1996年の新聞記事
最終更新日 平成13年5月3日
それぞれの記事は引用です。
『くめ・クオリティ、高級納豆を来春生産―輸入大豆使いコスト抑制。』
1996/12/23 日経産業新聞
【水戸】納豆メーカーのくめ・クオリティ・プロダクツ(茨
城県金砂郷町、石塚昇一郎社長)は来春、輸入大豆を使った高
級納豆「水戸伝説」の生産を始める。「量産を志向せず、苦み
の除去や強い糸引きなど高品質を追求」(研究室)し、量販店
や百貨店、コンビニへの販路拡大を目指す。パンに乗せて食べ
る納豆「まぜてーら・のせてーら」は生産を中止した。
水戸伝説の原料は国産の納豆小粒を米アーカンソー州の農場
で契約栽培した「マドンナ大豆」。米国で栽培、輸入すること
で、製造コストを抑える。小売価格は六十グラム入り一パック
で八十八円を予定。当初は月間六万―七万パックの生産を見込
んでいる。
まぜてーら・のせてーらは今年三月に試験的に投入した。マ
スコミなどに取り上げられたことや積極的な販促キャンペーン
で、ピーク時には月間約三万個を販売した。夏場以降、売れ行
きが一万個以下に急速に落ち込んだ。同社では「好意的な反応
が多いので、今後もパン食にこだわった商品開発は続ける」と
している。
『秋田の納豆――未来内包した伝統食(知る食ロード)』
1996/12/22 日本経済新聞 朝刊
こんにちは、納豆です。きょうはセールスに参りました。私
のことを関西の人にも知っていただこうと。お正月に焼いたお
もちと食べるとおいしいですよ、あ、奥さん、閉めないで。
え? 納豆なんか嫌いや、とおっしゃる。ええ、ええ、そうお
っしゃる方は多いんです。でも邪険にしないで私の話も聞いて
くださいよ。
× ×
納豆にも私のような糸引き納豆以外にいろいろあるんです
が、ふつうは日本で独自に生み出された私の方を指します。私
の出身? 秋田です。え? 水戸じゃないのかって? よくぞ
聞いてくださいました。実は水戸が名産地になるのはせいぜい
明治時代。
で、日本の納豆がどこからきたかについてはいろんな説があ
るけど、本当のところはよくわかってないんです。でもいくつ
もの納豆伝説に共通して出てくる人物がいます。その名も八幡
太郎義家。平安後期に陸奥の国の反乱や内紛なんかを平定し
て、武勲をたてた。ええ、源義家。あの頼朝さんのひいひいお
じいちゃん。
その義家さんが奥州遠征の折、煮豆をワラにつめて馬の背中
にくくりつけた。腹が減ったんで開けてみると、なんと豆が変
色している。つまむと糸を引く。気持ち悪い。だけどもったい
ない。そこで恐る恐る口にしてみたところ、これがなんとも風
味があってただの煮豆よりうまい。ワラの中の納豆菌の働きで
馬の体温に温められた大豆が発酵したわけですな。保存も利く
し、戦時の兵糧にと思案して製法をあみだしたって話。似たよ
うな伝説が岩手の平泉や茨城の常陸など方々に残っている。私
はその伝説の地の一つ、秋田の仙北郡の出身なんです。
うちはちっぽけな個人商店なんですが、同郷の仙南村にはヤ
マダフーズっていう全国有数の納豆メーカーがあるんです。こ
の間ここの研究室にお邪魔したら、驚きましたね。こんな小さ
な村で最先端の研究をしているんです。なんでも千から二千種
類の納豆菌を保存しているとか。
そこの関口久美子さんていう研究員に聞いたんです。ずっと
納豆ばかりの研究は飽きないかって。久美子姉さん言いました
ね、「うちの社長は納豆が地球を救うと信じている」って。
「その考えに共感して研究を続けている」ってね。いい話でしょ?
え? 宇宙戦艦ヤマトじゃあるまいし、納豆が地球を救うわ
けないって? 私も詳しいことはわかりませんが、世界中どこ
でも栽培できる大豆は動物に依存しないですむ貴重なたんぱく
源だそうですよ。私を含む発酵大豆をテーマにした国際会議も
あるくらいです。秋田でも開催しまして、大盛況でした。
大豆が私に変身すると、栄養価が高くなる。私の中のナット
ウキナーゼって酵素は血栓を溶かしちゃうし、骨粗しょう症の
予防になるビタミンK2は私以外の食品にはほとんど含まれて
いない。それとレシチンって物質は脳を活性化する。安いし健
康にもいいし、頭もよくなっちゃう。こんな食べ物そうはあり
ませんよ。ええ。
え? それでも、においがきつうてあかん? 本人を前にし
て、何と率直な……。そんな奥さまのために、特別に納豆料理
のレシピ集をお持ちしております。秋田で四十年も料理教室を
やってらっしゃる岸和子先生が考えてくださったんです。お酒
に合う白菜の納豆あえ、野菜やキノコがたっぷり入った熱々の
納豆汁、明太とろろをかけた納豆飯、ドライ納豆カレー。どれ
も納豆のいい風味だけを生かした料理ばかり。納豆はわき役に
徹しているから、これなら苦手な人でも大丈夫。温めたカマン
ベールチーズに納豆を混ぜただけのおつまみもおすすめです。
どうです、この私が十個入ったパックが、たったの千円。今
なら特別キャンペーン中につき、同じ値段で私がもう十個……。
え? いらへん? そこをなんとか。え? そんなに粘る
な? 粘るなったってあなた…… 文 富田律之 写真 長田浩
『[永六輔その新世界]「手話は気が散る」こともある/東京』
1996/12/21 毎日新聞 地方版
◇喰わず嫌いで、終わらずに
今日は番組を通して納豆の話ばかりの放送である。スタッ
フ全員で、いろいろな納豆を喰(た)べ較べ、最も点の高かっ
た青梅の藁包(わらづと)納豆に深谷の葱(ねぎ)、野田の醤
油(しょうゆ)を添えて、リスナーにお届けするという企画だ。
勿論、そのリスナーからのお奨めの納豆、そして喰べ方も御
紹介するので、納豆好きにはたまらないが、納豆嫌いには、ま
るで聞いて貰えそうもない。
企画によっては、番組を離れるリスナーがいるという例になる。
これは納豆に限らない。 毎日新聞紙上に、手話を気が散る
と発言した法政大学、田嶋陽子教授のことが話題になっていた。
手話嫌いになる多くの人は不運なことに、下手な、目立つだ
けの手話通訳者とぶつかってしまうのが原因である。
そして、そういう通訳者が増えているのだ。
僕は番組でこれをとりあげ、田嶋教授を弁護した。NHKの手
話ニュースを担当している僕が、手話は気が散ると言ったのだ。
これは大切なことで、手話は正義の味方ではなくて、聞こえ
ない人達の味方なのである。
手話通訳者の中には、自分は立派なボランティアだと自信を
持っている人がいて「通訳させていただく」という心配りに欠
けている態度をよく見かける。
田嶋教授はきっと、そのタイプの通訳にぶつかってしまったのだ。
これは話をする側にも、聞こえる聴衆にも、気が散るのは当然だ。
僕の場合はいつでも手話通訳者と、どういう形で進行するか
を相談する。
こちらに手話のキャリアがあるから話は簡単につくのだが、
技術にあわせ、舞台にあわせて場所を決めるので、トラブルが
起きたことは無い。
しかし、慣れていない講師にとっては、打ち合わせ以前の問
題であり、手話通訳者はそのことを心得て対応するべきである。
今回の田嶋教授の場合は両方が不慣れだったことが問題で、
教授が一方的に批判される筋合いのものではないのだ。
納豆だって、喰わず嫌いのままで終わらずに、喰べてみてほ
しいものだ。
慣れてみると、いろいろな喰べ方も楽しめる。
田嶋教授も、いろいろな手話通訳者とつきあう間に、気が散
らない人と出逢うチャンスがあると思う。
その内、手話に興味を持っていただけると、教室の授業にも
役立つ筈である。
◇情報のあて先 はがきかファクスで〒100―51毎日新
聞社会部都内版「永六輔その新世界」係(住所不要、ファクス
は03・3212・0636)。
『「納豆賛歌」で表彰、納豆に花壇のパセリ刻みをり、茨城』
1996/12/21 日本農業新聞
【茨城・常陸】全国で初めてという第一回「私がうたう納豆
賛歌」を公募した山方町の納豆メーカー、丸真食品(三次キノ
社長)はこのほど、同町のケビン村で納豆賛歌(俳句、短歌の
二部門)の入選者表彰式を行った。
創業四十五周年を迎えた同社の三次真一郎専務らが「納豆を
地域の食文化の面からとらえよう」と、納豆をテーマにした納
豆賛歌の俳句、短歌を募集した。
この試みは大きな反響を呼び、全国から予想を超える約九千
点の俳句、短歌が寄せられた。同社では作品の中から、俳句十
句、短歌十首の最優秀作を含め約四百点を収録した単行本を出
版する予定。
最優秀作品の主なものは次の通り。
◇俳句の部
納豆に花壇のパセリ刻みをり
(結城市・小林キヨ子)
納豆の糸柔らかにおんな梅雨
(滋賀県・中居和平)
納豆も入れられており梅便り
(北海道・伏見豊彦)
◇短歌の部
九十を過ぎたる母は今朝もまた
うなづき乍ら納豆すする
(十王町・橋本仁)
寒き海にギリヤークの血が疼くといふ
千島の友と納豆を喰ふ
(東京・上紀男)
生えそろう乳歯ほころぶ口元に
そろそろ運ぶ納豆のさじ
(阜県・矢部容子)
『くめ・クオリティ、高級納豆の工場建設、茨城に―製法紹介の施設も。』
1996/12/20 日経産業新聞
【水戸】納豆メーカーのくめ・クオリティ・プロダクツ(茨
城県金砂郷町、石塚昇一郎社長)は、高級納豆の生産に特化し
た新工場「ハイクオリティ工場」を地元に建設する。納豆の製
法や新メニューを紹介する施設を併設して一般に開放し、観光
客誘致や地域活性化につなげる。工場は平屋建てで、床面積は
約千六百平方メートル。洗豆、浸し漬けから発酵、パック詰
め、出荷まで一貫して取り扱う。工場では窓をなくし、菌や虫
の混入を完全に防ぐ。総工費は六億円。来年三月中旬の完成を
予定。
新工場には本社工場から高級納豆「丹精」の生産を移管する
ほか、原料の大豆や製法にこだわった新商品を生産する。日産
十万パックから始め、将来は十五万―十八万パックまで拡大す
る。従事者は二十五人程度を予定。工場には見学者用通路を設
け、ガラス越しに作業風景が見学できるように配慮。バス専用
駐車場も備える。
1996/12/20 日本農業新聞
健康食品として静かなブームを呼んでいる納豆が売り上げを
伸ばしている。専業メーカーの丸真食品(本社=茨城県山方
町)のように「売り上げは昨年の二倍以上になりそう。従業員
が深夜まで働いても追い付かない」などの声も聞かれるほど
で、今年度の全国の売上高は前年度比一割増の約千六百十億円
(全国納豆協同組合連合会)が見込まれている。
「水戸といえば納豆」――。こう言われるほど、水戸を中心
とする茨城県は納豆の主産地。全国に約四百社ある納豆会社の
うち同県内にあるのは三十八社に過ぎないが、売上高では全国
の六割弱を占める。同業界最大手のタカノフーズ(本社=茨城
県小川町)は「ミニカップをはじめ、今年は全体的に売り上げ
が伸びている」と言う。また、水戸市内の京成百貨店によれば
「今冬のお歳暮用の売れ行きは確実に前年を上回る勢い」だ。
こうした人気の背景には、納豆が整腸作用を持ち、骨粗しょ
う症予防の効果もある食品として有名になってきたほか、今年
は病原性大腸菌O(オー)157に対する抗菌作用が高く評価
されたことが大きかった。そんな追い風要因もあって、十月以
降の売り上げは前年比約二〜三割増と急伸している
全国納豆協同組合連合会の高星進一会長はこうした動きにつ
いて「この状況はただのブーム」と冷静に分析する一方で、
「来年以降もこの伸びを持続させるようPRなどに努めたい」
と話している。
1996/12/20 日本農業新聞
納豆の命は、原料大豆と水。栃木県河内町のあづま食品(
株)の工場は、日光水系の地下水が豊富な所に立地。原料は、
地元特産の「地塚大豆」を使い、売り上げを伸ばしている。
同社が、この大豆にこだわった納豆を本格的に造り始めたの
は八年前。当時、米国から納豆用の極小粒大豆が、日本の三分
の一から四分の一の価格で輸入され始め、他のメーカーが米国
小粒に流れ始めた中のことだった。今では、同社の黒崎信也社
長も「多少割高でもこの国産大豆を使った製品で、他社と区別
化していく」方針をとっている。
「地塚大豆」は、茨城県北の山間部で古くから作られ、その
生産量はざっと二千トン。このうちの約七割を、あづま食品が
使う。
個食化で小量パック化、小粒大豆使用が、最近の消費傾向の
納豆。同社が、この地域の大豆にこだわるのは、粒の小ささと
糖度が高い点だ。粒の大きさは納豆向きの「小粒」、五・五ミ
リ以下の「極小」に、ほとんど入る。
「地塚大豆」は文字通り地をはうように背丈が低い。山間部
で高齢者が多い地区。収穫は一本一本抜き、ビニールハウス内
で乾燥、脱穀し、さらに豆を天日で干すことで糖度が高まる。
オリゴ糖の含有量は、国産一般大豆の二倍になる。
この国産大豆を使った製品は「国産地塚大豆使用」を明示、
同社の他製品とも区別化している。地塚大豆ものの店頭価格
は、二パックで百四十八円と、一般の大豆使用もの三パック
(一パック五十グラム)百四十八円に比べ、ざっと一・五倍に
なる。同社が今年から始めた米国ミネソタ州産有機大豆を使っ
た製品(三パック、百六十八円)に比べても割高である。
「多少高くても、どうしても国産大豆を使った納豆という固
定客がいる」と、あづま食品の柳井彰製造部長。地塚大豆を使
った納豆は、全国の量販店や百貨店などで販売されている。昔
から納豆は健康によいと伝えられているが、納豆菌の酵素が血
栓を溶かす機能を持つことが科学的に裏付けられた四年ほど前
から、「店頭だけでなく、業務用にも売れてきた」(柳井部
長)という。
同社は、地塚大豆を、茨城県北地方の農家と契約栽培してい
る。水府村の白石文三さん(七二)は「小麦や葉タバコとの輪
作に大事な作物。値段もまあまあで、これからも地塚大豆を作
っていきたい」としている。
柳井部長は「使う側にとっては割高でも、農家の収入となる
とそれほどでもない。地塚大豆のような特産大豆を残すために
も、大豆交付金制度などをもっと充実していくべきではない
か」と、地塚大豆が高齢化などで消えて行くかもしれないこと
に、漠然とした不安を感じている。
<メモ>
おかめ納豆のタカノフーズ(株)(茨城県小川町)は、北海
道産の小粒大豆(鈴丸)を一〇〇%使った製品「北海道丸大
豆」を販売、「消費者のこだわりニーズにこたえていくため
に、国産原料を確保するのが大変」な状況。水戸納豆製造(
株)も県産の「地塚大豆」を使う。日出納豆製造所(東京・世
田谷区)は、北海道産の「鈴丸」「鈴姫」を使っているが、国
産使用を明示していないこともあり、国産大豆の割高さが苦に
なっているという。
『まるか食品、「ペヤング納豆麺うどん」発売1カ月で好回転』
1996/12/20 日本食糧新聞
まるか食品(株)(群馬県伊勢崎市、0270・32・81
81)は11月中旬から「ペヤング納豆麺“うどん”」を関
東、東北、新潟など関東を中心に発売し約一ヵ月が経過した
が、従来にない商品とあって、量販店での商品回転も速く、人
気商材となっており、同社も拡販に努力している。
ペヤング納豆麺は、タカノフーズ(株)の「おかめ納豆」の
フリーズドライを使用した「みそ味」「しょうゆ味」の二品。
