1994年の新聞記事

  最終更新日 平成13年5月3日
それぞれの記事は引用です。


 
『中部納豆特集 「外食分野の開拓へ」東海納豆組合・小杉理事長』
1994/12/16 日本食糧新聞
 
 東海地区の納豆の需要は地味ではあるが、毎年着実な動きで
推移している。とくに、最近の食生活では健康へのニーズが高
く、昔から「畑の肉」といって高い植物タンパク質の大豆加工
品の納豆は消費の伸びこそ大きくはないものの着実な伸長がみ
られる。
 
 東海地区の納豆は、全体的にみて納豆特有の香りが少なく、
豆そのものも白みをおびたものが主流となっている。最近で
は、ダイエット食品として女性の間にもファンが増えており、
病院、工場、学校などの給食分野でも健康食品として採用が多
いだけに動きそのものもコンスタントだ。
 
 また、従来の大粒ものよりもひき割りや小粒のものへの移行
が目立っている。これは、当地区の製品が関東筋のそれに影響
を受けてねばりと小粒化の傾向が強く表われていることだ。量
的な面からみても関東筋の納豆が当地区へかなり浸透している
なかで、当地区の製品も納豆本来のねばりと特有の香りへのリ
バイバル現象がみられる。
 
 中部地区の消費傾向は、着実に伸びているということがいえ
る。量販店、小売店、CVSでも納豆はスペース取りも広く、
市場の拡大はひと頃に比べてかなりの拡大となっている。それ
だけに、われわれ納豆の専門メーカーとしては納豆のもつすば
らしい栄養価を地道にPRし、消費の促進にあてる必要があ
る。
 
 東海納豆組合は愛知、岐阜、三重県の三県下の専門メーカー
が加盟し、会員一七社で組織されているが、他業種に比べて企
業規模が小さいだけに積極的なPR活動ができにくく、納豆そ
のものの商品イメージからも日本古来からの伝統的健康食品の
ため、その動きが微増なところがあえて積極的なPRの必要性
がなくても着実に消費されている点はありがたいと思う。
 
 当地区の納豆業界は一部を除き、生産、販売の面でも大手と
の格差が開き、それぞれ独自の販路をもつメーカーが主流だ
が、今後、会の運営面では組織力により、納豆のもつすばらし
い健康へのアピールなどを啓蒙することが会の課題となってい
る。
 
 納豆は畑の肉といわれる大豆を主原料にしたものでヘルシー
食品の代表格だけに業界ではこのあたりにスポットをあて消費
拡大のフォローをしていくことと、食べ方の提案などを行い、
市販向け以外の外食分野の開拓にも力を入れていく必要性を感
じている。
 
 

 
『中部納豆特集 昨年は実績割れだが若年層の需要好調』
1994/12/16 日本食糧新聞
 
 納豆の消費はバブルが弾けたあとも、そこそこの伸びを示し
て来たが、昨5年はさすがに右肩上がりのカーブが鈍化、前年
に比べ二・一%増に止まった。当然ながら価格破壊の影響を受
け、売り値はここ一、二年来値下がりの傾向にあり、“健康
食”納豆も例外でなかった厳しさを浮きぼりにしている。
 
 しかし、長期的にみると、納豆は日本人の食生活に密着した
食品として見事に、着実に伸長して来ているのが分かる。すな
わち、昭和50年の納豆消費は、一世帯当たり全国平均で僅か
九八八円だった。それが、60年に一六五五円と一〇年で倍増
と時間を要したのに対し、その後は61年一七五五円、62年
一九八七円、63年二二四九円、平成元年二三三九円、2年二
五三二円、3年二八八〇円、4年三一〇二円となり、4年に初
の三〇〇〇円台を達成、これが昨5年に三一六六円となってい
る。ここ五年でとらえた平均伸び率は七%増となり、バブル後
の状況を換案すると決して悪い数字とはいえない。昨5年の一
世帯当たりの消費金額から全国消費金額を逆算すると一三四〇
億円程度の規模となり、一つの業態・業種として不動のポジシ
ョンを得ていることが証明されよう。
 
 そのなかで、中部地区の状況をみると、分類による「東海」
では昨5年で二三一一円となり、トップの東北五三二〇円に比
べまだ半分以下となる。しかし、平成元年以降の伸びをみる
と、元年一五七六円(前年比六・八%増)、2年一六七三円
(同六・二%増)、3年一八六二円(同一一・三%増)、4年
二三四四円(同二五・九%増)5年二三一一円(同一・四%
減)となり、元年と比べた5年の対比は六・六%増となって、
全国の伸び三五・四%増を上回る。しかし、昨5年が前年比
一・四%減と前年を下回ったのは沖縄の〇・九%減の二地区だ
けで痛い。
 
 また、「北陸」は平成元年二六〇六円(前年比一三・五%
増)、2年二七三三円(同四・九%増)、3年二七五二円(同
〇・七%増)、4年三二三七円(一七・六%増)、五年三三七
四円(同四・二%増)となり、五年間の対比は二九・五%増で
東海には及ばないが、金額は四〇%以上も上回る。
 
 こうした状況下、中部地区の納豆消費傾向をみると、若手層
の需要が順調になって来ているという。過去の中部地区での低
い消費水準が物語るように、中部ではむしろ大人の方の需要が
少ない。そういう点からみると、中部での消費の将来性はまだ
まだ高いといえ、力のある関東勢をはじめとして、東西から中
部を侵攻して来るのは納得できるところだ。これからの中部地
区での消費動向が注目されよう。
 
 

 
『中部納豆特集 「看板は大粒製品」丸竹・丸愛納豆・服部社長』
1994/12/16 日本食糧新聞
 
 今年の納豆業界は、とくに夏場、猛暑とコメの関係で、納豆
がご飯に付きものだけに、その部分で苦戦したと思う。数量ベ
ースで、前年をクリアできなかったのではないか。こういう経
験が、過去に全くなかったわけではない。夏場は夏場なりに伸
ばしてきているが、年によってはこういうことが過去にあった
と思う。
 
 ただ、ここ数年、流通の機構がよくなって来たし、スーパー
さんの納豆に対する認識も随分よくなって、温度管理もきちっ
とされて、売って頂けるようになって来ている。だから、夏場
だからといって、極端に売上げが落ちるということは、ずうっ
となかった。それが、今年は暑いだけでなく、さらにおコメの
影響もあったんじゃあないかなあと、推測だが、そう思ってい
る。
 
 その中で、当社の状況だが、大粒のデラ納豆は、北海道産の
原料高から、初夏、値上げさせて頂いた。過去に一度、価格改
定を行っているが、その時は全製品について、全国レベルの改
定だった。既存品については、上がっていない。今回の場合
は、事情が事情で、それくらい、豆をお金を出しても買えな
い。収量そのものがないわけだ。そのため、残念ながら北海道
産と限定できなくなって来ている。国内産を調達するのが、精
一杯という状況だ。
 
 いままでは、北海道にそれだけ豆があったから限定してやっ
て来れたが、それができなくなっている。一部のメーカーさん
は国内産の調達もできていないようだ。当社の場合は、国産大
豆が余っている時も、足りない時も安定して、ずうっと取引さ
せて頂いた。いままでの永い間の実績が、こういう状況下で
も、何とか間に合わさせて頂いていると思う。この状況は、来
年まで続くだろう。
 
 現在、この大粒デラ納豆の比率は全体の二割くらいで変化は
ない。お陰様で、需要は回復している。今後とも、このデラ納
豆については、当社の看板商品として守っていく。
 
 

 
『中部納豆特集 「からし本来の味主流」美濃久商店・加藤専務』
1994/12/16 日本食糧新聞
 
 「本格的に営業活動をしたのは三年ほど前からで、いわば後
発メーカー。最近の傾向である“価格破壊”現象もあり、現在
取引を行っている大手納豆メーカーへの納価は年々厳しくなっ
てきている。しかし、こうした問題とは別に、業務用粉から
し、練からしの販売を長年行ってきた当社の強みは、メーカー
さんの要望に迅速に対応できる企画・開発力。ひと昔前と違っ
て、今は各メーカー毎で“からし”そのものの味、風味なども
千差万別になっている。それだけ各社が差別化の道を追求して
いる証」。こう語るのはマスタード専業メーカー・(株)美濃
久商店(愛知県一宮市萩原町、0586・69・0309、加
藤数也社長)の加藤勉専務。同社の営業統轄責任者だ。
 
 というのも、ひと昔前までは、付属品のからしは脇役そのも
ので、各社とも主流の納豆に重点を置いているため、ほとんど
(味、色などに)格差がなかったが、最近は「からし本来の味
を要求するメーカーさんが圧倒的」(同)と、商品全体が売れ
筋を決める傾向にあるようだ。このため、長年で培った信頼と
実績に甘んじることなく、同社ではここ数年、企画・開発部門
の積極的強化を図ってきており、現在、全社員の二〇%までが
同部門で占めるまでに膨らんだ。まさに先行投資そのものだ
が、同社の同部門への傾注度が分かろうというもの。さらに営
業力の強化・拡大を狙い、先に「東京連絡事務所」(東京都中
央区日本橋馬喰町一‐一二‐二、03・3664・0309=
FAX兼)も開設。開発、営業の両面の一層の強化を図ってい
る。
 
 「後発といえども、将来は同分野の二〇〜三〇%を占めるメ
ーカーに育成したい」(加藤社長)との抱負実現に向け、果敢
な挑戦が続いている。
 
 

