豆では、全体の一〇%強が組み換え大豆となる見込みだ。
しかし、米国最大の有機農産物認定団体、有機農産物改良協
会(OCIA、ネブラスカ州)が昨年、認定基準に「遺伝子組
み換え技術の使用を禁止する」との項目を追加。日本の需要家
の間でも「組み換え技術を使用していない有機大豆を求める動
きが出始めた」(商社)という。
1997/08/21 日本経済新聞 地方経済面
バイオ事業のエー・エィチ・シー(AHC、前橋市、飯塚武
社長)はこのほど、自社で発見した微生物「バクト菌」につい
て欧米で特許を取得した。今後米国で事業展開を図るため、バ
クト菌の輸入販売を手掛ける現地法人を設立する計画で、米店
頭株市場(ナスダック)での株式公開を目指す。
バクト菌は土壌中に存在する納豆菌の仲間の微生物で、家畜
や植物の成長を促進し、免疫を活性化するなどの効果を持って
いる。
AHCは米国でバクト菌の抗カビ効果についての使用特許を
取得。すでに取得済みの菌株特許や家畜肥育剤としての使用特
許と合わせ、同菌の主要な部分の特許をすべて取得した。欧州
ではバクト菌本体とその用途について、欧州特許庁の審査が終
了、オーストリア、ドイツ、デンマーク、フランス、イギリ
ス、イタリア、オランダでの特許が成立した。
米国の現地法人は日本企業の米国子会社との共同出資を考え
ており、パートナーが決まり次第、米国に進出する。現法はナ
スダック公開で資金を調達し、AHCから濃縮したバクト菌を
輸入、家畜肥育剤や成長促進剤などに加工して販売していく。
米国の大規模農場や穀物メジャーなどと取引していきたい考え
だ。日本での店頭公開よりも短期間で実現すると判断した。
同社の計画によると、米国に設立する子会社は「AHCアメ
リカン」で、AHCが三千五百万円、共同出資会社は三千万円
を出資する。
『「納豆好き」東日本8割、西でも5割(PickUp)』
1997/08/21 日経流通新聞
中埜酢店が東京、茨城、大阪、四国に住む主婦と東京のサラ
リーマン合わせて三百四十四人を対象に、「納豆が好きか」を
尋ねた。その結果、「好き」と答えた人の割合は、東日本(東
京・茨城)が八二%、西日本(大阪・四国)が五五%。納豆を
「週二―三回以上食べる」率は東日本が五九%、西日本が二
七%。納豆が好きな理由は「健康によい」、嫌いな理由は「に
おい」がそれぞれトップ。
『遺伝子組み換え、安全性に不安、納豆業者、原料手当てに奔走』
1997/08/16 日本農業新聞
朝食の顔の納豆。健康食ブームなどから消費は拡大傾向にあ
るが、製造業者は一九九六年秋から流通し始めた遺伝子組み換
え大豆の取り扱いに頭を痛めている。中小業者は独自の原料調
達ルートづくりに奔走。大手は安全性を訴える表示を検討する
など、対応に追われている。
納豆に使用される大豆は年間約十二万トン。その九割以上を
米国からの輸入に依存している。米国では九六年から遺伝子を
組み換えた大豆の生産が始まり、現在、主に搾油用大豆として
生産されている。米国の農家の遺伝子組み換え品種に対する作
付け意欲は高く、今後は食品用大豆にも波及する可能性が高い
とみられている。