既存の和風カップにはない、ヘルシー食品、健康食品をコン
セプトにアレンジした新和風メニューのカップうどん。納豆麺
という親しみやすいネーミングとシンプルなパッケージが新鮮
なインパクトを与えている。また、他のメニューとの食べ合わ
せも考慮し、弁当、おにぎりなどにも合う。
麺は、同社独自の製造技術で、ソフトでなめらかな弾力のあ
る麺に仕上げ、口当たりと歯切れの良さは、油揚げ麺の良さを
引き出す。かやくは、納豆菌が生きたまま使用できるように特
殊なフリーズドライ製法で仕上げた納豆を豊富に使用し、ま
た、納豆、うどんと相性の良いネギ(フリーズドライ製法)を
多く使い、さらに、ワカメを使用し、彩りとボリューム感を引
き立てている。
スープは、しょうゆ味が、ビーフエキスをベースに和風だし
(カツオ、煮干し、昆布)を豊富に加え、醤油味に仕立てた。
みそ味は、ポークエキスをベースに和風だし(カツオ、煮干
し、昆布)を豊富に加え、味噌味に仕立てた。
しょうゆ味は一カップ八五g(麺七〇g)一二×二、一個卸
一二四円、小売一五五円。みそ味は一カップ八七g(麺七〇
g)一二×二、一個卸一二四円、小売一五五円。
『くめ・クオリティ・プロダクツ、高級納豆の新工場建設―来年3月メド完成。』
1996/12/17 日本経済新聞 地方経済面
納豆メーカーのくめ・クオリティ・プロダクツ(茨城県金砂
郷町、石塚昇一郎社長)は高級納豆の生産に特化した新工場
「ハイクオリティ工場」を建設する。納豆の製法や新メニュー
を紹介する施設を併設して一般に開放し、金砂郷町への観光客
誘致や地域活性化につなげる。
金砂郷町高柿に昨年建設した研究施設「クオリティセンタ
ー」を含む約一万平方メートルの敷地に建設する。総工費は六
億円。完成は来年三月中旬の予定。
工場は平屋建てで、床面積は約千六百平方メートル。洗豆・
浸し漬けから発酵、パック詰め、出荷まで一貫して取り扱う。
工場では窓をなくし、菌や虫の混入を完全にシャットアウトす
る。
新工場には本社工場から高級納豆「丹精」の生産を移管する
ほか、原料の大豆や製法にこだわった新商品を生産する。日産
十万パックから始め、将来は十五万―十八万パックまで生産量
を拡大する。勤務人員は二十五人程度を予定。
工場には見学者用通路を設け、ガラス越しに作業風景が見学
できるように配慮。バス専用駐車場も備える。中央部の約千八
百平方メートルの敷地は「クオリティガーデン」として整備
し、地域の人々に開放する。
ガーデン内には、情報提供の場として平屋建てのテラスを建
設。納豆を使った健康食品や新メニューを研究する「応用開発
室」を配置するほか、納豆の即売場や納豆の製法をビデオで紹
介するコーナーも設ける。
『くめ・クオリティ・プロダクツ、「パンに載せる納豆」生産中止―売れ行きが急減。』
1996/12/17 日本経済新聞 地方経済面
くめ・クオリティ・プロダクツは、新工場で来春から輸入大
豆を使った高級納豆「水戸伝説」の生産を始める。「量産を志
向せず、苦みの除去や強い糸引きなど高品質を追求」(研究
室)し、量販店や百貨店、コンビニへの販路拡大を目指す。
原料には国産の納豆小粒を米アーカンソー州の農場で契約栽
培した「マドンナ大豆」を輸入し、国産大豆を使用した「丹
精」よりコストを抑える。小売価格は六十グラム入り一パック
で八十八円を予定。当初は月間六万―七万パックの生産を見込
んでいる。
一方、今年三月に試験的に投入したパンに載せて食べる納豆
「まぜてーら・のせてーら」は十一月で生産を中止した。マス
コミに取り上げられたことや積極的な販促キャンペーンでピー
ク時には月間約三万個の売り上げを達成したが、夏場以降、一
万個以下に急速に落ち込んだ。
同社では「“納豆にはごはん”という固定観念はまだ強く、
やや時期尚早だった」と分析する一方、「アンケートでは好意
的な反応が七割を占めたし、以前から納豆をパンに載せて食べ
ている人が少なくないこともわかった。潜在的な市場はあるは
ずで、今後もパン食にこだわった商品開発は続ける」としてい
る。
『手作り納豆 農業体験グループが挑戦「わら」に豆入れ発酵させる』
1996/12/15 東京読売新聞 朝刊
健康食の納豆は朝食の強い味方だ。週末に農業体験している
サラリーマンらのグループがこのほど、有機栽培で育てた大豆
をわらで包む、昔ながらの納豆作りに挑戦した。手作り納豆の
楽しさ、おいしさをあなたの家庭でも工夫して味わってみては
いかが。
納豆作りに参加したのは、「土日農業研究会」会員のサラリ
ーマンやその家族十六人。土曜、日曜日に茨城県八郷町の農地
を借りて野菜などを栽培している。
同町で農業を営む谷田部藤一郎さん宅の庭の隅には、“つつ
こ”が山積みされていた。長さ約六十センチのわらを男性の腕
ほどの太さに束ね、両端をわらで縛ったものだ。
会員たちが五時間ほど前から火にかけてある大きななべを囲
んだ。なべの中では、会員が八月に種子をまき、十月に収穫し
た小粒品種の大豆が黄褐色に光りながら煮えている。
「自分たちで育てた大豆で納豆を作りたい、そんな会員の声
から約九か月。この日を楽しみにしていた」と会長の宮崎隆典
さんは話す。
「よぉーし、始めっかァ」。指導者の谷田部さんの声を合図
に豆をざるに上げ、つつこを持つ。「わらには自然の納豆菌が
付いているから、豆を入れて発酵させれば菌が自然に増殖して
納豆が出来るんだ」と解説する。小舟のようにしならせたつつ
こに茶わんで豆を入れ、包み込むようにしてつつこの真ん中を
わらで結ぶ。
流れ作業であっという間に約百八十本の山が出来た。一本に
は四人分、約二百グラムが入っている。豆の煮汁をひしゃくで
かけてわらを湿らせれば出来上がり。三十五度の室に三十六時
間ほど寝かせれば納豆が出来上がる。
ちなみに、手作り納豆の味は――。谷田部さんがあらかじめ
別に用意した納豆を食べてみた。口にわらの香りが広がる。軟
らかく甘みさえ感じる。実は塩が一つまみ入っているという。
「塩を入れると糸の引きが強くなる。香りも失われず手作り納
豆独特の味が出る」と谷田部さん。
この日は一家族二本以上のつつこを持ち帰ることにした。
「大切に温めて試食したのと同じ味を作りたい」と千葉から参
加した会社員。
◆家庭でも市販の納豆混ぜ
谷田部さんは「市販の納豆の菌を使えば家庭でも作れるよ」
という。大豆は直径五ミリ程度の小粒を選び、たっぷりの湯で
五―六時間弱火で煮る。豆は水を吸うと二倍の重さになるので
一食分二十五グラムほどを目安に人数分を煮る。
ざる上げした豆に市販の納豆一パックを混ぜ合わせ、容器に
入れてラップをかける。「納豆菌は生き物だから必ずラップに
空気穴を開けること。乾燥も大敵なので注意する」
容器は毛布などに包んで中温程度のホットカーペットや湯た
んぽの上に置くとよい。こたつの中でもいいが乾燥してしまい
がちだ。
発酵時間は三十五度で三十六時間程度だが、温度が低めなら
発酵時間は長くして。出来上がりの目安は、はしで取って糸を
引いている状態だ。
わらがあれば菓子箱などに敷き、市販の納豆と混ぜた豆を入
れて発酵させればわらの香りがする納豆に。容器を密閉して冷
凍しておけば二か月程度保存できる。
保温の仕方などで多少味に違いの出る手作り納豆、手間を掛
けた分だけ愛着もわき、おいしく食べられそうだ。
1996/12/14 産経新聞 朝刊
《作り方》
(1) 春菊は根元を切り落として塩少量を加えた熱湯でさっ
とゆで、冷水にとって水気を絞り、4センチ長さに切る。
(2) (1)にしょうゆ小さじ1をふり混ぜ、軽く絞る。
(3) エノキダケは石づきを切り落とし、熱湯でさっとゆで
て水気をきる。
(4) (2)(3)と納豆、しょうゆ大さじ1を混ぜ合わ
せ、器に盛る。
【一口メモ】
◇好みで練りガラシを加えても。
◇酒のさかなに向く一品だが、酒蒸しの鶏ささ身、刺し身用の
イカ、マグロの赤身などをプラスしてボリュームアップする
と、ご飯のおかずにもいい。
◇春菊に限らず、青菜ならなんでもOK。また、万能ネギでも
いい。
《材料メモ》
春菊……………1/2束
エノキダケ……1袋
納豆(小粒・50グラム)……1パック
塩、しょうゆ
『東工大、枯草菌利用の植物病抑制農薬を開発。培養しやすく高い安全性』
1996/12/13 日刊工業新聞
東京工業大学資源化学研究所の正田誠教授らの研究グループ
は、枯草菌を用いた微生物農薬の開発にめどをつけた。たい肥
から得た枯草菌の一種を用いて農作物などの病気を予防する。
この菌は二種類の抗菌活性物質を生産する働きがあり、植物が
土壌中の病原菌から感染、病気になるのを防ぐ。
納豆菌の仲間で、培養しやすく、安全性も高いのが特徴。複数
の実験を繰り返すことで、効果的に植物病を抑制することを確
かめ、微生物農薬応用への確証を得た。この枯草菌は、殺菌作
用と殺菌の働きを助ける作用の二つのたんぱく質を生産する。
栄養豊かな環境では土壌中で胞子を形成して眠っているが、病
原菌などほかの細菌が活性化すると正常な細胞に戻り、抗菌活
性物質をつくる。この抗菌活性物質は研究グループが確認した
だけでもバクテリアやカビなどから感染する二十八種類の植物
病に効果があるという。
肥料などに混ぜて土壌に接種するなどの方法が検討されてい
る。研究グループでは今まで滅菌した土壌で植物病を抑制する
ことを確認したが、滅菌しない土壌でも実験した。苗立枯病を
引き起こす病原菌の入った土壌に、この枯草菌を接種し、二週
間、ポットでトマトを育成した。
枯草菌の接種は(1)菌と抗菌活性物質が入った培養液(2)
菌の細胞だけで抗菌活性物質を取り除いた菌体懸濁液(3)抗
菌物質だけの培養除菌液―と三つの方法で行った。いずれの方
法でもトマトの苗立枯病は抑制され、健全に育成したという。
土壌中には乾いた土換算で一g当たり一億―十億個の枯草菌が
胞子として存在し、二種類の抗菌活性物質も検出された。土壌
中の抗菌活性物質の濃度変化を調べたところ、約十日間で土壌
から消え、土壌への残留性は小さいこともわかった。また、こ
の枯草菌の遺伝子の一部を破壊し、抗菌活性物質をつくれない
状態でも実験した。
この結果、植物病は発生し、菌が生産する抗菌活性物質に効果
があることを確かめた。
『中国は納豆の潜在市場?、好き32%、嫌い19%―常磐大、上海で試食アンケート。』
1996/12/10 日経産業新聞
巨大市場・中国で納豆の販路開拓の可能性あり――。常磐大
学国際学部(水戸市)の「アジアの納豆企画グループ」(加藤
清昭教授)は中国・上海で実施した試食アンケートの結果をま
とめ、納豆メーカーや県内スーパーなどを招き報告会を開いた。
調査は九月上旬、上海第一ヤオハンのレストラン街で、持参
した県産の納豆で実施。現地の消費者二百九十四人から回答を
得た。
「好き」と答えた人は全体の三二%に上り、「嫌い」の一
九%を上回った。「また買いたい」と答えた人も全体の四割
弱。「中国で売れると思うか」との問いにも、二割強の人が
「売れる」と答えた。
調査場所が日系高級百貨店だったことや、無料配布した点な
どを割り引いて考える必要があるが、日本の納豆が中国でも一
定限度受け入れられる可能性を示したと言えそうだ。
報告を受けた産業界からは、「納豆好きな中国人が意外に多
いと驚いた」(納豆メーカー最大手のタカノフーズ)との声が
続出。「中国で納豆の現地生産が始まれば、輸入も考えられ
る」(カスミ)と、気の早い意見も出ていた。 (水戸)
『【料理レシピ】納豆を加えて 和風マセドアンサラダ』
1996/12/10 産経新聞 朝刊
《作り方》
(1) 大根とニンジンは1センチ角に切り、熱湯でゆでて水
気をきる。
(2) 長イモは皮をむいて1センチ角に切り、酢水にさらし
て水気をきる。
(3) 三ツ葉は1センチ長さに切る。
(4) 納豆は水洗いして水気をきる。
(5) (1)(2)をだし汁大さじ1、薄口しょうゆ大さじ
1/2であえてしばらくおき、汁気をきる。
(6) ボウルにだし汁大さじ2、薄口しょうゆ大さじ1、練
りガラシ小さじ1、塩少量を合わせ混ぜ、(3)(4)(5)
を軽くあえる。
(7) 器に(6)を盛る。
【一口メモ】
◇シメジや生シイタケをさっと薄味で煮て加えたり、長ネギを
ゆでて加えても。 《材料メモ》
大根……………5センチ
ニンジン………1/4本
長イモ…………5センチ
三ツ葉…………1束
納豆(100グラム)…………1パック
酢、だし汁、薄口しょうゆ、練りガラシ、塩
『中国は納豆の巨大市場?、常磐大、上海でアンケート―「好き」と回答32%。』
1996/12/06 日本経済新聞 地方経済面
巨大市場・中国で納豆の販路開拓の可能性あり――。常磐大
学国際学部(水戸市)の「アジアの納豆企画グループ」(加藤
清昭教授)は中国・上海で実施した試食アンケート調査結果を
まとめ、納豆メーカーや県内スーパーなどを招き報告会を開いた。
調査は九月上旬、上海第一ヤオハンのレストラン街で県産納
豆を無料配布して実施。現地の消費者二百九十四人から回答を
得た。
「好き」と答えた人は全体の三二%に上り、「嫌い」の一
九%を上回った。「また買いたい」と答えた人も全体の四割
弱。「中国で売れると思うか」との問いにも、二割強の人が
「売れる」と答えた。
調査場所が日系高級百貨店だったことや無料配布した点など
を割り引いて考える必要があるが、日本の納豆が中国でも一定
程度受け入れられる可能性を示したと言えそうだ。
報告を受けた産業界からは、「納豆好きな中国人が意外に多
いと驚いた」(納豆メーカー最大手のタカノフーズ)との声が
続出。「中国で納豆の現地生産が始まれば、輸入も考えられ
る」(カスミ)と、気の早い意見も出ていた。
『旭松食品、納豆を第3の柱に―新製品を全国展開、生産増強へ9億円投資。』
1996/12/06 日経金融新聞
高野豆腐最大手の旭松食品(2911)が納豆販売に本腰を
入れ始めた。今年三月に関東で地域限定販売した氷温熟成納豆
「納豆いち・完熟超小粒」が好評で、この新製品を順次、全国
に広げる。発売に伴う広告宣伝費、生産設備増強の投資が膨ら
んで九七年三月期は経常利益が二七%減少するが、九八年三月
期は納豆の売り上げ増で再び利益増をめざす。
今期の納豆部門の売り上げは五十一億円前後と前期より四
〇%強増え、売上比率で高野豆腐、加工食品とほぼ並ぶ。「健
康食品ブームに乗って、納豆の需要は右肩上がりで伸びてい
る。これまでの納豆と作り方も味も違う新製品をタイミングよ
く発売できた」と、木下晃一社長は顔をほころばせる。
同社は高野豆腐メーカーとしてスタート、第二の収益の柱と
してカップみそ汁や袋入りの「生みそずい」、おかゆなど加工
食品部門を持つ。しかし今後も大きな需要拡大が見込めない高
野豆腐と、競争が激化する一方の加工食品だけでは収益の先行
きは厳しい。
納豆部門の拡大のため生産設備増強に今期九億円弱を投じ
る。現在、納豆はフル稼働の状態が続いているが、この増強で
七十億円前後の売り上げまで引き上げる。それでも不足する場