 
『中部納豆特集 地殻変動まだまだ ひと波乱、ふた波乱も』
1994/12/16 日本食糧新聞
 
 中部の納豆市場は、ここ一〜二年来、かっての高度成長か
ら、低い時点の一桁アップに落ち着いているだけに、販売競争
は一層激化して来ている。これで地殻変動が治まったと思いき
や、今後まだ、ひと波乱、ふた波乱もあるだろうというのが一
致した見方。
 
 早いもので、中部市場で、その地殻変動が起きて、もう数年
以上が経つ。その数年前までの時期、本場・関東勢の進出は見
られず、中部市場は地元勢が独占、無事安泰だった。それだけ
に、市場は活力に乏しく、眠った様相を呈していた。その内、
関東から進出してきたのが朝日食品。地元の流通は「極端に言
って、つい数年前までは、丸愛納豆と朝日食品の二社しかなか
った」と語る。そうした中、本場・茨城など関東勢はマスプロ
↓マスセールの流れに沿って、一気に近代化を押し進め、量産
体制を確立した。
 
 そうすると、当然ながら、従来の販路だけでは生産量を消化
しきれなくなるわけで、関東という地域だけから、全国に進
出、それが中部にも及んだということになろう。そうした状況
下、中部の地元勢は、関東勢との力の差を、いやが応でも知っ
ていただけに、中部に進出してくることに対しての拒否反応は
相当なものだった。しかし、自由競争下、入って来るのを食い
止めるわけにはいかないわけで、関東勢は朝日食品に次いで、
タカノフーズ、あづま食品、茨城水戸食品などと、続々進出、
地殻変動が起こったわけだ。地元勢にとっては、こうした現象
は、いうならば昭和の“黒船”来襲ともいえるわけで、天下泰
平を破られたことになり、可哀想なほどの狼狽ぶりだった。
 
 しかし、結論として、結果はオーライだったとはっきり指摘
できる。というのは、もし、このような地殻変動がなかったな
らば、中部での需要増は、中小メーカーの集まりだけに、大し
て期待できなかっただろう。進出してきたこれら関東勢は、早
速マス媒体による宣伝を開始、これが消費者に強くアピールす
ることになり、需要を急上昇させることに成功した。この上昇
ぶりを、名古屋を例にとって見ると、昭和60年に一世帯当た
りの消費金額が一〇一〇円だったのが、平成元年に一四八〇
円、同4年には一九二三円に伸びているのでも裏書きされる。
 
 最も、一気の設備増強が自分の首を締める結果にもなり、バ
ブル期にも拘らず、不幸にも茨城水戸食品が倒産、業界にショ
ックを与えた。そうした中、ここ一〜二年来、中部での関東勢
のシェア争いにも変化が見られ、三重県に工場をもつタカノフ
ーズが急速に力をつけてきている。
 
 こう見ると、地元勢に関東勢など、進出組を加えたシェア分
布が、このまま変わらず推移するとは考えられず、「まだまだ
ひと波乱、ふた波乱ある」という見方になってくるわけだ。そ
ういう意味で、中部の納豆市場は当分目が離せないといえよ
う。
 
 地元17社が健闘
 
 なお、中部には東海納豆組合(小杉力理事長)があり、こう
じや、高丸食品、山下食品、村山食品、高野元秀商店、丸愛納
豆、高田食品、政岡食品、小森食品、貝崎商店、アサヒ食品、
湯葉勇商店、大進納豆本舗、小杉食品、奥野食品、ハヤシ食
品、ヤマジン食品の一七社がインサイダーとして地元に密着、
健闘している。
 
 個人消費の受け皿として担い手役を果たす、量販店における
納豆の販売傾向を紹介する。
 
 まずは、地元に本社を構える大手スーパーのユニー(株)
(本部・稲沢市天池五反田一、0587・24・8021)の
動向。全店一二一店舗中、食品を取り扱っている六四店におけ
る今上期の傾向は、四尺の売場を中心に、一二アイテムを取り
揃えている。価格ゾーンは一一八〜二二〇円。中心価格は一六
八円。上期での販売傾向は(前年同期と比較して)販売数量で
一〇%増、売上げ金額で五%増と順調。食品全体の売上げに占
める納豆販売額は一・五%。ちなみに売れ筋は(1)「あづま
なっとっと納豆」(四五g×三、小売一六八円)(2)「あず
ま・有機(無農薬)栽培納豆」(極小粒カップ四〇g×三、小
売一七八円)など。最近の傾向としては「比較的カップタイプ
がよく売れ、デザイン的にはシンプルな商品が目立つほか、小
粒タイプが主流となっていることへの反動か、豆の味が良く味
わえる大粒タイプの売れ行きが良くなってきている」(ユニー
担当者)。
 
 一方、愛知・静岡の一五店舗を管轄するジャスコ(株)東海
事業本部(名古屋市中村区、052・583・5664)での
販売傾向は、店舗規模により売場規模が三尺展開と四尺展開に
分かれている。(食品取扱い店は中村店を除く一四店舗)。取
り扱い商品は一四アイテム。価格ゾーンは九八〜二三〇円。中
心価格は一三八円。上期での販売傾向は販売数量が二%増、売
上金額が四%増で推移。食品全体の売上げに占める納豆販売額
は〇・四%(昨年一年間では〇・三%)。
 
 売れ筋は同社のPBの(1)「J/food しあわせ納豆
(きくばり小粒)」(五〇g×四、小売一一八円)(2)「お
かめ小粒カップ3」(三〇g×三、小売一四八円)ほか。
 
 最近の傾向として「当社は有機栽培大豆使用の納豆を売場下
段で重点販売している。また、消費者のカップ、トレーの商品
形態にはこだわりはないように見受けられる。全体としてはテ
レビCMに登場する商品の動きは概して良い」。マスメディア
のTVの影響力は相当のようだ。
 
 一方、地元に本社を構える(株)ヤマナカ(名古屋市東区、
052・937・9300)の食品取扱い店五六店(全体では
五七店)の傾向は、今上期は販売数量で二・五%増、販売金額
では一・三%増と堅調、その売場は大型店が四尺、中型店が三
尺。これは前年同様の傾向。アイテムは一六点を取り揃え、価
格ゾーンは九八〜一九八円。中心価格は一四八円。同社の売場
の特徴は(1)PB商品(トレイ四P)をメーンに構成してい
るほか(2)有機栽培納豆シリーズを品揃え、健康・安全面を
アピール(3)当中部地区で強い“大粒”アイテムを強化、現
在三アイテム品揃え‐‐とバリエーションも豊富。売れ筋商品
は(1)「PB納豆(四P)」(四〇g×四、小売一四八円)
(2)「PB納豆」(一〇〇円均一用、四〇g×三、小売一〇
〇円)(3)「タカノ極小粒(三P)」(三〇g×三、小売一
四八円)(4)「あずま有機カップ3」(三〇g×三、小売一
五八円)(5)「丸愛 デラ」(小売一〇八円)(6)「あず
ま 有機カップ(二P)」(五〇g×二、小売一一八円)(
7)「タカノ ひきわり(二P)」(五〇g×二、小売九八
円)(8)「あずま ひきわり(二P)」(五〇g×二、小売
一一八円)(9)「あずま 舌鼓(二P)」(四五g×二、小
売一四八円)(10)「タカノ 極小粒(ミニ3)」(五〇g
×三、小売一三八円)。
 
 最近の傾向としては「トレイ物からカップ物へ需要が移行し
つつあり、こうしたことで一つの重量が(従来の四五〜五〇g
から)三五g〜三〇gに減少しているほか、無農薬、有機栽培
シリーズといった安全面をアピールした商品が伸びている」。
伝統かつ健康食品ということもあり、今後も安定した成長が望
めると担当者は踏んでいる。
 
 

 
『中部納豆特集 問屋はこうみる 昭和=大粒製品は値上がり』
1994/12/16 日本食糧新聞
 
 中部市場での今年の納豆の動きはどうだったのか。大手卸の
(株)昭和(名古屋市熱田区、052・681・4151)と
(株)大一(名古屋市熱田区、052・682・7584)に
最前線の話を聞いた。
 
 ○……今年の納豆の需要は、当社の扱いから見るかぎりあま
り伸びていない。厳しかったということだ。スーパーさんは、
かなり新店がオープンしているが、この新店を入れて、一〇
〇%ちょっとといったところではないか。ということは、既存
店ベースでは若干落ちているということになる。
 
 この原因は、やはり天候の加減だと思う。夏場の猛暑があげ
られる。
 
 また、前半は輸入米の問題もあったわけだが、コメの消費と
納豆の消費は比例するといわれる。このコメの消費は多分九
〇%くらいだと思うが、納豆も一緒ではないか。冒頭述べた
が、当社の9月・中間でとらえて一〇〇%トントンといったと
ころだ。当社では、金額、数量ともあまり差はない。
 
 ○……いま、金額、数量ともあまり変わらないと言ったが、
納豆の価格は下がっていない。
 
 というのは、国産の大粒の豆が値上がりしている。値下がり
より、逆に値上がりしている部分もある。北海道産の豆が上が
り、たとえば丸愛の大粒など、春先から一割くらい上がってい
る。新聞等の報道もあり、値上げはすんなり通っている。他の
メーカーさんもリニューアルしたりしている。
 