合は、新たに工場用地を取得し、新工場を建設して納豆を拡大
していく。
こうした一方で九五年に主力の長野・飯田工場の隣接地に物
流センターを建設、併せて「ロジスティクス部」を設立し、物
流コストの削減に着手した。受注業務の集約や販売情報に基づ
いた生産体制に切り替えたことで、年間約一億三千万円のコス
ト削減効果が出たという。実際、前期の棚卸し資産回転日数は
十九・七五日と九五年三月期の二十・七一日より改善した。
『茨城産の納豆、「発祥の地」中国で好評−−水戸で報告会/茨城』
1996/12/06 毎日新聞 地方版
水戸市の常磐大学の教授らが今年9月、「納豆発祥の地」と
いわれる中国・雲南省などで実施した茨城産納豆の市場調査報
告会や、メーカー、商社関係者らとの意見交換が4日夕、水戸
市内で行われた。主なテーマは「日本の納豆が中国で売れる
か」で、同国都市部を中心に予想外の好評を得たとの報告に、
産業界からは「生鮮食料品である納豆は空輸しなければならな
い。単価の安いものを空輸すると値段が高くなるので、現地生
産すべきだ」など中国進出に前向きの意見も出された。
報告を行った加藤清昭同大教授や同大学生5人は、上海など
での試食会の結果を紹介。「納豆が好き」と答えた人が38%
と「嫌い」の22%を上回り、「どちらともいえない」と答え
た40%のうちの3割も「また買ってみたい」などと回答した
ことから、茨城産納豆が関心を持たれると強調。「納豆の粘り
が嫌い」(41%)との側面はあるものの、「早く中国進出を
しなければ、みすみす巨大市場を失うことになる」(加藤教
授)と結論付けた。
1996/12/05 日刊工業新聞
【熊本】丸美屋(熊本市御領町188の1、社長上村弥継氏、
電01996・389・1300)は、納豆を増産するため南関工
場(熊本県南関町)を増設する。五日、南関町と立地協定に調
印する。
同社は、主力商品の納豆が健康食品として見直され急成長して
いることから、九七年二月期の売り上げを前年度比一五%増の
三十八億円と予想。今後も売り上げ増が期待できることから工
場増設に踏み切った。新工場は、建築面積が二千五百十四平方
メートル、投資金額が八億八百万円。
九七年一月に着工し同年六月から操業開始の予定。新工場の初
年度出荷額は八億円を見込んでいる。同社の東健常務は「納豆
の売り上げはここ数年一〇%の伸びを示していたが、O157
騒ぎがあった夏以降、前年同月比三〇%増が続いている」と話
している。
『小杉食品、納豆ブームで順風満帆 「有機・極小粒」が著増』
1996/12/04 日本食糧新聞
【名古屋】納豆の(株)小杉食品(三重県桑名市、059
4・22・6005)は、このところの健康食品「納豆」ブー
ムで業績を順調に伸ばしている。例年夏期は低迷するものであ
ったが、今年はO157問題などもあってか逆に数字を伸ば
し、現在一〜一・五割増の生産体制を敷いている。
その中でとりわけ伸びが著しいのが「有機栽培・極小粒納
豆」(写真)。厳選した有機栽培の大豆で、しかも極めつきの
小粒で食べやすさも抜群という商品である。当然のことながら
「タレ」「からし」に合成保存料、合成着色料は使用していな
い。
同社の小杉力会長は「マスコミが納豆の健康性について取り
上げ、ブームに火をつけた。納豆は自然食品の典型であり、伝
統食品である。もっと納豆のおいしさや健康性を広げていきた
い」と語っている。
1996/12/01 MEDIAPEX
ワルファリンの服薬説明の状況/医薬品情報の提供/一般演題
より
抗血栓症薬ワルファリンによる治療では、血液凝固能検査に
よる治療域コントロール、ビタミンK系の医薬品、納豆や緑黄
色野菜などビタミンKを多量に含む食品との相互作用など、病
状のコントロールのために多くの注意を必要としている。
順天堂大浦安病院薬剤部の中川理恵氏は、医療現場における
ワルファリンの服薬説明の現状に関する調査結果を報告した。
病院内外での医療スタッフ間の連携、役割分担が不十分な状況
が示唆され、今後は説明用のビデオなどの資材利用を含めて、
服薬指導の徹底をはかる必要が認められたという。
調査は、95年10月に設立された研究会によって実施され
た。大学病院の医師、薬剤師、看護婦に加え、医薬分業の普及
を考慮して薬局薬剤師も研究会に参加している。1996年4月に
第三者機関に委託して、郵送調査法で実施された。内容は、情
報提供での連携、役割分担などとした。
対象は、循環器内科・外科、一般内科、老人科、整形外科の
勤務医、一般内科と整形外科の開業医、循環器内科・外科の看
護婦、病院および薬局の薬剤師の総計5,700人。
循環器系、内科のワルファリンを処方する診療科とともに、
ワルファリンと併用禁忌の骨粗鬆症治療用ビタミンK製剤を使
用する整形外科や老人科を対象に選んだ。
アンケートの回答率は14.2%で、統計処理が可能なレベ
ルに達したという。循環器外科医と薬剤師で回答率が高く、開
業医は低かった。患者1人あたりの服薬説明にかける時間は、
看護婦が平均12.9分で、最も情報提供に時間を費やしてい
た。
病院内での服薬説明実施者については、「医師が行ってい
る」との認識が各職種で一致して高かった。しかし、看護婦の
90%以上が「看護婦が説明している」と自覚していたにもか
かわらず、他職種の医師、薬剤師の認識は低かったという。ま
た薬剤師でも、同様の傾向がみられた。
院内での連絡や申し合わせについては、医師、薬剤師の5
0%以上が「行っていない」と回答してる。看護婦では、「行
っていない」は約30%にとどまった。また連絡先には、検査
技師や栄養士も含まれていた。
院外施設への連絡については、大部分が患者自身による各施
設への申し出に頼っていた。
『抗生物質、磁場作用で生産向上、東工大――細菌の能力を活性化。』
1996/11/30 日本経済新聞 朝刊
東京工業大学資源化学研究所の正田誠教授の研究グループは
抗生物質を生産する細菌を強い磁場の中に置くことで、生産性
を約三〇%高めることに成功した。細菌の物質生産能力を磁場
の作用で向上させたのは初めて。将来、医薬品の生産コストの
低減に貢献しそうだ。
研究グループは物質生産能力に優れる枯草菌(納豆菌の仲
間)という細菌に着目。生分解性の界面活性剤、サーファクチ
ン(抗生物質の一種)を生産するように遺伝子操作を施した上
で、五・二〓(テスラは磁場の単位、一〓は地磁気の約二万
倍)から六・一〓の間を上下する変動磁場の中に置いた。
すると変動磁場下の枯草菌の物質生産量は、地磁気しか受け
ない通常の枯草菌と比べ増加。実験開始から七十二時間後、サ
ーファクチンの生産量は約一・三倍の水準に達した。
大腸菌や枯草菌などの細菌は増殖停止の直前から死滅すると
きにかけて物質を生産することが知られている。抗生物質の生
産量が増えた理由について正田教授は「変動磁場の影響で死滅
の時期が近づいた細菌が死ににくくなったせいではないか」と
の仮説をたてている。
『転作大豆を振興、生産から販売を一貫、茨城・JAやさと』
1996/11/30 日本農業新聞
【茨城・やさと】水田再編確立対策事業の一環として生産の
盛んな大豆。JAやさとでは、受託刈り取りを始めるなどより
一層の普及を図っている。
大豆生産は八郷町が転作奨励品種として力を入れており、同
JAは生産・加工・販売と一貫した体制をとっている。
なかでも平成元年から始めた納豆の製造販売はまれな事業だ
ったが、現在ではJAの柱となりつつある。納豆は年間二百万
パック製造され、七割を生協へ出荷、健康食品ブームとともに
生産が拡大している。
また、納豆販売金の中から一パック五円を「納豆基金」に積
み立て、それによって大豆種子の無料配布、脱粒機・選別機の
無料貸し出している。
さらに今年から、コンバインの購入によって受託刈り取りを
行い、刈り取り、脱粒の手間を省いて労力を軽減し、生産の普
及を図った。
販売強化では対外対策室を設置し、販売先の拡大などを進め
ている。
このように今後に向けた畑作振興の基礎つくりは、生産者か
らの大きな期待がかけられている。
『納豆関連機械資材展示会開く「こだわり納豆」づくり目指す』
1996/11/29 日本食糧新聞
’1996全国納豆関連機械資材展示会が13日、東京都立産業
貿易センター台東館で開催された(主催=納親会、後援=全国
納豆協同組合連合会)。今回のメーン・テーマは、「こだわり
納豆を目指して!!」。
同展示会は三年に一度開催されていたが、今回は四年ぶりの
開催。納豆の消費は確実に伸び、市場は増大しているが、大型
小売店、量販店、CVSでは大手メーカー各社が寡占化、激し
い納入合戦が展開されている。
一方、中小メーカーは大手とはっきり差別化した個性ある商
品の開発と独自の販売ルートを確立することが急務となってい
るが、供給体制の完備と経営の効率化を図るため自動化・省力
化に対応できる最新機械の導入には大手、中小メーカーとも各
社が関心を高めている。
今回展示された機械は、包装機、充填機、選別機、各種制御
装置、小袋投入機など。実演も行われ、特に段ボール箱入れロ
ボットを接続した包装機、万能型高速充填機、洗穀機、石抜
機、高速小袋自動投入機などに人気が集まっていた。また原料
大豆、たれ、辛子、容器などの資材も各社がブースの中に展
示、会場なかほどには一部のメーカーがすでに導入している納
豆用自動販売機が設置され、業界新時代の到来を象徴していた。
出展メーカー二五社は次の通り。
野村総合商事(株)、ちば醤油(株)、ユニ・フード(株
)、全容器(株)、朋和商事(株)、シンコーフーズ(株)、
富士商事(株)、三交商事(株)、チヨダ(株)、エム・エ
ス・ジー(株)、互明商事(株)、サカイスパイス工業(株
)、(有)アレス容器、和光食糧(株)、マルエス工業(株
)、鈴与工業(株)、(有)みわ精機、(株)旭金属、(株)
中川機械製作所、原田産業(株)、高野ベアリング(株)、
(株)岩崎製作所、正和工業(株)、(株)三橋製作所、(
株)木田製作所。
『毛利食品、納豆+マグロ角煮、おつまみの新製品投入。』
1996/11/28 日本経済新聞 地方経済面
豆製品メーカー大手の毛利食品(宇都宮市、毛利貞夫社長)
はおつまみの新製品「まぐろ納豆」と「うまかっぺ」を発売し
た。全国のスーパー、コンビニエンスストアなどで販売、年間
売り上げ目標三億六千万円(小売りベース)を見込む。
まぐろ納豆は希望小売価格五百円。内容量は百二十グラム。
辛子味のドライ納豆とマグロの角煮を組み合わせた。たんぱく
質、鉄分、カルシウムなどに加えて、ガン予防になるといわれ
るDHA(ドコサヘキサエン酸)を含んでいる。
うまかっぺは希望小売価格五百円。内容量は二百九十グラ
ム。バターピーナツ、ピスタチオ、甘納豆、ヨーグルトレーズ
ンなど八種類の袋が入っている。おつまみとしてだけではな
く、子供のおやつとしても売り込んでいく。
『動くCVS商品 有機・無添加の商品開発進む、「健康・環境」色強める』
1996/11/25 日本食糧新聞
CVSチェーンの店頭では、栄養補助食品の次は、有機農産
物、添加物を使用しない食品が注目されてきた。am/pmは
早くから添加物・合成着色料を使わない冷凍の弁当・惣菜、ド
ライ食品の開発に取り組んできたが、最近では他のCVSチェ
ーンでも有機栽培大豆使用の納豆、天然にがり一〇〇%・消泡
剤無添加の豆腐が登場している。
国分グローサーズチェーンは、丸大豆、丹沢山渓天然水、天
然にがりを使用した豆腐(絹こし八八円、木綿こし九五円、各
三〇〇g)を10月中旬に発売した。従来品をリニューアルし
たもので、発売以来豆腐全体の売上げを五〇%引き上げ、売れ
筋の第一位を占めている。中国産有機栽培大豆で作った納豆
(超小粒、引き割各五〇g×二、一一〇円、極小粒三〇g×
三、一五〇円)も取扱いを始めた。これも納豆全体の売上げア
ップに貢献している。豆腐はマルカ食品、納豆はヤマダフーズ
の商品。
スリーエフも天然にがり、消泡剤無添加、豆乳濃度を高くし
た豆腐(絹こし、三〇〇g、八八円、二〇〇g、五八円)を発
売した。製造はホーム食品。
スリーエフでは品質第一に商品の見直しを進めており、豆腐
もその一環。国分グローサリーチェーンはこれらを揚げ出し豆
腐、納豆巻に加工し、付加価値の高い商品開発を進めている。
am/pmは、添加物、合成着色料を使わない、ゴミを出さ
ないなど健康、環境に配慮した商品を「あんしん二重丸」の統
一ブランドで開発している。今年の第三弾として11月中旬
に、食品・非食品五〇品目を新発売した。冷凍状態で流通する
「とれたて弁当」は、レンジアップの出来立て感と健康志向が
支持され順調な売れ行きをみせている。
CVS客といえば、質よりも量と安さが優先していた。しか
し、健康・環境への関心が高まるに従い、商品選択の基準も変
化してきた。今後の高齢者の増加に対応する意味でも、健康・
環境は欠かせないキーワードになっている。
『くき食品、抗菌納豆活用し加工食品に進出―ギョーザやうどん、シリーズで商品化。』
1996/11/19 日経産業新聞
くき食品(福岡県若宮町、斎藤陽彦社長)は抗菌物質を増や
した自社製の納豆を使い、加工食品事業に進出する。第一弾と
して、具に納豆を混ぜたギョーザを発売した。来月には納豆う
どんを投入する。来年以降、納豆ジュースや納豆がゆなども順
次、商品化する。食中毒騒動のなか、健康食品としての納豆が
注目されている。同社は納豆を使った加工食品により事業拡大
を狙う。
納豆を使った加工食品は「食育革命」のブランド名でシリー
ズ化する。発売したのは「抗菌・納豆入りギョーザ」=写真。
豚肉やタマネギ、ニンニク、ショウガなどの具に、自社製納豆
を加えた生ギョーザ。二十個入りで三百円。全国の量販店など
で販売、月間一万パックの販売を目指す。
来月発売する納豆うどんは、うどん粉に納豆を加えて仕上げ
た乾めん。お湯を通しても簡単にちぎれず、コシのある味わい
を実現したという。さらに今後、具材の鮮度を保ちやすいフリ
ーズドライ技術などを活用し、インスタントタイプの納豆がゆ
や納豆ジュースなども商品化する。
食品や飲料の材料として使う納豆は、同社が今年八月に開
発・発売した「抗菌納豆」。納豆のネバリ中に含まれる物質で
抗菌作用があるとされるジピコリン酸を、同社の独自技術を使
って通常の納豆の五倍に増やした。今夏の病原性大腸菌O(オ
ー)157事件などの際には納豆の抗菌作用が注目されるな
ど、健康食品として関心が高まっている。納豆を使った加工食
品のシリーズ化によって、二〇〇〇年には売上高を五十億円に
する考えだ。
1996/11/19 日本農業新聞
「遊び尽くし」シリーズの一巻。納豆の薬効や食べ方が見直
されている。納豆のあのネバネバには、血栓を溶かす働きのあ
るナットウキナーゼが含まれ、成人病やぼけを予防する効果が
認められている。
本書は、驚異的とも言える栄養と薬効をもつ納豆をおいし
く、楽しく、健康に食べるための調理法を詳しく紹介。薬味で
味わったり、あえたり揚げたり、焼いたり、いためたりする自
由奔放な納豆クッキングの数々だ。
(創森社=〒162 東京都新宿区下宮比町二ノ二八ノ六一
二、A5判、千百十二ページ千二百円)
1996/11/15 日本経済新聞 地方経済面
旭松食品 九六年九月中間期は売上高七十九億二千九百万円
(前年同期比一二・四%増)、経常利益一億六千三百万円(四
〇・三%減)の増収減益となった。納豆、凍豆腐などの販売が
好調だった半面、広告宣伝費の増加、設備投資の償却負担など
が減益の主因となった。
九七年三月期は売上高百六十八億円、経常利益五億三千万円
を見込む。
1996/11/13 日本農業新聞
納豆は日本を代表する食べ物として広く親しまれている。茨
城県小川町にある「納豆博物館」は、納豆のすべてを情報発信
する全国初の珍しい納豆専門博物館だ。
同館は、納豆を製造販売する潟^カノフーズが工場敷地内の
研究所一階に設けたもので、健康食品である納豆の素晴らしさ
をアピールし、世界でも類を見ないユニークな博物館として今
年五月にオープンした。
納豆は最近の健康食品ブームで一躍脚光を浴び、消費は年々
伸びている。納豆オムレツやスパゲティなど料理の種類も豊富
になってきた。そんなブームを反映してか、同博物館への関心
も高まっている。
館内は清潔感があふれる造り。主に“納豆の歴史と文化”を
紹介。納豆の起源は、平安中期の東北地方で起こった戦乱の
中、兵士が飢えのあまり発酵した煮豆を食べたのが始まりとい
われる。
江戸納豆絵巻のコーナーはミニシアターとなっている。から
くり人形がちょこちょこと体を動かしながら当時食べていた納
豆の話を、面白おかしく語ってくれる。家庭でも簡単に試せる
納豆のつくり方や効用、世界の大豆発酵食品紹介などをパネル
やイラストで分かりやすく紹介したコーナーもある。
展示中央にはコンピューターを導入した情報室もあり、どれ
だけ納豆について理解できたかをテストしてくれる。「納豆を
学ぶことで、少しでも皆さんの健康に役立てたら」と同館。電
話で予約をすれば工場見学もできる。
納豆博物館へはJR常磐線で石岡駅下車。鹿島鉄道に乗り換
え、常陸小川駅下車、車で約10分。入館は無料。団体の場合
はフリーダイヤル0120―58―7010へ事前連絡が必
要。休館日は年末年始。
美術分野に助成、ポーラ財団
今年設立されたポーラ美術振興財団が、第一回の美術分野助
成事業の対象を募集している。対象となるのは、若手芸術家の
海外研修(十人、各三百四十万円)、美術館職員の調査研究
(十件、各二百万円)、美術に関する国際交流(十二件、各二
百万円)――の三分野。応募期間は十一月三十日まで。
問い合わせは、ポーラ美術振興財団=〒107 東京都港区
赤坂二ノ一一ノ一、宮原ビル七階 電話03(3505)33
21へ。
『からし特集 業務用=ミニパック順調、加熱メニュー訴求力高まり健闘』
1996/11/13 日本食糧新聞
業務用(加工用を含む)も、納豆用を主体としたミニパック
などを中心に、今のところ健闘している。ただ、消費構造から
みれば「もはや限界」という、家庭用と同じ悩みを抱え、厳し
い状況が続くのは間違いないところ。しかも原料コストが毎年
のように上昇していることも、メーカーにとっては頭の痛いと
ころだ。
かねてより、その食効が喧伝されていた納豆は、昨年、再び
スポットを浴び、一時の低迷を完全に脱した。いわく、骨粗鬆
症予防、血栓予防効果等々がそれで、味噌、豆腐など他の大豆
原料食品とともに、日本食の代表の座を不動にしている。関西
など“未開地”での消費も拡大し、それに添付されるミニパッ
クのからしも、順調な伸びをみせている。また、持ち帰りのシ
ューマイなどの添付用も、加熱メニューが支持されてか健闘。
さらに、秋口から約半年間にわたり、コンビニエンスストアな
どで展開する持ち帰り用のおでんの添付用も、今シーズンは期
待できそう。O157の影響もあってか、加熱メニューの訴求
力が高まったうえ、今秋は残暑も少なく冬も寒そうな気配。一
部有力チェーンでは、早くもおでんのテレビCFを流すなど
“本番”突入を思わせる環境となっている。
また、マスタード関係も健闘している。ホットドッグ用やド
レッシングの原料など、飲食店向けが底固い動きを示し、一方
でサンドイッチなどの店売りが増えたためか、製パン用向けが
好調。ただ、業務用全般では、おでん屋、居酒屋関係、とんか
つ、中華料理店、洋食系のマスタードなど、使う業態(料理)
が限られ、一時より明るさがみえたとはいえ、外食全体に盛り
上がりに欠けるなど、厳しい状況に変わりはない。
加工用は、夏から秋にかけナスのからし漬用途などもある
が、年間を通じて安定し、ウエートの高いのがわさびやマヨネ
ーズの原料用だ。ただ、この分野は商品そのものの消費が伸悩
みの状態。付加価値戦略の一環か、からし精油の利用もジワジ
ワと増えるなど、からしメーカーにとっては逆風も吹いている。
さらに、今回はO157騒動で、さしみ盛合せや寿司の売行
きが激減。それに連動して、わさびの需要も減少した。わさび
メーカーの在庫の違いなど、それが即加工用原料からしの動き
に連動するわけではないが、いずれは何らかの影響が出るもの
とみられる。
国内のからしメーカーは、主に関東以西に散在。その中で埼
玉のサカイスパイスとチヨダ、中部の美ノ久が専業の“御三
家”といえる。サカイスパイスでは、今年からカナダ工場の半
製品(ケーキ状)を輸入しているが、年内にも粉末製品の輸入
を開始。また、美ノ久は今年、東京に正式に出先を開設し大消
費地への販促を強化。チヨダでは、その伝統と技術を生かし粉
末からマスタードまで、マイブランドを強化するとともに、有
力CVSとの結びつきも一段と強化。OEMを含めて“チヨダ
からし”の伝統を守っている。
このほか、首都圏では総合香辛料・スープメーカーとして知
られる平和食品が、シューマイなどのミニパックを主力に展
開。業務用全般や産業・学校などの給食向けの食材メーカーと
して知られるテーオー食品や交易食品(横浜)が、「フレッシ
ュパック」(テーオー食品)などのチューブ製品を主体に浸
透。千葉のユニ・フード、東京辛子粉、タレや調味料などの小
袋充填専業のアミュード(埼玉)などが目につくところだ。
『◆からし特集 本格需要期へ販促強化、マスタードは狂牛病とO−157で低迷』
1996/11/13 日本食糧新聞
前年の好調を持続する形で、今年のからし(マスタードを含
む)市場は、全体では堅調に推移している。ただ、種類別にみ
るとからしは順調に伸びたものの、いわゆるマスタードはやや
低迷と、明暗を分けている。これは、春先の狂牛病騒動と、夏
場以降の病原性大腸菌O157の集団発生による影響で、それ
ぞれの用途の違いが顕在化した形だ。加工、業務用では納豆用
のミニパックが相変わらず順調だが、O157の影響でわさび
の需要が大幅に減少したため、その原料向けのからしにも、ジ
ワジワと影響が出てくるとみられる。
一方、一〇〇%海外に依存する原料面は、供給国カナダの相
場アップで、今春契約時(組合共同購入分)すでに前年比二
〇%アップ。現在のスポットは、それを上回り、とくにイエロ
ー種は暴騰。日本の主力のオリエンタル種は、安定しているも
のの「農家の売りおしみ」が続く状態。いずれにしろ円相場も
からみ原料の高値安定は確実となっている。
『元気インタビュー 岩田醸造相談役・岩田 政勝氏 秘訣は納豆・漬物・・・好奇心』
1996/11/10 百歳元気新聞
北海道で有数の味噌・醤油工場である岩田醸造の相談役・岩
田政勝氏は、北海道味噌醤油工業組合連合会の会長を永年勤め
た、道内食品業界の重鎮。いまも毎日出社して、新時代に役立
つ人材の養成に力を注ぐ。若い頃ホッケーで鍛えたその心身
は、九六年間使っているとは思えぬほど壮健そのもの。さてそ
の秘訣とは?
●郷土愛ひしひし
岩田家はもと金沢・前田藩の武士の一族。岩田氏の父らは明
治維新後、屯田兵として来道した。
「当時は一面原始林。昼なお暗きの言葉どおり、熊笹が人の
背より高く生える密林です。夜になるといろんな動物の声が
し、隣の家へ行くには昼間でも握り飯を用意して出かけたとい
う。ぼくが生まれた頃には畑も下水もあった。必死に開墾した
んでしょうね」。
岩田氏の口調には強い愛郷心があふれている。同社ではPR
誌『紅』を昭和31年から隔月間発行、全国に無料配布してお
り、郷土愛がひしひしと感じられると、読者から好評を博して
いる。
●いまも毎朝体操
岩田氏は慶応大学時代は体育会ホッケー部に所属、その他ラ
グビーもこなすバリバリのスポーツマン。いまも毎朝一時間ほ
どのマッサージ体操を欠かさない。
「ホッケー部というのは、ぼくらの始めた頃は日本の大学で
はまだどこにもなくて、相手というと横浜や神戸の外人。ラグ
ビーも、同じイギリスのスポーツとして日本に入って間もなく
で、体育会の他の部の連中とやりましたね。サラリーマンにな
ってからも、ゴルフはしないがラグビーはよくやりました」。
大学卒業後、東邦電力に入社、家業を継ぐまで丸七年勤務し
た。持ち前のガッツと根性は仕事面でも発揮し、転勤先の福岡
では、自ら志願しチンチン電車の車掌として勤務したことも。
「福岡ではほんと愉快にやりましたよ。北海道出かと珍しが
られてね。日曜日は必ず仲間とラグビー。ラグビーやって、中
州の川っぷちのビアホールで一、二杯ひっかけるのが毎週お決
まりのコースでネ」。
●三食に発酵食品
朝ご飯のメニューは
『納豆・大根おろし・生野菜サラダ・ご
はん・味噌汁、漬物』と決まっている。
一日三食腹八分目、好き嫌いはないが、肉類は少なめ、絶対
に欠かさないのが納豆。
「少年時代は嫌いでね。食べられるようになったのは実は五
〇歳過ぎ。重度のパラチフスが納豆を食べて完治したんです。
医者もびっくりしてました。
『納豆は胃腸の雑菌を成敗する』
は本当でした。以来毎日、納豆をよくかき混ぜて、大根おろし
と半熟卵の黄身を乗せて食べます」。
もう一つ、お腹の健康を保つための氏のこだわりの食品が漬
物。酵素を補うにはとくに奈良漬がいいという。「それも粕の
カスでは困ります(笑)。一番絞りの本当にいい酒の粕でつけ
た奈良漬は酵素の働きが違う。小さいのを一切れ食べるだけで
も効果はてきめん。発酵するからガスができる。それが音もな
しに出るんです。そのガスがにおうようなときは発酵状態がよ
くないとき。完全に発酵してきたガスなら全然においません。
今日のは酵素が相当効いたなというのがわかる。あれは面白
い。むしろそれが楽しみでね」。
発酵食品をとりいれた腸内活性が健康の秘訣のよう。
「なぜそんなに粕にとらわれたかというと、いくら何でも朝
から酒を飲むわけにはいかないから(笑)。酒は好きだからい
までも晩酌をしますが量はほんの少し。ただし相手があって飲
むときには、ぼくは全然こだわりません。話をしながら飲むん
ですから、ビールでも日本酒でも適当に飲めばいいんです。ワ
インなども最近味を覚えてきたんですよ。あれも酵素が十分働
くし、産地とか、発酵状態とか、研究し出したら面白いだろう
と思います」。
新しいものへの好奇心とチャレンジ精神。このやわらかさも
若さの秘訣かもしれない。
●命は預かりもの
命の根源は何だろう、とこの頃よく考えるという。
「すべての生き物は、もとをたどれば一つの同じ細胞核であ
ったはず。でもその正体は、どんなに科学が進んでも人間には
わかりません。不思議ですね。人間の力では到底できないもの
が、現にでき上がっている。そう考えると、命は自分のもので
はなくて一時期の預かりものにすぎない。それをドウノコウノ
と。世界にはいろんな民族がいて、アイヌを異民族だといった
り、宗教で争ったり、そんなケチくさいことにとらわれては駄
目だ。同じ人間なんだ。人間は本当はどういう具合に命がつな
がっているかわからないんだ」。
「だからぼくは近頃は、いろんなものを集めたりするような
ことは…、たとえば俺のだの、おまえのだのととらわれた考え
方はしたくない。自分のものは自分の命で終わる、と思ってい
ればいい。放っておけば、弱肉強食でけんかが始まるだろう。
でも所有権がどうのこうのなんて、それは人間の小細工にすぎ
ない。本当に人間なんて情けない存在、小さな存在なんです」。
「威張るな。威張るな。こういうのが私の人生観です。いた
だいている命なんだから、お返しするというような考え方で
『いつでもどうぞ、長い間お世話になりました。ありがとうご
ざいました』とみんなにお礼をいいながらぼくは死んでいきた
い」と豪快に笑った。
岩田政勝(いわたまさかつ)=明治33年10月16日生ま
れ。大正14年慶応義塾大学経済学部卒業後、東邦電力入社、
家業従事のため昭和7年退社し、一〇ヵ月の欧米視察後、岩田
合名会社に入社、昭和11年代表者となる。昭和27年、岩田
醸造株式会社と法人化し、取締役社長となる。現在は取締役相
談役。北海道味噌醤油工業協同組合顧問、江別地方食品衛生協
会会長、北海道体育協会顧問、日本ホッケー協会顧問、北海道
ホッケー協会会長などを務める。藍綬褒章、勲五等双光旭日
章、北海道スポーツ賞、文部大臣表彰など多くの表彰歴も。
『あづま食品、納豆で無農薬国際認定――タレなども無添加。』
1996/11/09 日経流通新聞
【宇都宮】大手納豆メーカーのあづま食品(栃木県河内町、
黒崎信也社長)は米国の大豆生産農家と提携、納豆メーカーと
して初めて無農薬作物の国際認定機関OCIA(有機農作物改
良協会、本部・米オハイオ州)の認定を受けた商品を十二月か
ら発売する。首都圏を中心に無農薬食品の需要が高まっている
ため、商品の特性を積極的に打ち出していく。
新商品はからし、タレも無添加、無着色とする。希望小売価
格は五〇グラム三パック入りで百六十八円と、既存商品に比べ
て十円高く設定する。
栃木工場(河内町)、三重工場(藤原町)も、熱湯処理工程
などの水準の高さが評価され、このほどOCIA認定工場とな
ったため、新商品にはOCIAの認定証を付け、消費者にアピ
ールする。
同社はOCIA認定の米アーカンソー州の農家と提携、八年
間にわたり、納豆の原料に適した大豆の栽培に取り組んできた。
昨年、日本産と同等の品質の大豆の栽培に成功、年間二千ト
ンの無農薬の有機栽培大豆を確保した。来年以降は、作付面積
をさらに増やし、年間四千トン以上を確保する計画。
二年後をめどに無農薬有機栽培の大豆を使用した納豆の比率
を現在の二〇%から五〇%に高める。これまで米ミネソタ州で
生産した無農薬有機大豆を使用していたが、数量に限りがあ
り、国内での生産農家も少ないため、全数量の二〇%程度にと
どまっていた。
『日本生物科学研究所、大分の「九州工場」を完成。健康飲料を生産』
1996/11/08 日刊工業新聞
【大分】日本生物科学研究所(大阪府高槻市唐崎中4の10の
11、代表取締役東健一郎氏、電0726・77・5831)
は、大分県安岐町塩屋2022に建設中だった九州工場を完成