 ついでだが、大粒については、これでないと駄目という固定
客がある。スーパーの売場でも一番上段だが、それでもやはり
回転がよい。
 
 ○……とはいっても、やはり低価格という部分はある。なか
には、ノープライスの商品も出てきている。いままで、売価、
メーカー小売価格が入っているわけだが、それが、入ってない
商品が出てきているということだ。大手メーカーでもそれがあ
る。やはり、昨年から見ると、変わって来ているように思う。
特売頻度は決まっているから、ほとんど一緒だ。平日という
か、例えば、火曜日とか、そんな日に出るようだ。一〇〇円均
一ということ、当社でも出て来ている。さらに安値があるよう
だが、当社は大手スーパーさんが多いので、そこまでは行って
いない。やはり、これらは正直に言って、品質が落ちる。
 
 ○……当社のメーン商材は、丸愛、あづまにタカノ、朝日と
いったところ。以前は、丸愛と朝日しかなかったわけだが、あ
づま、タカノなどが出て来た分だけ競争が激しくなって来てい
る。昨年は、「思いっきりテレビ」などの効果で一時的にかな
り伸びたが、そういう点では、元に戻り、ちょっと静かになっ
ている。ただ、テレビの影響で若い人が納豆を食べるようにな
った。
 
 むしろ、親くらいの人が食べないのではないか。名古屋の人
は、子供の頃から食べていない。当社はお陰様で、オール昭和
では、納豆の販売はかなりの金額にのぼる。
 
 冒頭述べた、今年の逆風を勘案すると、流通もよく頑張って
いるといえるのではないか。
 
 

 
『中部納豆特集 問屋はこうみる 大一=例外でない低価格』
1994/12/16 日本食糧新聞
 
 ○……今年の前半は輸入米の問題があったわけだが、納豆は
ほとんどの場合、ご飯で食べるだけに、やはり若干需要は落ち
たと思う。従って、あの時期には、メーカーとしても新しい食
べ方を提案しないと本当はいけなかったのではないかと思う。
最も、そういう提案をしても消費者の方が付いてこれるかどう
かの問題はあろう。時期的には、5〜6月頃が一番コメがない
と騒いだ時期だったから、そのあたりで若干影響があった。と
はいっても、それほど思ったほどは落ち込んではいない。
 
 いずれにしても、5〜6月というのは、どちらかと言えば需
要は低迷する時期だ。
 
 その後来たのが猛暑だったわけだが、やはり暑い、食欲がな
くなるということで、需要は落ちている。あれだけ暑いと、納
豆の痛みも早くなるわけだ。
 
 メーカーも、われわれ流通も消極的だったように思う。スト
ックしておいてそれが駄目になる場合もある。
 
 ○……こうした経過はあったが、当社の11月までの、納豆
の累計伸び率は前年比で実績はクリアしている。ギリギリで一
〇五%といったところだろう。
 
 既存ベースでなく、新規取引のメーカーが若干増えており、
その分が増えたという感じだ。直取引になったものが、スーパ
ーに新規に入ったりしている。営業も付けてくれており、かな
り拡販できている。
 
 沢山のメーカーがあるので、どこかが伸びれば、どこかが落
ちるということが、少しだがあったように思う。
 
 力のあるメーカーはますます伸びてきている。メーカーによ
っては、この秋口からかなりCMを入れており、そういう商品
はお客の方からの問い合わせで、かなり定番に入ったりしてい
る。
 
 名前の知られていないメーカーとは、そういう部分でかなり
違ってくる。その格差は大きいと思う。
 
 ○……売れ筋の形態はメーカーによりかなり違う。カップが
いいとか、四段のトレータイプがいいとかがあり、一概にはい
えない。全体でいえば、カップの方が多いのではないか。地球
にやさしいということで、燃やしても有毒ガスがでないという
ことがある。
 
 値段については、ご存じの低価格志向から、納豆も例外では
ない。いままで、メーカー希望価格が一四八円、一五八円のも
のを一〇〇円で売っていたとしたら、それでも価格的には厳し
いわけだが、それが九八円、八八円まで落ちて来る場合があ
る。メーカーの稼働率の問題もあるのではないか。従って、売
上げ的にはトントンだが、数量ベースでいけば若干上になると
思う。
 
 今後の需要見通しだが、関東に比べれば、食べる人口はまだ
まだ可能性はある。今後も積極的に対応していきたい。
 
 

 
『中部納豆特集 全国納豆協組連 今年の動き、日付表示問題で懇談会』
1994/12/16 日本食糧新聞
 
 納豆業界の全国団体である全国納豆協組連(東京都台東区、
03・3832・0709)の平成6年度の活動状況は次の通
り。食品の日付表示問題や需要拡大のための「納豆アイデア料
理」募集など、内外とも活発に動いた一年だった。
 
 ▽4月7日=流通部会▽8日=大豆油糧需給会機(農水省
)、食品の日付表示懇談会(食品産業センター)▽11日=従
来の製造年月日を食品を食べても問題のない期限を示す「使用
限度」「品質保持期間」表示に変更する報告書(厚生省食品衛
生調査会公表)▽12日=欠陥製品による消費者の被害の救済
を目的とする製造物責任(PL)法案閣議決定▽22日=食品
の日付表示の検討状況に係る報告会(日本食品衛生協会)
 
 ▽5月20日=四〇回総会▽30日=大豆供給安定協会理事
会、総会、食品の日付表示懇談会(食品産業センター)
 
 ▽6月4〜6日=国際大豆食品フェア(秋田)▽10日、2
2日=特別宣伝部会
 
 ▽7月8日=衆議院会館食堂納豆配付▽10日=納豆の日。
納豆アイデア料理募集開始▽18日=流通部会▽19日=特別
宣伝部会▽20日=国内産大豆検査実施担当者会議(食糧庁)
 
 ▽8月2日=期限表示に伴い委託事業打合せ▽25日=食品
品質保持基礎データ整備事業打合せ(日本農林規格協会)▽2
9日=期限表示ヒヤリング(農水省消費経済課)▽31日=納
豆アイデア料理募集締切
 
 ▽9月8日=特別宣伝部会▽26日=食品品質保持基礎デー
タ整備事業受託書提出▽28日=農水祭担当者会議▽29日=
大豆研究会
 
 ▽10月5日=青年同友会委員会、大豆研究会(農水省)▽
11〜15日=福祉施設に対して納豆寄贈▽12日=期限表示
説明会(農水・厚生合同)▽13日=農水市、農水祭(日比谷
公園)▽17日=東京都食品技術センターに納豆保存機試験の
受託事業申請提出▽18日=理事長会議▽18日=「アイデア
納豆大賞一〇〇万円」最終選考会▽24日=大豆食品ヒヤリン
グ(農水省食品流通局)
 
 ▽11月5〜7日=農水祭「実りのフェスティバル」▽9日
=特別宣伝部会▽15日=大豆供給安定協会情報交換会▽22
日=青年部委員会
 
 ▽24日=流通部会▽25日=日本食品衛生協会講演会、雑
穀甘しょ澱粉等検査基本標準品査定会(食糧庁)
 
 ▽12月1日=検査実用標準品の密封包装・(株)冷蔵保管
試験(大豆)検討会▽5日=生鮮協総会▽8日=常務理事・監
事会
 
 
 (予定)12月19日=第一回納豆基礎データ整備検討会
 
 ▽1月27日=流通部会
 
 ▽2月22〜23日=青年同友会研修見学会
 
 

 
『からし特集 首都圏=チューブのPB台頭 マスタードはびん主体』
1994/11/11 日本食糧新聞
 
 年間商材のからし(マスタードを含む)も、例年10月に入
ると動きも活発化し、12月にピークを迎えるのが、家庭用の
一般的なパターンだ。
 
 需要としては、からしがとんかつや納豆などの和食関連や、
シューマイ、焼きそば、冷し中華などの中華関連があり、マス
タードでは、サンドイッチやホットドッグ、ソーセージや焼き
肉の調味料としての利用があるが、やはりメーンはおでん用途
のからし。使用量が多いため、冬場にピークを迎えることにな
る。
 
 首都圏量販店でも、すでに鍋物関連やメーカーフェアなど
で、からしなどの大陳を実施し、シーズン到来を訴求してい
る。商品性格上、定番での扱い商品は絞り込まれており、香辛
料売場やマヨネーズ・ドレッシング売場の流れで陳列をしてい
るケースが多い。商品点数は一〇品前後が主体で、メーンはチ
ューブ入りのからし。マスタードはキユーピーのほぼ独壇場。
粉は一〜二品という具合。品質の向上や使いやすさで、からし
の場合はチューブが主力で、粉はマニア? 向けの品揃えのた
めか、エスビーの三五g缶以外は、店によって袋物一品がプラ
スされる程度。チューブ入りの市場性を反映してか、PB化を
する量販店も増えてきた。これに対し、マスタードはびん物が
主体。キユーピーの製品が定着していることもあるが、チュー
ブ入りマスタードの場合、からしと間違えて購入しリピートに
つながらないことも、育たない背景といえる。
 
 価格的に見ると、昨年とほとんど変化はない。からし粉の場
合は、袋物で一〇〇〜一一〇円台、缶(三五g)で一五〇円台
が大勢。チューブ入りからしは、レギュラー品が一二〇円台、
高級品が一七〇円台で、その中間を狙う形でPB商品が見うけ
られる。
 
 これらの特売は、チューブ入りが主体で、中でも高級品をメ
ーンに短期で四〇円台、月間で二〇〜三〇円台の値引きとなっ
ている。
 
 一方、マスタードはほぼ全店で見られるのが、キユーピーの
「あらびき」と「マイルド」(一〇〇g)で、一六〇円台が定
番。大型店など、店によってはこれに加えて、他のメーカー品
や輸入物も扱っているが、輸入のびん物ではキユーピーとほぼ
同量のものが、二八〇円前後やそれ以上と、かなりの割高にな
っている。
 
 

 
『全国納豆協同組合連合会、納豆アイデア料理コンテスト最終審査開く』
1994/11/02 日本食糧新聞
 
 全国納豆協同組合連合会(東京都台東区、03・3832・
0709)は18日、「練る練るアイデア納豆大賞一〇〇万円
大募集」と題した納豆アイデア料理コンテストの最終審査をホ
テルオークラで行った。大賞は「納豆の中華レタス巻き」を出
品した埼玉県川口市の川田友子さんが受賞、川田さんは賞金一
〇〇万円を獲得した。受賞作品は外観の美しさとおいしさが評
価された。
 
 受賞した川田さんは「今回の作品はサラダ感覚で納豆をおい
しく食べられるように考えた」と喜びをかみしめながら感想を
述べた。
 
 このコンテストは全国納豆協同組合連合会が「納豆の日」の
7月10日から8月末日まで納豆のアイデア料理を広く募集し
たもの。納豆の消費拡大、業務用分野に対応できる多彩なメニ
ューの開発を狙った。
 
 五八〇二件の応募作品のうち、油揚げで包んだ物、春巻き、
ギョウザ、シューマイにするなど納豆を包んだものが多かっ
た。最終候補には一〇作品が残り、外食産業関係者や報道関係
者などの審査員がアイデア、彩り、外食適性などをポイントに
して決めた。
 
 

 
『納豆料理大賞、埼玉の川田さんに』
1994/10/23 日本農業新聞
 
 全国納豆協同組合連合会が募集していた「練る練るアイデア
納豆大賞百万円大募集」の最終審査がこのほど行われ、埼玉県
川口市の川田友子さん(二六)が納豆大賞に決まった。
 
 この募集には和食、洋食、中華など五部門に全国から五千八
百二件の応募があった。
 
 大賞を受賞した川田さんの作品は「納豆の中華レタス巻き」
でサラダ感覚で食べられるように工夫した。
 
 

 
『[一村逸品]「ハトムギ入り納豆みそ」長崎』
1994/10/14 日本農業新聞
 
 稲作減反でハトムギを作り出した生産部会の奥さんたちが十
三年前から作っている、ハトムギの効用を期待した付加価値商
品。ハトムギは新陳代謝を良くし、肌荒れを防ぐ。腫瘍(しゅ
よう)組織を取り除くので、抗がん作用もあるといわれてい
る。これに、昆布やはちみつの効用が加わる。「若返ります
よ」というのが、製造する長崎県JAいさはや(諌早市)ハト
ムギ部会婦人部の宣伝文句で、Aコープや各種イベントで人気
の品。
 
 ハトムギ、麦、大豆、塩に、ショウガ、昆布、水あめ、はち
みつ、砂糖、うす口しょうゆが原料。減塩で、むろん添加物な
し。納豆を使っているわけではないが、原料の大豆の形が残
り、昆布の粘りが出て、納豆を連想させる。
 
 姉妹品にハトムギ入りみそもある。ハトムギ、大麦、大豆を
等量に、塩一七%で造る減塩みそ。甘みがあって、これも人気
の商品という。
 
 ハトムギ入り納豆みそは二百グラム二百円。ハトムギ入りみ
そは八百グラム四百円。
 
 問い合わせは、JAいさはやハトムギ部会婦人部=長崎県諌
早市小野町五二〇ノ一七、JAいさはや小野支所内、(電)0
957(22)0316。
 
 

 
『ふりかけ・お茶漬特集 コメ輸入で納豆など関連商品減るが、ふりかけ類健闘』
1994/10/14 日本食糧新聞
 
 米飯関連商品は輸入米の影響が色濃く出た。
 
 総務庁が9月20日にまとめた家計調査の米飯関連商品の動
向では納豆の購入金額や味噌の購入量と、コメの購入量を比較
すると、減少幅は小さいものの影響が出ている。
 
 うるち米の購入量は輸入を決めた昨年10月、輸入と国産の
ブレンド(セット)販売を決めた2月に異様な伸びを示した
が、それ以降減少が続いた。
 
 納豆の購入額は2月に三・五%の減少となった後に、減少幅
が拡大、三ヵ月続いて一〇%以上の減少となった。また、味噌
の購入量は3月に七・三%の減少となった後に、4月は反動で
増加したが、5月、6月と大幅な減少となった。
 
 味噌、納豆の消費は5月以降減ってはいるものの、コメ全体
の消費量、消費機会の大幅な減少のわりに落ち込みはひどくな
かった。ふりかけ、お茶漬についても主要メーカーの対前年同
期比をまとめると、若干の減少、あるいは横ばいで、コメの消
費量という絶対数の減少のなかで「健闘した」のが実態だ。
 
 

 
『金虎、超ミニパック一人分「かつお節削り」本格生産へ』
1994/10/03 日本食糧新聞
 
 かつお節、かつお節削りパックものメーカー(株)金虎(寺
尾元志社長、焼津市惣右衛門一二八〇‐一三、054・62
4・2118)は、超ミニパックのかつお節削りの本格的な生
産に取り組む。豆腐や納豆、焼そば、パスタ、お好み焼き、漬
物などにふりかける一人分の「かつお節削りのパックもの」
だ。
 
 市場に出回っているこれらのパックものは少なくても内容量
が三g位。一般的には五gが最も多い。一人分では五gでは多
過ぎるという。輪ゴムで袋の口を止めて次回に回すこともある
ようだ。とくに最近は「一回食べる分だけ詰めたもの」が店頭
で数多く売られている。
 
 同社は昭和50年代の初め頃、ある大手のメーカーからカッ
プ麺用の別添に入れたいから作ってくれと特注を受け、一gの
かつお節削りパックを納品したことがある。当時は包装機の性
能が悪くチッソ充填して納めた商品がチッソが漏れて品痛みを
起こした苦い経験がある。
 
 しかし、包装機メーカーの努力によって立派な機械が出回る
ようになったため本腰を入れて超ミニパックの生産に取り組む
ことになったもの。
 
 同社の超ミニパックの内容量は〇・五g、一gといった一人
分商品。かなりの需要が見込めるとみたためだ。月産能力約五
〇〇万食。
 
 寺尾専務は「一人分として食べていただくのに適量だと思
う。無駄がない」といっている。
 
 

 
『特報・’94スペシャル、生き残りかける国産大豆』
1994/08/08 日本農業新聞
 
 国内の大豆生産は昭和六十二年産の十六万三千ヘクタールを
ピークに平成五年産には、八万七千ヘクタールまでに落ち込ん
でいる。食品用大豆の全需要量に対する国産の比率は四年産で
七%(JA全農の推定)にまで低下した。原料の不足や高騰で
国産にこだわる生協でも豆腐や納豆用に輸入大豆を使い始め
た。その一方で実需者サイドからは品質、安全性で国産大豆へ
の期待は大きい。大豆後退に歯止めをかけようと、JA全農で
は今年産から初めて直接契約栽培に取り組む。また、機械化一
貫で産地を守るJAもある。急減する国産大豆の動きをまとめ
た。
 
<データらんど>
 
 国産大豆の用途の約半分は豆腐向け。近年の国産大豆の高価
格、品不足で輸入物へシフトしている。昭和六十三年に比べ平
成四年の食品用国産大豆需要は豆腐が六二%、納豆が五〇%減
少した。
 
 生産面では昭和三十六年に大豆の輸入自由化が実施された。
同時に「不足払い制度」が発足。生産と農家所得の安定のた
め、生産者団体を通して交付金を出す「大豆なたね交付金暫定
措置法」が施行された。
 
 しかし、農基法の選択的拡大政策下で、栽培面積は年々減
少、昭和五十二年に七万九千ヘクタールまで減少し。これが転
に転じたのが、翌五十三年から始まった水田利用再編対策か
ら。休耕を認めず、団地化を誘導する転作政策で昭和六十二年
には十六万三千ヘクタールまで回復した。その後年々再び下降
に向かい、今年の復田で大幅に減少することが予想されてい
る。
 
<機械化品種が増加>
 
 作付け品種動向をみると、機械化適性のある品種が増えてい
るのが特徴だ。「タチナガハ」(昭和六十一年)「タチユタ
カ」(昭和六十二年)で「タチナガハ」は倒伏抵抗性があり、
「タチユタカ」は難裂莢(きょう)性があり、いずれもコンバ
イン刈り取りに向いた品種。また、平成三年に北海道十勝試験
場が育成した「カリユタカ」はコンバイン収穫に適する品種と
して育成されている。
 
 農水省東北農業試験場の番場宏治作物開発部長は「低コスト
を考えると機械化適性は避けて通れない。早生で倒伏抵抗性を
持ち、多収性の品種が望まれる」と話す。また、大豆の場合は
試験場と農家段階での収量の格差が指摘される。番場部長は
「畑作の感覚で栽培している。転換畑では十アール当たり三百
〜三百六十キロは十分とれるはずだ。大豆は地力窒素に依存し
ている。四百キロ収穫するには窒素三十二キロが必要だ。十分
有機物を投入しなければならないが、水田だったらできる」と
アドバイス。
 
<初の直接契約栽培・JA全農>
 
 国産大豆の急激な減少に対しJA全農は今年産から初の契約
栽培に踏み切った。復田による転換畑大豆の大幅な後退見通し
と作況不安定からくる国産大豆の品薄状況に実需者側からは安
定供給に向けた強い要望がある。JA全農ではこうした不安を
解消させるとともに契約栽培を契機に、大豆生産の拠点づくり
をして、これ以上の減退に歯止めをかけたい、との狙いがあ
る。
 