七日、関係者を招いて工場披露を行った。同社は、納豆菌・乳
酸菌を植物発酵液で長期間培養・熟成させたエキスを含んだ健
康飲料のメーカー。
これまで京都工場(京都府・久御山町)でしていた健康飲料を
九州工場に移管、京都工場は需要が伸びている納豆菌の健康飲
料の生産に専念する。九州工場は、敷地約九千平方メートル
に、一部二階建ての建屋約二千平方メートル。土地代を含む投
資額は約六億五千万円。
年産四億円を見込み、四―五年後には工場拡張を行い、年産を
十億円とする。
1996/11/08 日本農業新聞
「大豆の衣づけ」は、かやぶき屋根の民家が紅葉に包まれ、
年間で最も美しい京都府美山町の逸品。町内の主婦六人で構成
する宮脇豆菓子グループの手作り品だ。
同グループの納豆作りの名人、中島ハナさんが、子供のおや
つにと工夫した豆菓子が、美山町ふるさと食品開発コンクール
に入賞。さらに、京都府ふるさと食品開発コンクールで奨励賞
を受賞したのを契機に、平成五年度に商品化した。自ら育てた
大粒の大豆に五色の砂糖をまぶし、京都らしい上品な味に仕上
げている。
大豆を一昼夜、水につけ乾かした後、油で揚げて衣をつけ
る。すべて自家製大豆を利用するため、生産量は限られてい
る。年間七百〜千袋の限定販売。一袋百グラム、三百円。町内
のイベントや、町外への物産展などにはJA京都美山町を通じ
て出品している。
このほか、美山ふるさと館など、町内の観光拠点にも納入し
ている。美山町役場では「規模は小さいが、地域のきずなを深
め、活性化の一助になっている」と話している。
問い合わせは、宮脇豆グループ、(電)0771(75)1
503。
1996/11/08 日本食糧新聞
健康志向が高まっている。長寿社会の到来で、健康維持のた
めの食生活のあり方に関心が高まっており、今年の歳暮ギフト
商戦でも、健康志向をアピールした商品が人気を集めることが
予想されている。また、相次ぐ一連の食中毒事故があって、そ
の殺菌や抑制作用が認められた緑茶、酢などが見直されそう
だ。いわゆる日本の伝統的な食品にスポットライトが当てられ
ている。納豆、黒酢の効用がその代表▼その一方で加工食品の
栄養表示法が改められ、ビタミン類を強化した食品の表示が進
められている。ところが、この栄養表示法、消費者には分かり
にくい。たとえば「ビタミン一ミリグラム」とか「カルシウム
三〇ミリグラム」とパッケージに表示されていても、ピンとこ
ない。つまり、消費者が一日に摂取すべき理想的な量が示され
ていないことが問題。その点、米国では消費者サイドに立った
対応をしている。たとえば「このハンバーガーを食べると、あ
なたの一日に必要な脂肪の八〇%を摂取することになります」
と情報を提供しなければならないようになっている▼食に対す
る健康志向が強まる中で、日本の栄養表示法は遅れているとい
わざるを得ない。再度の見直しを求めたい。
『キムチ漬け・白菜添え、納豆――ヤマダフーズ(ニューフェース)』
1996/11/07 日本経済新聞 朝刊
◇納豆◇ヤマダフーズ(0298・75・2111)の「骨
コツ納豆」と「キムチ納豆」
《ポイント》「骨コツ納豆」は細かく砕いたサケの中骨入り
で、カルシウム含有量を増やした。納豆中のビタミンK2がカ
ルシウムの吸収を助けるという。「キムチ納豆」は納豆をキム
チ漬けにし、刻んだ白菜を加えた。
《価格・発売時期》「骨コツ納豆」は三十グラム入り三カッ
プで百四十八円。北海道と九州を除くジャスコで販売中。「キ
ムチ納豆」は三十グラム入りスティック三本で百三十八円。東
北の一部で販売中。いずれも順次、全国に拡大する。
『あづま食品、初の国際認定納豆――「無農薬」で消費拡大狙う。』
1996/11/06 日本経済新聞 地方経済面
大手納豆メーカーのあづま食品(栃木県河内町、黒崎信也社
長)は、米国の大豆生産農家と提携、納豆メーカーとしては初
めて国際的な農作物認定機関であるOCIA(有機農作物改良
協会、本部米国オハイオ州)の認定を受けた新商品を十二月に
発売する。首都圏を中心に無農薬食品の需要が高まっているな
か、商品特性を消費者にアピールしていく。
新商品ではカラシ・タレも無添加、無着色とする。希望小売
価格は五〇グラム三パック入りで百六十八円と、無農薬の有機
栽培大豆を使った既存の商品より十円高く設定する。
栃木(河内町)、三重(藤原町)の二工場も、熱湯処理工程
などが評価されてOCIA認定工場となったため、新商品には
認定証を付けて消費者に訴える。
同社の取引先は首都圏の大手コンビニエンスストア、関西の
大手スーパーなど食品の安全性に対する消費者の関心の高い地
域に集中している。
あづま食品はOCIA認定の米アーカンソー州の農家と提
携、八年間にわたり、納豆に適した大豆の栽培に取り組んでき
た。昨年、日本産と同等の品質の大豆の栽培に成功、年間二千
トンの無農薬有機栽培大豆を確保。来年以降は作付面積をさら
に増やし、年間四千トン以上を確保する。
新商品の投入により、二年後をめどに無農薬有機栽培の大豆
を使用した納豆の比率を現在の二〇%から五〇%に高める。こ
れまでは米・ミネソタ州で生産した無農薬有機大豆を使用して
いたが、数量に限りがあり、国内での生産農家も少ないため、
全数量の二〇%程度にとどまっていた。
『ヤマダフーズ、高カルシウムの納豆、キムチ味も商品化―健康志向に対応。』
1996/11/01 日経産業新聞
納豆大手のヤマダフーズ(秋田県仙南村、山田清繁社長)は
砕いた魚の骨を加えてカルシウムの含有量を増やした「骨コツ
納豆」とキムチ味を付けた「キムチ納豆」を商品化した。健康
志向の高まりに対応するもので、同社としてはミネラル入り
「昆布納豆」、血栓溶解酵素ナットウキナーゼを増やした「今
晩どうぞ」などに続く商品。全国のスーパー向けに販売攻勢を
かける。
納豆はもともと三十グラム当たり九十ミリグラム前後のカル
シウムを含んでいる。「骨コツ納豆」はサケの中骨を砕いて添
加することで含有量を二百七ミリグラムに増やした。
カルシウム代謝に重要な役割を果たすビタミンK2が納豆中に
存在しているため、「カルシウムとビタミンK2の相乗効果が
ある」(同社)と見ている。
三十グラム入り三カップで希望小売価格は百四十八円。北海
道と九州を除き、大手スーパーのジャスコで試験販売を始め
た。他のスーパーへの納入交渉も進めており、十二月をメドに
全国販売を目指す。現在の生産量は新設した茨城工場(茨城県
牛久市)と秋田本社工場で一日に二百―三百ケース(一ケース
は八パック)だが、受注拡大に合わせ増産する。
「キムチ納豆」は健康食に関心を持ちながら納豆が食べられ
なかった消費者層にも広く売り込む。大豆そのものをキムチ漬
けにした商品で、刻んだ白菜も入っている。アルミ蒸着フィル
ムでスティック状に密封してあり、押し出すだけでそのまま食
べられる。
三十グラム入りスティック三本で希望小売価格は百三十八
円。六日から東北地区の一部スーパーで試験販売を始め、その
後、全国に拡大する。「うまみのある辛さが納豆のイメージを
変えるはず」と期待している。
『[列島ニュースレター]茨城「本場」でも、茨城産納豆が好評/愛知』
1996/10/29 毎日新聞 地方版
【茨城】水戸市の常磐大の教授らが、「納豆発祥の地」とい
われる中国・雲南省などで行った茨城産納豆の“市場調査”の
中間報告がまとまった。地域により異なるものの、予想外に好
まれることが分かった。
調査は上海、同省昆明、同景洪で実施。「6〜7割は吐き出
す」との予想を覆し、上海では調査に応じた市民300人のう
ち、約4割が「好き」と回答した。半面、雲南省では好き、嫌
いが各約3割と上海ほどの人気はなかった。調査に加わった加
藤清昭・同大教授は「日本の納豆が中国に受け入れられる素地
は十分ある。骨粗しょう症の予防などに役立つ効能が知られれ
ば、消費が拡大するだろう」と分析している。
1996/10/28 日本食糧新聞
「’1996全国納豆関連機械資材展示会」が11月13日、東
京都立産業貿易センター台東館で開催される。
テーマは「こだわり納豆をめざして」。納豆業界では大手の
寡占化が進んでいるが、今回の展示会は主に中小の納豆メーカ
ーを対象に業界関係者以外にも幅広く納豆に関心を持つ人たち
にアピール、業界のさらなる活性化を図っていくという。参加
企業は納豆の機械・資材関係二四社。
同展示会は三年に一度開催されていたが、今回の開催は四年
ぶり。開催時間は午前10時〜午後5時。主催は納親会。問い
合わせは、野村総合商事(株)(埼玉県越谷市、0489・7
4・7383)野村栄司同社代表取締役(納親会副会長)ま
で。
1996/10/27 日本農業新聞
納豆をテーマにしたフェスティバルが二十六日、茨城県の常
磐大学(水戸市)で開かれた。学園祭の一つとして学生有志が
取り組んだもので、アジア各国の納豆の展示・即売などが行わ
れた。
地元の水戸市は「水戸納豆」で有名。家計の年間支出額は全
国一で製造メーカーも多い。フェスティバルは水戸納豆のほ
か、インドネシアのテンペなどが並んだ。このほか納豆のルー
ツ、料理、製造方法などを紹介するパネルなどを展示。多くの
市民でにぎわった。
学園祭は「アジア」をテーマにしている。
納豆は中国の雲南省やタイ北部の山岳民族でも製造されてお
り、日本と似かよった文化圏を持つことから「照葉樹文化圏」
として六十年代以降、注目されている。
『納豆――「抗菌性」説で脚光、O157影響、売れ行き伸びる(売れ)』
1996/10/26 日経流通新聞
日本が生んだ最高の健康食品といわれる納豆の売れ行きが勢
いを増している。全国を不安に陥れた病原性大腸菌O(オー)
157の“退治”に納豆が効くとの報道もあって、売れ行きに
弾みがついた形。特に夏以降、メーカー各社の出荷ペースは順
調で、中には二ケタの伸びを示すところもあり、業界全体では
「前年比七―八%増は堅い」(黒田敏昭全国納豆協同組合連合
会専務理事)と自信満々だ。
納豆は関東を中心に東日本での消費が多く、西日本ではあま
り食べない“東高西低”型の食品だったが、学校給食での採用
や、骨粗しょう症予防に有効との説が広まったため、今では東
西の差がかなり接近してきた。今回のO157の発症率が西日
本で高いのを見て、納豆の抗菌作用の有効性を裏付ける資料の
一つになりそうと、“納豆博士”の異名を取る須見洋行倉敷芸
術科大学教授は説明している。
西日本の追い上げが急といっても、まだ東日本とは大幅な差
がある。総務庁の家計調査による平成七年の一世帯当たり年間
消費金額を見ると、最高は茨城県の六千七百円に対し、近畿、
四国各県は千―二千円台である。メーカー各社は西日本でもっ
と食べてもらおうと、商品開発や売り込みに躍起である。
納豆メーカーは全国で約四百五十社。上位二十社で約六〇%
のシェアと推定されている。各メーカーが強調しているのは、
伝統的な健康食品というイメージだけでなく、「安くて、おい
しく、安全な食べ物」の再認識という。確かにここ数年、価格
は安定しており、食味や安全にこだわるメーカーが増えている。
タカノフーズ(茨城県水戸市)では主力商品「おかめ納豆極
小粒ミニ3パック=五十グラム三個」(希望小売値百五十八
円)を、さらに品質向上した「完熟極小粒水戸一番=同」(百
六十八円)を売れ筋の柱にしたいとしている。原料大豆を完熟
極小にこだわり、低温完熟発酵でおいしさを追求している。
原料大豆の多くは米国産だが、国産大豆の良さを引き出す
「北海道丸大豆=四十五グラム三個」(百八十八円)もよく売
れている。このほか有機肥料で栽培された有機丸大豆使用や麦
入りなどもある。主力商品にしようとしている「水戸一番」の
容器は深底で混ぜやすく、ふたもトップシールで開けやすいな
ど、扱いやすさにも気を遣っている。
あづま食品(栃木県河内町)でも有機小粒大豆にこだわり続
けて十二年になる。「有機無農薬大豆一〇〇%極小粒納豆=五
十グラム三個」(百五十八円)をはじめ、「極小粒国産大豆地
塚大豆使用=四十五グラム三個」(百九十八円)、「極小粒、
しそ海苔納豆=五十グラム二個」(百十八円)などがある。
米国産大豆でも茨城産地塚大豆を親に、米国産極小大豆を交
配した同社オリジナル大豆を使用している。この大豆は低脂肪
で糖分が豊富なため、納豆の原料として優れているという。ポ
ストハーベスト(収穫後の農薬使用)もない。
朝日食品(千葉県佐原市)の売れ筋は「有機栽培無農薬大豆
=五十グラム三個」(百五十八円)と「水戸のモーニングさん
=四十グラム入りカップ三個」(百六十八円)。各社とも原料
大豆で差別化を図ろうと、原料大豆の安定確保に懸命だ。
1996/10/26 日経流通新聞
納豆菌利用した脱臭液
納豆菌を使用し、洗面所や浴室などの排水管の悪臭、ぬめ
りを取り除く脱臭液「お願いだからほっといて!」。明治製菓
が開発した納豆菌の一種(BN菌)を使い、この菌が悪臭の
元を二酸化炭素や水などに分解する。
アルコール液の中に活動休止状態で納豆菌が入っている。排
水管に流すと、アルコールが水によって揮発し、納豆菌が活動
を始める。250ミリリットル入り、800円。11月1日発売。
発売元は協栄ケミカル(東京都渋谷区、TEL03・546
7・4821)。
『納豆の糸成分で砂漠緑化―九大助教授ら、高い吸水力ねばり強く研究。』
1996/10/26 日本経済新聞 西部夕刊
納豆の糸の成分、グルタミン酸を利用して高性能の吸水性の
樹脂を作り、砂漠を緑化しようという計画が、九州大農学部の
原敏夫助教授(遺伝子資源学)を中心に進んでいる。通産省の
外郭団体「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NED
O)が国家プロジェクトの事前調査対象の一つに選定。三十一
日に第一回の調査委員会が開かれる。
納豆の糸はアミノ酸の一種のグルタミン酸が多数つながった
構造。放射線を当てると分子間の結合が増え、吸水力が高まる
性質を持つ。
原助教授は納豆菌にグルタミン酸の重合体を作らせ、放射線
のガンマ線を照射、五千倍の重さの水を吸水する樹脂を作るこ
とに成功した。これは市販の紙おむつに使用されている吸水性
樹脂の約四・五倍の性能。
今回開発した樹脂は、水を吸うと保水力の強い凝固体状にな
り、日光を浴びても水分はなかなか蒸発しない。また納豆の糸
成分のため、環境中で微生物により分解される。
原助教授はこれらの特徴に着目し、砂漠に埋めて緑化に利用
するようNEDOに提案。このほど事前調査の対象に選定さ
れ、調査費として三百万円の予算がついた。本年度内に三回、
砂漠の緑化や高分子の専門家、プラスチックメーカーなどが集
まって、実現に向けた会合が持たれる。
原助教授は「食糧の安定的供給のために砂漠を緑化する保水
剤としてこの吸水樹脂は有用。コスト面などクリアしなければ
いけない点はいくつかあるが、ぜひ実現させたい」と話している。
『1996優秀先端事業所賞――国内、ヤマダフーズ茨城工場。』
1996/10/24 日経産業新聞