 五年産大豆の作況は冷夏の影響で六六まで落ち込んだ。この
ため検査実績は業界の推定で約二万八千トンまで激減した。こ
れは前年産の三六%という状態だ。そのため、交付金制度によ
る販売と併せて、初めて一般販売(相対取引)も実施するなど
実需者も原料確保に奔走した。価格も六十キロ二万〜三万円ま
で高騰した。
 
 昨年の状況に加え、今年産は転作緩和で転換畑大豆が大幅に
落ち込みをみせており、品薄状態は必至だ。このためユーザー
側(煮豆業者を中心に)は「粒ぞろい、たんぱく質含量、風味
などの品質が優れている」(JA全農)国産大豆に危機感を抱
き、安定供給を強く要望している。
 
 JA全農は今年産から交付金制度とは別に、直接契約栽培を
実施。「このままでは国内から大豆がなくなってしまう。最低
数量でもユーザーにつなげていきたい。と同時にこの契約栽培
を行うことで生産基盤を維持していくことも狙いだ」と、鵜沢
政吉特産課長は取り組む意義を力説する。
 
 現在、十五道県が各JA経済連、JAを通し、生産者に条件
提示をしており、県連が作付面積を確認後八月末にはJA全農
と実需者で契約を行う。今のところ作付面積の一〇%は契約大
豆になる見込みだ。
 
 五年産は交付金制度で、基準価格の六十キロ一万四千円程度
は補償されていた。「契約栽培ではこの価格では作ってもらえ
ないだろうから、きちんと供給できる農家にはそれ以上の手取
りの補償を行う」(鵜沢課長)としている。実際は、産地銘柄
で補償価格を決めるが、大粒六十キロで一万八千円から二万円
の価格になる。
 
 さらにこうした契約栽培と併せて生産拠点づくりも進めるた
め、技術指導、ユーザーとの交流も企画していくとしている。
 
 一方、県レベルでは、「復田で転作大豆が大幅に減少、六百
ヘクタール台まで面積が減っている」(JA富山経済連)「農
家段階へ契約内容などは提示し、集約中だが、大幅に面積は減
る見込みだ」(JA佐賀経済連)と、面積の大幅な縮小に戸惑
いを見せている。
 
<(株)ヤマダフーズ社長・山田清繁さん>
 
 納豆発祥の地とされる秋田県仙南村で業界トップレベルの納
豆メーカーに育て、またこのほど開かれた国際大豆食品フェア
などの実行委員長などを務めるなど、大豆をめぐり多彩な活動
をしている潟с}ダフーズの山田清繁社長に最近の原料事情な
どを聞いた。
 
 
 ――納豆原料で「これだ」という品種はありますか。
 
 「大豆を原料にした食品には納豆をはじめみそ、豆腐、しょ
うゆ、精油それぞれの業界がありますが、その食品をつくるた
めの加工適性というのがあります。納豆の場合、たんぱく質含
量がそこそこで、炭水化物の量の多いものが適しています。そ
れと脂肪の少ないのもいい。米国産大豆は油を搾るために品種
改良をしてきたわけですから脂肪分が多く、使いづらい難点が
あります。炭水化物が多いと、納豆菌が増殖しやすいわけで
す。国産大豆はすべての点で納豆に適しています。粒形は五〜
五・五ミリが今の主流です」
 
 ――国産大豆はどの程度使用していますか。
 
 「一時期、大潟村産の大豆を二千トンほど使ったり、国産大
豆が余った時は、割り当てもありすべて国産大豆を使った時が
ありました。でも、今は年間六千トン使っていますが、九九%
は米国などからの外国産です。国産は昨年、六十キロで二万五
千円から三万円に暴騰し手が出ませんでした。もし海外から手
当てしなかったら一個五百円の納豆になっていたでしょう」
 
 ――先ほど、米国からの大豆は精油用が中心で納豆に向かな
いという話でしたが。
 
 「昨年の暴騰で国産大豆は後退したわけですが、だから何で
もいいというわけではありません。三年前から米国の農場と加
工適性のある大豆の契約栽培を始めました。この農場は米国で
有機農業で最も権威のあるOCIA(有機農産作物改善連合)
の認定農場で、全くの無農薬栽培大豆を作っています。私が全
米から集めた納豆に向く品種の加工適性を調べ、その中で一番
のものを作ってもらっています。昨年はこれを千数百トン入れ
ました。量販店用にOEM(相手先ブランド)生産もしまし
た。また今年は、分解性のある農薬は使うが、できるだけ低農
薬の農場とも契約栽培しています。来年一月には二千トン入っ
てきます。無農薬で六十キロ一万二千円、無機栽培で四千五百
円です」
 
 ――国産大豆振興についてどう思いますか。
 
「六十キロ一万五千円以内だったら価格的には買い入れ可能で
すが、まずロットがないのがどうしようもないですね。ただ手
作りの製品などの原料として残っていくかもしれません。むし
ろ大豆は世界的なグローバルな視点で考えたほうがいいと思い
ます」。
 
 (やまだ・せいはん) 秋田県仙北郡仙南村生まれ。八ケ岳
農業実践大学校卒業。羽後食品工業専務。昭和57年社長。6
1年にヤマダフーズへ社名変更。全国納豆協同組合連合会副会
長。53歳
 
<安全を売る市場に強敵>
 
 安全・安心を売り物の一つにしてきた国産大豆に強敵が現れ
た。国産の供給不足、価格高騰を機に無農薬・有機と銘打った
米国産の輸入大豆が出回り始めている。大豆食品メーカーが、
原料手当てを海外の「有機栽培大豆」に照準を当て始めたため
だ。国産大豆にこだわりを見せていた生協も熱い視線を送って
いる。
 
 納豆業界大手のヤマダフーズ(秋田県)では米国アーカンソ
ー州ウエナーにあるサウザン・ブラウン・ライス社と契約し、
無農薬有機栽培大豆の直接輸入を平成四年から始めた。この会
社(農場)は米国の有機農産作物改善連合(OCIA)という
有機無農薬栽培を認証する機関の認定農場。ヤマダフーズでは
ここから千数百トンを直接輸入し、今後とも継続していく予
定。価格は六十キロ一万二千円。
 
 生協でも国産大豆使用の豆腐との切り替えが進んでいる。中
でも兵庫県のコープこうべでは、昨年十一月から米国アイオワ
州などの指定農場と独自の栽培基準での契約を始め「海外無農
薬栽培大豆使用絹ごし風コープとうふ」を開発、豆腐工場でも
単独のラインを作るなど、供給量を伸ばしている。七月からは
国産大豆一〇〇%使用の物に代わる商品を開発している。
 
<輸入物は米国産が主力>
 
 国産大豆が急減する中で外国産大豆に実需者の目が集まって
いる。最大の供給元は米国。JA全農などの推定では最近の食
品用大豆の総輸入量は百二十万トン前後となっている。このう
ち九十万トンほどが米国でほかは中国とカナダ。米国産の約八
割は「IOM」。これは五大湖の南のいわゆるコーンベルトと
される地域の一部、インディアナ、オハイオ、ミシガンの三州
から生産する大豆を総称している。
 
 この輸入食品用大豆の流通で卸的な役割をしているのが意外
にも油脂メーカーだ。最大手の日清製油鰍ヘ大型ふ頭を備える
横浜磯子工場に選別機を持ち、米国から入る一〇%、九万トン
を商社などから買い入れて独自に大手問屋に売却する。
 
 米国産大豆の輸入ルートは「IOM」を例にとると、現地の
シッパーとされる流通業者(大手商社が大半)が買い付けた大
豆はミシシッピ川を下ってニューオリンズ港に集められ、パナ
マ運河経由で日本に向かう。船積み以降は流通業者と提携した
日本の商社が担当する(一部は東海岸の都市・ボルチモアから
も積み出される)。
 
 日本に入るのは主に東京、名古屋、神戸の三港。今年八月に
商社が卸問屋に売り渡す価格はトン当たり平均三万千五百九十
円だった。日清製油鰍ナは商社から買った大豆を磯子工場へ荷
揚げ、大型ふるい機にかけて丸豆に選別する。
 
 現在、大手問屋への販売価格は「IOM」の低水準物で「選
別のプレミアをトン八千円上乗せ」(原料課)して同四万一、
二千円。六十キロ換算では二千五百円でしかない。これは国産
交付金大豆販売価格の五分の一程度。同社では「実需者は輸入
物にシフトしている傾向はあるが、国産価格次第では国産回帰
はある」(原料課食品大豆チーム)とみている。
 
<原料不足に悲鳴・生協>
 
 生協組合員など安心・安全にこだわる消費者に、国産大豆を
求める声が強い。ほとんどの生協で国産大豆を原料とした豆腐
や納豆などの商品を開発している。しかし昨年の原料不足、価
格高騰で状況は一変。輸入大豆への切り替えが始まった。それ
でも国産一〇〇%を守る生協、メーカー、農家の努力も根強
い。
 
 大豆製品では輸入原料物は国産に比べて極端に味が劣る。全
国の各生協では、こぞって納豆や豆腐などの商品を開発、日配
品の目玉として育ててきた。ところが昨年産の不作で国産農産
物にこだわり続けてきた首都圏を中心にした生活クラブ事業連
合、九州を中心にしたグリーンコープ事業連合などでさえ一〇
〇%国産大豆の製品は事実上不可能になった。北海道のコープ
さっぽろの試算によれば、一俵(六十キロ)三万円以上の大豆
を使うと、豆腐一丁が三百五十円、納豆一パック三百円以上に
なってしまう。
 
 グリーンコープ、生活クラブ、コープさっぽろ、コープ埼玉
など首都圏コープネットの会員生協などは、次々に輸入大豆五
〇%ブレンドの豆腐に切り替えている。これに伴い、グリーン
コープの昨年の共同購入一回平均の利用実績は納豆五万千五百
パック、豆腐八万九千七百丁だったが、今年はそれぞれ五万百
パック、七万八千九百丁に落ちている
 
 

 
『第5回加州ウォルナッツコンテスト、グランプリに「くるみ納豆」』
1994/08/08 日本食糧新聞
 
 カリフォルニア・ウォルナットコミッション(東京都港区赤
坂、03・5561・0401)主催による「第五回カリフォ
ルニア・ウォルナッツコンテスト」の最終審査会は7月26
日、東京・千代田区のキャッスル東急で開かれ、グランプリに
は自由創作部門賞の仙台市・(株)オーサキフーズの小沢武雄
氏の作品「くるみ納豆」に決定した。
 
 同コンテストはすでに恒例化しており、「食品市場および業
界全体の活性化」を目的に回を重ねるごとに規模、内容ともに
拡充されてきて四る。今回も応募総数二一〇点とこれまでの最
高を記録した。和・洋菓子部門七〇点、ブレッド部門四五点、
菓子パン部門四三点、栄養士部門一五点、自由創作部門三七点
という内訳。これまでも市場へのデビューを果たしたものも多
く、商品開発の登竜門として、各方面から高い評価を得てい
る。6月30日に締切られて、7月15日に第一次の書類審査
が行われたが、いずれも甲乙つけがたく審査員を悩ませた作品
ばかりだったという。二〇点が選ばれて、最終審査会でのプレ
ゼンテーションが行われて各賞が決定したもの。審査員には、
竹内冨貴子((株)カロニック・ダイエットスタジオ主宰)、
内田迪夫(日本パン科学会研究所長)、大井川光照(日本洋菓
子協会連合会技術委員長)、デービッドG・サーモン(ATO
所長)、デニスA・バリント(CWCマーケティングディレク
ター)、元吉正大(WCW日本代表)の六氏。
 
 冒頭、元吉日本代表は「今回は昨年を上回る二一三点の応募
が全国からあった。関係者に厚くお礼申しあげたいと思う。お
かげでウォルナッツも昨年の日本への輸入量は七〇〇〇tを超
える盛況です。そのうち約五二〇〇tがカリフォルニア産で約
七三%ぐらいのシェアで年々上がっている。これも皆様のおか
げです」とあいさつした。
 
 また、この審査会に来日したCWC本部のバリント・マーケ
ティングディレクターは「一九八七年にCWCの代表として来
日した時にベーカリー店を訪れたが、ウォルナッツを使った商
品がなく、がっかりしたのを覚えている。しかし、ここ数年来
のうちに状況は大きく変わってきた。カリフォルニア・ウォル
ナッツは菓子パンやキャンデーなどの加工食品の重要な原材料
の一つとなっている。これも九〇年代の自然食品志向にマッチ
したものと考えられる。コンテストも第五回を迎えるが、この
成功を振り返って見ると、それは生産者、輸入業者、加工業者
そして購入・販売者とすべての関係者が、私たちの夢の実現に
手を貸してくれたものと思っている。日本は、カリフォルニア
にとって最大のむき身の輸入者であり、加えて九三、九四収穫
年度で全世界規模の第二位の輸入実績をあげている。ここにカ
リフォルニア州五〇〇〇戸に及ぶ生産者を代表してお礼を申し
上げたい」と述べた。
 
 入賞作品は次のとおり。
 
 ▽グランプリ及び自由創作部門賞・「くるみ納豆」小沢武雄
((株)オーサキフーズ)▽和・洋菓子部門賞・「ウォルナッ
ツ・ウェディング」岡田美智子(熊本・キッチン岡田)▽ブレ
ッド部門賞・「クルミバターフランス」河上洋一((株)神戸
屋)▽菓子パン部門賞・「ノア・アンド・チョコ」松井秀春
((株)東急フーズ)▽栄養士部門・「七夕そばろ」本郷美穂
子。各部門賞は楯及び一五〇万円相当の販売促進サポート、グ
ランプリは、一五〇万円を加算した三〇〇万円が贈られる。
 
 

 
『古代エジプトの豆を納豆に、神奈川の農家』
1994/07/29 日本農業新聞
 
 【神奈川・海老名】三千年前の古代エジプト、ツタンカーメ
ン王の墓から発見された紫エンドウマメを納豆にして、古代エ
ジプトと日本古来の味をドッキングし、家族で風味を楽しんで
いるのは海老名市大谷の施設園芸専業農家の井出功一さん(五
○)。
 
 ツタンカーメンのエンドウマメはサラダやてんぷら、塩ゆ
で、みそ汁など、グリンピースと同じように食べられる。そこ
で井出さんは大好物の納豆にしたいと着目。いつも購入する業
者に納豆作りを依頼、市販のトレイよりやや小ぶりのトレイ入
り五個がこのほど完成。粘り気やにおいは普通の納豆より少な
く、色は茶褐色、味はまろやかでビールのつまみに最高とか。
 
 ツタンカーメンのエンドウマメは、一九二三年英国の考古学
者によってツタンカーメンの王墓から発見され、その後同国で
栽培に成功。日本には昭和三十一年に入り、各地で観賞用に栽
培されている。
 
 

 
『全国納豆協組連、全国の児童・老人施設に100万食を寄付』
1994/07/29 日本食糧新聞
 
 全国納豆協同組合連合会(東京都台東区、03・3832・
7090)は、全国の児童・老人養護施設に納豆を寄付した。
これは、7月10日「納豆の日」の記念事業の一環として行わ
れたもので、全国社会福祉協議会を通じて納豆一〇〇万食を贈
呈した。納豆は高タンパクで豊富な栄養があり、ナットウキナ
ーゼという血栓溶解酵素が脳血栓予防に大変効果的で、粒食が
幼児の顎の発達を促進して頭の働きをよくすることから、児
童、老人の養護施設に贈呈することが決まったもの。
 
 同協会の高星進一会長は8日、井出正一厚生大臣に「納豆一
〇〇万食」の目録を贈呈、その後、井出大臣も子供のころから
大好物という納豆をプレゼントした。高星会長は、納豆には酵
素やビタミンなどの栄養素が豊富で、病気の予防や健康維持に
役立つことから「国民医療の減少にも寄与する食物」であるこ
とを強調、それを受けた大臣は「日本人の朝食は何といっても
ご飯と味噌汁、そして納豆というのがいいですね」と、納豆談
議が盛り上がった。
 
 同日、国会議員もこの夏を元気に乗り切ってもらいたいとの
ことで、衆議院会館第一、第二食堂で納豆を配布、議員をはじ
め関係者の高い評価を受けた。
 
 

 
『関心呼んだ秋田の国際会議、食料難救うと大豆に期待』
1994/07/07 日本農業新聞
 
 「大豆は貴重なたんぱく源、アフリカの飢餓を救うためにも
大豆の食文化の普及を」――秋田市でこのほど開かれた第三回
アジア無塩発酵大豆会議には、アフリカや欧米の研究者が集ま
り、大豆を普及しようと誓い合いました。関心を呼んだ納豆な
どの食品、世界の大豆事情を紹介します。
 
 《大豆食品は多彩》
 
 無塩発酵大豆は納豆菌などを利用して作られる大豆加工食品
の総称。沖縄の「豆腐よう」も関心を呼びました。豆腐を乾燥
させて、泡盛を加えて発酵させます。クリーミーチーズの風味
で、近年は新製品も開発されているといいます。
 
 韓国の「戦国醤」(せんごくしょう=チョングッチャン)
は、みそを乾燥させた乾燥納豆の一種。戦時に副食として利用
したもの。日本の納豆のようにパック詰めでも販売されます。
中国でも、しょうゆや醤、豆(豆支)(とうし)、豆腐乳など
の発酵食品が盛んです。
 
 東南アジアにも納豆の仲間がたくさん。インドネシアの「テ
ンペ」、ネパールの「キネマ」、ミャンマーの「ベボ」、タイ
の「トゥアシ」、ブータンやインド各地の伝統的な無塩発酵大
豆も報告。蒸した大豆をつぶし、木の葉を敷いたかごなどに包
み酵させる……などの方法で作られます。
 
 アジア食文化研究家の吉田よし子さんは「乾燥品として保存
し調味料として使うことは知られていたが、新鮮な生納豆をハ
ーブ類と混ぜて食べたりいためて食べるなどの料理法も見つか
った」と現地調査を踏まえて報告。干し納豆を刻んで揚げたふ
りかけなどの食べ方も紹介しました。
 
 《関心呼ぶ大豆》
 
 米国ではインドネシアの「テンペ」がヘルシー食品として人
気。ねばねば型でない、発酵した大豆が白い菌糸で結合された
ケーキ状。テンペ・バーガーなど二次加工製品も多彩です。食
用大豆の有機栽培も盛ん、といいます。
 
 西アフリカには「ダワダワ」という各種の種子を納豆菌で発
酵させた食品があり、大豆料理も広がりをみせます。九州大学
農学部の原敏夫助教授は「納豆のルーツは中国の雲南辺りと考
えられるが、ダワダワが知られて納豆の糸はアフリカまで延び
た」と注目。
 