生産の自動化・省力化を徹底追求した納豆工場。秋田県に本
社を置く同社が東京進出を本格化するために二十五億円を投
じ、九六年六月に稼働した。
特に、大豆を煮る連続蒸煮工程、納豆を発酵させる立体自動
回転発酵工程は独自技術により自動化を達成。ともに業界初と
いう。五十グラム入り換算で日産六十万個を生産するのに秋田
本社では百六十人必要だったが、茨城工場は半分の八十人ですむ。
また納豆の品質を追求するために「おいしさの数値化」を導
入した。原料大豆はたんぱく質、脂質などの成分の含有量を測
定。途中の蒸煮大豆も分光光度計で色合いを調べ、最終製品は
糸引き度合いやアミノ酸量を測定して数値によって品質を管理
している。
秋田から進出した同社は地域に溶け込みやすいように工場ら
しくない外観にしたり、見学しやすい設計にするなど「ファク
トリーパーク」を目指している。
『岡山大教授ら、乳酸菌でO157抑制―シャーレ実験で確認。』
1996/10/18 日本経済新聞 夕刊
大豆から作られ納豆に似たマレーシアの食品「テンペ」に含
まれる乳酸菌が出す成分が、病原性大腸菌O157の増殖を抑
える抗菌作用を持つことが、田中英彦岡山大農学部教授(応用
遺伝子化学)らの研究で、十八日までに分かった。
岡山大出身で、マレーシア厚生省で技術指導をしている大平
猪一朗さん(60)が約十年前にテンペの乳酸菌を持ち帰り、
田中教授と共同研究を開始。二年前、院内感染が問題になって
いるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)への抗菌効果
を確認したことをヒントに、O157への効果を実験した。
乳酸菌が出す成分を抽出、〇・七五ミリグラムから二四ミリ
グラムまでの六段階に量を分けて染み込ませたろ紙をO157
が入ったシャーレに入れた。四十八時間後には、三ミリグラム
以上の乳酸菌成分を含むろ紙の周囲で菌の増殖が抑えられ、二
四ミリグラムのろ紙は周囲約一センチまで抗菌作用があった。
『常磐大学、企画グループが調査、学園祭で試食・販売―アジアの納豆、一堂に。』
1996/10/13 日経産業新聞
アジアの納豆を試食して下さい――。常磐大学(水戸市)国
際学部のアジアの納豆企画グループ(加藤清昭教授)は、今月
二十六、二十七日の学園祭「ときわ祭」で「アジアの納豆大フ
ェスティバル」を開く。中国・雲南省やビルマ、タイなどアジ
ア各国の納豆のほか、日本全国のユニークな納豆を展示し、そ
の場で試食や販売も予定している。
同グループは先月、納豆のルーツを探る目的で中国・上海や
雲南省昆明を訪問した。上海では、日本から持ち込んだ納豆を
使って現地の消費者を対象に試食アンケートを実施した。「ア
ジアの納豆大フェスティバル」ではこうした調査結果も発表する。
また、同グループが雲南から持ち帰った現地産の納豆や、ビ
ルマ、タイなどアジア各国の納豆を展示、来訪者に試食しても
らう。日本各地からも原料や製法などで通常の納豆とは一風変
わった“変わりだね納豆”や“こだわり納豆”を集め、展示即
売するという。
同グループでは「多種多様な納豆を展示するため、全国各地
の納豆メーカーに出展協力をお願いしたい」(加藤教授)とし
ている。連絡先は常磐大学アジアの納豆企画グループ(029
2・32・2769)まで。
『だから素敵!あの人のヘルシートーク これがバーバラ流ヘルシーメニュー』
1996/10/10 百歳元気新聞
コラーゲンたっぷりの「シワ鶏スープ」と「パワー佃煮あ
え」が基本のメニュー。作り方は意外に簡単。
「シワ鶏スープ」は鍋に水を入れ酢を垂らし手羽先四〜五本
を水からゆっくり四〇〜五〇分煮る。昆布茶や麦みそで味を整
える。ネギ、ワカメ、豆腐を加えてもよい。「パワー佃煮あ
え」は黒みつと酢を同量混ぜ合せ、カツオブシ、ゴマ、ちりめ
んじゃこを一晩つけた「パワー佃煮」に挽き割り納豆を混ぜ、
豆腐と和える。
▽大棗梅肉プラスは東洋産業(株)(0559・77・8811)
『食中毒にも納豆が効く? 緊急公開セミナーでアピール』
1996/10/10 百歳元気新聞
この夏ほど食べ物に気をつかった年がかつてあっただろう
か。日本中が振り回された病原性大腸菌O157事件。原因が
特定できないまま、秋になり一応沈静化されたが、いまなお発
症者が出ている状況だ。
その状況を受け日本工業技術振興協会が「納豆のもつ機能に
ついて」の緊急公開セミナーを先月初旬に開催した。
今回のセミナーでは、九州大学農学部遺伝子資源研究センタ
ー・原敏夫助教授が「納豆は地球を救う」、東京工業大学資源
循環研究施設長・正田誠教授が「枯草菌・納豆菌の抗菌作用に
ついて」、倉敷芸術大学機能物質科学科・須見洋行教授が「O
157に対する納豆の効果」‐‐をそれぞれ講演、質疑応答が
行われた。
とくに「納豆博士」に異名を持つ須見教授は赤痢、チフスな
どの法定伝染病に対し伝統食品である納豆が昔から一種の薬と
して使用されていた事実を報告。さらにO157を含めた食中
毒菌に対する納豆菌の抗菌作用を紹介した。
納豆中の有効成分とその利用法、また腸内病原菌の原育を抑
制する作用がありブドウ球菌、赤痢、チフス菌、そしてO15
7に対しての効果を確認したことを報告した。
食中毒の最も危険な季節は過ぎ去ったが、引き続き研究が進
むことが望まれる。
1996/10/07 日本食糧新聞
CGCグループ(本部=(株)シジシージャパン、東京都新
宿区、03・3207・0637)は、消費者の健康、高品
質・本物志向に対応した商品分野の強化を狙い「オーガニック
商品」「生鮮AAグレード」の充実を図る。
オーガニック商品は、6月から米国産有機栽培丸大豆一〇
〇%使用のCGCブランドの納豆、味噌、ニュージーランド産
キウィ、アメリカ産ブロッコリーとレモンの青果の取扱いを始
めた。今後は米国で認定された有機栽培原料使用のパスタ、ジ
ャム、トマト加工品、コーヒーなどの加工食品やカボチャ、レ
タス、ニンジンなどの青果を輸入する計画。来年3月にはジャ
ムの開発輸入が決まっている。
安全・健康志向商品の一環として、ビタミン剤四種類を11
月から発売する。米国で製品化したものを直輸入し、東日本広
域センター経由で各店配送する。ビタミンB複合、同C二五〇
ミリグラム、同E一〇〇ミリグラム、カルシウム二〇〇ミリグ
ラム、各四八〇円。六〇〜一二〇錠の短期間で飲み切れるサイズ。
生鮮AAグレード商品は「宮崎・鹿児島黒毛和牛」「ロシア
産タラバガニ」「カッパリバー産紅鮭」「朝どり巨峰」「福島
白河トマト」など。朝どり巨峰は長野県上田市の有機による土
づくりをしている農家と契約した。黒毛和牛は三等級以上のグ
レード指定および肥育農家を選定した。いずれも産地、生産方
法、品質が本部の基準に合った高品質商品。黒毛和牛の取扱い
は現在月間一〇〇頭。来年度は一五〇頭を計画している。タラ
バガニは九六年度通期で三四〇t(七億四〇〇〇万円)、紅鮭
は四九〇t(六億四〇〇〇万円)の取扱いを見込む。
生鮮強化の一環として生鮮広域センターの機能向上、産地表
示の明確化、日付・安全・衛生管理を推進していく。
同グループのメンバー企業は二五七社、三一三三店、合計年
商三兆〇一八五億円、本部取扱い高四三三五億円。本部取扱い
高のうち約三〇%を生鮮三品が占める。
『茨城産納豆、中国は次の市場に有望「4割が好き」−常磐大学教授ら調査/茨城』
1996/10/05 毎日新聞 地方版
◇「4割が好き」意外と好評−−常磐大学教授ら6人、味覚
調査中間報告
水戸市の常磐大の教授や学生ら6人が先月、「納豆発祥の
地」といわれる中国・雲南省などで17日間にわたって行った
茨城産納豆の“市場調査”の中間報告がまとまった。地域によ
って異なるものの、予想外に好まれることが分かり、調査に加
わった加藤清昭同大教授は「日本の納豆が中国に受け入れられ
る素地は十分ある。生理活性機能や骨粗しょう症の予防などに
役立つ効能が知られれば、消費が拡大するだろう」と分析して
いる。【高山純二】
調査は、「県産納豆は既に国内市場の65%を占めている。
次の市場は中国ではないか」などの想定に基づく。水戸産の納
豆3銘柄の約1000パックを持ち込んで、中国の上海、同
省・昆明、同景洪の3カ所で実施した。
同教授らによると、中国の納豆「トウシ」は日本のような食
べ方はされず、野菜いためなどの味付けに使う調味料的な存
在。それだけに、日本の納豆が受け入れられるかについては見
当がつかず、「6〜7割は吐き出すか、一口食べたらすぐに立
ち去る」などが当初の予想だった。しかし、温かいご飯ととも
に出した上海での調査では、アンケートに応じた市民300人
のうち、約4割が「納豆が好き」と回答、嫌いが2割との結果
が出た。
半面、納豆生産のルーツとされる雲南省では、好き、嫌いが
それぞれ約3割と、上海ほどの人気は得られなかった。同教授
はこの数値の違いについて「上海のような大都市は受容性が高
く、異なる味も受け入れられたが、昆明、景洪のような伝統的
に塩やトウガラシをたくさん使用する場所は、日本の納豆が甘
く感じられたようだ」としている。
上海での試食会では「納豆の工場を造りたい」との食品会社
幹部からの相談や、昆明でも「売ってみたいのでどこで買えば
いいのか」との問い合わせが早くも寄せられたという。中国で
は日系スーパーによる納豆の生産工場の建設計画も浮上してい
ることから、同教授は、潜在的な大市場としての同国に注目す
るよう茨城の納豆メーカーに勧めている。
調査旅行の最終報告は、今月26〜27日の同大学園祭「と
きわ祭 アジアを味見する」で発表される。また、雲南やミャ
ンマー(ビルマ)、タイ、インドネシアの“納豆”の試食コー
ナーも設ける予定だ。
1996/10/01 日経流通新聞
抗菌物質のジピコリン酸を多く含む納豆「抗菌納豆」。ジピ
コリン酸は納豆の粘り気の中に含まれている物質で、病原性大
腸菌の抑制に効果的と注目されている。
この納豆は発酵時の時間や温度を工夫し、一般の納豆の四―
五倍のジピコリン酸を含ませた。豆は軟らかめで粘り気の多い
のが特徴。
カツオ節エキスを使用したあっさり味のしょうゆたれ付き。
五十グラム×四パック入り、百四十八―百五十八円。
発売元はくき食品(福岡県若宮町、TEL0120・11・
6889)。
『くき食品社長斉藤陽彦氏――納豆普及に意欲(談話室)』
1996/09/25 日経産業新聞
▽…「朝、昼、晩と納豆を食べてもらえるようにしたい」。
専門メーカーのくき食品(福岡県若宮町)の斉藤陽彦社長は納
豆の普及に意欲を見せる。同社は抗菌物質を増やした納豆を今
月から発売したのに続き、納豆を使った加工食品やジュースの
商品化も検討しているという。
▽…斉藤さんによると、納豆のネバリに含まれる抗菌物質
に、人間の体内で有害な細菌類を死滅させる効果があり、「毎
日食べるだけで予防になる」。病原性大腸菌O(オー)157
問題の深刻化などから消費者の納豆に対する関心も高まってお
り、「手ごろな健康食品として見直してもらえれば……」と期
待している。
『食品メーカー、食品の機能研究活発化―「O157」で注目集める。』
1996/09/18 日経産業新聞
乳酸菌による老化抑制、納豆の病原性大腸菌O(オー)15
7に対する抗菌作用など、食品と人体の関係についての研究報
告が一般にも話題を集めている。食中毒など最近の事件が引き
金になっているが、高齢化による成人病の増加やアレルギー症
状に対して消費者の健康意識が高まっているのも一因だ。食品
の栄養、機能の見直し機運が強まる中、食品メーカーの研究活
動にスポットを当てた。
今月初め、倉敷芸術科学大学の須見洋行教授は都内で「納豆
菌がO157の増殖を抑制する効果を確認した」と発表した。
増殖を抑えるメカニズムは明確になっていないものの、一般の
関心は高い。くき食品(福岡県、斉藤陽彦社長)が八月、抗菌
作用を持つといわれるジコピリン酸を通常の四、五倍含む納豆
を発売したところ、すぐさま話題になった。
納豆については血圧降下や骨粗しょう症の予防などの研究も
進められている。全国納豆協同組合連合会(東京、高星進一会
長)はこれらの研究を推進するため昨年、社団法人日本工業技
術振興協会(同、田島清会長)と協力して天然物・生理機能素
材研究委員会を設置した。
『納豆消費額伸び〜る、1―5月、9%増、年間では最高も―業界団体調べ。』
1996/09/16 日経産業新聞
健康志向の高まりに伴う日本食の見直し人気から、納豆の消
費が順調に伸びている。全国納豆協同組合連合会の調べでは、
今年一―五月の全国一世帯当たりの消費額は千四百十二円と、
前年同期に比べ九%増加した。業界では、今年の年間生産、消
費量は前年比で七―八%増え、過去最高の二十二万―二十三万
トンに達すると予想している。
納豆の消費は、冷害と輸入米急増による「コメ騒動」と猛暑
が重なった九四年に初めて前年比マイナスに転じたが、その後
は順調に回復。特に今年は日本中をパニックに陥れた病原性大
腸菌O(オー)157に関連し、「納豆の多消費地ほど発病率
が低かった」との研究発表もあり、これも消費増を後押しする
見込み。
総務庁の家計調査によると、納豆の一世帯当たり年間消費額
(九五年)は平均三千百三十二円。大阪府が千四百四十二円、
岡山県が千二百八十六円と全国平均の半分以下なのに対し、東
北、関東の各県では四千円、五千円台と多い。
(詳細は日経産業消費研究所発行の16日付「ウイークリー日
経商品情報・食品版」参照)
『「地方情報フラッシュ」農産物でアイス県内外にファン、広島』
1996/09/16 日本農業新聞
広島市安佐南区祇園の有限会社アイスクリーム開発研究所
「パステル」は、カボチャ、納豆、ゴマ、サツマイモなどを使
ったアイスクリームを作っている。県内外からファンが訪れ、
全国のフアン約五百人に宅配便で発送するまでになった。自然
のおいしさを追究し、素材探求は欠かさない。(11日、中国版)
『納豆はO157を退治?須見洋行・倉敷芸術科学大教授が抗菌効果に着目』
1996/09/12 東京読売新聞 朝刊
納豆はO(オー)157を“退治”する? 大規模な食中毒
被害を引き起こしているこの病原性大腸菌の発育を納豆菌が抑
制するという説が注目を浴びている。
このほど東京都内で開かれた、日本工業技術振興協会の天然
物・生理機能素材研究委員会の緊急公開セミナーで、“納豆博
士”の異名を取る、須見洋行・倉敷芸術科学大学教授が発表し
た。「あくまで研究室での実験結果にすぎず、発育を抑える詳
しい原理などは分かっていない」という条件付きながら、須見
教授は「納豆菌にはもともと、様々な菌の生育を阻害する抗菌
効果があり、O157に対しても同様に効果があるというこ
と」と、話している。
須見教授によると、納豆菌に抗菌効果があることは古くから
知られ、戦前には赤痢やパラチフスに対する海軍の研究も行わ
れていた。最近でも、O157と同じ病原性大腸菌であるO1
11やO144に対して、菌の発育を阻害する効果があること
がすでに確認されている。
実験では、体内で生息できると見られる濃度の納豆菌を、O
157と混合培養にしたところ、明らかにO157の生育が阻
害されるとの結果が出た。
須見教授は、「臨床的には、食中毒にかかった人が納豆菌を
とれば良いと断言するのは非常に難しい。実際に食べてみて体
の中でどれぐらい効果があるかは簡単には結論が出せない」と
断ったうえで、「納豆菌に含まれているジピコリン酸などの抗
菌物質が、最初に細菌が体内に入ってきた段階で増殖を抑える
予防効果はあるのでは」と見ている。
『工業技術振興協、O−157で緊急公開セミナー「納豆のもつ機能」開く』
1996/09/11 日本食糧新聞
集団食中毒を大発生させ、国民をパニックに陥れ、今夏食品
業界を震撼させた「病原性大腸菌O157」騒動は沈静化され
つつあるが、この騒動を受け4日、(社)日本工業技術振興協
会 天然物・生理機能素材研究委員会主催で「緊急公開セミナ
ー・納豆のもつ機能について」が東京・千代田区の日本化学会
化学会館で開催された(後援・全国納豆協同組合連合会)。
日本の伝統食品納豆はその効用が近年とみに注目され、多く
の研究者によって(臨床)医学的に、また科学的にその謎が解
明されつつある。単に栄養価に優れた食品としての評価にとど
まらず、より積極的に各種成人病を予防できる機能性食品とし
て、さらに将来の新しい医薬品や納豆繊維のような新素材開発
の可能性に大きな期待がますます高まっている。
今回のセミナーでは九州大学農学部遺伝子資源研究センター
原敏夫助教授が「納豆は地球を救う」、東京工業大学資源循環
研究施設長正田誠教授が「枯草菌・納豆菌の抗菌作用につい
て」、倉敷芸術科学大学機能物質科学科須見洋行教授が「O1
57(病原性大腸菌)に対する納豆の効果」を講演、質疑応答
が行われた。
特に須見教授の講演では同氏が「納豆博士」の異名を取るほ
ど長年納豆の効能の研究を続けていることとO157の問題を
取り上げていることで聴講者の注目を集めた。同氏は赤痢、チ
フスなどの法定伝染病に対し昔から伝統的発酵食品である納豆
が一種の薬として使われ、特に戦前の海軍を中心とした研究は
海外での抗生物質に先立つもので臨床報告も枚挙にいとまがな
いとし、O157を含めた食中毒菌に対する納豆菌の抗菌作
用、納豆中の有効成分とその利用方法などを紹介、納豆菌には
腸内病原菌の発育を抑制する作用があり、ブドウ球菌、赤痢、
チフス菌等のほか、今回初めてO157への効果を確認したこ
とを報告した。
ただし納豆メーカーなど聴講者からは納豆製造工程における
大腸菌混入対策の苦慮などの体験から納豆菌が大腸菌殺菌作用
を持つものではないことを指摘、同教授も抗菌作用については
O157に対する発育阻害作用と強調し直すなど研究者とメー
カーとの間にこの問題に対する見解の相違をうかがわせる場面
もあった。O157は法定伝染病に指定され臨床実験はより困
難な状況にあるが納豆菌のO157に対する抗菌作用について
はさらに今後の検証が必要だといえよう。
『ヤマダフーズ食品開発研究所門脇博之氏―納豆菌のナゾに迫る(創造・人・ファイル)』
1996/09/09 日経産業新聞
納豆は身近な食品だが、製造に必要な納豆菌の生態は意外な
ほど分かっていない。なぜ発酵の過程で糸を引くのか、多様な
性質を持った菌を体系的に分類できるのか――。大手納豆メー
カー、ヤマダフーズ(秋田県仙南村)の研究者として、数々の
ナゾ解きに挑戦している。
納豆業界は宮城野納豆製造所(仙台市)など国内に三社しか
ない菌メーカーから菌を購入し、納豆を生産してきた。社長の
山田清繁は菌の確保を他社に全面的に依存していることに不安
を感じ、八八年、門脇に独自の菌開発を命じた。
悪戦苦闘の日々が始まった。まず、自然界から菌を採取・分
離する作業を開始。納豆菌は植物に付着しているため、全国各
地からワラを集め、洗い流してはその液を培養する作業を繰り
返した。遠く東南アジアにも足を延ばした。それでもなかなか
優秀な菌が見つからず、雑草や木の葉などにも探求の手を広げ
たという。こうした過程で一つまた一つと菌を集めていった。
しかし、菌が見つかっても大量培養できなければ納豆生産に
使えない。納豆菌は性質が変わりやすく、糸引き性などを一定
に維持するのが最大のノウハウとなる。
再び苦労が始まった。文献探しから手を着けたが、具体的な
記述はどこにもない。微生物学専攻の大学教授に尋ねても、決
め手になる情報は得られなかった。菌メーカー三社はノウハウ
を門外不出にして、教えてくれない。
八方ふさがりの中で、「もう一度、出発点に戻ろう」と決
意。それまでに収集したデータを詳細に見直した。開発を命じ
られてから五年後の九三年、「過去のデータの中から培養法の
コツを発見した」。実験で確認できた時には「跳び上がるほど
うれしかった」と振り返る。
自然界から集め、食品開発研究所内に保存する納豆菌は約五
百種類にもなる。糸引きの強弱、においの強弱など様々だ。糸
引きの少ない納豆や、健康によいとされる酵素ナットウキナー
ゼが多い納豆など、戦略商品が次々に生まれている。
「大豆以外の豆を使った納豆、においを極端に強めた愛好家
向けの納豆など、今後もざん新な商品を送り出していきたい」
と夢を膨らませる。 =敬称略
『O157抑える効果、抗菌納豆が人気、福岡の食品会社』
1996/09/08 日本農業新聞
病原性大腸菌O(オー)157の発育を抑制する効果がある
という「抗菌納豆」を、福岡県若宮町の鰍ュき食品が七日から
本格的に売り出した。納豆の中に含まれるジコペリン酸がO1
57を抑制するという研究成果を受けて、従来の製品よりジコ
ペリン酸の含量を五倍に増やした新商品を開発。九州では既に
八月から発売して注目されていたが、七日からは「抗菌納豆」
の名前で全国発売した。宅配も含めて、これまでの十倍の販売
を見込んでいる。
抗菌作用のあるというジコペリン酸は、納豆の糸を引く粘り
に含まれている成分。くき食品はジコペリン酸の含量が五倍の
製品を開発。八月から九州の一部で店頭に抑制効果の説明書を
置いてPRしたところ、消費者や小売店からの注文や問い合わ
せが相次いだ。
ジコペリン酸の抑制効果を確認した倉敷芸術科学大学の須見
洋行教授が、四日に研究成果を発表、合わせて「抗菌納豆」と
ネーミングも新たにして発売した。
納豆にはジコペリン酸が含まれているが、含量を五倍にする
ため従来より長時間、低温で発酵させる。製造の手間はかかる
が「今までの製品と同じ価格で」(齊藤陽彦社長)というのが
同社の針。九州では一パック(五十グラム入り四食)百四十八
円で販売している。
卸業者を通した販売のほか、宅配便での注文も受けている。
九州の消費者からは、宅配便での直接注文も増えているとい
う。宅配は送料込みで九州は一ケース(四十食入り)千五百
円、九州以外は千八百円。
「抗菌納豆」は八月までは一日約一万パックの製造だった
が、九月からは一日十万パックと十倍の生産を目指す。フル操
業のために人員も増やす計画だ。齊藤社長は「納豆をもっと食
べてもらい、国産大豆の利用を増やしたい」とも話す。
抗菌作用は須見教授が、東京都内で開かれた納豆業界のセミ
ナーで発表して関心を呼んだ。須見教授は食中毒菌に対する抗
菌作用を検証する中で、O157への効果も調べた。納豆菌に
はO157の発育を抑制する効果があり、ジコペリン酸が有効
だという成果を報告した。
鰍ュき食品=福岡県鞍手郡若宮町沼口字丸山一四一三 (
電)09495(2)3832。
『納豆菌、O157に増殖抑制効果――倉敷芸科大教授が確認。』
1996/09/06 日経産業新聞
納豆、納豆菌の機能性研究で知られる須見洋行・倉敷芸術科
学大学教授は都内で講演し、納豆菌の病原性大腸菌O(オー)
157に対する増殖抑制効果を確認したと発表した。須見教授
は「納豆菌は人間の腸内にもかなり長くとどまることが分かっ
ており、中毒予防などに有効かもしれない」と語っている。
実験ではO157だけを植え付けた培養容器と納豆菌を混ぜ
て植え付けた容器を用意し、両者を比較した。O157を単独
培養した容器は当初存在した十の九乗個の生菌が七日後になっ
ても十の七乗個程度生き残った。一方、納豆菌と混合して培養
した容器はO157が急激に死滅していったという。
抑制作用のメカニズムは「明らかになっていない」としてい
るが、須見氏は「納豆の粘りの中に存在するジピコリン酸の抗
菌力が作用しているのではないか」と見ている。どのくらいの
分量の納豆を食べれば効果があるかについては「O157が指
定伝染病になり、実験・研究が難しくなって、結論は出ていな
い」という。
須見氏は四五年奈良県生まれ。徳島大学医学部卒。生理学、
食品機能学を専攻している。
『くき食品、抗菌納豆を宅配で販売、関東など3地区。』
1996/09/05 日経産業新聞
納豆メーカーのくき食品(福岡県若宮町、斉藤陽彦社長、0
9495・2・3832)は五日、抗菌納豆「水戸納豆ミニ
4」を発売する。細菌類の繁殖を抑制する物質であるジピコリ
ン酸の含有量を従来品の五倍に増やし、抗菌機能を強化したと
いう。発売地域は関東、関西、九州の三地区。電話で受注し宅
配便で翌日配送する。価格は五十グラム入り四十個セットで千
八百円(送料込み)。
ジピコリン酸は納豆のネバリの中に含まれる。同社による
と、「水戸納豆ミニ4」ではジピコリン酸の含有量を大幅に増
やしたため、体内で大腸菌類の有害な細菌を死滅させるなどの
効果が期待できるという。
『「納豆にO157抑制効果」、須見・倉敷芸術科学大教授発表』
1996/09/05 西日本新聞朝刊
「納豆には病原性大腸菌O157を抑制する効果がある」
と、須見洋行・倉敷芸術科学大学教授が四日、都内で開かれた
納豆業界のセミナーで発表した。納豆菌の中にあるジピコリン
酸が有効成分とみられており、納豆メーカー「くき食品」(福
岡県若宮町)は、同教授の協力を得てジピコリン酸を通常より
増やした新商品を開発、五日から売り出す。
須見教授は全国的に患者が急増した七月に実験に着手。一日
八十グラム(一パック四十―五十グラム)を摂取したのに相当
する納豆成分をO157に添加し、生育状況を調べた。その結
果、通常なら増殖していくO157が二日目に半減、四日目に
は完全に死滅したという。同教授は「有効成分は、糸を引くね
ばりの部分に含まれるジピコリン酸とみられる」としている。
ただ、臨床データはなく、効き目には個人差があるとみてい
る。
くき食品は同教授からアドバイスを受けて製品化に取り組
み、発酵時間を従来製品の三・五倍にするなどの処理で、通常
より五倍のジピコリン酸を含んだ「抗菌納豆」を開発した。一
日十万パックを製造、九州を中心に販売し、月間一億円の売り
上げを目指す。
納豆の抗菌効果は歴史的にも注目され、抗生物質が普及して
いなかった戦前には、海軍が赤痢やチフスへの特効薬として研
究した経緯もあるという。
『消費増える大豆加工品―盛岡、豆腐でトップ(リサーチ&ランキング)』
1996/09/01 日本経済新聞 朝刊
日本豆腐協会によると豆腐の消費が最も多いのは十二月だ
が、最近は夏場でも食べる人が増えている。
「畑の肉」と呼ばれる大豆。豆腐、油揚げ・がんもどき、納
豆など大豆加工品の一世帯当たり年間支出額を地域別でみると
東北、関東での消費量が関西、九州より多い。
都道府県庁所在地別で最も多いのは盛岡市。豆腐の世帯当た
り年間購入量が全国でトップで、納豆や油揚げ・がんもどきの
消費量も比較的多い。岩手県がかつて大豆の産地だったのに加
え、「魚が手に入りにくかったころ豆腐が貴重なたんぱく源だ
った伝統がいまも残っているのでは」(地元の豆腐製造業者)
という。少し硬めの木綿豆腐が主流で、煮込み料理や汁物に使
う。値段も首都圏に比べ三分の二以下とか。
二位の福井はがんもどき・油揚げの世帯当たり年間支出額が
全国平均のほぼ倍額。特にがんもどきの消費が多い。福井県豆
腐油揚商工組合は「寺が多く、精進料理の影響を受け具の入っ
たがんもどきをよく食べる」と話す。ニンジンやゴボウ、ヒジ
キなどいろんな具が入る。六位の水戸は納豆の消費量が全国で
トップ。「水戸納豆」をはじめ納豆の主産地で有名だ。
関西の納豆消費は関東の半分以下だが「健康食品として納豆
を食べる人が最近増えている」(全国納豆協同組合連合会)。
豆腐の年間消費量は全国で約百五十万トン。「関東は木綿と
絹ごしの割合は六対四程度。大阪も木綿豆腐が主流だが、京都
から北陸にかけては絹ごし豆腐が多くなる」(日本豆腐協会)。
油揚げ・がんもどきの消費も冬場がピークだが、今年の夏は
病原性大腸菌「O157」の影響で売り上げが伸びているとい
う。 (日経産業消費研究所)
『納豆はどこで生まれたの?―常磐大学の教授ら中国へ調査旅行、学園祭で結果発表。』
1996/08/31 日本経済新聞 地方経済面
茨城名産の納豆はどこで生まれたのか――。常磐大学(水戸
市、諸沢英道学長)の教授と学生らが、“納豆文化”の源流を
探ろうと中国・雲南省などに近く調査旅行をする。県内の納豆
メーカーも協力、日本から持ち込んだ製品を中国の人たちに試
食してもらってアンケートを実施するなど市場調査もする計画だ。
調査旅行を企画したのは国際学部の加藤清昭教授。中国の山
岳地帯やネパールには日本の納豆と良く似た発酵大豆食品を食
べる伝統があり、現地を訪ねて発酵大豆の食文化を学ぶことにした。
同学部の学生五人のほか一般市民も二人加わって、九月二日
に日本を出発。上海経由で雲南省の省都・昆明などを訪問する。
上海では日系百貨店のヤオハンの店頭で茨城産の納豆を試食
してもらい、好き嫌いや、いくらくらいなら購入するかなどの
アンケートを取る。地元のメーカーが協力し、一千パックの製
品を提供するという。一連の調査結果は「アジアを味見する」
というテーマで開く秋の学園祭で発表する予定。
加藤教授は「約一千億円の国内納豆出荷額のうち茨城は六
五%を占めているが、中国での市場調査は今後の海外展開のヒ
ントになるのでは」と話している。
『せんだい企業小史、高橋食品工業=仙台市若林区若林4丁目1の4=』
1996/08/30 河北新報 朝刊
せんだい企業小史/高橋食品工業=仙台市若林区若林4丁目1
の4=
納豆の普及に力注ぐ
創業者で初代社長の高橋三雄次氏(1996)は、納豆を工業的
に大量生産するノウハウを全国に広めた先駆者の1人。東北有
数の納豆製造販売会社である社の歴史は、そのまま納豆近代化
の歴史でもある。
三雄次氏は郷里の新庄市で当時一般的だった「わら納豆」で
はなく、納豆菌を使った近代納豆の製造法を修得。昭和4年、
仙台に進出した。
当初は地元出身力士にちなみ「谷風納豆」と称し、その後
「仙台納豆」に改称。同時に、バナナの色付けやコンニャク製
造に乗り出し、会社の基盤を確立した。35年から13年間に
わたり全国納豆協同組合連合会会長を務め、納豆の普及にも力
を注いだ。