 アフリカではナイジェリアで大豆をペースト状にして食べる
食文化があり、トウモロコシなどと大豆を一緒に植えると害虫
が付きにくい研究なども報告。世界銀行西アフリカ局のS・
R・シン博士は「有効な大豆を放っておく手はない。小さなス
ケールで加工もできる」と強調します。
 
 日本の研究者から「西アフリカ沿岸の魚をとり尽くした日本
に、たんぱく質を返して……と支援が求められている」との報
告も。大豆を飼料や油料作物としてだけでなく、直接食料とし
て消費していくための必要性が各国から提起され、国際協力を
決議しました。
 
 

 
『「くらしの110番」納豆は製造3日後が美味』
1994/07/06 日本農業新聞
 
 【問い】賞味期間内の納豆でぽつぽつと白いものがあります
が食べても安全でしょうか。(千葉県・S子)
 
 【答え】納豆は品質低下するとアンモニア臭が強く感じられ
るようになります。新鮮なものでも、開封時にはややアンモニ
ア臭がするものです。
 
 また、結晶にした班点状の白いものが出てくることがありま
す。これは、アミノ酸の一種で、チロシンと呼び、多くのたん
ぱく質に含まれています。
 
 食べて有害ではありませんが、舌ざわりが悪くじゃりじゃり
という感じがします。
 
 さらに、品質が低下の状態としては納豆が水っぽく感じられ
るようになります。
 
 このチロシンはタケノコの缶詰やみそなどのも見かけられる
ことがあります。
 
 納豆は製造後二、三日すると醗酵熟成がピークに達し、うま
み成分が増加しますので、一番おいしく食べられる期間です。
 
 

 
『国際納豆会議で決議、大豆を普及しアフリカ支援』
1994/06/07 日本農業新聞
 
 秋田市で開かれていた「国際納豆会議」(国際大豆食品フェ
ア・第三回アジア無塩発酵大豆会議)は六日、アフリカの開発
途上国で大豆を普及し技術援助していく決議を採択し閉幕し
た。
 
 同決議は、当日行われた国際フォーラムで「アフリカ農業の
中で大豆の役割が重要だ」と提起されたことなどから、国連や
日本の関係機関に具体的な行動計画と連携を求めるもの。途上
国間の“南南協力”を重視し、大豆の位置付け、人材養成など
を急ぐべきだとしている。
 
 秋田市文化会館などで三日間開かれた「国際納豆会議」では
インドネシアの納豆といわれる「テンペ」は米国でも普及し、
アジアの納豆や大豆の発酵食品が世界から注目されているとの
報告が相次いだ。アフリカの食料難を救うために「大豆や豆類
を作ることが自給力向上と環境保全の面からも有効だ」と提起
された。
 
 

 
『納豆は人類を救う、秋田市で“国際会議”、大豆の食文化を交換』
1994/06/05 日本農業新聞
 
 食料不足の二十一世紀にならぬよう、今こそ大豆を見直そう
――。「国際納豆会議」(国際アジア無塩発酵大豆会議)が四
日から秋田市で始まった。日本をはじめアジア、アフリカでも
大豆の食文化を積極的に普及していることを紹介。納豆など各
国の大豆料理も披露されている。六日まで日本、海外の研究者
らが大豆の食文化を交換し、「納豆は人類を救う」と提起、ア
フリカへの技術援助などの決議が行われる。
 
 日本伝統食品研究会、国連大学などが共催、農水省、外務
省、秋田県などが後援、JA秋田経済連などが協賛した。納豆
菌から作られる大豆加工食品の総称が無塩発酵大豆。一九八五
年の筑波研究学園都市、九〇年のインドネシア・ジャカルタに
次いで開かれた第三回アジア無塩発酵大豆会議に合わせて、国
際大豆食品フェアも開かれた。
 
 秋田県は大豆生産全国二位、また日本の納豆発祥の地ともい
われ、地域挙げて国際会議に取り組んだ。約十五か国、三百二
十人が参加。四日は秋田市のアトリオン音楽ホールで「世界の
大豆・発酵食文化」の記念フォーラムが行われた。
 
 日本伝統食品研究会の天野慶之代表は「伝統食品は身近な主
原料自給して食卓にのせるもの。オートメーションなどに頼ら
ずに作られてきた。この点を人類はまともに見つめなければな
らない」、実行委員長の山田清繁秋田納豆商工業協同組合理事
長は「二十一世紀は食料難の時代という。動物性たんぱく質に
頼るより、直接植物性たんぱく質を食べる方が有効で、健康に
もよい。会議を通して世界に大豆の情報が波及されるようにし
たい」となどとあいさつした。
 
 フォーラムでは大学や研究機関代表が世界に大豆の伝統食が
あり、健康面からも見直されていることなどを報告。食品フェ
アでは国内の納豆食品をはじめ、インドネシアの納豆といわれ
る「テンペ」など、各国の大豆食品が展示された。
 
 また、大豆食品調理展示・試食会ではナイジェリアの五人の
女性らが、実際に大豆料理を作って披露した。ケイジェリアは
アフリカの大豆食品普及のリーダーとして積極的に活動してお
り、アジア、アフリカからの参加者の関心を呼んだ。五、六日
はアジア無塩発酵大豆会議、国際協力フォーラムが秋田市文化
会館で開かれる。
 
 

 
『大豆の契約栽培振興へ、JA全農が冊子』
1994/04/14 日本農業新聞
 
 JA全農は国産大豆の契約栽培を広げるため、冊子「大豆の
契約栽培」を一万部作成した。みそや納豆用の大豆は、安全
性、風味の良さから国産原料に根強い人気があるが、生産は著
しく減り、大幅な供給不足となっているのが現状。このため、
生産側と需要側で契約栽培を結ぶことで、安定生産と国産大豆
の長期的な需要確保を目指す。
 
 冊子は、契約栽培の手順や交付金制度の仕組みなどを紹介。
併せて、自給率が四%に落ちている現状や、基本技術の励行を
呼びかけている。問い合わせは、全農農産部特産課、(電)0
3(3245)7186。
 
 

 
『[あぐり相談]納豆用の大豆入手先を教えて』
1994/04/10 日本農業新聞
 
問い 自家用の納豆作りを楽しんでいます。専用大豆の「納豆
小粒」の入手先を教えて下さい。 (北海道雨竜町・中野智
夫)
 
答え 「納豆小粒」は茨城県が奨励品種に採用しており、他県
では作っていません。農水省は「個人で種子を購入する場合、
茨城県の奨励品種と断って、まず最寄りのJAを通じて頼んで
みること」としています。
 
 「納豆小粒」は関東で栽培される大豆の中でも晩生の品種
で、収穫期は茨城県で十一月に入ります。試験研究機関の話で
は、北海道では雪や霜の害が予想されうまく育たないようで
す。
 
 道が奨励する小粒品種には「スズマル」「スズヒメ」があり
ます。百粒重が約十三グラムと、「納豆小粒」の十グラムに比
べ粒は大きめです。このほか東北で栽培される「コスズ」もあ
りますが、北海道に向くほど早い熟期ではないとのことです。
 
 

 
『「なっとううどん」香り楽しめる健康食、秋田の食品会社』
1994/04/07 日本農業新聞
 
 生の納豆エキスをうどんに練り込んだ「なっとううどん」が
好評だ。これは秋田市のいずみプランニングが開発したもの。
つるつるとした食感と豊富なたんぱく質が特徴で、ほんのりと
した納豆の独特の香りも楽しめる。
 
 開発したのは昨年の夏。「納豆は秋田が発祥の地。それをア
ピールする商品が作りたかった」(泉博史社長)と、うどんと
納豆の組み合わせに取り組んだ。直接練り込むよりは、エキス
を抽出し、練り込む方法を考えた。それが、見栄えもよいし、
食感もよいということが発売以来の人気だ。もちろん、納豆の
原料大豆は国産を利用、秋田の納豆をアピールしている。
 
 「うどんの太さはそばとうどんの中間くらいで、ゆでるとほ
んのり納豆の香りもする」というのが人気の秘密。また、「普
通のうどんには、たんぱく質はほとんど入っていないが、この
うどんには一一%含まれている」ことで健康食品としても優秀
だ。
 
 昨年は県の特産品開発コンクールでも優良賞を受賞してお
り、一層拍車がかかった。秋田市内にも、なっとううどんを出
す店を開いているいずみプランニングでは、「今年の六月に
は、秋田で納豆サミットも開かれるのでもともっと秋田の納豆
を知らせたい」と意欲的だ。
 
 郵送にも応じており、一キロ入り化粧箱(二百五十グラム四
束、十人分)三千円(税込み)など数種類。問い合わせは同
社、(電)0188(64)0564まで。
 
 

 
『納豆はやっぱりわら包み、四角い形とボリュームが人気、茨城』
1994/03/30 日本農業新聞
 
 【茨城・常総ひかり】スーパーマーケットでは発泡スチロー
ルに入った納豆が主流だが、結城郡八千代町でしょうゆ醸造業
を営む横島昇さん(六○)は、七、八年前からわらでくるんだ
納豆作りを始めた。
 
 この納豆は形がちょっと変わっている。普通はわらを束ねた
中に入れた筒状の納豆だが、三十センチ四方の正方形の形をし
たわらの中に、平らに包んだ横島さん独自の形だ。ボリューム
満点で一個一・八キロもある。納豆をくるむわらは近隣の農家
から購入している。
 
 横島さんは「昔、各家庭で作っていた味に似かよった味にし
たい」と手作りの味を目指して始めたが、評判も良く、今では
近隣だけでなく、遠くは県外からも足を運んで来る人がいると
いう。しかし、生産量は一日に百個から二百個くらいが限度
だ。
 