56年には豆腐製造にも進出。当時、1丁50円の豆腐を、
国産大豆を原料に高級品として100円で販売したところ人気
を集め、現在では納豆と並ぶ収益の柱に育っている。
さらに62年には、生ごみ焼却炉も開発。その後も外食、運
送、植林と幅広い事業に参入している。伝統食品を扱う「しに
せ」でありながら、その歩みには「絶えざるフロンティア精神
が発揮されてきた」(高橋信次専務)と言える。
トレードマークのカメは屋号の「丸亀」から採った。現在の
3代目社長高橋雅樹氏(47)は宮城県食品工業協議会副会
長、仙台商工会議所議員。
<メモ>従業員は、子会社7社を含めグループで約500人。
本社工場と東京に営業所。子会社の弁当持ち帰り店が宮城、福
島両県内に計90店舗。外食店が仙台と東京に計6店舗。グル
ープの総資本金は1億3300万円、平成7年度の総売上額は
72億円。022(286)7100。
『今度は「素肌機能液」開発、宮城・河南町の伊藤さん』
1996/08/30 河北新報 朝刊
今度は「素肌機能液」開発/宮城・河南町の伊藤さん/「肌が
つるつるに」と好評
納豆菌など添加/全国から反響も/育毛剤「ササトニック」か
ら13年…
かつてササニシキの根を使って育毛剤を開発した宮城県河南
町の米穀集荷業、伊藤敬さん(68)が、今度は納豆菌を混ぜ
た乳液を製造、全国各地から問い合わせが相次いでいる。すべ
すべ感が長く続き、材料が天然素材のために顔を含めて全身に
使用できるのが特徴だ。
伊藤さんは昭和58年に、ササニシキの突然変異種であるミ
ニササニシキの根を使った育毛剤「ササトニック」を開発。大
手化粧品メーカーが商品化するなど、全国的なブームになった。
今回の「素肌機能液」は、ササトニックに納豆菌とヒマワリ
の種のエキスを加えたもの。適量を手に取りマッサージするよ
うにすりこみ、後はお湯で洗い流すだけ。乾燥するとクリーム
を塗ったようにしっとりとする。
伊藤さんは「納豆のにおいをとるのに3、4年かかった。納
豆菌もいろいろ試したが、いまは市販の納豆を材料にしてい
る」という。6月末に製品化してから、東京、兵庫、大阪など
から問い合わせが相次ぎ、発送作業に追われた。 髪の毛を気
にする多くの男性に愛用されたササトニックは、その科学的根
拠は分からなかった。この機能液も「どういう訳でこうなるの
か分からない」(伊藤さん)が、使用者からは「手荒れがよく
なった」「肌が若返った」などと好評だという。
問い合わせは伊藤さん0225(74)2006へ。
『タカノフーズ専務梶本幸男氏――納豆、関西で伸びる(談話室)』
1996/08/27 日経産業新聞
▽…「水戸は全国有数の納豆消費量を誇るが、一世帯当たり
の購入額は年間七千円ほどしかない。水戸でこの程度だから全
国の消費はまだまだ伸びる」。納豆最大手、タカノフーズ(茨
城県小川町)の梶本幸男専務は市場規模の着実な拡大を期待し
ている。
▽…「水戸の住民は週に四、五回食べる人が多いが、全国平
均ではよく食べる人で週に二、三回が限度」と見る。同社は二
十年間で約二十五倍の急成長を遂げてきた。それだけに「今後
は消費の少ない関西中心にもっと伸びるはず」と先行きに自信
を持っている。
『第5部成長企業の秘けつを探る(6)旭松食品―納豆、味で関東攻略(食を創る)』
1996/08/23 日経産業新聞
納豆では異例の上位進出――。今春、NEEDS―SCAN
(日本経済新聞社のPOS情報サービス)の新製品だけの売れ
行きランキングで旭松食品の「納豆いち完熟超小粒」が食品部
門の四位となった。もともと凍り豆腐(高野豆腐)専業だった
同社はユニークな製品開発で即席みそ汁や納豆などの市場に新
規参入、「大豆を原料とした食品」をキーワードに多角化を進
めている。
「納豆いち完熟超小粒」は関東地区限定で三月に発売した。
「ようやく念願の関東市場への進出を果たせた」(木下晃一社
長)。納豆の本場である関東でヒットを飛ばし、同社長は新規
事業への手ごたえをつかんだ様子だ。
大阪市に本社を置き、凍り豆腐が主力の同社が納豆市場参入
を打ち出したのは八四年。二年間をかけて数万種類ある納豆菌
の中から、においの少ない菌を独自で探し出し、まず地元の関
西で商品化した。
「におい控えめ」が受けて、関西ではシェア三〇%を押さえ
たものの、本場の水戸納豆が市場を席けんする関東では「とて
も太刀打ちできなかった」(木下社長)。しかし、「地道な製
品開発」がついに関東の壁を撃ち破った。
完熟超小粒では、氷温熟成と呼ぶ独自の技術を採用、うまみ
の素となるアミノ酸を従来製品の二倍に増やした。この味の向
上が納豆にうるさい関東の消費者を動かした。
今後、関東での勢いに乗って、納豆の年間売り上げを現在の
三十六億円前後から三年後に七十億円に拡大する計画だ。
同社が新規事業の立ち上げに腐心したのは、納豆だけではない。
“凍り豆腐一筋”からの脱却を始めたのは約二十年前。ま
ず、生豆腐市場への参入を試みたが、零細企業の経営を圧迫す
るとして農林省から「待った」がかかった。生豆腐をあきら
め、その代わりにと考えたのがみそ汁だった。
第一弾となったのは業界で初めて練りみそを使った即席みそ
汁「生みそずい」。八一年に発売し、当初は専業メーカーから
「あれはみそ汁じゃない、とけなされた」(木下社長)。
ところが、練りみそとフリーズドライの具の組み合わせが
「簡単で本格的」と若者を中心に人気を集めた。さらに、勢力
を拡大しつつあったコンビニエンスストア用に、他社に先駆け
てカップ入り製品を開発。即席みそ汁市場での地位を固めた。
「当社の商品は、市場で後発のものばかり」と木下社長は謙
そんする。現在、五〇%以上のシェアを握る凍り豆腐も、五〇
年の発売当初はライバル会社に技術指導を仰いだこともある。
トップメーカーとなったのは、現在主流のソフトタイプの凍り
豆腐を開発、さらに湯戻し不要の商品を市場に投入したためだ。
ただ、商品開発の基本は「人まねをしないこと」と木下社長
は説明する。時代に合わせて独自の商品を開発、提案していく
ことが、後発の不利をカバーして新規需要を開拓していく秘け
つだという。
今後、病院給食や高齢者向けの食事など、全く未知の市場へ
の進出も検討している。若者を中心とするコメ離れなど、“
食”に対する消費者のし好が変化の兆しを見せている。大豆関
連で培った商品開発力を武器にすそ野を着実に広げる同社は、
ライバル各社にとって目の離せない存在だ。 (東昌樹)
飯塚嵩・菱食専務の話 業界では二十一世紀は「大豆の時
代」と言われるほど、大豆の価値が見直されている。その中で
旭松食品は創業以来、大豆食品にこだわり続け、数々のヒット
商品を食卓に提供してきた。特に、においを控えた「納豆い
ち」の発売は納豆嫌いの関西の食文化を変えた画期的な出来事
といえる。
本当に良いもの以外は発売しない「品質第一」の経営理念は
木下社長の性格そのもの。常に「本物志向」「味と健康」を商
品開発のコンセプトとしている企業姿勢に、一消費者としても
大いに期待している。
『朝日食品取締役茂木勝男氏――女性意識し納豆開発(談話室)』
1996/08/22 日経産業新聞
▽…「男性の中には納豆はどの商品もあまり違わないと思っ
ている人がいるようだ。しかし、店頭で実際に購入する女性た
ちは商品ごとの違いを認識している」。納豆大手、朝日食品
(千葉県佐原市)の茂木勝男取締役は女性を意識した商品開発
の重要性を訴えている。
▽…同社が八十人を対象に実施したアンケートでは、回答者
の七割がメーカーによって味が違うと答え、三割強が好きな商
品がなかったら買わずに帰ると答えているという。「ヒット商
品を生むためには女性消費者のし好を徹底的に分析しなければ
ならない」と気を引き締めていた。
『第5部成長企業の秘けつを探る(4)ヤマダフーズ―納豆菌を独自培養(食を創る)』
1996/08/20 日経産業新聞
ヤマダフーズ(秋田県仙南村)が納豆業界に旋風を巻き起こ
している。独自開発した納豆菌をもとに「糸引きしない納豆」
などユニークな商品を続々送り出す一方、今年六月には二十五
億円を投じて大手メーカーのひしめく茨城県に新工場を完成、
大市場の関東に生産拠点を確保した。
納豆メーカーの多くは、生産の要(かなめ)となる納豆菌の
供給を全面的に菌メーカーに依存している。菌メーカーは国内
に三社しかなく、家内工業で細々と生産を続けている。三社の
中でもシェア九割以上を握る宮城野納豆製造所(仙台市、三浦
一夫社長)の菌は「三浦菌」と呼ばれ、発酵温度の上昇が穏や
かで管理しやすいため、ほとんどの大手が採用している。
かつてのヤマダフーズも例外ではなかった。三浦菌などを使
って納豆を量産し、秋田県内から東北全県へ、さらに関東へと
販路を広げてきた。しかし、生産を伸ばしながらも山田清繁社
長は「宮城野納豆製造所をはじめとする菌の供給者にもしもの
事故が起きて菌供給が止まったらお手上げだ」と不安を抱いて
いたという。「同じ菌を使っている限り、金太郎あめのように
他社と同じ商品しか作れない」という事業上の行き詰まり感も
あった。
そんな思いから山田社長は八六年、食品開発研究所を開設し
た。菌メーカー三社は培養技術を門外不出のノウハウとして守
っている。菌メーカーから協力が得られないため、独力で培養
技術を開発するしかなかった。同研究所の門脇博之係長は「文
献さえなく、手探りの研究活動だった」と振り返る。
枯れ草などに付着している菌の分離、培養技術の工夫と、苦
労が続いた。八年間の悪戦苦闘を経て、ようやく大量培養のノ
ウハウが確立したのだという。
現在、ヤマダが保有する菌は約五百種類に上る。糸の引き方
やにおいの強弱、出来た納豆の硬軟、含まれる酵素やビタミン
の多寡など実に様々な性質を持った菌群だ。東南アジアから持
ち帰った菌の中には、出来た納豆が鮮やかな桃色に染まる珍し
い菌もある。この中から四十三種類を選び、いつでも納豆を量
産できる体制を組んだ。
九五年から独自菌を使った新商品を続々と発売し始めた。糸
引きのほとんどない菌で作った「サラダに納豆」、糸引きの弱
い菌で作った「手巻きひきわり」、においが弱く豆が軟らかく
なる菌で作った「Myなっとう」など、これまで市場に存在し
なかった目新しい商品が並ぶ。
今年七月には、においが弱くうまみ成分の多い菌で作った
「水戸の朝一番」「水戸からうれしい・ひきわり」の二つを商
品化した。研究所でサンプルを生産中だが、「各地のスーパー
などから続々と引き合いが来ている」という。いずれは完成し
た茨城工場で量産する予定だ。
納豆に含まれる酵素のナットウキナーゼ、プロテアーゼ、ア
ミラーゼやビタミンK2など、健康に良いとされる各種成分を
多量に産出する菌も分離・培養している。今後は健康志向の強
い消費者に狙いを絞った戦略的な新商品が続々と登場しそうだ。
年商四十億円の企業が二十五億円の投資――。茨城工場の完
成で飛躍的発展の舞台は整った。「おかめ納豆」ブランドのタ
カノフーズ(茨城県小川町)が圧倒的なシェアを握る首都圏で
攻勢をかける。さらに、関東、東北以外でも北海道、大阪、九
州に協力工場を確保し、各工場に納豆菌を供給して生産・販売
を開始する。
生産量で見た同社の業界内順位は現在五位前後だが、三浦菌
を使った他社がほとんど差のない商品を提供しているなかで、
ヤマダのユニークな商品は光る。今後、全国区でも「大化け」
する可能性はありそうだ。 (平井哲)
梶本幸男・タカノフーズ専務 ヤマダフーズが茨城県に建設
した新工場は地元でも話題になっている。テレビで拝見した外
観はざん新で、流通業界などへのアピール度も強いのではない
かと推察する。
当社も納豆菌研究に力を注いでいるが、ヤマダさんは単なる
研究ではなく、独自菌開発に取り組んでおられるようだ。しか
し、菌開発がどれだけ消費者を引き付ける力を持つかは未知数
で、結果を注目している。個人的な見解だが、私は菌の種類よ
り、風味がよくなったという結果を訴えた方が得策ではないか
と思っている。
『[ふるさとファイル]茨城 中国に納豆文化調査ツアー』
1996/08/20 毎日新聞 朝刊
常磐大学の教授らが納豆発祥の地とされる中国雲南省などで
納豆文化調査をするツアーを企画、一般市民にも参加を呼び掛
けている。加藤清昭教授によると、大豆の発酵食品はワインと
並び世界最古のものとされ、特にネパール、日本、雲南省を結
ぶ納豆トライアングルでは共通の食文化に。現地では民家を訪
ねたり、食品市場を視察。上海では日本の納豆の数銘柄を無料
で配り、市場テストにも挑戦する。(9日・茨城版)
『[ひとプラザ]中国で納豆のルーツ調査へ 加藤清昭・常磐大学国際学部教授』
1996/08/18 東京読売新聞 朝刊
世界各地の農作物品種や食品の研究に取り組んでいる加藤清
昭・常磐大学国際学部教授の最近のテーマは地元、水戸名産の
納豆だ。「日本のものとは味も外見も全く異なる大豆の発酵食
品がアジア各地に存在していて、とても面白い」という。
現在、中国南部・雲南省などに、納豆のルーツと関連食品の
現状を調べる研究旅行を計画している。中国はこうした大豆発
酵食品の発祥地の一つだが、「今後、水戸納豆の潜在的な巨大
市場となる可能性もある」。
『成瀬発酵化学研究所社長成瀬済氏――手作り納豆簡単に(談話室)』
1996/08/16 日経産業新聞
▽…「納豆は簡単に手作りできる」――。納豆菌メーカー、
成瀬発酵化学研究所の成瀬済社長は自家製納豆が作れる「粉末
納豆菌」の拡販に懸命だ。この商品は一袋六百円。「上手に使
えば百グラム入り納豆に換算して約千二百個が作れる」と説明
する。
▽…大手メーカーの商品が大量販売されている国内で、手作
りするのはよほどの愛好家に限られる。拡販の一案として、日
本人海外生活者に売り込むことを思い付いた。「海外赴任して
いる人、その人に土産を持参する人に、口コミで広がるように
したい」と宣伝方法をあれこれ思案している。
『納豆―店頭コーナー最下段を確保、タカノフーズが圧倒(店頭情報UP&DOWN)』
1996/08/15 日経産業新聞
納豆業界は最大手のタカノフーズ(茨城県小川町)が圧倒的
な強さを誇る。NEEDS―SCAN分析では三割強のシェア
を確保し、二位以下を寄せ付けない。タカノは各地にスーパー
が続々と開店した六〇年代後半から七〇年代にかけて量産体制
をいち早く整備し、売り場を押さえた。二位以下の各社は新商
品開発、営業力強化などでシェア拡大に努めているが、タカノ
の牙(が)城はまだ揺らいでいない。
各社が虎視眈々(こしたんたん)と狙うのは量販店の納豆売
り場にある最下段の棚だという。くめ・クオリティ・プロダク
ツ(茨城県金砂郷町)経営本部の山崎一浩係長は、「最下段さ
え確保できれば、そのコーナーの売り上げを四〇―五〇%押さ
えることが可能だ」と指摘する。
最下段は最も目につきやすい。目玉商品は例外なくここに陳
列される。現状ではタカノの商品群がこの場所を占める機会が
最も多い。
各社営業マンが量販店の購買担当者を訪問し、最下段への陳