 わらの香りとともに、食卓に乗せられる納豆――温かいご飯
と一緒に食べると食欲も進み、一日の活力源として人気があ
る。
 
 

 
『安全な食品求め、ネットワーク作り、新潟・JA三島』
1994/03/12 日本農業新聞
 
 【新潟・三島】JA三島中部は「くらしの見直し活動」とし
て、食をテーマに学習会を開いている。その中で、安全な食品
が食べたい仲間が集まって、地元で生産できるものは地元で商
品開発し、地元で生産できないものは、ほかのJAから産直す
るシステムを始めた。
 
 そこで開発したのが、極小大豆を使った「納豆」。「子供た
ちに安心して食べられる食品を食べさせよう」「毎日使う調味
料から見直していこう」ということで、ここから「食のネット
ワーク」の仲間づくりが始まり、二十人で共同購入委員会を設
立した。月二回の共同購入に当たり商品内容の検討、地元商品
の開発などにその活動が期待される。
 
 

 
『旭松食品、「なっとういち」で行楽グッズ・プレゼント』
1994/03/11 日本食糧新聞
 
 旭松食品(株)(大阪市淀川区田川三‐七‐三、06・30
6・4121)は、納豆の最需期を迎えて、「なっとういち」
を対象商品に消費者キャンペーンを実施しているが、その内容
は次の通り。▽名称「なっとういち」春の行楽キャンペーン
 
 ▽企画内容は応募者の中から抽選で合計二〇〇〇人に「おさ
るのもんきち」の行楽グッズをプレゼントする▽実施期間は3
月1日から3月31日まで、プレゼント内容はA賞ランチセッ
ト(ランチケースとランチバッグ)一〇〇〇人、B賞ウエスト
ポーチ一〇〇〇人▽対象商品は旭松「なっとういち」全アイテ
ム。告知方法は「なっとういち」超小粒WP、超小粒三段パッ
ケージへの刷り込み、応募はがき、TVCM。応募方法は対象
商品のパッケージについているバーコードを切り取り、一枚を
一口として応募はがき、または官製はがきに貼り付け、住所、
氏名、年齢、職業、電話番号、買い上げ店名を記入のうえ応募
▽宛先=〒530‐91大阪中央郵便局止、旭松食品(株)な
っとういち「春の行楽キャンペーン」係▽抽選発表=3月31
日消印分までの応募者の中から厳正な抽選のうえ当選者を決定
し、商品の発送をもって発表にかえる▽対象エリア=近畿地区
および中部地区の一部
 
 同社では「キャンペーン企画を通じて売場の活性化、最需要
期にかけての売上げ拡大につなげていきたい」としており、同
社の納豆部門の売上げは前期比三〇%増という驚異的なペース
で推移しており、今期(3月末)の目標三六億円(前期二七億
八〇〇〇万円)達成は確実である。昨夏には関西地区の生産拠
点として小野工場が完成、稼働して地区における生販体制は充
実、関西地区は納豆消費の成長期であるだけに、今期二桁増は
確実に見込める商品である。関西地区の有力量販店の前期(2
月末)の売上げはイズミヤ、ジャスコ、ニチイ各社ともに一
五%増という好調商品にランクされており、トップ商品は「な
っとういち」で、各社ともに二六〜二七%のシェアを確保して
おり、キャンペーンの展開はさらなる消費の活性化と拡大につ
ながるものと期待されている。
 
 

 
『「虹のブランド」“東都カップ極小納豆”、JAやさと、東都生協』
1994/03/07 日本農業新聞
 
 茨城県のJAやさと(新治郡八郷町)は、東都生協と連携
し、地場産大豆を一〇〇%使用した「東都カップ極小納豆」を
製造。さらに商品名「やさと納豆」もJA向けに販売、両組合
員から好評。特に減農薬で栽培した納豆専用大豆を使用してい
ることから味、安全面で大いに評判を呼び、売り上げも順調。
また、同JAでは、売り上げの一部を積み立て、生産対策に充
てるなど、納豆を軸にした産地育成を図っている点も注目され
ている。
 
 JAやさとと東都生協との連携は早くから行われ、昭和四十
九年に卵の産直を始めたのが契機といわれる。その後、ブロイ
ラーや生シイタケなど農畜産物の産直が活発化。人の交流も盛
んとなり、生産・消費者のきずなを深めていった。その密接な
関係から生まれたのが納豆の製造、販売だ。
 
 納豆の供給が始まったのは同JAの納豆工場(四百平方メー
トル)が完成した平成元年からだが、東都生協ではそれ以前か
ら都内の業者に製造を委託、国産大豆を使った納豆を販売して
いた。その原料の提供元がJAやさとだった。しかし、委託し
ていた工場が廃業、そこで生協サイドから原料提供だけでなく
加工も委託されたのがきっかけ。
 
 同JAでは「生産者が生産したものを自らの手で加工するの
が将来の農業の姿だ」と判断。水田農業確立条件整備事業の一
環として加工処理施設を建設した。農産加工のノウハウがな
く、当初は手探り状態が続いたが、JA職員で工場長を務める
飯田久さんが約一か月間、都内の工場へ技術研修を行うなど、
試行錯誤を繰り返し軌道に乗せた。
 
 現在、同工場では五十グラム入り二個を一パックとして日量
九千パック製造。「安心して食べられ、納豆本来の風味があ
る」(同JA谷島吉右エ門産直課長)と評判が口コミで広が
り、年間百九十四万パック(生協扱い)を製造。今年は二百万
パックを目標に据えている。
 
 原料となる大豆品種は納豆専用の「納豆小粒」。六十ヘクタ
ールで栽培され、全量納豆加工用として「政府売り渡し価格よ
り若干高く」(同JA)で引き取られる。昨年は、農家還元と
原料確保に向け種子を無料配布。今年からは納豆の売り上げの
一部を基金として積み立て、秋の収穫へ向け大型機械を導入す
るなど、増産体制の確立を図っていく。
 
<メモ> 
 
 ◇JAやさと=生協との産直が管内農業の方向と位置付け
「農業を基盤としたJA」を目指している。平成三年の産直に
よる青果物供給額は約三億七千八百万円。人の交流も含めた総
合産直を進めており、産地訪問、体験田のほか生協祭りへの参
加など活発な交流を展開している。
 
 ◇東都生協=組合員数約十三万人。年間供給高約三百六十億
円(昨年実績)。「天然牛乳を安く飲む会」を前身に、一九七
三年に設立。共同購入中心で店舗は都内二か所。本部は東京都
三鷹市。
 
 

 
『納豆、みそ、豆腐など手作り、群馬県松井田町の横田さん夫妻』
1994/02/16 日本農業新聞
 
 【群馬・碓氷安中】何でも簡単に買って手に入る時代だが、
松井田町小日向の横田義雄さん(六八)、いち子さん夫妻は納
豆、みそ、豆腐など昔からの伝統食品を手作りしている。「農
業の魅力は自給自足で手作りの良さ」と話し、自然食品を料理
に生かして健康づくりを実践している。
 
 横田さんは、八年前に三十六年間勤めた勤務先を退職し、本
格的に無農薬の手作り食品に取り組みだした。今作っているの
は、昔から自給されていた納豆、豆腐、こんにゃく、ひまわり
油、アワ、ヒエなどの雑穀類。水稲も無農薬、無肥料で二十ア
ールの「コシヒカリ」を栽培している。
 
 水田転作で大豆を作り始めたのがきっかけで、いかに体に良
い大豆を料理で使うかとレパートリーを広げたという。納豆は
発泡スチーロールと電気あんかを工夫し、自分の水田の稲わら
を使用。へちま化粧水も長年愛用している。
 
 「人間の命は医食同源というが、食生活が何より大事。経済
大国になったものの、穀物自給率はたった三〇%という寂しい
現状だ。輸入食品はポストハーべスト、農業は国の基であり、
島国である日本は経済成長はしたものの、大切なものを忘れて
いる」ときぱり言う横田さん。
 
 水稲も別居している子供や孫たちを呼び稲刈りなどを体験さ
せている。農業は体験が大事と話し、理想の農業を自ら実践し
伝統の食生活・文化を後世に伝えたいと張り切っている。
 
 

 
『「横溝納豆」を復活、生徒が伝統の味継承、滋賀県立八日市南高校』
1994/01/11 日本農業新聞
 
 【滋賀】ふるさとの伝統食品について学習を進めている県立
八日市南高校生活科で、現在ではほとんど作られなくなった愛
知郡湖東町横溝に伝わる納豆作りに挑戦、見事に復活させ地域
の活性化へ結びつくものと話題を集めている。
 
 同科では、四年前から実習課題の一つとして大豆の利用と調
理法を学習。これまでに豆腐作りなどに取り組んできた。今年
は、学習課題の中にふるさとの伝統食品を見直すこともその目
的の一つに加え、「横溝納豆」の名で親しまれてきた同町横溝
の郷土食に着目。老人を訪ね、伝統の作り方の秘伝を教わり、
消えかけている横溝納豆作りに取り組み、伝統の味の復活に成
功した。
 
 横溝納豆は、冬場の日常食品として知られているが、作り方
をマスターしている人は少なく、伝統の火も消えつつあるのが
現状。
 
 生徒たちが手作りした納豆は、昔ながらの横溝納豆とほとん
ど変わらないと地域の人からもお墨付き。原料が転作大豆で、
大豆栽培の振興との結びつきも踏まえ、今後の地域の活性化に
一役買うものと関係者に高い評価を得ている。
 

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